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"化かし日和のともしび" 6
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「強情なお嬢さん、ここにはもう、君を蝕む人はいないよ」
ふわりと、アマネ(霙)を抱き寄せるセイ(由芽)。その瞬間視界が晴れて、黒とは正反対の、真っ白な世界が広がる。まるでセイに包まれているような世界だ。アマネは、瞳から涙を溢していた。
「適当な理由をつけて他人に責務を押し付ける人も、泣き真似で同情を煽る人も、誰かを助けるふりをして自分を優しく見せたいだけの人も、口だけは達者な人も、まるで全てを君の意思のように語る人も、画面越しに怒りをぶつける人も、画面越しのエンターテイメントに一喜一憂する人も、同じ感情を抱く人同士で固まろうとする人も、"優秀"のレッテルに頼る人も、喚き散らせば誰かがやってくれると信じてる人も、皆々ここにはいない。君を愛しているふりをして、君を助けるふりをして、エゴのために君を犠牲にしようとする人は、全て、君が置いて来た。君の大嫌いな世界は、ここにはないよ」
くすりと笑う声がする。アマネが顔を上げるとセイがふわりと微笑んで、また優しく抱きしめた。
「痛かったよね、叫びたかったよね。優しい君を擦り減らす世界を、壊したかったよね。ずっとずっと、我慢して来たんだよね」
セイの言葉に、アマネは泣きながら頷く。その表情は苦痛に歪んでいるけれど、ほっと安堵しているようにも見えて。子供のようにセイの手を掴み縋る姿に、アマネは今までどれだけ涙を我慢して来たのだろうと息を呑む。
「セイ、セイ…っ」
セイに優しく頭を撫でられ、アマネは緊張を解くように体を反転させる。そうして向かい合ったセイの背に縋るように腕を回し、ぎゅっと抱き締めた。
「いいよ。好きなだけ吐いて。嫌いも、痛いも、嫌だも全部、言葉にしていいんだよ」
「セイ、セイ、セイ…っ私、本当は疲れてたの。どうしようもないって諦めるのが嫌、お互いに酷い役を押し付け合うのは嫌い、こんな時まで私を利用しようとする視線が痛かった…っ」
うん、と頷きながらセイが微笑む。アマネの言葉を受け止めるように。
アマネとセイの両隣に、人影が現れる。先程アマネを追い詰めた現世の記憶だ。それはアマネの言葉が紡がれる度に、激しく燃え盛る炎となる。
「嫌い、痛い、怖い、酷い。許せない、苦しい、やめてほしい、大嫌い!」
アマネの言葉によって灯された火が、世界に溶けていく。光の花が舞うように、悪意が生み出した言葉が炎となって辺りを包む。
そして同時に、アマネの表情が和らいでいく。浄化されたように、昇華されたように、アマネが一つ言葉を紡ぐ度に、付随する悪感情が世界へ溶けるように燃えていく。
「頑張ったね、アマネ。ずっとずっと偉かったね」
慈愛に満ちた言葉が、アマネに降り注いだ。
ふわりと、アマネ(霙)を抱き寄せるセイ(由芽)。その瞬間視界が晴れて、黒とは正反対の、真っ白な世界が広がる。まるでセイに包まれているような世界だ。アマネは、瞳から涙を溢していた。
「適当な理由をつけて他人に責務を押し付ける人も、泣き真似で同情を煽る人も、誰かを助けるふりをして自分を優しく見せたいだけの人も、口だけは達者な人も、まるで全てを君の意思のように語る人も、画面越しに怒りをぶつける人も、画面越しのエンターテイメントに一喜一憂する人も、同じ感情を抱く人同士で固まろうとする人も、"優秀"のレッテルに頼る人も、喚き散らせば誰かがやってくれると信じてる人も、皆々ここにはいない。君を愛しているふりをして、君を助けるふりをして、エゴのために君を犠牲にしようとする人は、全て、君が置いて来た。君の大嫌いな世界は、ここにはないよ」
くすりと笑う声がする。アマネが顔を上げるとセイがふわりと微笑んで、また優しく抱きしめた。
「痛かったよね、叫びたかったよね。優しい君を擦り減らす世界を、壊したかったよね。ずっとずっと、我慢して来たんだよね」
セイの言葉に、アマネは泣きながら頷く。その表情は苦痛に歪んでいるけれど、ほっと安堵しているようにも見えて。子供のようにセイの手を掴み縋る姿に、アマネは今までどれだけ涙を我慢して来たのだろうと息を呑む。
「セイ、セイ…っ」
セイに優しく頭を撫でられ、アマネは緊張を解くように体を反転させる。そうして向かい合ったセイの背に縋るように腕を回し、ぎゅっと抱き締めた。
「いいよ。好きなだけ吐いて。嫌いも、痛いも、嫌だも全部、言葉にしていいんだよ」
「セイ、セイ、セイ…っ私、本当は疲れてたの。どうしようもないって諦めるのが嫌、お互いに酷い役を押し付け合うのは嫌い、こんな時まで私を利用しようとする視線が痛かった…っ」
うん、と頷きながらセイが微笑む。アマネの言葉を受け止めるように。
アマネとセイの両隣に、人影が現れる。先程アマネを追い詰めた現世の記憶だ。それはアマネの言葉が紡がれる度に、激しく燃え盛る炎となる。
「嫌い、痛い、怖い、酷い。許せない、苦しい、やめてほしい、大嫌い!」
アマネの言葉によって灯された火が、世界に溶けていく。光の花が舞うように、悪意が生み出した言葉が炎となって辺りを包む。
そして同時に、アマネの表情が和らいでいく。浄化されたように、昇華されたように、アマネが一つ言葉を紡ぐ度に、付随する悪感情が世界へ溶けるように燃えていく。
「頑張ったね、アマネ。ずっとずっと偉かったね」
慈愛に満ちた言葉が、アマネに降り注いだ。
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