14 / 14
12.匿名の手紙
しおりを挟む
晴人と付き合って1か月が過ぎた。相変わらず僕らは仲が良い。僕が晴人と一緒にいると、晴人に話しかけてくる女子がいない。僕と一緒にいなかったら話しかけてくるんだろうな。モヤっとしなくもないが、晴人は僕のことが大好きだから、そんなに嫉妬しない。
帰り、下駄箱に手紙が入っていることに気がついた。また告白だろうか。晴人と付き合ってから貰うのは初めてだ。どうしようかと(断るの前提)思い、手紙を手に取ると、封筒に、[人に見られない時に見てください。できれば太陽王子と一緒に]と書いてあった。このパターンは初めてだ。なんだろう。告白ではなさそうだ。
「晴人」
僕と同じく、靴を履き替えた晴人に声をかけると、僕の手に持っているものに気がついたらしい。
「……ラブレター?」
「違うよ、たぶん。太陽王子と見てって書いてある」
「どういう手紙だ? 王子2人へのファンレター?」
「どうだろう。見られないところでって書いてあるから、行くか。僕の家でも」
「うん」
______
自分の部屋に晴人を招き、さっそく手紙を読む。そこには、こう書いてあった。
[大崎くんと小山くんが付き合っていることを知っています。誰にも言っていませんし、これからも言うつもりもありません。私は2人の恋を応援しています。ただ、2人がキスしている場面など、明らかに恋人だろと思う場面に何度か遭遇してしまっています。このままでは、私の他にも目撃者が現れるかもしれません。2人が仲が良いのはいいことですが、気をつけて]
読み終わり、晴人と顔を見合わせる。マジかと言う顔をしていた。たぶん僕も、晴人と同じ顔をしている。
「え、見られてたの!? どれを!? 恥っず!」
晴人は勢いよく立ち上がり、顔を両手で隠して大声で言った。無理もない。僕も動揺している。
「たた多分、付き合ってるって騒がれてないから、この人だけだよな、目撃者」
「そうだな……」
まさか人に見られていたなんて……。僕ら2人でいる空間でしかキスなどしていないが、気が付かずにいただけで、この人がいたのだろう。申し訳ない。
「まあ、なんか……言いふらす人じゃなさそうだし、この人に目撃されたのは、不幸中の幸いなのかも……」
晴人はそう言いながら、また僕の隣に腰を下ろす。
「僕たちからしたら、そうだね……この人は別に見たくもないよ……同じ学校の生徒のキスシーンなんて……」
「それは、そうか……いくら俺らがイケメンでもな」
「そう。いくら僕らがイケメンでも……」
「フッ……」
「ハハ……」
「「ハァ……」」
いつもなら笑って終わりのこのイケメンネタも、今は苦笑してしまう。
「とりあえず、外とか学校とかではキスは控えるか」
「そうだな。確実に人がいない時じゃないと。キス以外も、恋人らしいことはやめよう」
「……肩組むのはセーフ?」
「セーフじゃない? 普通に友達同士でもやるだろ」
僕がそう言うと、晴人が僕の頬にチュッと口付けた。タイミングがおかしい。
「は?」
「いや、だって、これからは減るじゃん。弥生の部屋なら、俺らだけだし。弥生の家族も帰って来てないし、いいかなって……ダメか?」
「……ダメじゃない」
今はこの家には僕と晴人の2人きり。外では控えることになったのだから、触れ合いは減るだろう。今のうちにたくさん恋人らしいことをしよう。
晴人の顔が近づいてきて、唇が触れた。
______
私、斉木美由が、月王子こと小山弥生くんの靴箱に、匿名の手紙を入れた次の日。2人の触れ合いは、改善したのだろうか。まあ、それは、2人きりっぽい時じゃないと分からないか……なんて思ってた。でも、朝登校して、靴箱に靴を入れている時に聞こえてきた、同級生の会話。
「ねえ、太陽王子が月王子の肩を抱いてるの~、やばい~」
「え、見たい~、まだ肩抱いてるのかな?」
「たぶん! 早く行こ!」
同級生は足早に教室へ向かって行った。匿名の手紙を出した私も確認しなければと、私もいつもより歩くスピードを上げて歩いた。
1組の教室の近くの廊下に、いた。大崎くんが小山くんの肩に手をまわして身体をくっつけて、仲良さそうに話している。
……悪化した?
いや、でも、肩を抱くなんて、他の男子もしてるの見たことあるし……友達同士でもすることだから……良い、のか?
帰り、下駄箱に手紙が入っていることに気がついた。また告白だろうか。晴人と付き合ってから貰うのは初めてだ。どうしようかと(断るの前提)思い、手紙を手に取ると、封筒に、[人に見られない時に見てください。できれば太陽王子と一緒に]と書いてあった。このパターンは初めてだ。なんだろう。告白ではなさそうだ。
「晴人」
僕と同じく、靴を履き替えた晴人に声をかけると、僕の手に持っているものに気がついたらしい。
「……ラブレター?」
「違うよ、たぶん。太陽王子と見てって書いてある」
「どういう手紙だ? 王子2人へのファンレター?」
「どうだろう。見られないところでって書いてあるから、行くか。僕の家でも」
「うん」
______
自分の部屋に晴人を招き、さっそく手紙を読む。そこには、こう書いてあった。
[大崎くんと小山くんが付き合っていることを知っています。誰にも言っていませんし、これからも言うつもりもありません。私は2人の恋を応援しています。ただ、2人がキスしている場面など、明らかに恋人だろと思う場面に何度か遭遇してしまっています。このままでは、私の他にも目撃者が現れるかもしれません。2人が仲が良いのはいいことですが、気をつけて]
読み終わり、晴人と顔を見合わせる。マジかと言う顔をしていた。たぶん僕も、晴人と同じ顔をしている。
「え、見られてたの!? どれを!? 恥っず!」
晴人は勢いよく立ち上がり、顔を両手で隠して大声で言った。無理もない。僕も動揺している。
「たた多分、付き合ってるって騒がれてないから、この人だけだよな、目撃者」
「そうだな……」
まさか人に見られていたなんて……。僕ら2人でいる空間でしかキスなどしていないが、気が付かずにいただけで、この人がいたのだろう。申し訳ない。
「まあ、なんか……言いふらす人じゃなさそうだし、この人に目撃されたのは、不幸中の幸いなのかも……」
晴人はそう言いながら、また僕の隣に腰を下ろす。
「僕たちからしたら、そうだね……この人は別に見たくもないよ……同じ学校の生徒のキスシーンなんて……」
「それは、そうか……いくら俺らがイケメンでもな」
「そう。いくら僕らがイケメンでも……」
「フッ……」
「ハハ……」
「「ハァ……」」
いつもなら笑って終わりのこのイケメンネタも、今は苦笑してしまう。
「とりあえず、外とか学校とかではキスは控えるか」
「そうだな。確実に人がいない時じゃないと。キス以外も、恋人らしいことはやめよう」
「……肩組むのはセーフ?」
「セーフじゃない? 普通に友達同士でもやるだろ」
僕がそう言うと、晴人が僕の頬にチュッと口付けた。タイミングがおかしい。
「は?」
「いや、だって、これからは減るじゃん。弥生の部屋なら、俺らだけだし。弥生の家族も帰って来てないし、いいかなって……ダメか?」
「……ダメじゃない」
今はこの家には僕と晴人の2人きり。外では控えることになったのだから、触れ合いは減るだろう。今のうちにたくさん恋人らしいことをしよう。
晴人の顔が近づいてきて、唇が触れた。
______
私、斉木美由が、月王子こと小山弥生くんの靴箱に、匿名の手紙を入れた次の日。2人の触れ合いは、改善したのだろうか。まあ、それは、2人きりっぽい時じゃないと分からないか……なんて思ってた。でも、朝登校して、靴箱に靴を入れている時に聞こえてきた、同級生の会話。
「ねえ、太陽王子が月王子の肩を抱いてるの~、やばい~」
「え、見たい~、まだ肩抱いてるのかな?」
「たぶん! 早く行こ!」
同級生は足早に教室へ向かって行った。匿名の手紙を出した私も確認しなければと、私もいつもより歩くスピードを上げて歩いた。
1組の教室の近くの廊下に、いた。大崎くんが小山くんの肩に手をまわして身体をくっつけて、仲良さそうに話している。
……悪化した?
いや、でも、肩を抱くなんて、他の男子もしてるの見たことあるし……友達同士でもすることだから……良い、のか?
3
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
幼なじみの友達に突然キスされました
光野凜
BL
『素直になれない、幼なじみの恋』
平凡な俺、浅野蒼にはイケメンでクラスの人気者な幼なじみ、佐伯瑛斗がいる。
家族ぐるみの付き合いのせいか、瑛斗は昔から距離感がおかしくて、何かと蒼にベッタリ。けれど、蒼はそれを“ただの友情”だと思っていた。
ある日、初めての告白に浮かれていると、瑛斗から突然キスされて......!?
「蒼のことが好きだ」
「お前が他の奴と付き合うのは耐えられない」
友達だと思っていた関係が一気に変わり、戸惑いながらも瑛人の一途で甘い想いに少しずつ心が揺れていく。
しかし、素直になれない蒼は最後の一歩が踏み出せずにいた。
そんなとき、ふたりの関係に”あるトラブル”が訪れて......。
じれったくて、思わず応援したくなるふたりのピュアな青春ラブストーリー。
「......蒼も、俺のこと好きになってよ」
「好きだ。好きだよ、蒼」
「俺は、蒼さえいればいい」
どんどん甘く、独占欲を隠さなくなる瑛斗に、戸惑いながらも心が揺れていく。
【一途で独占欲強めな攻め × 不器用で素直になれない受け】
なぜかピアス男子に溺愛される話
光野凜
BL
夏希はある夜、ピアスバチバチのダウナー系、零と出会うが、翌日クラスに転校してきたのはピアスを外した優しい彼――なんと同一人物だった!
「夏希、俺のこと好きになってよ――」
突然のキスと真剣な告白に、夏希の胸は熱く乱れる。けれど、素直になれない自分に戸惑い、零のギャップに振り回される日々。
ピュア×ギャップにきゅんが止まらない、ドキドキ青春BL!
伯爵令息アルロの魔法学園生活
あさざきゆずき
BL
ハーフエルフのアルロは、人間とエルフの両方から嫌われている。だから、アルロは魔法学園へ入学しても孤独だった。そんなとき、口は悪いけれど妙に優しい優等生が現れた。
隣に住む先輩の愛が重いです。
陽七 葵
BL
主人公である桐原 智(きりはら さとし)十八歳は、平凡でありながらも大学生活を謳歌しようと意気込んでいた。
しかし、入学して間もなく、智が住んでいるアパートの部屋が雨漏りで水浸しに……。修繕工事に約一ヶ月。その間は、部屋を使えないときた。
途方に暮れていた智に声をかけてきたのは、隣に住む大学の先輩。三笠 琥太郎(みかさ こたろう)二十歳だ。容姿端麗な琥太郎は、大学ではアイドル的存在。特技は料理。それはもう抜群に美味い。しかし、そんな琥太郎には欠点が!
まさかの片付け苦手男子だった。誘われた部屋の中はゴミ屋敷。部屋を提供する代わりに片付けを頼まれる。智は嫌々ながらも、貧乏大学生には他に選択肢はない。致し方なく了承することになった。
しかし、琥太郎の真の目的は“片付け”ではなかった。
そんなことも知らない智は、琥太郎の言動や行動に翻弄される日々を過ごすことに——。
隣人から始まる恋物語。どうぞ宜しくお願いします!!
ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!
ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!?
「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??
幼馴染が「お願い」って言うから
尾高志咲/しさ
BL
高2の月宮蒼斗(つきみやあおと)は幼馴染に弱い。美形で何でもできる幼馴染、上橋清良(うえはしきよら)の「お願い」に弱い。
「…だからってこの真夏の暑いさなかに、ふっかふかのパンダの着ぐるみを着ろってのは無理じゃないか?」
里見高校着ぐるみ同好会にはメンバーが3人しかいない。2年生が二人、1年生が一人だ。商店街の夏祭りに参加直前、1年生が発熱して人気のパンダ役がいなくなってしまった。あせった同好会会長の清良は蒼斗にパンダの着ぐるみを着てほしいと泣きつく。清良の「お願い」にしぶしぶ頷いた蒼斗だったが…。
★上橋清良(高2)×月宮蒼斗(高2)
☆同級生の幼馴染同士が部活(?)でわちゃわちゃしながら少しずつ近づいていきます。
☆第1回青春×BL小説カップに参加。最終45位でした。応援していただきありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる