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34.いつもそばにいるよ
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「氷のフェンリルと火のフェニックス⋯⋯上位精霊ばっかりで、なんとも豪華じゃのう」
ブランドンが長い顎髭を撫でながら頭を下げると、周りに座っているドワーフ達も一斉にそれに倣う。
(おお、なんかかっこいい! 心配性なオカン気質のミュウと、神出鬼没で天然のピッピが崇め奉られてる!)
【ロクサーナ、失礼すぎる。誰がオカンだよ!】
【ピッピ、天然じゃないも~ん。ミュウ、天然ってなぁに?】
「えっとぉ、天然でしょ?」
【天然だな】
因みに、少し前にピッピが言っていた『ちょうど500年目だったから~』というのは、フェニックスの復活周期のことだったそう。
「外から覗いとるのは、土のベヒモスをぶら下げた風のイフリータじゃな。長いこと生きとるが、光のウィスプと闇のシェイドが並んどるのは初めて見た。
雪が強うなってきたけん、中に入りんさい。遠慮せんでも部屋は広いけんの」
ぶら下げているモグモグの顔を覗き込んだウルウルが何やらボソボソと話しかけ、モグモグが首を縦に振ると、窓ガラスをすり抜けた2匹が部屋に入ってきた。
手を繋いだルルとミイも部屋に入り、ドワーフの子供のそばにちょこんと正座。
2柱の時の神カイロスとクロノスは酒の入った甕の近くに陣取って、一番大きなカップに酒を入れろと身振り手振りで催促している。
同じ時の神と言われているがカイロスは『時刻』を支配し、クロノスは『時間』を支配する。
「モグモグは子狸⋯⋯ほんとは、え? ぽっこりお腹の象なの?」
ある時期から、悪魔の一種で『暴食又は強欲』を司っていると勘違いされはじめたベヒモスは象に似た体型。
本当は戦いを嫌う穏やかな性質で、ロクサーナの前に出てくる時はいつも子狸バージョン。
「でっかいお腹の象より、子狸の方が可愛い⋯⋯いや、元の姿もモグモグだもんね。うん、どんな姿も好きだよ。モグモグは好きな姿でいいんだよ」
動揺が半端ないロクサーナは、心の声がダダ漏れになっていた。
男性形のイフリートは獰猛かつ短気で厳つい顔をしているが、本名(?)がイフリータと判明したウルウルは、羽根の生えた美少女のボクっ娘。
見た目で悪魔みたいだとディスられるイフリートの女性形イフリータが、モグモグ(悪魔に勘違いされたベヒモス)と仲がいいのは当然かもしれない。
【僕達は悪魔じゃないのにね~】
【モグッ】
光魔法のルルはウィスプで、透き通った白い羽根の男の子。
闇魔法のミイはシェイドで、透き通った黒い羽根の女の子。
光と闇は表裏一体だと言われる通りの姿をしている事に、今頃気付いたロクサーナだった。
【ロクサーナはとろいもん】
【ロクサーナ、抜けてるもんね~、ふふっ】
ミュウとピッピの言葉に、ルルとミイが大きく何度も頷いた。
いつでもどこでも手を繋いでいて、仲の良い双子のようなルルとミイはまだ言葉を話さない。
(きっと何か理由があるんだよね。私の修練不足とかさ)
全員、初めて会った時に聞いた鳴き声から名前をつけたので、なんとも可愛らしいラインナップになっている。
(だって5歳とか6歳だったんだもん。ボキャブラリー乏しくても仕方ないよね)
「空間のカイロスと時の精霊クロノスもおるとは驚きじゃのう⋯⋯あんなに人に興味のない2柱が⋯⋯あんたはよっぽど神と精霊に愛されとるゆうことかのう」
カイロスとクロノスは同じ時の神で、人の子のそばにいる事自体があり得ないらしい。
「異空間収納や転移魔法が使える人がほとんどいないのはそのせい⋯⋯てか、私って神様信じてないよ? あれ?
信じてないけど⋯⋯みんなの事大好きだから、精霊や妖精だけじゃなくて、神様も信じてるって事になるの? え? あれ? ジルベルト司祭にバレたらヤバいじゃん」
期間限定聖女として契約した一番大きな理由が消えかけている事実に、ロクサーナが青褪めた。
(マズいじゃん! ジルベルト司祭にバレたら契約期間終了の時にごねられる。今でもしつこくて⋯⋯2回も延長させられたのにぃぃ)
【ロクサーナは押しに弱いからね】
「ま、まあその、カイロスとクロノスは精霊って事に。うん、そうに違いない。部屋に入ってきて早々に、ドワーフの酒を狙う神はいないもんね!」
【僕、気になってたんだけどさ⋯⋯カイロスとクロノスには名前がないんだよね】
「⋯⋯あれ? いやいや、神様に近いなら私が名前つけるとかないもんね。あ、そうか! カイロスとクロノスは皆んなみたいに鳴かなかったから」
【あの子達とかって言ってたよね~】
【拗ねなかったカイちゃんとクロちゃん、優しいよね~】
初めて会った時から無言&成体だったカイロスとクロノスに対して、色々失礼だった気がしてきたロクサーナは『なんか、ごめんね~』とフレンドリーな謝罪をした。
「神じゃゆうて教えてやったのに、なんちゅう言い方を⋯⋯いや、それがええんかのう。いや、でも不敬とか」
【ロクサーナだからね】
首を捻る村長のブランドンの疑問をミュウがバッサリ⋯⋯精霊全員が頷いた。
精霊と妖精はどちらも神秘的な存在で、人間にはない不思議な能力や魔力を持っている。
精霊は万物の根源となるエネルギー。決まった形はなく、物理的に触れることはできない。
妖精は自然に宿るエネルギーが姿を持ち、実体化した存在で固有の姿を持っている。
「一番の違いは実体があるか否かじゃな」
「ええっ! じゃ、じゃあ、ミュウの肉球は永遠にモミモミできないし、モフモフも無理なの!?」
一番の願い『山奥に隠れ潜んで、スローライフからのモフモフパラダイス』が遠のいたロクサーナが、大きな目を見開いて叫び声を上げた。
(そ、そんなぁ~。生殺しじゃん!)
【え~、そこまでモミモミしたいのぉ?】
とてつもなく嫌そうな顔で鼻に皺を寄せたミュウ。
「したい! 一日中でもしたい。モミモミしてモフモフして⋯⋯抱き枕にして寝たい。氷属性のミュウは絶対ひんやりで夏に最適! んで、火属性のピッピは冬にぬくぬくで湯たんぽになるじゃん!」
【ピッ! ピッピもなの!? 燃えちゃうよ~? ぼうぼうのチリチリってなっちゃうよ~】
【俺はかちんこちんにしてやる!】
赤々と燃える暖炉を出たり入ったりしていたピッピが、キョトンとした顔でロクサーナの膝に座った。
「フォッフォッフォッ、フェンリル達くらい力が強ければ実体化する事もできるけん、気が向いたらさせてくれるかもしれんで? 燃えてチリチリになるか、カチンコチンになるかは知らんがの」
「おおぉぉ! 夢が戻ってきたぁぁ。ミュウとピッピとモグモグは、ぜーったい気持ちいいと思うんだよね。ウルウルとルルとミイは一緒にお茶したりとか。
ウラノスとクロノスとはいつかバトルしてみたいって⋯⋯スレンダーなのに筋肉がっつりで、絶対強そうだって」
【モ、モグゥッ】
【モグモグが潰されちゃうって言ってるよ】
【そうだよ! ロクサーナは寝相悪いもんね】
【ミュウがお煎餅になっちゃう~】
神は信仰の対象として崇拝される存在で、人知を超えた能力を持ち人を導いたり罰を与えたりする存在。対戦相手に狙うのは何かが違う気が⋯⋯。
「カイロスやクロノスが神なら⋯⋯」
ロクサーナの野望、次回爆裂。
ブランドンが長い顎髭を撫でながら頭を下げると、周りに座っているドワーフ達も一斉にそれに倣う。
(おお、なんかかっこいい! 心配性なオカン気質のミュウと、神出鬼没で天然のピッピが崇め奉られてる!)
【ロクサーナ、失礼すぎる。誰がオカンだよ!】
【ピッピ、天然じゃないも~ん。ミュウ、天然ってなぁに?】
「えっとぉ、天然でしょ?」
【天然だな】
因みに、少し前にピッピが言っていた『ちょうど500年目だったから~』というのは、フェニックスの復活周期のことだったそう。
「外から覗いとるのは、土のベヒモスをぶら下げた風のイフリータじゃな。長いこと生きとるが、光のウィスプと闇のシェイドが並んどるのは初めて見た。
雪が強うなってきたけん、中に入りんさい。遠慮せんでも部屋は広いけんの」
ぶら下げているモグモグの顔を覗き込んだウルウルが何やらボソボソと話しかけ、モグモグが首を縦に振ると、窓ガラスをすり抜けた2匹が部屋に入ってきた。
手を繋いだルルとミイも部屋に入り、ドワーフの子供のそばにちょこんと正座。
2柱の時の神カイロスとクロノスは酒の入った甕の近くに陣取って、一番大きなカップに酒を入れろと身振り手振りで催促している。
同じ時の神と言われているがカイロスは『時刻』を支配し、クロノスは『時間』を支配する。
「モグモグは子狸⋯⋯ほんとは、え? ぽっこりお腹の象なの?」
ある時期から、悪魔の一種で『暴食又は強欲』を司っていると勘違いされはじめたベヒモスは象に似た体型。
本当は戦いを嫌う穏やかな性質で、ロクサーナの前に出てくる時はいつも子狸バージョン。
「でっかいお腹の象より、子狸の方が可愛い⋯⋯いや、元の姿もモグモグだもんね。うん、どんな姿も好きだよ。モグモグは好きな姿でいいんだよ」
動揺が半端ないロクサーナは、心の声がダダ漏れになっていた。
男性形のイフリートは獰猛かつ短気で厳つい顔をしているが、本名(?)がイフリータと判明したウルウルは、羽根の生えた美少女のボクっ娘。
見た目で悪魔みたいだとディスられるイフリートの女性形イフリータが、モグモグ(悪魔に勘違いされたベヒモス)と仲がいいのは当然かもしれない。
【僕達は悪魔じゃないのにね~】
【モグッ】
光魔法のルルはウィスプで、透き通った白い羽根の男の子。
闇魔法のミイはシェイドで、透き通った黒い羽根の女の子。
光と闇は表裏一体だと言われる通りの姿をしている事に、今頃気付いたロクサーナだった。
【ロクサーナはとろいもん】
【ロクサーナ、抜けてるもんね~、ふふっ】
ミュウとピッピの言葉に、ルルとミイが大きく何度も頷いた。
いつでもどこでも手を繋いでいて、仲の良い双子のようなルルとミイはまだ言葉を話さない。
(きっと何か理由があるんだよね。私の修練不足とかさ)
全員、初めて会った時に聞いた鳴き声から名前をつけたので、なんとも可愛らしいラインナップになっている。
(だって5歳とか6歳だったんだもん。ボキャブラリー乏しくても仕方ないよね)
「空間のカイロスと時の精霊クロノスもおるとは驚きじゃのう⋯⋯あんなに人に興味のない2柱が⋯⋯あんたはよっぽど神と精霊に愛されとるゆうことかのう」
カイロスとクロノスは同じ時の神で、人の子のそばにいる事自体があり得ないらしい。
「異空間収納や転移魔法が使える人がほとんどいないのはそのせい⋯⋯てか、私って神様信じてないよ? あれ?
信じてないけど⋯⋯みんなの事大好きだから、精霊や妖精だけじゃなくて、神様も信じてるって事になるの? え? あれ? ジルベルト司祭にバレたらヤバいじゃん」
期間限定聖女として契約した一番大きな理由が消えかけている事実に、ロクサーナが青褪めた。
(マズいじゃん! ジルベルト司祭にバレたら契約期間終了の時にごねられる。今でもしつこくて⋯⋯2回も延長させられたのにぃぃ)
【ロクサーナは押しに弱いからね】
「ま、まあその、カイロスとクロノスは精霊って事に。うん、そうに違いない。部屋に入ってきて早々に、ドワーフの酒を狙う神はいないもんね!」
【僕、気になってたんだけどさ⋯⋯カイロスとクロノスには名前がないんだよね】
「⋯⋯あれ? いやいや、神様に近いなら私が名前つけるとかないもんね。あ、そうか! カイロスとクロノスは皆んなみたいに鳴かなかったから」
【あの子達とかって言ってたよね~】
【拗ねなかったカイちゃんとクロちゃん、優しいよね~】
初めて会った時から無言&成体だったカイロスとクロノスに対して、色々失礼だった気がしてきたロクサーナは『なんか、ごめんね~』とフレンドリーな謝罪をした。
「神じゃゆうて教えてやったのに、なんちゅう言い方を⋯⋯いや、それがええんかのう。いや、でも不敬とか」
【ロクサーナだからね】
首を捻る村長のブランドンの疑問をミュウがバッサリ⋯⋯精霊全員が頷いた。
精霊と妖精はどちらも神秘的な存在で、人間にはない不思議な能力や魔力を持っている。
精霊は万物の根源となるエネルギー。決まった形はなく、物理的に触れることはできない。
妖精は自然に宿るエネルギーが姿を持ち、実体化した存在で固有の姿を持っている。
「一番の違いは実体があるか否かじゃな」
「ええっ! じゃ、じゃあ、ミュウの肉球は永遠にモミモミできないし、モフモフも無理なの!?」
一番の願い『山奥に隠れ潜んで、スローライフからのモフモフパラダイス』が遠のいたロクサーナが、大きな目を見開いて叫び声を上げた。
(そ、そんなぁ~。生殺しじゃん!)
【え~、そこまでモミモミしたいのぉ?】
とてつもなく嫌そうな顔で鼻に皺を寄せたミュウ。
「したい! 一日中でもしたい。モミモミしてモフモフして⋯⋯抱き枕にして寝たい。氷属性のミュウは絶対ひんやりで夏に最適! んで、火属性のピッピは冬にぬくぬくで湯たんぽになるじゃん!」
【ピッ! ピッピもなの!? 燃えちゃうよ~? ぼうぼうのチリチリってなっちゃうよ~】
【俺はかちんこちんにしてやる!】
赤々と燃える暖炉を出たり入ったりしていたピッピが、キョトンとした顔でロクサーナの膝に座った。
「フォッフォッフォッ、フェンリル達くらい力が強ければ実体化する事もできるけん、気が向いたらさせてくれるかもしれんで? 燃えてチリチリになるか、カチンコチンになるかは知らんがの」
「おおぉぉ! 夢が戻ってきたぁぁ。ミュウとピッピとモグモグは、ぜーったい気持ちいいと思うんだよね。ウルウルとルルとミイは一緒にお茶したりとか。
ウラノスとクロノスとはいつかバトルしてみたいって⋯⋯スレンダーなのに筋肉がっつりで、絶対強そうだって」
【モ、モグゥッ】
【モグモグが潰されちゃうって言ってるよ】
【そうだよ! ロクサーナは寝相悪いもんね】
【ミュウがお煎餅になっちゃう~】
神は信仰の対象として崇拝される存在で、人知を超えた能力を持ち人を導いたり罰を与えたりする存在。対戦相手に狙うのは何かが違う気が⋯⋯。
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