10 / 14
10.姉
しおりを挟む
俺たちは委員会の仕事を終え、学校内を2人で並んで歩いていた。男女問わず、生徒たちが俺たち2人に注目している。思ったよりも人が残っているものなんだなと思った。
「王子2人がならんで歩いてる!」
「やば、絵になる」
「カッケエ」
気がついた。弥生くんと2人でいれば、注目はされるけど、俺しか王子がいない場合と違って、話しかけてくる人はいないし、ファンサを求めてくる人もいない。2人の王子の関わり合いを邪魔したくないからか……?
「……人と話す気分じゃない時は弥生くんの隣に居ようかな」
「え、いつでもいてよ」
弥生くんは、当然のことのようにそう言った。ドキッとした。聞き耳を立てていた人が息を飲むのが分かった。分かる、そうなるよな。
「ウン。イル」
「フッ……」
学校の敷地を出て、とりあえず歩く。2人とも、方向は同じである。
「どっか行こうよ」
「うん。行きたい」
「そんなに時間ないから……カラオケか、ファストフード店か……あとは……ゲーセンか。あ、公園って手もあるな」
「うーん……カラオケかな?」
「オッケー」
「カラオケなら、誰にも邪魔されずに2人で過ごせるだろ? 個室だし」
「……そうだな」
この会話、カラオケの個室で何かしそうに聞こえるが、2人で普通にカラオケして帰った。
______
家に帰り、郵便受けを確認すると、姉の言っていた通り、姉宛ての封筒が届いていた。アイドルグッズを売っている店のオンラインショップで何かを買ったらしい。こんな薄っぺらいものなら、アイドルのブロマイドか何かだろう。家の鍵を開けて中に入る。姉の部屋に入るのは何年ぶりだろうか。姉に言われた通り、姉の部屋の机に封筒を置いた。
なんだか視線を感じて、そちらを見ると、壁に大きなポスターが貼られていた。人気のアイドル、たしか、高瀬なんとか君のポスターだ(下の名前は忘れた)。今まで意識して顔を見たことはないが、心なしか晴人に似ている。
姉弟で好みが同じなのか……? なんか嫌だな。
______
夜ご飯を食べ終え、食器をシンクに置いていると、同じく食器をシンクに運んできた姉・葉月が話しかけてきた。
「あんた今日カラオケ行ってたでしょ」
「え、うん。姉ちゃんも行ってたの?」
「うん。太陽王子と月王子が2人でいるって、一緒に行ったミーハーなクラスメイトが騒いでたわ……太陽王子って、あんな顔してんのね」
姉の部屋に貼ってあったポスターが頭をよぎった。
「は、晴人に近づかないでね!」
とっさにそんなことを口走った。姉が晴人に近づいたら、晴人のことを好きになってしまうかもしれない。なんせ僕らは姉弟で好みが似ている。そんなことは避けたい。
「何言ってんの。近づかないわよ。近づく理由がないじゃない」
姉はキョトンとしていた。
「だって、高瀬くんが好きなんでしょ? 系統同じじゃん」
「ああ、ポスター……系統は同じだけど、私は高瀬くんが好きなのであって、アイドルじゃない一般人なんて興味ない」
なら、良いか……
「安心して。あなたのやっとできた友達を取り上げるようなことはしないし、まじで高瀬くんにしか興味ないから」
姉は「フッ」と笑って、去って行った。
「王子2人がならんで歩いてる!」
「やば、絵になる」
「カッケエ」
気がついた。弥生くんと2人でいれば、注目はされるけど、俺しか王子がいない場合と違って、話しかけてくる人はいないし、ファンサを求めてくる人もいない。2人の王子の関わり合いを邪魔したくないからか……?
「……人と話す気分じゃない時は弥生くんの隣に居ようかな」
「え、いつでもいてよ」
弥生くんは、当然のことのようにそう言った。ドキッとした。聞き耳を立てていた人が息を飲むのが分かった。分かる、そうなるよな。
「ウン。イル」
「フッ……」
学校の敷地を出て、とりあえず歩く。2人とも、方向は同じである。
「どっか行こうよ」
「うん。行きたい」
「そんなに時間ないから……カラオケか、ファストフード店か……あとは……ゲーセンか。あ、公園って手もあるな」
「うーん……カラオケかな?」
「オッケー」
「カラオケなら、誰にも邪魔されずに2人で過ごせるだろ? 個室だし」
「……そうだな」
この会話、カラオケの個室で何かしそうに聞こえるが、2人で普通にカラオケして帰った。
______
家に帰り、郵便受けを確認すると、姉の言っていた通り、姉宛ての封筒が届いていた。アイドルグッズを売っている店のオンラインショップで何かを買ったらしい。こんな薄っぺらいものなら、アイドルのブロマイドか何かだろう。家の鍵を開けて中に入る。姉の部屋に入るのは何年ぶりだろうか。姉に言われた通り、姉の部屋の机に封筒を置いた。
なんだか視線を感じて、そちらを見ると、壁に大きなポスターが貼られていた。人気のアイドル、たしか、高瀬なんとか君のポスターだ(下の名前は忘れた)。今まで意識して顔を見たことはないが、心なしか晴人に似ている。
姉弟で好みが同じなのか……? なんか嫌だな。
______
夜ご飯を食べ終え、食器をシンクに置いていると、同じく食器をシンクに運んできた姉・葉月が話しかけてきた。
「あんた今日カラオケ行ってたでしょ」
「え、うん。姉ちゃんも行ってたの?」
「うん。太陽王子と月王子が2人でいるって、一緒に行ったミーハーなクラスメイトが騒いでたわ……太陽王子って、あんな顔してんのね」
姉の部屋に貼ってあったポスターが頭をよぎった。
「は、晴人に近づかないでね!」
とっさにそんなことを口走った。姉が晴人に近づいたら、晴人のことを好きになってしまうかもしれない。なんせ僕らは姉弟で好みが似ている。そんなことは避けたい。
「何言ってんの。近づかないわよ。近づく理由がないじゃない」
姉はキョトンとしていた。
「だって、高瀬くんが好きなんでしょ? 系統同じじゃん」
「ああ、ポスター……系統は同じだけど、私は高瀬くんが好きなのであって、アイドルじゃない一般人なんて興味ない」
なら、良いか……
「安心して。あなたのやっとできた友達を取り上げるようなことはしないし、まじで高瀬くんにしか興味ないから」
姉は「フッ」と笑って、去って行った。
3
あなたにおすすめの小説
幼なじみの友達に突然キスされました
光野凜
BL
『素直になれない、幼なじみの恋』
平凡な俺、浅野蒼にはイケメンでクラスの人気者な幼なじみ、佐伯瑛斗がいる。
家族ぐるみの付き合いのせいか、瑛斗は昔から距離感がおかしくて、何かと蒼にベッタリ。けれど、蒼はそれを“ただの友情”だと思っていた。
ある日、初めての告白に浮かれていると、瑛斗から突然キスされて......!?
「蒼のことが好きだ」
「お前が他の奴と付き合うのは耐えられない」
友達だと思っていた関係が一気に変わり、戸惑いながらも瑛人の一途で甘い想いに少しずつ心が揺れていく。
しかし、素直になれない蒼は最後の一歩が踏み出せずにいた。
そんなとき、ふたりの関係に”あるトラブル”が訪れて......。
じれったくて、思わず応援したくなるふたりのピュアな青春ラブストーリー。
「......蒼も、俺のこと好きになってよ」
「好きだ。好きだよ、蒼」
「俺は、蒼さえいればいい」
どんどん甘く、独占欲を隠さなくなる瑛斗に、戸惑いながらも心が揺れていく。
【一途で独占欲強めな攻め × 不器用で素直になれない受け】
なぜかピアス男子に溺愛される話
光野凜
BL
夏希はある夜、ピアスバチバチのダウナー系、零と出会うが、翌日クラスに転校してきたのはピアスを外した優しい彼――なんと同一人物だった!
「夏希、俺のこと好きになってよ――」
突然のキスと真剣な告白に、夏希の胸は熱く乱れる。けれど、素直になれない自分に戸惑い、零のギャップに振り回される日々。
ピュア×ギャップにきゅんが止まらない、ドキドキ青春BL!
隣に住む先輩の愛が重いです。
陽七 葵
BL
主人公である桐原 智(きりはら さとし)十八歳は、平凡でありながらも大学生活を謳歌しようと意気込んでいた。
しかし、入学して間もなく、智が住んでいるアパートの部屋が雨漏りで水浸しに……。修繕工事に約一ヶ月。その間は、部屋を使えないときた。
途方に暮れていた智に声をかけてきたのは、隣に住む大学の先輩。三笠 琥太郎(みかさ こたろう)二十歳だ。容姿端麗な琥太郎は、大学ではアイドル的存在。特技は料理。それはもう抜群に美味い。しかし、そんな琥太郎には欠点が!
まさかの片付け苦手男子だった。誘われた部屋の中はゴミ屋敷。部屋を提供する代わりに片付けを頼まれる。智は嫌々ながらも、貧乏大学生には他に選択肢はない。致し方なく了承することになった。
しかし、琥太郎の真の目的は“片付け”ではなかった。
そんなことも知らない智は、琥太郎の言動や行動に翻弄される日々を過ごすことに——。
隣人から始まる恋物語。どうぞ宜しくお願いします!!
伯爵令息アルロの魔法学園生活
あさざきゆずき
BL
ハーフエルフのアルロは、人間とエルフの両方から嫌われている。だから、アルロは魔法学園へ入学しても孤独だった。そんなとき、口は悪いけれど妙に優しい優等生が現れた。
人並みに嫉妬くらいします
米奏よぞら
BL
流されやすい攻め×激重受け
高校時代に学校一のモテ男から告白されて付き合ったはいいものの、交際四年目に彼の束縛の強さに我慢の限界がきてしまった主人公のお話です。
【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。
或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。
自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい!
そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。
瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。
圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって……
̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶
【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ
番外編、牛歩更新です🙇♀️
※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。
少しですが百合要素があります。
☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました!
第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる