【完結】期間限定聖女ですから、婚約なんて致しません

との

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00.あの人達は今! 思い込みは怖い

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 数ヶ月前に時は遡り⋯⋯。

「ロクサーナ? リーダーだなんて自分で言ってただけだよぉ~。男爵家だから目立ちたかったんだと思うの。昔っからそうだったもん。
アーノルドの婚約者になれるって思い込んでたから⋯⋯え? そう、おっかしいでしょ」

「泥棒騒ぎまで起こしてさぁ、今頃『何で失敗したんだ』とかって怒ってそう。レベッカ、怖~い。またいじめられちゃうかもぉ。もう顔を出せないって言ってたら可哀想だから終業式には呼んであげようよ。
あたし達が仲が良いのを見たら諦めもつくと思うから。ねっ」



 リューズベイで偉業を成し遂げた聖女(?)レベッカは、またもやドレスを踏みつけながら新しく届けられたアクセサリーの品定めをしていた。

「なんか少ない⋯⋯もっとあちこちから届くはずなのに。聖女に感謝してバンバン宝石とか贈ってくるべきじゃん。ショボ過ぎてムカついてきた!」

 手に持っていたイヤリングをポイっと床に落としたレベッカは、別のイヤリングに手を伸ばした。

(それより、椅子の下のドレスをどうすんだよー! 仕事が増えるから、届いたばっかのドレスを踏むなぁぁ! イ、イヤリングはどこよぉぉ。もうやだぁ)

「まあ、良いか~。今からデートなんだよね~。すっごいイケメンでさ、あたしのことを生命の恩人だって思ってるから。今日も楽しい⋯⋯ぐふふ⋯⋯。
アーノルド達ってさ、超下手くそだから物足りないんだよね。でもでも、冒険者って体力があるからさ、回数もこなせちゃう! どんどんレベルも上がってて最高なんだもん!
侯爵家じゃなかったら結婚してあげても良かったんだけどさぁ、ヘボのフニャ◯んでも、アーノルドなら王妃確定だもん。
レオンには、愛人のひとりで我慢してもらわなきゃね~」

「ビクトールとトーマスはさ、サブリナとセシルにでも下げ渡しちゃおうって思うんだけど、どうかなぁ。あんまり役に立たないし、下手くそだし。
ロクサーナをボコボコにしてからサブリナ達とくっつけちゃえば、4人の下僕が出来上がる⋯⋯あたし、頭良すぎじゃん。
こんな優秀なあたしに仕えられてるんだから、感謝してよね」

「は、はあ⋯⋯そですね」

(聞かなかったからね、私はなーんにも聞いてません。王家とか侯爵家とかにバレたらどうなんのよ。何色の子供が生まれる? いつ生まれる? あぁぁぁ! それまでに転職しなきゃあ)



『でね、聖女だからスタンピードの時とかリューズベイの魔物の時とか⋯⋯⋯⋯魔物なんてなくなっちゃえば楽なんだけどね~』



「だから言ったじゃん、あたしがいるからスタンピードは起こらないって」

(ダメ元で頼んでおいたけどさぁ、レオンったらマジでやってくれたんだ~、超役に立つじゃん。次に会った時に、うんとサービスしてあげなくちゃね)



「リューズベイの魔物が殺られた? あたしの祈りで暴れなくなった子を⋯⋯可哀想⋯⋯エグエグ⋯⋯魔物だって生きてるのに」

(おっさんが魔導具使って殺ったって、何それ。あたしがわざわざ祈ってやった意味ないじゃん。まあ、今年も出てきたかもしんないし⋯⋯別に良いけどさ。
問題は、聖女の祈りを信じてなかったって事! 英雄だって言われてる? 聖女や聖王国の魔法士より魔導具の方が凄い? 巫山戯るなぁぁぁ!
くっそムカつく、そのおっさんは処刑よ、処刑! アーノルドに言って拷問してから処刑してやるんだから。
なんかそれっぽい罪でも作れば⋯⋯あ、聖女に対する不敬罪で良いじゃん。あたしの前で土下座させちゃおうっと)



「卒業式にロクサーナを呼んであげるの? アーノルドったら優しいのね~。でもでも、また虐められちゃうかも。あたしのこと、ちゃーんと守ってね。
アラクネの魔糸で作ったドレスとか⋯⋯ええっ! 無理なのぉ、残念(ショボン)
終業式より卒業式の方がいっぱい人がいるから、その時に? レベッカ、ちょっぴり元気になってきた。アラクネの魔糸は欲しいけど」

(ふふっ、アーノルドったらすっごい喜んで計画してるし~⋯⋯よっぽどロクサーナにムカついてたんだ~。
アラクネの魔糸はレオンに頼んじゃおうかな。冒険者だもん、素材集めは仕事だよね~)

(アラクネが見つからない? 森が荒れてて奥まで行けない? 何それ、冒険者のくせに甘えてんじゃないわよ! 役に立たないなら捨てちゃうよ?)




★★ ★★

 親の力を使ってロクサーナの休学を取り消させようとしていた2人。

「お母様から叱られてしまったの。教会の聖なるお仕事の邪魔はダメだって⋯⋯」

「あたしもパパに無理だって言われちゃった。パパに無理って言われたのなんて初めてで、超ショック」


「⋯⋯メイドは役に立たなくて、課題が溜まってるの。お友達とのお約束、キャンセルしなくちゃ」

「あたしも、宿題出さないなら補習だって⋯⋯友達と遊ぶ暇がなくなるよ」



「君の美しさと魔法があれば、学園を卒業する必要なんてないって。トーマスで手を打とうかしら」

「ビクトールは次男だからさ、騎士団に入るんだ。あたしなら初の女性騎士間違いなしだから、一緒に団長と副団長になろうって。勉強なんてやめてさ、そっちにしようかな」

「じゃあ、わたくし達も終業式で学園を辞めましょう」

「うん! なら、勉強なんてどうでもいいよね。こないだのカフェに行く?」

「お友達にも声をかけなくちゃね」




「ロクサーナが卒業パーティーに参加するんですって!」

「今更出てくるとか、何考えてんの!?」

「さあ⋯⋯ねえ、ロクサーナはわたくし達に迷惑をかけたってわかってるのかしら」

「1回も謝罪の手紙とか届いてないもん、分かってないっしょ。超ムカついてるからさ、なんか仕返ししてやりたーい」

「もしかしたらだけど、アーノルド王子とレベッカが『アレ』をやるんじゃないかしら。そうなったら、少しくらいお手伝いしてもいいと思わない?」

「やる! 手伝う! ロクサーナって、仕事してないんじゃなくて出来ないんだと思うんだよね。それなのに自分はエリアヒール使えるとか言ってバカにしてくるし。
やり返せたら超最高だよ」

「それなら、最高の衣装を準備しなくちゃ。ロクサーナが恥ずかしくてそばに寄れないくらい着飾っておかなくちゃ」

「男爵家じゃあロクな準備も出来ないもんね~。パパに頼んで最高のドレスとアクセサリーを準備しよっと」

「わたくしも、伯爵家のプライドにかけて準備するわ。レベッカは王家の資金力で着飾ってくると思うけど、趣味がアレでしょう?
わたくし達は上品でセンスの良い装いで、ロクサーナとレベッカの上に立って見せるわ」



「「今までごめんねって言わせるの」」

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