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110.気付いてなかったの!?
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「あー、骨ですよね。結構バキバキ踏んできたんですけど、コレクションしてました?
その仲間になる気はないんで、謝った方が良いですか?」
【⋯⋯カネーンスから聞いてはいたけど、本当におかしな子ねぇ。随分と沢山の神や上位精霊を従えてるから、物怖じしないでいられるのね】
「へ? 心の支えではあるけど、従えてないです。ミュウ達は大切な家族ですもん」
精霊を使役するとか、精霊に命令するとか⋯⋯そういう傲慢な考え方が大っ嫌いなロクサーナは眉間に皺を寄せた。
【あー、やだやだ。人の子がよく言う⋯⋯アムッモグモグ⋯⋯ 綺麗事ってやつじゃん】
【それよりさぁ、あたし達と話して気が済んだでしょ? さっさと帰れば?】
「そうですね。取り敢えずカネーンスは機嫌が良さそうな気がするし、島や海域は大丈夫そうだし。あっ、人間がこの島やこの海域に迷惑をかけない限り、人間達との棲み分けをお願いできますか?」
(一番肝心な話を忘れて帰るところだったよ、危ない危ない)
仲間に盛大な心配をかけたと自認しているロクサーナが、次に単独行動できるのがいつになるのか分からない。
冷や汗を垂らしたロクサーナを嘲笑うように、霧の中からセイレーンが現れた。
【無為に生き、僅かな寿命で死んで行く。愚かで無能な人間達の暮らしがどうなろうと、わたくし達には関係ないの。虫ケラのように地べたを這いずる人間が、わたくし達に命令できると思っていたのかしら】
「命令する気はないけど、お互いに不干渉でいるのが一番だと思うから、話し合いとか説得はする気で来たかも」
(それが無理ならボッコボコにするつもりだもん。殺るのは無理でも、半死半生の目に合わせるくらいならできると思うんだよね)
ロクサーナ達の予想では⋯⋯。
ピークス王が目を向ける山が破壊されそうだと、キルケーに恐怖を与えれば、アイアイエー島から出てくる⋯⋯と考えたセイレーン達が結託し、港への攻撃がはじまったはずだが、それが合っていたとしたら、一つの大きな疑問が浮上する。
「あの~、つかぬ事を伺いますが。キルケーが出てきた後ってどうするの?」
【【【⋯⋯⋯⋯えぇっ!?】】】
「みんな、キルケーに対抗できるような攻撃方法とかって持ってないですよね」
【そう言えばそうね】
【確かに】
【ない】
(こいつら⋯⋯もしかして、アホの子!?)
肝心な事にようやく気付いたセイレーンが、大きな溜め息を吐いた。
【おバカすぎ⋯⋯信じらんない】
セイレーンの羽ばたきで霧が晴れると、目の前には岩の上に立つセイレーンを見上げるスキュラがいる。
(浅い水辺に半身を沈めているせいかな、魔物には見えないねぇ。伝説通りの美少女だよ)
スキュラより少し後ろには、水でできた人形のようなカリュブディスが立ち、手に絡みつくウツボを丸呑みにしていた。
【キルケーはあの山にいるカネーンスの幻術が解けないか、いつも気にしてたの。もう、幻術が解けてここにいるんだけどね。
それなのに、ピークス王は逃げ出して来ないし、キルケーも出てこない。
⋯⋯自分に靡かない男がいるのが許せないとか言ってて、自意識過剰もあそこまでいくと笑えちゃうわ。年取った女の執着って本当にみっともないと思わない?】
キルケーを嫌っている男なんて星の数ほどいると言いながら、セイレーンは指を折りながら何人もの名前を上げはじめた。
【カネーンスの代わりにわたくしの歌を聞かせてあげてたの。その度にキルケーがこっそり様子を見にくるのが可笑しくて⋯⋯まあ、わたくしの方がカネーンスより断然上手に歌えてたけどね。ふふっ】
(セ、セイレーンってちょっと⋯⋯いや、怪物だからこんなもんか。ニュンペーの頃はきっと違ってたはず。うん、多分だけど)
【幻術を解けるのがキルケーだけだからって、言いなりになってるけどさあ⋯⋯ピークスってば、山の幻術が解けても逃げ出してこないなんてねぇ。
啄木鳥のままでも妻の元に帰りたいとかって純愛だと思ってたのにさぁ、やっぱ男ってロクでもない奴ばっかだね。
あのバカは、超モテモテでイケメンを選び放題だったアタシに付き纏った挙句、『怪物怖~い』とか言って逃げ出しやがったし】
(引く手数多の美少女が一転して怪物にされたんだから、キルケーとグラウコスを恨んでも当然だよねえ。でも、『イケメン選び放題』かぁ⋯⋯なんかレベッカ臭がするかも)
【ピークスが啄木鳥ヤダとか言い出したら、プチってしちゃうかも~。だーって、鳥なら怪物よりマシじゃん。あっはっは】
(ううっ、やっぱりレベッカ臭がプンプンだ。スキュラもちょっと無理かも)
若干涙目になりかけたロクサーナの足元に、ミュウがそっと擦り寄った。
(あうぅ、モフモフがぁ! うん、もう少し頑張る)
【キルケーはすっげえイライラしてて、癇癪ばっか起こしてるみたいで~⋯⋯モグモグ⋯⋯ピークスもずーっと機嫌が悪いから、アイアイエー島は超荒れてるってフェイが言ってた⋯⋯ゲフッ】
次元を越えられるフェイはどちらの味方でもないらしく、セイレーン達とキルケーの両方に情報を流して楽しんでいると言う。
(なんか、みんなクソじゃん⋯⋯真面な奴っていないのかなぁ。全部纏めてプチッてしたくなってきた)
【キルケーの求愛を断ったまでは良いけどぉ⋯⋯モグモグ⋯⋯一服盛られたのはピークスが間抜けだっただけなのに⋯⋯ゲフッ】
自分が啄木鳥のまんまは嫌だと騒ぎ、キルケーのところにいるのも嫌だと怒っているそう。
海に手を突っ込んでは魚をゲットし、モグモグむしゃむしゃと食べながら話すカリュブディスは、話の終わりに魚臭いゲップをする。
(ううっ、精神に大ダメージが⋯⋯恐るべしカリュブディス)
【シーサーペントを暴れさせたのは、わたくしが自殺した月であり、オデュッセウスの船がカリュブディスに食われた月でもあるの。キルケーはオデュッセウスが殊の外お気に入りだったから⋯⋯中々いいチョイスだと思わない?。
まあ、今後は人の子の言う『棲み分け』とやらをしてあげるわ。わたくし達の棲家を荒らさない限りね】
口元を歪めて笑うセイレーンの前で、スキュラとカリュブディスがゲラゲラと笑っていた。
【まあ、あたしら暇だから、キルケーにせっこい意地悪をして楽しんでたって感じだもん。人間と関わると面倒だから、港は放置でいてあげる】
【打倒キルケーの方法が見つからなければ、放置しておくしかないなんて⋯⋯はぁ、なんだか中途半端だわ。
ほら、ここにきた記念に羽をあげるわ。退屈だから時々顔を出しなさいな。羽ならいくらでも余ってるの】
カネーンスはせっせと精気を集め、元の姿を取り戻そうと頑張っている(ミュウ達調べ)
(じゃあ、私が気にする事はないね。人に迷惑をかけないって約束と、時々羽をもらう約束はできたから、島に帰ろうかな)
セイレーン達は『なんかモヤモヤする』と騒いでいたが、楽しそうにも見えたのでノーコメントで。
リューズベイから戻ったロクサーナは、ウルサ達4人やジルベルトと一緒に海を見渡せる断崖に来ていた。
「やっぱりここだよねぇ」
「だから防犯上の問題を考えると、危険が⋯⋯」
「あのな、転移門を使わせてもらえりゃ、俺らは⋯⋯」
「島の安全が一番大切だから、無理しちゃダメなの!」
自由に行き来できる港を作って、ウルサ達が漁をはじめられるようにしたいロクサーナと、安全第一だと言って反対するジルベルト達。
ここ数日、毎日のように喧々轟々議論していたが⋯⋯。
「と言う事で、門番を置くことにしました~。カモーン、お利口さんのケルちゃん&オルちゃん!」
元気良く両手を空に突き上げたロクサーナの前に現れたのは、冥府の番犬ケルベロスとオルトロス。
「この子達をゲットしてきました~! ケルベロスだけで良いかなぁって思ったんだけど、竪琴で寝ちゃうとか賄賂で見逃すとか⋯⋯結構残念な子だから、弟もいれば頑張れると思うんだ~」
ケルベロスは冥府の入り口を守護する番犬。3つの頭と竜の尾、青銅の声で吠える恐るべき猛犬で、飛び散った唾液から猛毒植物であるトリカブトが発生する。
普段は3つの頭が1つずつ交代で眠り、残る2つの頭で常に見張りをしているが、竪琴の美しい音色を聞くと全ての頭が眠らされてしまう。
甘い物好きで蜂蜜や芥子の粉を練って焼いた菓子を与えれば、目の前を通過することが出来る。
オルトロスはケルベロスの兄弟。黒い双頭の犬で、たてがみと尻尾が蛇になっている。性格は落ち着きが無くせっかち。
【お菓子⋯⋯好きなんだもん。マヌケじゃないからね】
【にいちゃんが寝たら、僕が蹴っ飛ばしてやる~。でへへ】
「「いつの間に⋯⋯」」
「キマイラも来たがったんだけど、ケルちゃん達に反対されたんだ」
ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つキマイラは口からは火炎を吐く怪物で、ケルベロス達の妹。
【キマイラはイケメンに弱いから危険。すぐ寝所に潜り込んでくから】
【ジルベルトとシーミア、狙ってたからダメダメ⋯⋯ガクガクブルブル⋯⋯喰われちゃう】
「そ、それは⋯⋯遠慮するわ」
オルトロスはキマイラに喰われかけたらしい。
(もう一人の妹のヒュドラには喰われてるもんね~)
その仲間になる気はないんで、謝った方が良いですか?」
【⋯⋯カネーンスから聞いてはいたけど、本当におかしな子ねぇ。随分と沢山の神や上位精霊を従えてるから、物怖じしないでいられるのね】
「へ? 心の支えではあるけど、従えてないです。ミュウ達は大切な家族ですもん」
精霊を使役するとか、精霊に命令するとか⋯⋯そういう傲慢な考え方が大っ嫌いなロクサーナは眉間に皺を寄せた。
【あー、やだやだ。人の子がよく言う⋯⋯アムッモグモグ⋯⋯ 綺麗事ってやつじゃん】
【それよりさぁ、あたし達と話して気が済んだでしょ? さっさと帰れば?】
「そうですね。取り敢えずカネーンスは機嫌が良さそうな気がするし、島や海域は大丈夫そうだし。あっ、人間がこの島やこの海域に迷惑をかけない限り、人間達との棲み分けをお願いできますか?」
(一番肝心な話を忘れて帰るところだったよ、危ない危ない)
仲間に盛大な心配をかけたと自認しているロクサーナが、次に単独行動できるのがいつになるのか分からない。
冷や汗を垂らしたロクサーナを嘲笑うように、霧の中からセイレーンが現れた。
【無為に生き、僅かな寿命で死んで行く。愚かで無能な人間達の暮らしがどうなろうと、わたくし達には関係ないの。虫ケラのように地べたを這いずる人間が、わたくし達に命令できると思っていたのかしら】
「命令する気はないけど、お互いに不干渉でいるのが一番だと思うから、話し合いとか説得はする気で来たかも」
(それが無理ならボッコボコにするつもりだもん。殺るのは無理でも、半死半生の目に合わせるくらいならできると思うんだよね)
ロクサーナ達の予想では⋯⋯。
ピークス王が目を向ける山が破壊されそうだと、キルケーに恐怖を与えれば、アイアイエー島から出てくる⋯⋯と考えたセイレーン達が結託し、港への攻撃がはじまったはずだが、それが合っていたとしたら、一つの大きな疑問が浮上する。
「あの~、つかぬ事を伺いますが。キルケーが出てきた後ってどうするの?」
【【【⋯⋯⋯⋯えぇっ!?】】】
「みんな、キルケーに対抗できるような攻撃方法とかって持ってないですよね」
【そう言えばそうね】
【確かに】
【ない】
(こいつら⋯⋯もしかして、アホの子!?)
肝心な事にようやく気付いたセイレーンが、大きな溜め息を吐いた。
【おバカすぎ⋯⋯信じらんない】
セイレーンの羽ばたきで霧が晴れると、目の前には岩の上に立つセイレーンを見上げるスキュラがいる。
(浅い水辺に半身を沈めているせいかな、魔物には見えないねぇ。伝説通りの美少女だよ)
スキュラより少し後ろには、水でできた人形のようなカリュブディスが立ち、手に絡みつくウツボを丸呑みにしていた。
【キルケーはあの山にいるカネーンスの幻術が解けないか、いつも気にしてたの。もう、幻術が解けてここにいるんだけどね。
それなのに、ピークス王は逃げ出して来ないし、キルケーも出てこない。
⋯⋯自分に靡かない男がいるのが許せないとか言ってて、自意識過剰もあそこまでいくと笑えちゃうわ。年取った女の執着って本当にみっともないと思わない?】
キルケーを嫌っている男なんて星の数ほどいると言いながら、セイレーンは指を折りながら何人もの名前を上げはじめた。
【カネーンスの代わりにわたくしの歌を聞かせてあげてたの。その度にキルケーがこっそり様子を見にくるのが可笑しくて⋯⋯まあ、わたくしの方がカネーンスより断然上手に歌えてたけどね。ふふっ】
(セ、セイレーンってちょっと⋯⋯いや、怪物だからこんなもんか。ニュンペーの頃はきっと違ってたはず。うん、多分だけど)
【幻術を解けるのがキルケーだけだからって、言いなりになってるけどさあ⋯⋯ピークスってば、山の幻術が解けても逃げ出してこないなんてねぇ。
啄木鳥のままでも妻の元に帰りたいとかって純愛だと思ってたのにさぁ、やっぱ男ってロクでもない奴ばっかだね。
あのバカは、超モテモテでイケメンを選び放題だったアタシに付き纏った挙句、『怪物怖~い』とか言って逃げ出しやがったし】
(引く手数多の美少女が一転して怪物にされたんだから、キルケーとグラウコスを恨んでも当然だよねえ。でも、『イケメン選び放題』かぁ⋯⋯なんかレベッカ臭がするかも)
【ピークスが啄木鳥ヤダとか言い出したら、プチってしちゃうかも~。だーって、鳥なら怪物よりマシじゃん。あっはっは】
(ううっ、やっぱりレベッカ臭がプンプンだ。スキュラもちょっと無理かも)
若干涙目になりかけたロクサーナの足元に、ミュウがそっと擦り寄った。
(あうぅ、モフモフがぁ! うん、もう少し頑張る)
【キルケーはすっげえイライラしてて、癇癪ばっか起こしてるみたいで~⋯⋯モグモグ⋯⋯ピークスもずーっと機嫌が悪いから、アイアイエー島は超荒れてるってフェイが言ってた⋯⋯ゲフッ】
次元を越えられるフェイはどちらの味方でもないらしく、セイレーン達とキルケーの両方に情報を流して楽しんでいると言う。
(なんか、みんなクソじゃん⋯⋯真面な奴っていないのかなぁ。全部纏めてプチッてしたくなってきた)
【キルケーの求愛を断ったまでは良いけどぉ⋯⋯モグモグ⋯⋯一服盛られたのはピークスが間抜けだっただけなのに⋯⋯ゲフッ】
自分が啄木鳥のまんまは嫌だと騒ぎ、キルケーのところにいるのも嫌だと怒っているそう。
海に手を突っ込んでは魚をゲットし、モグモグむしゃむしゃと食べながら話すカリュブディスは、話の終わりに魚臭いゲップをする。
(ううっ、精神に大ダメージが⋯⋯恐るべしカリュブディス)
【シーサーペントを暴れさせたのは、わたくしが自殺した月であり、オデュッセウスの船がカリュブディスに食われた月でもあるの。キルケーはオデュッセウスが殊の外お気に入りだったから⋯⋯中々いいチョイスだと思わない?。
まあ、今後は人の子の言う『棲み分け』とやらをしてあげるわ。わたくし達の棲家を荒らさない限りね】
口元を歪めて笑うセイレーンの前で、スキュラとカリュブディスがゲラゲラと笑っていた。
【まあ、あたしら暇だから、キルケーにせっこい意地悪をして楽しんでたって感じだもん。人間と関わると面倒だから、港は放置でいてあげる】
【打倒キルケーの方法が見つからなければ、放置しておくしかないなんて⋯⋯はぁ、なんだか中途半端だわ。
ほら、ここにきた記念に羽をあげるわ。退屈だから時々顔を出しなさいな。羽ならいくらでも余ってるの】
カネーンスはせっせと精気を集め、元の姿を取り戻そうと頑張っている(ミュウ達調べ)
(じゃあ、私が気にする事はないね。人に迷惑をかけないって約束と、時々羽をもらう約束はできたから、島に帰ろうかな)
セイレーン達は『なんかモヤモヤする』と騒いでいたが、楽しそうにも見えたのでノーコメントで。
リューズベイから戻ったロクサーナは、ウルサ達4人やジルベルトと一緒に海を見渡せる断崖に来ていた。
「やっぱりここだよねぇ」
「だから防犯上の問題を考えると、危険が⋯⋯」
「あのな、転移門を使わせてもらえりゃ、俺らは⋯⋯」
「島の安全が一番大切だから、無理しちゃダメなの!」
自由に行き来できる港を作って、ウルサ達が漁をはじめられるようにしたいロクサーナと、安全第一だと言って反対するジルベルト達。
ここ数日、毎日のように喧々轟々議論していたが⋯⋯。
「と言う事で、門番を置くことにしました~。カモーン、お利口さんのケルちゃん&オルちゃん!」
元気良く両手を空に突き上げたロクサーナの前に現れたのは、冥府の番犬ケルベロスとオルトロス。
「この子達をゲットしてきました~! ケルベロスだけで良いかなぁって思ったんだけど、竪琴で寝ちゃうとか賄賂で見逃すとか⋯⋯結構残念な子だから、弟もいれば頑張れると思うんだ~」
ケルベロスは冥府の入り口を守護する番犬。3つの頭と竜の尾、青銅の声で吠える恐るべき猛犬で、飛び散った唾液から猛毒植物であるトリカブトが発生する。
普段は3つの頭が1つずつ交代で眠り、残る2つの頭で常に見張りをしているが、竪琴の美しい音色を聞くと全ての頭が眠らされてしまう。
甘い物好きで蜂蜜や芥子の粉を練って焼いた菓子を与えれば、目の前を通過することが出来る。
オルトロスはケルベロスの兄弟。黒い双頭の犬で、たてがみと尻尾が蛇になっている。性格は落ち着きが無くせっかち。
【お菓子⋯⋯好きなんだもん。マヌケじゃないからね】
【にいちゃんが寝たら、僕が蹴っ飛ばしてやる~。でへへ】
「「いつの間に⋯⋯」」
「キマイラも来たがったんだけど、ケルちゃん達に反対されたんだ」
ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つキマイラは口からは火炎を吐く怪物で、ケルベロス達の妹。
【キマイラはイケメンに弱いから危険。すぐ寝所に潜り込んでくから】
【ジルベルトとシーミア、狙ってたからダメダメ⋯⋯ガクガクブルブル⋯⋯喰われちゃう】
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