93 / 126
84.逃げ足だけは早い奴に溜め息が出そう
しおりを挟む
「で? なんで~、あの港を~、攻撃させてたわけ?」
【シーサーペントにしたのは⋯⋯ほら、人的被害ってやつを出さない為かもなぁって思うんですけどね~。どうせやるなら派手にぶっ壊して『さあ来い!』ってやった方がいいと思うんですよ。だって、人間なんてゴロゴロいるし~、港のひとつくらい⋯⋯】
「巫山戯んな、これでも喰らいやがれぇぇ! こんのボケナスエロガッパァァ!!」
【ぎゃあ! ごめ、ごめんなさい~! もう言いませんからぁ⋯⋯人間大事、山も大切ぅぅ⋯⋯痛いよお、人間怖いよお】
懲りずに失言を繰り返したグラウコスは、ロクサーナの氷の槍で全身串刺しになっているが、『不死』のお陰で元気いっぱいなのが妙にムカつく。
「ううっ! その青い顔みてたら殺りたくなってきた! 女の敵、人類への災厄、いっぺん死んで漁師からやり直してみる?」
【ご、ごめんなさい。ほんと、マジでごめんなさい! これからは良い子になります。海神になれてちょっと⋯⋯すっごーく勘違いしてましたでございます。適当に予言したら色々もらえるし~、なんかモテモテだし~。いい女を選び放題やり放題みたいな?
こ、これからは心入れ替えて、目指せ一夫一婦制! あっちこっちでガキ作りまくってる神の真似はやめるっす!】
正座したまま両手を合わせて拝み倒すグラウコスを見ていると⋯⋯。
「なんか、間抜け顔を見過ぎて気が抜けた。私達には関わらない、人は襲わない、港も壊さない、調子に乗らない、周りの誰にも迷惑かけない。魔法契約するなら風の皮袋返す」
【は、はい! もちろんでございます。人間が思うところの海神に相応しい生き物になって、早寝早起き・規則正しい食生活・掃除洗濯・9時5時勤務を目指します~! 嘘の予言はやめますし、人の女も二度と寝取りません】
最後の辺りに過去の新たな犯罪が浮上したが、今後しないなら聞かなかったことにしよう⋯⋯ロクサーナとジルベルトが目を合わせて小さく頷いた。
(コイツなら他にも余罪、山盛りありそうなんだもん。『見ざる・聞かざる・言わざる』じゃないと、いつまでも話が終わらない気がする)
「なんであの港を攻撃させてたのか知らないの?」
【そ、そ、それはですね! あ、あの港で騒ぐとですね、逃げ出したキルケーが出てくる可能性があるとかでして、はい】
2度目の電撃を恐れスカリの中で正座したグラウコスが、怯えた目つきでロクサーナを見上げた。
【あとは⋯⋯う~ん⋯⋯あ、キルケーのお気に入りの啄木鳥がどうのとか、山のどこかに誰かがいるとか言ってたような気も⋯⋯】
あちこちから恨みを買っているキルケーは、お気に入りの啄木鳥を連れて異次元に島ごと逃げ出したまま、この世界には顔を出さなくなった。
【えーっと、スキュラもセイレーンも岩になってるから、あんま遠くには行けなくて⋯⋯それでここにも出張できなかったっすけどね⋯⋯ キルケーが次元の狭間から出てくるのを待ってるらしいっす。
シーサーペントを連れてきて、港を襲えって言うんすけど、シーサーペントじゃ大したことはできねえし⋯⋯何をするつもりなのか、さっぱりわからねえ⋯⋯で、ございますです】
キルケーに恨みを晴らしたいスキュラとセイレーンには、同じ海峡にいるカリュブディスが共感して協力を申し出ているが、彼女も遠くへは行けない。
【キルケーはもう結構な年ですからね~。3人が待ち構えてるとこに出てく勇気はないのか、両者睨み合って⋯⋯みたいな感じが何年も続いてるんすよ。面倒ですよね~】
女の恨みはしつこいと言ってグラウコスはジルベルト司祭に同意を求めたが、返事はオールの柄でのひと殴り。
【うぎゃ! に、にいちゃんは聖職者でしょ? 暴力反対、迷える子羊にお慈悲をくれても⋯⋯あわわ、ごべんなじゃい】
魔法契約を終わらせて風の皮袋を返すと、グラウコスはあっという間に海底に向けて逃げていった。
「はぁ、こんなに疲れた敵は初めて⋯⋯意外にグラウコスは最強かも」
「最悪最恐って感じだな。図々しさが突き抜けてるし、罪悪感もないし。多分説明を理解できてない気がする」
「はぁ、せっかくのお天気なのに変な話だらけで⋯⋯あぁ、お腹空いた~!(啄木鳥かぁ⋯⋯後は、山にいる誰か。誰だろう、山、山? なんか聞いた事があったような⋯⋯今回の成果はそれくらいかな。疲れた割にショボすぎる)」
家に戻ったロクサーナとジルベルトはいつもの如く並んで朝食をとりながら、お互いの知識を比べあった。
「啄木鳥と山って何かあった気がするんだけど、思い出せなくて⋯⋯ジルべ⋯⋯ルイスは何か知ってる?」
キルケーに会いたいロクサーナは、教会に所属している間に過去の文献を調べまくった。魔女キルケーの使える技や知識はしっかりと記憶しているが、悪行の数々はあまり覚えていない。
(過去のドロドロなんて興味なかったからなぁ)
「ロクサーナはさ、可哀想なピークス王の話を知ってる?」
ロクサーナがグラウコスに眠らされた後、ピッピが漏らした一言からキルケーについて調べていたジルベルトが口を開いた。
(ピッピが『ロクサーナはぁ、キルケーに会いたいんだって~』って教えてくれなければ、今頃慌ててただろうな)
狩りをするピークス王に一目惚れしたキルケーは、策をめぐらせて王と2人きりになり熱烈に気持ちを伝えたが、既婚者のピークス王に拒まれ魔法で啄木鳥に変えてしまった。
それを知ったピークス王の従者のひとりは、行方の分からなくなったピークス王を探し、6日6晩野山を駆け巡った末に空気に溶けて消えてしまったと言う。
啄木鳥に変身させられたピークス王はアイアイエー島にあるキルケーの館の中、人間だった頃の自分をかたどった彫像の上に今も留まっている。
「ピークス? ピークス⋯⋯ピ、ピークス⋯⋯あっ! 確かそんな話を読んだ覚えがあります。男を取っ替え引っ替えしてるキルケーが、わざわざ島に連れてくなんてよっぽど気に入ったんだなぁって、チラッと思ったような気がします」
「山で消えた従者なんだけど⋯⋯探しに行ったのは、ピークス王の妻カネーンスだったって言う説の方が有力なんだ」
ピークス王の最愛の妻は優れた歌い手であったニュンペーのカネーンス。
「その説では⋯⋯彼女は今も山を彷徨いながら愛するピークス王を探していて、ピークス王を探し求めるカネーンスの歌声が、時折山から聞こえてくるとも言われてる」
「うわぁ! もしそうだったら切なすぎますね。となるとカネーンスが彷徨ってる山が、リューズベイの港の近くにある山だったりするって事ですね」
「グラウコスは『山のどこかに誰かがいる』と言ってたから、従者か妻のどちらかが今もいるのは間違いないだろうね。
取り敢えず今は妻って事で話を進めるとして、ロクサーナはリューズベイにいた時に、何か気になることはなかった?」
「うーん、山ですよね⋯⋯山、山かあ」
港に近い山は山裾に漁業ギルドがあり、中腹に派手な領主館が建っていたくらいしか憶えておらず、自分の関心は海と食べ物にしか向いていなかったと気付いたロクサーナが、ちっこい身体を益々小さくして頭をテーブルに押し当てた。
「うぐぐっ! 何も気にしてなかったかも⋯⋯無念」
「キルケーの幻術の可能性があるから、かなり精密なものじゃないかと思うんだ」
落ち込んだロクサーナの頭を撫でたジルベルトが、『相手が悪すぎただけだから、気にしなくて良いよ』と優しく慰めた。
【シーサーペントにしたのは⋯⋯ほら、人的被害ってやつを出さない為かもなぁって思うんですけどね~。どうせやるなら派手にぶっ壊して『さあ来い!』ってやった方がいいと思うんですよ。だって、人間なんてゴロゴロいるし~、港のひとつくらい⋯⋯】
「巫山戯んな、これでも喰らいやがれぇぇ! こんのボケナスエロガッパァァ!!」
【ぎゃあ! ごめ、ごめんなさい~! もう言いませんからぁ⋯⋯人間大事、山も大切ぅぅ⋯⋯痛いよお、人間怖いよお】
懲りずに失言を繰り返したグラウコスは、ロクサーナの氷の槍で全身串刺しになっているが、『不死』のお陰で元気いっぱいなのが妙にムカつく。
「ううっ! その青い顔みてたら殺りたくなってきた! 女の敵、人類への災厄、いっぺん死んで漁師からやり直してみる?」
【ご、ごめんなさい。ほんと、マジでごめんなさい! これからは良い子になります。海神になれてちょっと⋯⋯すっごーく勘違いしてましたでございます。適当に予言したら色々もらえるし~、なんかモテモテだし~。いい女を選び放題やり放題みたいな?
こ、これからは心入れ替えて、目指せ一夫一婦制! あっちこっちでガキ作りまくってる神の真似はやめるっす!】
正座したまま両手を合わせて拝み倒すグラウコスを見ていると⋯⋯。
「なんか、間抜け顔を見過ぎて気が抜けた。私達には関わらない、人は襲わない、港も壊さない、調子に乗らない、周りの誰にも迷惑かけない。魔法契約するなら風の皮袋返す」
【は、はい! もちろんでございます。人間が思うところの海神に相応しい生き物になって、早寝早起き・規則正しい食生活・掃除洗濯・9時5時勤務を目指します~! 嘘の予言はやめますし、人の女も二度と寝取りません】
最後の辺りに過去の新たな犯罪が浮上したが、今後しないなら聞かなかったことにしよう⋯⋯ロクサーナとジルベルトが目を合わせて小さく頷いた。
(コイツなら他にも余罪、山盛りありそうなんだもん。『見ざる・聞かざる・言わざる』じゃないと、いつまでも話が終わらない気がする)
「なんであの港を攻撃させてたのか知らないの?」
【そ、そ、それはですね! あ、あの港で騒ぐとですね、逃げ出したキルケーが出てくる可能性があるとかでして、はい】
2度目の電撃を恐れスカリの中で正座したグラウコスが、怯えた目つきでロクサーナを見上げた。
【あとは⋯⋯う~ん⋯⋯あ、キルケーのお気に入りの啄木鳥がどうのとか、山のどこかに誰かがいるとか言ってたような気も⋯⋯】
あちこちから恨みを買っているキルケーは、お気に入りの啄木鳥を連れて異次元に島ごと逃げ出したまま、この世界には顔を出さなくなった。
【えーっと、スキュラもセイレーンも岩になってるから、あんま遠くには行けなくて⋯⋯それでここにも出張できなかったっすけどね⋯⋯ キルケーが次元の狭間から出てくるのを待ってるらしいっす。
シーサーペントを連れてきて、港を襲えって言うんすけど、シーサーペントじゃ大したことはできねえし⋯⋯何をするつもりなのか、さっぱりわからねえ⋯⋯で、ございますです】
キルケーに恨みを晴らしたいスキュラとセイレーンには、同じ海峡にいるカリュブディスが共感して協力を申し出ているが、彼女も遠くへは行けない。
【キルケーはもう結構な年ですからね~。3人が待ち構えてるとこに出てく勇気はないのか、両者睨み合って⋯⋯みたいな感じが何年も続いてるんすよ。面倒ですよね~】
女の恨みはしつこいと言ってグラウコスはジルベルト司祭に同意を求めたが、返事はオールの柄でのひと殴り。
【うぎゃ! に、にいちゃんは聖職者でしょ? 暴力反対、迷える子羊にお慈悲をくれても⋯⋯あわわ、ごべんなじゃい】
魔法契約を終わらせて風の皮袋を返すと、グラウコスはあっという間に海底に向けて逃げていった。
「はぁ、こんなに疲れた敵は初めて⋯⋯意外にグラウコスは最強かも」
「最悪最恐って感じだな。図々しさが突き抜けてるし、罪悪感もないし。多分説明を理解できてない気がする」
「はぁ、せっかくのお天気なのに変な話だらけで⋯⋯あぁ、お腹空いた~!(啄木鳥かぁ⋯⋯後は、山にいる誰か。誰だろう、山、山? なんか聞いた事があったような⋯⋯今回の成果はそれくらいかな。疲れた割にショボすぎる)」
家に戻ったロクサーナとジルベルトはいつもの如く並んで朝食をとりながら、お互いの知識を比べあった。
「啄木鳥と山って何かあった気がするんだけど、思い出せなくて⋯⋯ジルべ⋯⋯ルイスは何か知ってる?」
キルケーに会いたいロクサーナは、教会に所属している間に過去の文献を調べまくった。魔女キルケーの使える技や知識はしっかりと記憶しているが、悪行の数々はあまり覚えていない。
(過去のドロドロなんて興味なかったからなぁ)
「ロクサーナはさ、可哀想なピークス王の話を知ってる?」
ロクサーナがグラウコスに眠らされた後、ピッピが漏らした一言からキルケーについて調べていたジルベルトが口を開いた。
(ピッピが『ロクサーナはぁ、キルケーに会いたいんだって~』って教えてくれなければ、今頃慌ててただろうな)
狩りをするピークス王に一目惚れしたキルケーは、策をめぐらせて王と2人きりになり熱烈に気持ちを伝えたが、既婚者のピークス王に拒まれ魔法で啄木鳥に変えてしまった。
それを知ったピークス王の従者のひとりは、行方の分からなくなったピークス王を探し、6日6晩野山を駆け巡った末に空気に溶けて消えてしまったと言う。
啄木鳥に変身させられたピークス王はアイアイエー島にあるキルケーの館の中、人間だった頃の自分をかたどった彫像の上に今も留まっている。
「ピークス? ピークス⋯⋯ピ、ピークス⋯⋯あっ! 確かそんな話を読んだ覚えがあります。男を取っ替え引っ替えしてるキルケーが、わざわざ島に連れてくなんてよっぽど気に入ったんだなぁって、チラッと思ったような気がします」
「山で消えた従者なんだけど⋯⋯探しに行ったのは、ピークス王の妻カネーンスだったって言う説の方が有力なんだ」
ピークス王の最愛の妻は優れた歌い手であったニュンペーのカネーンス。
「その説では⋯⋯彼女は今も山を彷徨いながら愛するピークス王を探していて、ピークス王を探し求めるカネーンスの歌声が、時折山から聞こえてくるとも言われてる」
「うわぁ! もしそうだったら切なすぎますね。となるとカネーンスが彷徨ってる山が、リューズベイの港の近くにある山だったりするって事ですね」
「グラウコスは『山のどこかに誰かがいる』と言ってたから、従者か妻のどちらかが今もいるのは間違いないだろうね。
取り敢えず今は妻って事で話を進めるとして、ロクサーナはリューズベイにいた時に、何か気になることはなかった?」
「うーん、山ですよね⋯⋯山、山かあ」
港に近い山は山裾に漁業ギルドがあり、中腹に派手な領主館が建っていたくらいしか憶えておらず、自分の関心は海と食べ物にしか向いていなかったと気付いたロクサーナが、ちっこい身体を益々小さくして頭をテーブルに押し当てた。
「うぐぐっ! 何も気にしてなかったかも⋯⋯無念」
「キルケーの幻術の可能性があるから、かなり精密なものじゃないかと思うんだ」
落ち込んだロクサーナの頭を撫でたジルベルトが、『相手が悪すぎただけだから、気にしなくて良いよ』と優しく慰めた。
91
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
二度目の人生は離脱を目指します
橋本彩里(Ayari)
恋愛
エレナは一度死に戻り、二度目の人生を生きることになった。
一度目は親友のマリアンヌにあらゆるものを奪われ、はめられた人生。
今回は関わらずにいこうと、マリアンヌとの初めての顔合わせで倒れたのを機に病弱と偽り王都から身を遠ざけることにする。
人生二度目だから自身が快適に過ごすために、マリアンヌと距離を取りながらあちこちに顔を出していたら、なぜかマリアンヌの取り巻き男性、死に戻り前は髪色で呼んでいた五人、特に黒いのがしつこっ、……男たちが懐いてきて。
一度目の人生は何が起っていたのか。
今度こそ平穏にいきたいエレナだがいつの間にか渦中に巻き込まれ――。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャらら森山
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる