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36.ロクサーナの狙いとドワーフの願い
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「邪魔⋯⋯王国は3方向が魔獣の森に囲まれとるけん、あんまり欲しがる奴はおりゃせんで」
「そうでもないと思いますよ~。だってほら、ここに伝説のドワーフさん達がいますからね。魔法士は世界中で減り続けていますから、ドワーフから手に入れられる武器や防具はどんどん希少価値が上がってます」
「わしらは⋯⋯」
「可能性のひとつです。魔力持ちや魔法士が減りはじめて長いですし、原因も突き止められないままです。軍隊を強くする為にはより強固な防具とか、より強力な武器を欲しがるのが普通じゃないですか。
例えば⋯⋯この森と領土が近い帝国」
「⋯⋯」
「いつ頃からかなぁ、帝国が領土を広げる時、東方向の国を重点的に攻めてる気がするんです。鉱山があるとか、交易が便利になるとかって理由があるわけでもない。手に入れてもメリットの少なそうな国の方が多いのに、やたらと東を目指してる。何を防衛したいのか分からないですけど、おかしなとこに砦を建設してますし」
「わしらは他の国の情報には興味がないけん⋯⋯」
「帝国が最強だって言われてる理由のひとつに防具武器があって⋯⋯ほら、これとか」
ロクサーナが異空間収納から取り出した剣はツヴァイハンダー、ダガー、スモールソード、マスケット銃。
「どれも仕事の依頼で出かけた時にゲットしたんですけど、すごい技術ですよね」
ツヴァイハンダーは剣身のガードに近い部分に、敵の剣をはね返すための突起が取り付けられ、戦闘特化型のダガーは攻撃力のある厚い両刃。
レイピアを細く小さくしたスモールソードは、見事な金メッキ装飾や透かし彫りを施した豪華なものなので儀礼用の可能性もあるが、軽量で刺突の攻撃力は高い。
マスケット銃は先込め式の滑腔式歩兵銃で散弾も発射可能なもの。
「使われている素材もですが、これほどの剣を作れる鍛治師もほとんどいないはず。なのに、帝国ではかなりの数が揃ってるんですよね。マスケット銃はまだほとんど出回ってないフリントロック式ですから優秀な鍛治師の数はかなり必要のはずなんです」
「⋯⋯ほうじゃ。あんたの言う通り、これらはドワーフが作ったもんばかりじゃ。帝国にこれを売ったんは間違いないが、あんたらにとやかく言われる筋合いはないけんの! わしらにはわしらの事情があるんじゃけ」
「帝国の地下で働いてる⋯⋯捕まってるドワーフの為ですか?」
ドワーフ達が動きを止め、ロクサーナを凝視した。
「なんで知っと⋯⋯ほうか、知っとったんか。奴らは元気にしとったかの?」
「元気⋯⋯う~ん、怪我はしてなかったけど、元気とは程遠かったかなぁ。地下で黙々と武器を作らされてるから、目が死んでるって感じでしたね」
「見たんならなんで、なんで助けんかったんじゃ!? あんたらなら簡単に助けられたじゃろうがぁ」
酒甕の横で立ち上がって叫んだのは、一番初めに顔を出したドワーフで、名前はドルフ。
「逆なら助けますか? 危険な場所に潜入している時、牢に人間が監禁されていた。ドワーフは『なんて可哀想なんだ!』って助けるんですか?
値切るとか盗むとか騙すとかが大嫌いなんですけど、おんなじくらいタダ働きも大嫌いなんです。2度と搾取される側には回らないって決めてます」
帝国の王城の地下にある巨大な作業場には幾つもの炉が設置され、6人のドワーフが働かされていた。壁際には鉱石や皮などが種類毎に整理して置かれ、その横には汚れた毛布が丸めて置かれている。
間が1メートル以上開いた二重の鉄格子、監視する複数の帝国兵はマスケット銃を肩から下げていた。
自分達の作った武器で監視される理不尽さを毎日目にしながら、働かされるのはどれほどの苦痛か⋯⋯。
「生活の全てがそこで完結してる感じでした」
「お金を払ったら、助けてくれるんじゃろ? 村長、払ってあげて! お願いじゃけん」
「金でも武器でも欲しいもんを言うてくれ。んで、あいつらを助けてくれや!」
「⋯⋯いや、それはやめた方がええ。失敗した時のことを考えてみい。ここにおるドワーフがどうなるか⋯⋯村長として、わしはこの村の者を守らにゃ」
「くそぉ! 帝国の奴らなんか⋯⋯」
「ねぇ、なんとかなんならんの? 仲間がそんとなとこで働かされとるなんて、我慢できんのよ」
「相手は帝国じゃけん、どうにもならん! ほんじゃけ、わしらは黙って武器を作ってきたんじゃろうが!! 助けれるもんなら、とうに助けとるわ」
「ほんなら、一体いつまで我慢させりゃあ、ええんね!? 死ぬまで我慢させるんね!?」
「なあ、こんだけよおけの精霊を従えとるんじゃけ、帝国からドワーフを助け出すくらいできるじゃろ?」
そうだそうだとドワーフ達が騒ぎはじめた。
ドワーフの平均寿命は300年と言われ、長い生を地下牢で過ごさせるのは辛すぎる。
「助けられる可能性はあります。でも、失敗する可能性がないわけじゃない」
王城には結界の魔導具が何重にも仕掛けられていた。中心に鉄骨を入れた強固な壁、帝国兵が守る幾つものドアを通り抜けないと辿り着けない地下牢。最後には二重の鉄格子。
結界が壊されてから結界を張り直すまでに、どのくらいの余裕があるのかもわかっていない。
「ほんでも、前に忍び込んだんじゃろ? なら、なんとかなるんじゃないんね」
(長年捕まっていたら、頑固なドワーフは疑心暗鬼になってるはず⋯⋯信用されないとも限らないよね)
「一番の問題は結界で⋯⋯解除した後、どのくらいの猶予があるのか分かれば⋯⋯。それに、転移する前には隷属の首輪を外す必要があるし、帝国兵に紛れて忍び込んだ前回とは条件が違うんです」
「失敗したらどうなるん?」
救出に一番積極的なこの人はカジャおばさんで、親戚が捕まっているそう。
「地下牢へ逆戻りになったら今より働かされるし、この村へもなんらかの要求がくるはず」
「運が悪ければこの村のもんも、帝国行きじゃろうのう」
村長のブランドンが髭を触りながら呟いた。帝国のドワーフは助けたいが、村には多くのドワーフがいて、彼らの生命と生活も守らなければならない。
「その可能性は高いですね。それでもやってみたいなら仕事を受けます」
「⋯⋯あんたらの用事はなんね? くそ寒い中をわざわざここまで来たんじゃけ用事があるんじゃろ?」
「武器を作って欲しくてきたんです。大型の魔物と戦ってるとすぐ折れちゃうんで」
「⋯⋯今晩は泊まっていきんさい。雪も吹雪いてきとるし、ちいと考えさせてもらうけんね」
村長の家の奥まった部屋に案内されたロクサーナ達は、食事と風呂を済ませて赤々と薪の燃える暖炉の前に座った。
【ドワーフ達、やるかな】
「やると思うよ。人間と違ってドワーフって仲間意識が高そうだもん」
【ピッピ、先に行って調べてくる?】
「計画がある程度固まったら頼もうかな。帝国は底がしれないからね、精霊を探知できてもおかしくないかもだし」
情報は欲しいが、そのせいでピッピが危険になっては本末転倒になる。
(結界の魔導具がどのくらいの強度で、どのくらいの数が設置されているのか。それを調べてからじゃないと、何も決められないなあ)
【ロクサーナはやるつもりだったんだろ?】
「半々かなあ」
雪解けまでに1ヶ月くらいか。その間にドワーフを助け出し、帝国に一泡吹かせたい気持ちは大きい。
(魔導具士を炙り出せるかもだしね)
「そうでもないと思いますよ~。だってほら、ここに伝説のドワーフさん達がいますからね。魔法士は世界中で減り続けていますから、ドワーフから手に入れられる武器や防具はどんどん希少価値が上がってます」
「わしらは⋯⋯」
「可能性のひとつです。魔力持ちや魔法士が減りはじめて長いですし、原因も突き止められないままです。軍隊を強くする為にはより強固な防具とか、より強力な武器を欲しがるのが普通じゃないですか。
例えば⋯⋯この森と領土が近い帝国」
「⋯⋯」
「いつ頃からかなぁ、帝国が領土を広げる時、東方向の国を重点的に攻めてる気がするんです。鉱山があるとか、交易が便利になるとかって理由があるわけでもない。手に入れてもメリットの少なそうな国の方が多いのに、やたらと東を目指してる。何を防衛したいのか分からないですけど、おかしなとこに砦を建設してますし」
「わしらは他の国の情報には興味がないけん⋯⋯」
「帝国が最強だって言われてる理由のひとつに防具武器があって⋯⋯ほら、これとか」
ロクサーナが異空間収納から取り出した剣はツヴァイハンダー、ダガー、スモールソード、マスケット銃。
「どれも仕事の依頼で出かけた時にゲットしたんですけど、すごい技術ですよね」
ツヴァイハンダーは剣身のガードに近い部分に、敵の剣をはね返すための突起が取り付けられ、戦闘特化型のダガーは攻撃力のある厚い両刃。
レイピアを細く小さくしたスモールソードは、見事な金メッキ装飾や透かし彫りを施した豪華なものなので儀礼用の可能性もあるが、軽量で刺突の攻撃力は高い。
マスケット銃は先込め式の滑腔式歩兵銃で散弾も発射可能なもの。
「使われている素材もですが、これほどの剣を作れる鍛治師もほとんどいないはず。なのに、帝国ではかなりの数が揃ってるんですよね。マスケット銃はまだほとんど出回ってないフリントロック式ですから優秀な鍛治師の数はかなり必要のはずなんです」
「⋯⋯ほうじゃ。あんたの言う通り、これらはドワーフが作ったもんばかりじゃ。帝国にこれを売ったんは間違いないが、あんたらにとやかく言われる筋合いはないけんの! わしらにはわしらの事情があるんじゃけ」
「帝国の地下で働いてる⋯⋯捕まってるドワーフの為ですか?」
ドワーフ達が動きを止め、ロクサーナを凝視した。
「なんで知っと⋯⋯ほうか、知っとったんか。奴らは元気にしとったかの?」
「元気⋯⋯う~ん、怪我はしてなかったけど、元気とは程遠かったかなぁ。地下で黙々と武器を作らされてるから、目が死んでるって感じでしたね」
「見たんならなんで、なんで助けんかったんじゃ!? あんたらなら簡単に助けられたじゃろうがぁ」
酒甕の横で立ち上がって叫んだのは、一番初めに顔を出したドワーフで、名前はドルフ。
「逆なら助けますか? 危険な場所に潜入している時、牢に人間が監禁されていた。ドワーフは『なんて可哀想なんだ!』って助けるんですか?
値切るとか盗むとか騙すとかが大嫌いなんですけど、おんなじくらいタダ働きも大嫌いなんです。2度と搾取される側には回らないって決めてます」
帝国の王城の地下にある巨大な作業場には幾つもの炉が設置され、6人のドワーフが働かされていた。壁際には鉱石や皮などが種類毎に整理して置かれ、その横には汚れた毛布が丸めて置かれている。
間が1メートル以上開いた二重の鉄格子、監視する複数の帝国兵はマスケット銃を肩から下げていた。
自分達の作った武器で監視される理不尽さを毎日目にしながら、働かされるのはどれほどの苦痛か⋯⋯。
「生活の全てがそこで完結してる感じでした」
「お金を払ったら、助けてくれるんじゃろ? 村長、払ってあげて! お願いじゃけん」
「金でも武器でも欲しいもんを言うてくれ。んで、あいつらを助けてくれや!」
「⋯⋯いや、それはやめた方がええ。失敗した時のことを考えてみい。ここにおるドワーフがどうなるか⋯⋯村長として、わしはこの村の者を守らにゃ」
「くそぉ! 帝国の奴らなんか⋯⋯」
「ねぇ、なんとかなんならんの? 仲間がそんとなとこで働かされとるなんて、我慢できんのよ」
「相手は帝国じゃけん、どうにもならん! ほんじゃけ、わしらは黙って武器を作ってきたんじゃろうが!! 助けれるもんなら、とうに助けとるわ」
「ほんなら、一体いつまで我慢させりゃあ、ええんね!? 死ぬまで我慢させるんね!?」
「なあ、こんだけよおけの精霊を従えとるんじゃけ、帝国からドワーフを助け出すくらいできるじゃろ?」
そうだそうだとドワーフ達が騒ぎはじめた。
ドワーフの平均寿命は300年と言われ、長い生を地下牢で過ごさせるのは辛すぎる。
「助けられる可能性はあります。でも、失敗する可能性がないわけじゃない」
王城には結界の魔導具が何重にも仕掛けられていた。中心に鉄骨を入れた強固な壁、帝国兵が守る幾つものドアを通り抜けないと辿り着けない地下牢。最後には二重の鉄格子。
結界が壊されてから結界を張り直すまでに、どのくらいの余裕があるのかもわかっていない。
「ほんでも、前に忍び込んだんじゃろ? なら、なんとかなるんじゃないんね」
(長年捕まっていたら、頑固なドワーフは疑心暗鬼になってるはず⋯⋯信用されないとも限らないよね)
「一番の問題は結界で⋯⋯解除した後、どのくらいの猶予があるのか分かれば⋯⋯。それに、転移する前には隷属の首輪を外す必要があるし、帝国兵に紛れて忍び込んだ前回とは条件が違うんです」
「失敗したらどうなるん?」
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「⋯⋯あんたらの用事はなんね? くそ寒い中をわざわざここまで来たんじゃけ用事があるんじゃろ?」
「武器を作って欲しくてきたんです。大型の魔物と戦ってるとすぐ折れちゃうんで」
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情報は欲しいが、そのせいでピッピが危険になっては本末転倒になる。
(結界の魔導具がどのくらいの強度で、どのくらいの数が設置されているのか。それを調べてからじゃないと、何も決められないなあ)
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