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疑問listen 紗奈
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放課後。生徒が自由に校舎内を歩き回っていた。ある者は帰路につき、ある者は自分の仕事をしに何処かの教室へ入った。
私は人通りの少ない一階から二階に向かう階段に座ってぼーっとしていた。
「はぁ…」
思わずため息をつく。返事をしようか迷っているところだった。自分の気持ちもわからないうちに、返事なんてしていいものだろうか。そもそも、それで私も竜夜も幸せになれるのだろうか。多分、なれない。私も、竜夜も……。
「好きです」
上から声がした。
びっくりして階段を見上げると、そこには後輩に告白されている男の姿があった。
「りゅ……や…」
そう、男は竜夜だった。竜夜は、モテるのだ。優しくて、面白くて、一緒にいると安心出来るような存在で、好きだという人は多い。しかし、その反面本気で好きになる人は少ない。ファンが多くて、告白もたまにあるけど、そこまで本気じゃない。振られると悲しくて泣く人もいるけれど、次の日にはケロッとファンに戻っている人も多い。
そういう人たちを見てきたからか、今の告白は「本気」だと感じた。心の底から竜夜が好きだと伝えたい告白だった。
OKするだろう。脈があるのかないのか判らない私より、素直にならないで嘘をついて逃げている私より、あの後輩の方が良いだろう。私は必死にそう思おうとした。けれど現実は違って。竜夜は予想外の言葉を告げた。
「ごめんね、俺…好きな人がいるから」
「…っでも、あたし…待ちます。先輩の気持ちがあたしに向いてくれるまで待ちます」
後輩は諦めがつかないようで、自分の気持ちを話した。竜夜はその健気さを前にしてきちんと断ろうと思ったのか、
「ごめんね。諦め悪いんだ、俺」
と人差し指で頬をかきながら言った。その言葉に、後輩は自分の入る隙間はないと察したのか目に涙を浮かべながら無理矢理笑顔をつくった。
「ありがとう、月宮さん」
「…こちらこそ、ありがとうございました…っ」
笑顔でお礼を言った竜夜に、後輩も笑顔で返す。後輩は涙を隠しながら階段を上がっていった。
下りてきた竜夜は私に気づき、罰が悪そうに頭を掻いた。
「今の…聞いてた?」
「聞こえた」
顔を伏せながら、短く答えた。
「そっか…。なんか、元気ないな?どうしたんだ?」
「…っ!」
もしかしたら、最後のチャンスかもしれない。私の…本心を伝えることができるかもしれない。
「何で黙っているんだ?いつもならすぐ喧嘩売ってくるのに。あっ、昨日のこと?」
竜夜は真剣な雰囲気を追い払うかのように笑った。
「…笑わないでよ。軽い」
「俺の長所だよ」
手を動かしたり指を組んだりして、笑っている。私は、ぎゅっと唇を噛んだ。そして、告げた。
「あっそ…。竜夜なんて…」
「え?」
「いつも笑ってて、軽くて、真剣に話すと逃げ場なくして…嫌だ」
「…嫌い?」
私は首を振った。横に、首を。
「え?」
「…すき。近すぎて気付かなかったんだよ」
目が熱くなる。心臓が痛いくらいにドキドキする。ふわっと頭を大きな手が撫でた。竜夜の手だった。私はその瞬間、何かが切れたかのように大粒の涙を流して泣いた。
私は、私は酷い人なんだと竜夜に言っておかなくては。そう思って、話し始めた。
私は人通りの少ない一階から二階に向かう階段に座ってぼーっとしていた。
「はぁ…」
思わずため息をつく。返事をしようか迷っているところだった。自分の気持ちもわからないうちに、返事なんてしていいものだろうか。そもそも、それで私も竜夜も幸せになれるのだろうか。多分、なれない。私も、竜夜も……。
「好きです」
上から声がした。
びっくりして階段を見上げると、そこには後輩に告白されている男の姿があった。
「りゅ……や…」
そう、男は竜夜だった。竜夜は、モテるのだ。優しくて、面白くて、一緒にいると安心出来るような存在で、好きだという人は多い。しかし、その反面本気で好きになる人は少ない。ファンが多くて、告白もたまにあるけど、そこまで本気じゃない。振られると悲しくて泣く人もいるけれど、次の日にはケロッとファンに戻っている人も多い。
そういう人たちを見てきたからか、今の告白は「本気」だと感じた。心の底から竜夜が好きだと伝えたい告白だった。
OKするだろう。脈があるのかないのか判らない私より、素直にならないで嘘をついて逃げている私より、あの後輩の方が良いだろう。私は必死にそう思おうとした。けれど現実は違って。竜夜は予想外の言葉を告げた。
「ごめんね、俺…好きな人がいるから」
「…っでも、あたし…待ちます。先輩の気持ちがあたしに向いてくれるまで待ちます」
後輩は諦めがつかないようで、自分の気持ちを話した。竜夜はその健気さを前にしてきちんと断ろうと思ったのか、
「ごめんね。諦め悪いんだ、俺」
と人差し指で頬をかきながら言った。その言葉に、後輩は自分の入る隙間はないと察したのか目に涙を浮かべながら無理矢理笑顔をつくった。
「ありがとう、月宮さん」
「…こちらこそ、ありがとうございました…っ」
笑顔でお礼を言った竜夜に、後輩も笑顔で返す。後輩は涙を隠しながら階段を上がっていった。
下りてきた竜夜は私に気づき、罰が悪そうに頭を掻いた。
「今の…聞いてた?」
「聞こえた」
顔を伏せながら、短く答えた。
「そっか…。なんか、元気ないな?どうしたんだ?」
「…っ!」
もしかしたら、最後のチャンスかもしれない。私の…本心を伝えることができるかもしれない。
「何で黙っているんだ?いつもならすぐ喧嘩売ってくるのに。あっ、昨日のこと?」
竜夜は真剣な雰囲気を追い払うかのように笑った。
「…笑わないでよ。軽い」
「俺の長所だよ」
手を動かしたり指を組んだりして、笑っている。私は、ぎゅっと唇を噛んだ。そして、告げた。
「あっそ…。竜夜なんて…」
「え?」
「いつも笑ってて、軽くて、真剣に話すと逃げ場なくして…嫌だ」
「…嫌い?」
私は首を振った。横に、首を。
「え?」
「…すき。近すぎて気付かなかったんだよ」
目が熱くなる。心臓が痛いくらいにドキドキする。ふわっと頭を大きな手が撫でた。竜夜の手だった。私はその瞬間、何かが切れたかのように大粒の涙を流して泣いた。
私は、私は酷い人なんだと竜夜に言っておかなくては。そう思って、話し始めた。
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