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104.ゴン太は食わねど高楊枝
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レヴィアタンが浮上をやめて海底に方向転換するたびに、氷の槍が撃ち込まれ否応なしに海面に顔を出した。
「きたきたきたぁぁ! ルイスのガチガチ強力チェインのチャーンス!」
バチャーン! ドゴゴゴ⋯⋯
レヴィアタンが起こした高波が遠くに見える陸地に向かいはじめた。高波が向かう方向には小さな漁村が点在し、このまま高波が村々を蹂躙すれば、チリ一つ残さず流されてしまうのは間違いない。
ジルベルトの風魔法が、スピードを上げて陸に向かう高波を空高く巻き上げ、スコールのように降り注いだ。
「さーて、こっちはレヴィちゃんのお肉ゲットするぞ。ベビちゃん、待ってろよぉぉ、せえの! うりゃぁぁ」
ジルベルトのチェインは網のようにレヴィアタンの全身を拘束しているが、その隙から見える盾のような鱗の間を狙って、雷魔法を撃ち込んだ。
グオォォォン! ムォーン!
派手な水飛沫を上げながら、くぐもった悲鳴をあげたレヴィアタンが、ロクサーナに向けて無理矢理口を開け⋯⋯。
「「させるかぁ!」」
ジルベルトの風魔法が暴れるレヴィアタンの動きを止めた瞬間、ロクサーナの雷魔法が開きかけた口から尾まで突き抜けた。
「面倒だから血抜きとか皮剥ぎとかして帰る?」
「いや、このままの方がみんな盛り上がりそうじゃないか?」
「そう言えばそうだね~、レヴィアタンの丸焼きとかできたら面白そう」
【俺は生! 踊り食いしたかった】
【ピッピは~、炙り焼き~】
僕は私はと好みの料理方法を口にしながら、ブクブクと沈みはじめたレヴィアタンを異空間に収納して島に転移した。
「みんな! お土産だよ~、今日のメインディッシュはぁ、ドドーン! レヴィアタンで~す」
ドラベビーのお祝いなので、真っ先に山のてっぺんに持って行くと、ゴン太が大騒ぎしはじめた。
【レヴィアタンを討伐した人間は世界初だよ! 凄えぇぇ、本物初めて見たぁぁ。ベビちゃん、コレが世界最強の怪物だよ~。んで、めちゃくちゃ美味いらしい。
ドラ美ママとベビちゃんの分を下さいしようね】
【ピィッ⋯⋯おいちい、くだたい】
「勿論だよ~、解体したらゴン太の分も合わせて持ってくるから、楽しみにしててねね~」
山のような大きさのレヴィアタンなら、島の全員の口に入るくらいのお肉になるはず。
(世界初かぁ⋯⋯めちゃめちゃ楽しみ~)
【【⋯⋯ぎゃあ! 鯨ぁぁ】】
【でっけえ】
【うっわぁ硬い! 父ちゃん、この皮剥ける? ドワーフの武器でも難しいんじゃないんね?】
この言葉でドワーフ達の鍛治師魂に火がついたのは言うまでもない。
おじさんドワーフ達が自慢の武器を家から持ち出して、誰の切れ味が一番か勝負がはじまった。
【レヴィアタンの皮は伝説なんじゃけん、粉々にしたらダメじゃけんね!】
早く綺麗に剥いだオッサンが優勝と決まり、勝者には東の国で発見した『紹興酒』がプレゼントされる事になった。
【おっしゃあ! 初めての酒はわしのモンじゃあ!】
【ワシが貰うけん、紹興酒ちゃん、待っとれよー】
「甕で買ってきてるんだけど、上澄みがおすすめなんだって。みんな頑張れ~!」
酒好きには堪らない情報が出てきて、人生最高かと思うほどの集中力を見せるドワーフ達。その健闘を見ながら、料理の準備が進められていく。
【紹興酒言う酒は、上と下でそんなに違うもんなん?】
甕出し紹興酒は空気に触れる面が大きく、量が多いのですぐには無くならない。そのため、減っていく過程で劣化が進んでいくと言うのだが、ドワーフ達にかかれば甕の一つや二つ、すぐに空になりそうな気がする。
「詐欺じゃないからね! 甕を開けた直後にふわっと上がってくる香りは格別だって言うから、許してくれるよね?」
甕出し紹興酒は石膏で固められている蓋を叩いて壊し、竹の皮・素焼きの蓋・ロウ油の塗られた紙・蓮の葉をゆっくりはがす。
その工程を楽しんでもらうだけでも、優勝した甲斐があるはず。
解体したお肉は生や炙りで楽しみ、空になった紹興酒の甕は優勝者の家の前に飾られる事になった。
ドラゴンファミリーはもちろん生で食べたそうだが⋯⋯。
【ピィッ⋯⋯とうちゃ、おかありほちいの】
【ぼ、僕のをあげるからね⋯⋯えっ、いや、ドラ美ママは全部食べて良いからね! 僕はもう十分だから。この木を齧って歯の手入れを⋯⋯】
泣く泣く自分のお肉を息子に捧げたゴン太をちょっぴり見直した。
急成長するドラベビーの名前は『ケルル』に決まったそう。
【ゴン太のネーミングセンスのなさに、親戚のクロケルが呆れちゃってね、ゴリ押ししてきたの。ベビちゃんも気に入ったみたいだから、良いかなって】
(ケルルの先生をするって言って、闇の悪魔クロケルがきちゃったのは驚きだけど、ドワーフの子供達まで集めて学校をはじめるとか、結構面倒見が良くて嬉しいかも)
「意外なとこで異種族共存が成り立って良き良き」
クロケルは銀の髪と金色の猫のような目を持つ悪魔の一柱。黒衣を纏い決して溶けることのない氷の剣を持って突然現れた。
【我の血筋に優秀な子が産まれたらしいな。芸術を好み幾何学や教養学に長け、科学全般にも詳しい我が知恵を授けてやろうぞ】
【あ! 浴槽公爵じゃ】
【浴槽公爵言うたらいけんのんで】
【ピイッ⋯⋯おくと、こうちゃくん? こうちゃくん、こななちあでちゅ】
【おじちゃんの事は先生と呼びなさい。こ、こうちゃくんは可愛いが、可愛いがぁぁ⋯⋯捨てがたい呼び名だが、先生だからね、上手に言えるかな?】
【ピイッ⋯⋯うーん、こたくん?】
【ううっ、ますます可愛く⋯⋯ならこた先生にするか? いや、クロケル先生の予定だったし⋯⋯ケルルならなんでも許して⋯⋯ドワーフの子供達までなら、許せる。『こうちゃ』でも『こた』でもなんでも構わん⋯⋯。
ゴホン! ま、まずは算数からな、1足す1は分かるかな? えっ、分かんない?
えーっと、パパとママがいるよね。なら何匹になるかな?】
【ピイッ⋯⋯かどくぅ】
【て、哲学か!】
(そのお陰でこれからはお買い物できるようになるし、お釣りの計算も完璧! 良いことずくめじゃん)
ゴン太パパを籠絡しドワーフの子供達と一緒に世界中を飛び回るケルルは、常識を無視して遊んでいるらしく、ドラ美の溜め息で山の木々が薙ぎ倒されていく。
【ホントにどうしようかしら。元気なのは嬉しいんだけど、ヤンチャすぎて困ってるの】
人や町に迷惑をかけるわけではないが、突然ドラゴンが現れただけでパニックになるのは当然の事。
その上、気に入ったものを見つけるとドワーフを咥えたケルルが町に降りて、堂々と買い物をするらしい。
【ちゃんとお金は払ってるし、物も壊してない⋯⋯そこは安心してるんだけど】
パニックになって商人が逃げ出すと、商品の代わりにちゃんとお金を置いていく。
ごくたまに無謀な者がドワーフを捕まえようとすると、ケルルが氷漬けにする。ケルルを捕まえようとする者が出ると、ゴン太が空から威嚇の火を吐く。
今では、世界の共通認識⋯⋯ドワーフを虐めたらドラゴンに殺られる!!
「うーん、ドワーフがこの世界で生きていきやすくなってるかもだから、良いんじゃないかな」
昔のように⋯⋯武器目当てで拉致監禁される心配がなくなれば、ドワーフ達は自由に暮らしていけるのだから。
ドラ美の一番の心配は、ケルル達のせいでドラゴン討伐隊ができる事だろう。
「もう少ししたらみんな慣れてくると思うし、もしもの時は私とルイスが討伐隊をケチョンケチョンにしちゃうからね~」
【出先で何かあれば、俺達がケルル達を島に転移させる】
ケルルからお兄ちゃんとお姉ちゃんに認定された、ミュウ達全員の鼻息が荒い。
「ケルルに何かあったら、ミュウ達だけじゃなくクロケルまで飛び出していきそうで怖いけどね。そうなる前に手を打たないと⋯⋯」
最強で最恐のケルルの護衛陣に、ジルベルトの不安は尽きない。
「きたきたきたぁぁ! ルイスのガチガチ強力チェインのチャーンス!」
バチャーン! ドゴゴゴ⋯⋯
レヴィアタンが起こした高波が遠くに見える陸地に向かいはじめた。高波が向かう方向には小さな漁村が点在し、このまま高波が村々を蹂躙すれば、チリ一つ残さず流されてしまうのは間違いない。
ジルベルトの風魔法が、スピードを上げて陸に向かう高波を空高く巻き上げ、スコールのように降り注いだ。
「さーて、こっちはレヴィちゃんのお肉ゲットするぞ。ベビちゃん、待ってろよぉぉ、せえの! うりゃぁぁ」
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グオォォォン! ムォーン!
派手な水飛沫を上げながら、くぐもった悲鳴をあげたレヴィアタンが、ロクサーナに向けて無理矢理口を開け⋯⋯。
「「させるかぁ!」」
ジルベルトの風魔法が暴れるレヴィアタンの動きを止めた瞬間、ロクサーナの雷魔法が開きかけた口から尾まで突き抜けた。
「面倒だから血抜きとか皮剥ぎとかして帰る?」
「いや、このままの方がみんな盛り上がりそうじゃないか?」
「そう言えばそうだね~、レヴィアタンの丸焼きとかできたら面白そう」
【俺は生! 踊り食いしたかった】
【ピッピは~、炙り焼き~】
僕は私はと好みの料理方法を口にしながら、ブクブクと沈みはじめたレヴィアタンを異空間に収納して島に転移した。
「みんな! お土産だよ~、今日のメインディッシュはぁ、ドドーン! レヴィアタンで~す」
ドラベビーのお祝いなので、真っ先に山のてっぺんに持って行くと、ゴン太が大騒ぎしはじめた。
【レヴィアタンを討伐した人間は世界初だよ! 凄えぇぇ、本物初めて見たぁぁ。ベビちゃん、コレが世界最強の怪物だよ~。んで、めちゃくちゃ美味いらしい。
ドラ美ママとベビちゃんの分を下さいしようね】
【ピィッ⋯⋯おいちい、くだたい】
「勿論だよ~、解体したらゴン太の分も合わせて持ってくるから、楽しみにしててねね~」
山のような大きさのレヴィアタンなら、島の全員の口に入るくらいのお肉になるはず。
(世界初かぁ⋯⋯めちゃめちゃ楽しみ~)
【【⋯⋯ぎゃあ! 鯨ぁぁ】】
【でっけえ】
【うっわぁ硬い! 父ちゃん、この皮剥ける? ドワーフの武器でも難しいんじゃないんね?】
この言葉でドワーフ達の鍛治師魂に火がついたのは言うまでもない。
おじさんドワーフ達が自慢の武器を家から持ち出して、誰の切れ味が一番か勝負がはじまった。
【レヴィアタンの皮は伝説なんじゃけん、粉々にしたらダメじゃけんね!】
早く綺麗に剥いだオッサンが優勝と決まり、勝者には東の国で発見した『紹興酒』がプレゼントされる事になった。
【おっしゃあ! 初めての酒はわしのモンじゃあ!】
【ワシが貰うけん、紹興酒ちゃん、待っとれよー】
「甕で買ってきてるんだけど、上澄みがおすすめなんだって。みんな頑張れ~!」
酒好きには堪らない情報が出てきて、人生最高かと思うほどの集中力を見せるドワーフ達。その健闘を見ながら、料理の準備が進められていく。
【紹興酒言う酒は、上と下でそんなに違うもんなん?】
甕出し紹興酒は空気に触れる面が大きく、量が多いのですぐには無くならない。そのため、減っていく過程で劣化が進んでいくと言うのだが、ドワーフ達にかかれば甕の一つや二つ、すぐに空になりそうな気がする。
「詐欺じゃないからね! 甕を開けた直後にふわっと上がってくる香りは格別だって言うから、許してくれるよね?」
甕出し紹興酒は石膏で固められている蓋を叩いて壊し、竹の皮・素焼きの蓋・ロウ油の塗られた紙・蓮の葉をゆっくりはがす。
その工程を楽しんでもらうだけでも、優勝した甲斐があるはず。
解体したお肉は生や炙りで楽しみ、空になった紹興酒の甕は優勝者の家の前に飾られる事になった。
ドラゴンファミリーはもちろん生で食べたそうだが⋯⋯。
【ピィッ⋯⋯とうちゃ、おかありほちいの】
【ぼ、僕のをあげるからね⋯⋯えっ、いや、ドラ美ママは全部食べて良いからね! 僕はもう十分だから。この木を齧って歯の手入れを⋯⋯】
泣く泣く自分のお肉を息子に捧げたゴン太をちょっぴり見直した。
急成長するドラベビーの名前は『ケルル』に決まったそう。
【ゴン太のネーミングセンスのなさに、親戚のクロケルが呆れちゃってね、ゴリ押ししてきたの。ベビちゃんも気に入ったみたいだから、良いかなって】
(ケルルの先生をするって言って、闇の悪魔クロケルがきちゃったのは驚きだけど、ドワーフの子供達まで集めて学校をはじめるとか、結構面倒見が良くて嬉しいかも)
「意外なとこで異種族共存が成り立って良き良き」
クロケルは銀の髪と金色の猫のような目を持つ悪魔の一柱。黒衣を纏い決して溶けることのない氷の剣を持って突然現れた。
【我の血筋に優秀な子が産まれたらしいな。芸術を好み幾何学や教養学に長け、科学全般にも詳しい我が知恵を授けてやろうぞ】
【あ! 浴槽公爵じゃ】
【浴槽公爵言うたらいけんのんで】
【ピイッ⋯⋯おくと、こうちゃくん? こうちゃくん、こななちあでちゅ】
【おじちゃんの事は先生と呼びなさい。こ、こうちゃくんは可愛いが、可愛いがぁぁ⋯⋯捨てがたい呼び名だが、先生だからね、上手に言えるかな?】
【ピイッ⋯⋯うーん、こたくん?】
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ゴホン! ま、まずは算数からな、1足す1は分かるかな? えっ、分かんない?
えーっと、パパとママがいるよね。なら何匹になるかな?】
【ピイッ⋯⋯かどくぅ】
【て、哲学か!】
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ゴン太パパを籠絡しドワーフの子供達と一緒に世界中を飛び回るケルルは、常識を無視して遊んでいるらしく、ドラ美の溜め息で山の木々が薙ぎ倒されていく。
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人や町に迷惑をかけるわけではないが、突然ドラゴンが現れただけでパニックになるのは当然の事。
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パニックになって商人が逃げ出すと、商品の代わりにちゃんとお金を置いていく。
ごくたまに無謀な者がドワーフを捕まえようとすると、ケルルが氷漬けにする。ケルルを捕まえようとする者が出ると、ゴン太が空から威嚇の火を吐く。
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「うーん、ドワーフがこの世界で生きていきやすくなってるかもだから、良いんじゃないかな」
昔のように⋯⋯武器目当てで拉致監禁される心配がなくなれば、ドワーフ達は自由に暮らしていけるのだから。
ドラ美の一番の心配は、ケルル達のせいでドラゴン討伐隊ができる事だろう。
「もう少ししたらみんな慣れてくると思うし、もしもの時は私とルイスが討伐隊をケチョンケチョンにしちゃうからね~」
【出先で何かあれば、俺達がケルル達を島に転移させる】
ケルルからお兄ちゃんとお姉ちゃんに認定された、ミュウ達全員の鼻息が荒い。
「ケルルに何かあったら、ミュウ達だけじゃなくクロケルまで飛び出していきそうで怖いけどね。そうなる前に手を打たないと⋯⋯」
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