神様自学

天ノ谷 霙

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2月15日 2つ目のヒント

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蓮乃くんは影または薄い輪郭であれば認識出来ると前に述べていた。光の色ははっきり見えるのに、その正体が人でなければ中身までは認識出来ない。そんな状態。その時稲荷様に私は高校生になるまで見えなかったようだと言われた。私もそう思っていたし、稲荷様の心の音に誘われて姿を見るまでそんな非日常的なことある筈ないと思っていた。音の正体は心とかそういうのでも何でもなく、私が変わってるだけ。そんな風に思い込んで。
でもよく考えたらおかしいのだ。
何故今まで見えなかったものが急に見えるようになったのに、私はあまり驚かなかったのだろう。
稲荷様を神だと認識してもそんなに衝撃はなかった。"恋使"になることにほとんど躊躇いがなかった。知っていた。彼らと話すことがとても楽しいことを。受容される喜びを。私の"心の音が聞こえる"力を不気味がらず、普通だと笑ってくれることを。そんな居場所をいつも探していた。行きたかった。例え人にその空気が毒であり、いつかこの身が枯れ果て死に至るとしても。私をただの個だと見てくれる場所はそこしかなかったから。
幼い私にとって現世とあちらの世に境目はない。無意識に行き来して、人ならざるモノと関わっては決まって熱を出していた。いつの日かその熱の正体があちらに行く所為だと気付き、いつの日かそれが人間らしくない行動だと気付き、封じ込めるようにして忘れ去った。見える景色にフィルターを掛けて、認識してないふりを繰り返した。そんなことも忘れてしまった時に、羅樹に気持ちを伝えられない自分に嫌気がさしてとうとう神頼みを始めたのだ。そうして通っていたある日、稲荷様の姿を認識した。フィルターも掛からず、はっきりとその瞳に写した。それから"恋使"になって、色々なことがあって、たくさん悩んで、幸せな姿を見て、毎日を生きている。私を受容してくれる世界を半分に分けながら生きている。
最近体調不良に倒れるのはきっと、あちらの力を使っているからだ。私が最初に体調を崩したのは呪いを受けた時。その果てに、記憶を辿る力を使えるようになった。直後は何ともなかった。使ったのはあちらの世だったし、むしろスッキリした気分だった。1週間倒れたのは、せん様達のゴタゴタに巻き込まれた時だ。あの時はかなり力を使って疲弊していたし、この世ならざるモノに好かれて幾人もの力を宿した所為。つまりこちらの世で力を使えば使うだけ代償のように不調を起こす。
今更ながら気付いた自分の真実に、思わずため息を吐きたくなる。
それと同時に、ふと疑問が過った。

羅樹の過剰な心配は、何処から来るのだろう。
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