神様自学

天ノ谷 霙

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体育祭前日準備

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いろいろあったが、無事校外学習を終え、ホッとするのも束の間、体育祭が目前まで迫ってきていた。もう2回目なので、ペース配分を考えて出来ている。それがとても楽で、ホッとした。去年は頑張りすぎてしまう人がいたり、逆に全くやらない人もいた。その仕事が出来る出来ないはあると思うけれど、五体満足な人ならば出来る事すらもやらない人がいた。それは流石にどうかと思い、指摘した人もいたが、案の定、敵として見なされ対立が起きた。
今年もなりかけたが、ギリギリでお互い譲歩して対立は免れた。裏で起こっていたいぎめと呼ばれるあの卑劣な行為を行った人々も、今は大人しくしている。和解できたのかは定かではないが、前にも話した通りターゲットとされていた三原さんには笑顔が戻っている。私はそれ以上詮索するのはやめたけれど、情報通の由芽が何も言ってこないということは収まったとみて良いと思う。
「夕音ー」
「はーい」
私の名前を呼ぶ声がして、振り返るとそこには亜美がいた。亜美は応援合戦の衣装を持って立っていた。
「どうしたの?」
「えっと、ちょっと着てみてほしいんだけど、良い?」
亜美は、私が普段着では絶対着ないようなフリルがついた可愛らしい服を差し出す。
「あの、なんかサイズが無かったみたいで、何人かが大きめだったり小さめだったりするんだけど…夕音は身長的に確実にそうなるから、着てみて貰って良い?駄目そうだったらいろいろ工夫するから」
お願い、と自然に上目遣いされると、私に選択肢は無くなっていた。了解、と言う以外の選択肢は。私はそれを悟って、亜美から服を受け取り、適当な空き教室で着替えることにした。
「う、わ…っちょっと、小さいかなぁ」
袖が大きめだから、腕は大丈夫だったが、丈や少し体を締め付けられていることが心配だった。
「あ、亜美?」
「はいはーいっ」
亜美は、私の着替え終わった服を見て「やっぱ小さい?」と聞いてきた。私は丈の関係上出てしまったお腹を隠しながら頷く。すると亜美は裁縫道具を取り出した。
「少し切って、そこにフリルとかつけて誤魔化すしかないかなぁ…お腹出すって言うと、嫌がる子多いし」
「そうしてください…」
「じゃあ、サイズに合わせて切ったりとかしたいから、もう少し我慢してね」
亜美が器用な手つきで布を断ち、縫い合わせていく。「余ったフリルがあって良かった」と言いながら10分もしないうちに作り上げる。さっきまで体を締め付けていた服は緩まり、優しく体を包んでいた。
「よし、終了。大丈夫?」
「うん。すごい楽」
「良かった。じゃあ、あたしは小さめになっちゃった子を呼んで、調整するね」
「ん、了解。私は着替えたら戻るよ」
「オッケー。じゃあ外にいるから終わったら呼んでね」
「うん」
私は服をさっさと着替えて、クラスに戻る。亜美もラストスパートをかけていた。
「楽しみだなぁ…」
私は去年の体育祭を思い出しながら、そう呟いた。
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