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89.ドワーフ作のナイフを持ってるロクサーナが、天使が誘いかけるお花畑を覗いた
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「新領主⋯⋯可哀想だけど、めちゃめちゃ情けないかも。さっさと叩き出してしまえば良いのに。
レベッカ達を放置してる聖王国も教会もあの子達と同罪だね、さっさと捕まえて罪を問うべきだと思うもん。あの子達がリューズベイで迷惑をかけまくってるのが分かってるのに、放置してるとかあり得なくない!?」
「その通りだと思う。これは言い訳にしかならないんだけど、王国の犯罪者が多すぎて混乱していた隙を狙われたんだ。王国に来た神官が国際司法裁判所とのやりとりに、慣れてなかったのも良くなかったんだ」
国際司法裁判所からきたエドワード・ノッティス担当官の仕事は、他種族の迫害を目的とした人為的スタンピードについての調査。
「彼らにとっては『聖女詐称』とかは自分達の問題じゃないからね。ちょっと待ってくれって言われて素直に待ってたって言うんだ」
王宮の客室に留め置かれたレベッカ達には監視がついていたが、足りない荷物を取りに行きたいと言えば簡単に外出が許可されていたらしい。
「それ、逃げてくださいって言ってるようなもんだよね。あーもー、あの時レベッカ達を引っ括って聖王国に拉致しとけば良かった」
聖王国からレベッカ達を連れ戻す為に神官が派遣されると聞いて、それなら放っておけば良いと思ったのが間違いだった。
「そこはロクサーナのせいじゃなくて、どちらかって言うと俺のせいだから」
国際司法裁判所との交渉は教会の中でも別の部署が担当している。ジルベルトは作成した資料に枢機卿の承認印を貰い、担当の部署に提出した後は手が出せない。
(それでも、誰が派遣されてどうなってるのか⋯確認する方法がないわけじゃなかった)
「王国に来た担当官は怪しくない? サブリナとセシルは兎も角、聖女を詐称して女神の愛し子とまで言ったレベッカを放置しておくとか、絶対に何かある気がする」
依頼料のちょろまかしと聖女の肩書詐称の2つを比べたら、聖王国にとって聖女詐称の方が大問題になるはず。
「うん、教会もおんなじ意見なんだ。調べたら王国に派遣する直前に担当の神官が変更になってたから、どっかから横槍が入ったんだと思う。
この件は俺の上司のテムス枢機卿が調査に動いてるから、必ず突き止めてくださるよ。彼なら(仕事に関しては)信用できるから」
「中途半端になったら教会ごと吹っ飛ばそう! 帝国の倉庫みたいにちまちまするんじゃなくて、ババーンと派手に打ち上げてやるんだから」
10歳になり教会に足を踏み入れたレベッカは、それ以来ロクサーナを見かけるたびにディスってきた。
『アンタなんかクソの役にも立たないんだからね! 生きてるだけ無駄よ、無駄無駄』
『汚い下民が教会にいるなんて空気まで臭くなるじゃん⋯⋯』
『教会内を彷徨くんじゃないわよ! さっさと消えな!!』
ジルベルト司祭に会ってから日が浅く、いつかまた暴力を振るわれる日が来るかも⋯⋯と怯えていたロクサーナに向けられた暴言は、一気に神級の隠蔽魔法と気配遮断が使えるようになるほど激しかった。
(レベッカのお陰です~て言ってやれば良かったかも。嫌味が通じなかったら気分がダダ下がりになるか)
「で、折角リューズベイに来たから、今夜はここの宿に泊まって、明日領主と会ってくるよ。レベッカ達がリューズベイの領主館に逃げ込んだ事は教会でも把握しているし、今夜の内に魔鳥を飛ばしておけば捕縛の許可が出るはず」
「それなら、ちょっ⋯⋯」
「ちびすけぇぇ、てめえ挨拶もせずどこほっついてやがんだ!? はぁ、はぁ⋯⋯やっと見つけたぜ⋯⋯ はぁ、はぁ⋯⋯お前、こんなとこで道草食ってたら、シーミアにぶっ殺されるぞ」
遠くから夜目に見えるほどの砂埃を巻き上げながら走ってきたのは⋯⋯。
「⋯⋯熊だ⋯⋯討伐オーケー?」
「熊に似てるけど人だからね。熊型の人って感じだから」
「雑草はもう食べ飽きてるから道草なんか食わねえよ!⋯⋯せえのお⋯⋯うおりゃあぁぁ、ちび言うなぁぁ!!」
「うぐぅぅ!」
身体強化をかけたロクサーナの飛び蹴りがウルサの股間に直撃し、二つ折りになって倒れ込んだ。ほぼ白目を剥いた状態で泡を吹いているのが笑える。
「いや、笑っちゃダメだから」
「わぁ、ヒクヒクしてる~。痛いのかなぁ、痛いんだよね~、女には分かんないけど~」
流石に可哀想になり、少しだけ治癒魔法をかけた。
(これで喋れるかな?)
「ち、ちび⋯⋯て、てめえ⋯⋯か、かいふ、回復するならぜ、全部⋯⋯うぐっ、痛え」
「え? 潰す。ちびちび言うなら潰すよ?」
同じ男として見ていられない⋯⋯ジルベルト司祭に治癒魔法をかけてもらったウルサが立ち上がった。
「ふう、ありがとな。助かったぜ」
「チッ!」
「ったく、相変わらずちびのやる事はえげつねえ。もうちょっとズレてたらやばかったぜ」
「やっぱ、ずらさず潰せば良かった。熊に生殖機能は不要⋯⋯早撃ちのおっぱいフェチに交尾する資格なし! てか、熊型の魔物みたいなもんだからひと思いに殺っても⋯⋯⋯⋯あっ! ねえ、なんでシーミアさんが私の事殺すの? シーミアさんは熊と違って知恵も理性もあるし、すっごく優しいのに」
「お前⋯⋯久しぶりに会ったのに、酷くねえか?」
「ふん、開口一番で人の身体的形状を論うような奴に情けは無用! はっ! 去勢すれば下半身に向かってた栄養が脳に回ってくれて、熊から人に進化するかも!
人生初の人体実験、やっちゃう? ドワーフ作のナイフ⋯⋯切れ味試したかったんだよね~」
右手に持ったナイフの刃が《ライト》のお陰でキラキラと輝いて見えた。
「デニスって言ったら分かるか? お前ら、広場で大騒ぎしたろ? あん時のおっさん」
「図体がでかいだけの臭いおっさんの事? 1発で歯が吹っ飛んでいっちゃったねえ」
「奴等の雇い主がちびを探してるんだ。治安紊乱罪だとよ」
治安紊乱とは社会の秩序や風紀を乱す行為のこと。公衆の場における迷惑行為や治安を乱す行為をさす。
「大勢の買い物客の中で騒ぎを起こしたとか、賭けに白金貨なんて出して騒ぎを大きくしたとか。おまけに相手に怪我をさせたんだろ? シーミアは心配のしすぎで、領主館に殴り込みをかけるって騒いで止まらねえから、アンセルがマストに縛り付けた」
「心配しすぎて殺すの? 理屈がわかんないよ。でも、シーミアさんを救出するのが最優先みたいだから、兎に角船に行ってみようか」
領兵がロクサーナを探し回っていると聞き、船に転移することにしたが⋯⋯。
「オロロロ⋯⋯グッ、ぐぼぉ⋯⋯ゲホッゲホッ」
「船乗りのくせに三半規管が弱いんだ⋯⋯熊、カッコ悪すぎ」
初めての転移に酔ったウルサは船縁にしがみついて半泣き状態になっていた。
「ちびちゃん、無事だったのねぇぇ! 心配したんだから」
「シーミアさ~ん、元気だった~? なんかすっごいぐるぐる巻きだね~。折角の美人さんが台無しじゃん」
顔以外の全てがロープに埋まったシーミアは、涙と鼻水でぐしょぐしょになっていた。
「シ、シーミア、怪力だからすぐ逃げる」
「おう、下手に動ける隙を残してたら、マストの1本ぐらい簡単に折っちまうからな」
あのウルサを殴り飛ばすシーミアならマストの1本や2本、あっさりと叩き割りそう。
シーミアの顔を中心に《クリーン》をかけてからロープを外すと、ガバッと抱きついてぎゅうぎゅうと締め付けてきた。
「うぐっ! じ、じぬ、じんじゃう~」
「ホントのホントに心配したんだからぁ、このおバカァァ」
必死に背中をタップするロクサーナに気付かず、シーミアの力はどんどん強くなっていく。
ジルベルトをはじめ、カーニスやアンセルも手伝うがシーミアの拘束は全く緩む様子がなく⋯⋯ロクサーナの魂がほぼ抜けかけた頃に、漸くシーミアの手が緩んだ。
「はぁ、マジで天使が飛ぶお花畑を見たよ。おいでおいでってされてたし⋯⋯」
何故かシーミアの膝に座らされたロクサーナは、一番落ち着いていそうなカーニスに声をかけた。
「カーニスさん、領兵が私を探してるの?」
レベッカ達を放置してる聖王国も教会もあの子達と同罪だね、さっさと捕まえて罪を問うべきだと思うもん。あの子達がリューズベイで迷惑をかけまくってるのが分かってるのに、放置してるとかあり得なくない!?」
「その通りだと思う。これは言い訳にしかならないんだけど、王国の犯罪者が多すぎて混乱していた隙を狙われたんだ。王国に来た神官が国際司法裁判所とのやりとりに、慣れてなかったのも良くなかったんだ」
国際司法裁判所からきたエドワード・ノッティス担当官の仕事は、他種族の迫害を目的とした人為的スタンピードについての調査。
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王宮の客室に留め置かれたレベッカ達には監視がついていたが、足りない荷物を取りに行きたいと言えば簡単に外出が許可されていたらしい。
「それ、逃げてくださいって言ってるようなもんだよね。あーもー、あの時レベッカ達を引っ括って聖王国に拉致しとけば良かった」
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「そこはロクサーナのせいじゃなくて、どちらかって言うと俺のせいだから」
国際司法裁判所との交渉は教会の中でも別の部署が担当している。ジルベルトは作成した資料に枢機卿の承認印を貰い、担当の部署に提出した後は手が出せない。
(それでも、誰が派遣されてどうなってるのか⋯確認する方法がないわけじゃなかった)
「王国に来た担当官は怪しくない? サブリナとセシルは兎も角、聖女を詐称して女神の愛し子とまで言ったレベッカを放置しておくとか、絶対に何かある気がする」
依頼料のちょろまかしと聖女の肩書詐称の2つを比べたら、聖王国にとって聖女詐称の方が大問題になるはず。
「うん、教会もおんなじ意見なんだ。調べたら王国に派遣する直前に担当の神官が変更になってたから、どっかから横槍が入ったんだと思う。
この件は俺の上司のテムス枢機卿が調査に動いてるから、必ず突き止めてくださるよ。彼なら(仕事に関しては)信用できるから」
「中途半端になったら教会ごと吹っ飛ばそう! 帝国の倉庫みたいにちまちまするんじゃなくて、ババーンと派手に打ち上げてやるんだから」
10歳になり教会に足を踏み入れたレベッカは、それ以来ロクサーナを見かけるたびにディスってきた。
『アンタなんかクソの役にも立たないんだからね! 生きてるだけ無駄よ、無駄無駄』
『汚い下民が教会にいるなんて空気まで臭くなるじゃん⋯⋯』
『教会内を彷徨くんじゃないわよ! さっさと消えな!!』
ジルベルト司祭に会ってから日が浅く、いつかまた暴力を振るわれる日が来るかも⋯⋯と怯えていたロクサーナに向けられた暴言は、一気に神級の隠蔽魔法と気配遮断が使えるようになるほど激しかった。
(レベッカのお陰です~て言ってやれば良かったかも。嫌味が通じなかったら気分がダダ下がりになるか)
「で、折角リューズベイに来たから、今夜はここの宿に泊まって、明日領主と会ってくるよ。レベッカ達がリューズベイの領主館に逃げ込んだ事は教会でも把握しているし、今夜の内に魔鳥を飛ばしておけば捕縛の許可が出るはず」
「それなら、ちょっ⋯⋯」
「ちびすけぇぇ、てめえ挨拶もせずどこほっついてやがんだ!? はぁ、はぁ⋯⋯やっと見つけたぜ⋯⋯ はぁ、はぁ⋯⋯お前、こんなとこで道草食ってたら、シーミアにぶっ殺されるぞ」
遠くから夜目に見えるほどの砂埃を巻き上げながら走ってきたのは⋯⋯。
「⋯⋯熊だ⋯⋯討伐オーケー?」
「熊に似てるけど人だからね。熊型の人って感じだから」
「雑草はもう食べ飽きてるから道草なんか食わねえよ!⋯⋯せえのお⋯⋯うおりゃあぁぁ、ちび言うなぁぁ!!」
「うぐぅぅ!」
身体強化をかけたロクサーナの飛び蹴りがウルサの股間に直撃し、二つ折りになって倒れ込んだ。ほぼ白目を剥いた状態で泡を吹いているのが笑える。
「いや、笑っちゃダメだから」
「わぁ、ヒクヒクしてる~。痛いのかなぁ、痛いんだよね~、女には分かんないけど~」
流石に可哀想になり、少しだけ治癒魔法をかけた。
(これで喋れるかな?)
「ち、ちび⋯⋯て、てめえ⋯⋯か、かいふ、回復するならぜ、全部⋯⋯うぐっ、痛え」
「え? 潰す。ちびちび言うなら潰すよ?」
同じ男として見ていられない⋯⋯ジルベルト司祭に治癒魔法をかけてもらったウルサが立ち上がった。
「ふう、ありがとな。助かったぜ」
「チッ!」
「ったく、相変わらずちびのやる事はえげつねえ。もうちょっとズレてたらやばかったぜ」
「やっぱ、ずらさず潰せば良かった。熊に生殖機能は不要⋯⋯早撃ちのおっぱいフェチに交尾する資格なし! てか、熊型の魔物みたいなもんだからひと思いに殺っても⋯⋯⋯⋯あっ! ねえ、なんでシーミアさんが私の事殺すの? シーミアさんは熊と違って知恵も理性もあるし、すっごく優しいのに」
「お前⋯⋯久しぶりに会ったのに、酷くねえか?」
「ふん、開口一番で人の身体的形状を論うような奴に情けは無用! はっ! 去勢すれば下半身に向かってた栄養が脳に回ってくれて、熊から人に進化するかも!
人生初の人体実験、やっちゃう? ドワーフ作のナイフ⋯⋯切れ味試したかったんだよね~」
右手に持ったナイフの刃が《ライト》のお陰でキラキラと輝いて見えた。
「デニスって言ったら分かるか? お前ら、広場で大騒ぎしたろ? あん時のおっさん」
「図体がでかいだけの臭いおっさんの事? 1発で歯が吹っ飛んでいっちゃったねえ」
「奴等の雇い主がちびを探してるんだ。治安紊乱罪だとよ」
治安紊乱とは社会の秩序や風紀を乱す行為のこと。公衆の場における迷惑行為や治安を乱す行為をさす。
「大勢の買い物客の中で騒ぎを起こしたとか、賭けに白金貨なんて出して騒ぎを大きくしたとか。おまけに相手に怪我をさせたんだろ? シーミアは心配のしすぎで、領主館に殴り込みをかけるって騒いで止まらねえから、アンセルがマストに縛り付けた」
「心配しすぎて殺すの? 理屈がわかんないよ。でも、シーミアさんを救出するのが最優先みたいだから、兎に角船に行ってみようか」
領兵がロクサーナを探し回っていると聞き、船に転移することにしたが⋯⋯。
「オロロロ⋯⋯グッ、ぐぼぉ⋯⋯ゲホッゲホッ」
「船乗りのくせに三半規管が弱いんだ⋯⋯熊、カッコ悪すぎ」
初めての転移に酔ったウルサは船縁にしがみついて半泣き状態になっていた。
「ちびちゃん、無事だったのねぇぇ! 心配したんだから」
「シーミアさ~ん、元気だった~? なんかすっごいぐるぐる巻きだね~。折角の美人さんが台無しじゃん」
顔以外の全てがロープに埋まったシーミアは、涙と鼻水でぐしょぐしょになっていた。
「シ、シーミア、怪力だからすぐ逃げる」
「おう、下手に動ける隙を残してたら、マストの1本ぐらい簡単に折っちまうからな」
あのウルサを殴り飛ばすシーミアならマストの1本や2本、あっさりと叩き割りそう。
シーミアの顔を中心に《クリーン》をかけてからロープを外すと、ガバッと抱きついてぎゅうぎゅうと締め付けてきた。
「うぐっ! じ、じぬ、じんじゃう~」
「ホントのホントに心配したんだからぁ、このおバカァァ」
必死に背中をタップするロクサーナに気付かず、シーミアの力はどんどん強くなっていく。
ジルベルトをはじめ、カーニスやアンセルも手伝うがシーミアの拘束は全く緩む様子がなく⋯⋯ロクサーナの魂がほぼ抜けかけた頃に、漸くシーミアの手が緩んだ。
「はぁ、マジで天使が飛ぶお花畑を見たよ。おいでおいでってされてたし⋯⋯」
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