122 / 126
107.なんてこった! またクソ野郎が繁殖です
しおりを挟む
「バリケードの撤去ですか⋯⋯ようやく話を聞く気になったようで安心いたしました。まあ、いくら駄々をこねても提示した以上の給料は出しませんし⋯⋯以前も申し上げた通り、船だけ売っていただくのでも構いませんよ?
当商会は王家御用達ですから、言い値でお支払いして差し上げますしねえ。その程度の端金など、ウチとしては全く問題ないのです。
ああ、その時もシーミアさんは当商会で雇って差し上げますから、ご安心ください。商会長と話したのですがね、シーミアさんが接客するなら給与とは別に、使用人付きの屋敷を差し上げましょうと思っておるのですよ」
「キモッ!」
思わずロクサーナが呟いた一言が商会員の耳に届いたらしい。
「ムムッ、子供の戯言でも許されません! どこの子が知りませんが、どうせそこらの漁師の娘でしょう。礼儀知らずにも程がある!」
ロクサーナが着ている服が、平民の男達の服装とよく似て見えたのかもしれないが⋯⋯長袖で丈の短いチュニックとズボンは、どちらも魔糸から生地を錬金し最大の付与を掛けたもの。女の子らしさを醸し出している、腰に巻いた刺繍入りの飾り帯の刺繍には、ピッピに貰ったフェニックスの羽を練り込んである。
編み上げ式の皮のロングブーツはワイバーンの皮を使った特注品で、腰に下げているのはドワーフ作でアダマントを使った短剣。
見る人が見れば絶句する、お値段知らずのラインナップ。
(偉そうな商会員は、見る目がなさそうですけど~)
「さっさと消えなさい! 5秒待って差し上げます。その間にいなくなれば良し、それ以上私の目の前に居座るなら、海に叩き落としてやります。
5、4、3、2⋯⋯良いのですか? 本当に海に落としますからね? 1、ゼロォォ!」
大袈裟な仕草で指を折りながらカウントダウンしていた商会員が、ステッキを振り上げて詠唱をはじめた。
《水の精霊よ、その身を刃に変え我が敵を切り裂け》
ニヤリと笑った商会員が杖を振り下ろし《ウォーター・カッター!!》と唱えたが⋯⋯。
シーン⋯⋯
「な、なんでだ!? ちゃんと詠唱したし、魔法の発動も感じたのに」
ロクサーナに魔法をキャンセルされたのさえ気付かない商会員が、もう一度ステッキを振り下ろした。
「くそぉ! なんでだぁ、今まで一度も失敗したことなかったのにぃぃ」
「ルイス~⋯⋯今のって水魔法?」
「ああ、初級の水魔法だね。成功すれば円盤状の水で物体を寸断するんだ。練度が高ければ敵を追尾させることもできるから、初級の中でも威力の高い魔法だよ」
「じゃあ、そこの狐目のおっさん! 私は先に魔法で攻撃されたってことで良いですよね。失敗したからノーカンとか言いますか?」
「はあ? 何を言ってるんだ! お前ら、あの生意気な小娘を海に叩き落としてしまえぇぇ」
一番近くにいたゴツゴツの男が飛び出し、ロクサーナの襟首を掴みかけた。
「よっしゃあ! 今度は間違いなく攻撃されたって事で良いですよね~! えっ、まさか、躱したからダメとか言わないでよ。掠ったもん、指の横がほんのちょっぴり掠ったから、攻撃ありでいいよね~。
シーミアさん達は手を出しちゃダメだよ、後で因縁つけられたら面倒だからね!
さてさて、痛い思いが嫌な人は避けてね~」
ふっふふーんと楽しそうにステップを踏んだロクサーナが、狭い桟橋で回し蹴りを放った。
ぶへぇ⋯⋯ザバーン
それをきっかけにジルベルトが参戦し、向かってきた男達を次々と海へ落としていった。
「弱すぎじゃん! もしかして、護衛じゃなくてただの『賑やかし』だった?」
青褪めた商会員と、後ろの方で様子を伺いながら小さくなっていた護衛が数名残ったところで⋯⋯。
「さっきは初級水魔法だったんだよね~。それってこんな感じ?」
ロクサーナがパチンと指を鳴らすと、海に落とされた男達が海水ごと舞い上がり、商会員の前にボトボトと落ちてくる。
「うげぇ!」
「あがっ!」
「それじゃあ、風魔法との複合だよ。彼がやろうとしたウォーター・カッターって言うのはね⋯⋯」
ジルベルトが商会員を指差すと、円盤状の水が現れて商会員達の周りをクルクルと回りはじめた。
「で、練度を上げればこうやって、追いかけっこもできる」
ギリギリまで近付いた水の刃から逃げ回る商会員や護衛達。
「ぎゃあー!」
パシュッと音を立てて水の刃が地面に落ちた。
「こんな感じかあ⋯⋯おーい、狐目~、覚えたあ? 魔法レッスンだから、お代はちゃーんと払えよ~」
(やっぱり金取るんだ⋯⋯流石ちび、相変わらずの銭ゲバだな)
「ウルサ~、何か話があったんだっけ?」
船縁から楽しそうにショーを見ていたウルサが桟橋に飛び降りた。
ミシッ、ベキベキ⋯⋯
「おう、俺達はお前の所属しているマーベラス商会の遊覧船とやらに興味はねえ。んで、船も売らねえしな。これが最後通告だ、二度と俺たちの前に顔を出すな。聞こえたらさっさと帰りやがれ!」
「あたしもマーベラス商会で働くつもりはないの。だって、ホントにキモいんだもん」
ドヤ顔で言い切ったシーミアとロクサーナが、フィストバンプして笑い合った。
「グッ、くそ! ホントのホントに良いんですかねえ。アンセルさんの奥さんとか子供とか、ここにはおられませんけどお?
実はですね~、今頃ウチの手の者がアンセルさんちにお邪魔してるんですよね~。奥さん美人でしたし、お子さんも将来楽しみですしねぇ⋯⋯ウルサさん達がどーしてもウチと契約したくないってんなら、ウチが関係してるお店で奥さんにお仕事していただきましょうかねえ。
今まで交渉にかかった手間賃を含めて、奥さんの身体で払ってもらって、終わりにしますか?」
「それがマーベラス商会としての最終決定か?」
「はい、もちろんです。初期のキャラベル船で遊覧する計画は、すでに王の許可もいただいてますからねえ、マーベラス商会としては失敗するわけにはいかないんですよ。
商会長から『どんなことをしてでもサインをもらってこい』と厳命を受けてますから」
「やれるもんならやってみろよ。お前らのやりそうな事が分からんとか、ありえねえし? それよりもだ、マーベラス商会の商会長の指示で『理由もなく仲間の嫁さんを娼館に沈める』とまで言いきって、商会が潰れなきゃ良いがな」
「は! たかが漁師のくせに! お前の言葉なんて誰も聞きゃしません。そんな脅しが通用するわけな⋯⋯」
『⋯⋯ウルサさん達がどーしてもウチと契約したくないってんなら、ウチが関係してるお店で奥さんにお仕事していただきましょうかねえ。
今まで交渉にかかった手間賃を含めて、奥さんの身体で払ってもらって終わりって事にしますか?』
「は? なんだ今のは!」
「商会員のくせに記録する魔導具を知らないんですか? うっそお、やっぱり商人ギルドが斜陽だってのはホントなのかも!
さっきの話は映像込みで記録しといたんで、マーベラス商会潰れますね~」
爽やかな笑顔込みでサムズアップしたロクサーナが、公国の王宮がある方向を指差した。
当商会は王家御用達ですから、言い値でお支払いして差し上げますしねえ。その程度の端金など、ウチとしては全く問題ないのです。
ああ、その時もシーミアさんは当商会で雇って差し上げますから、ご安心ください。商会長と話したのですがね、シーミアさんが接客するなら給与とは別に、使用人付きの屋敷を差し上げましょうと思っておるのですよ」
「キモッ!」
思わずロクサーナが呟いた一言が商会員の耳に届いたらしい。
「ムムッ、子供の戯言でも許されません! どこの子が知りませんが、どうせそこらの漁師の娘でしょう。礼儀知らずにも程がある!」
ロクサーナが着ている服が、平民の男達の服装とよく似て見えたのかもしれないが⋯⋯長袖で丈の短いチュニックとズボンは、どちらも魔糸から生地を錬金し最大の付与を掛けたもの。女の子らしさを醸し出している、腰に巻いた刺繍入りの飾り帯の刺繍には、ピッピに貰ったフェニックスの羽を練り込んである。
編み上げ式の皮のロングブーツはワイバーンの皮を使った特注品で、腰に下げているのはドワーフ作でアダマントを使った短剣。
見る人が見れば絶句する、お値段知らずのラインナップ。
(偉そうな商会員は、見る目がなさそうですけど~)
「さっさと消えなさい! 5秒待って差し上げます。その間にいなくなれば良し、それ以上私の目の前に居座るなら、海に叩き落としてやります。
5、4、3、2⋯⋯良いのですか? 本当に海に落としますからね? 1、ゼロォォ!」
大袈裟な仕草で指を折りながらカウントダウンしていた商会員が、ステッキを振り上げて詠唱をはじめた。
《水の精霊よ、その身を刃に変え我が敵を切り裂け》
ニヤリと笑った商会員が杖を振り下ろし《ウォーター・カッター!!》と唱えたが⋯⋯。
シーン⋯⋯
「な、なんでだ!? ちゃんと詠唱したし、魔法の発動も感じたのに」
ロクサーナに魔法をキャンセルされたのさえ気付かない商会員が、もう一度ステッキを振り下ろした。
「くそぉ! なんでだぁ、今まで一度も失敗したことなかったのにぃぃ」
「ルイス~⋯⋯今のって水魔法?」
「ああ、初級の水魔法だね。成功すれば円盤状の水で物体を寸断するんだ。練度が高ければ敵を追尾させることもできるから、初級の中でも威力の高い魔法だよ」
「じゃあ、そこの狐目のおっさん! 私は先に魔法で攻撃されたってことで良いですよね。失敗したからノーカンとか言いますか?」
「はあ? 何を言ってるんだ! お前ら、あの生意気な小娘を海に叩き落としてしまえぇぇ」
一番近くにいたゴツゴツの男が飛び出し、ロクサーナの襟首を掴みかけた。
「よっしゃあ! 今度は間違いなく攻撃されたって事で良いですよね~! えっ、まさか、躱したからダメとか言わないでよ。掠ったもん、指の横がほんのちょっぴり掠ったから、攻撃ありでいいよね~。
シーミアさん達は手を出しちゃダメだよ、後で因縁つけられたら面倒だからね!
さてさて、痛い思いが嫌な人は避けてね~」
ふっふふーんと楽しそうにステップを踏んだロクサーナが、狭い桟橋で回し蹴りを放った。
ぶへぇ⋯⋯ザバーン
それをきっかけにジルベルトが参戦し、向かってきた男達を次々と海へ落としていった。
「弱すぎじゃん! もしかして、護衛じゃなくてただの『賑やかし』だった?」
青褪めた商会員と、後ろの方で様子を伺いながら小さくなっていた護衛が数名残ったところで⋯⋯。
「さっきは初級水魔法だったんだよね~。それってこんな感じ?」
ロクサーナがパチンと指を鳴らすと、海に落とされた男達が海水ごと舞い上がり、商会員の前にボトボトと落ちてくる。
「うげぇ!」
「あがっ!」
「それじゃあ、風魔法との複合だよ。彼がやろうとしたウォーター・カッターって言うのはね⋯⋯」
ジルベルトが商会員を指差すと、円盤状の水が現れて商会員達の周りをクルクルと回りはじめた。
「で、練度を上げればこうやって、追いかけっこもできる」
ギリギリまで近付いた水の刃から逃げ回る商会員や護衛達。
「ぎゃあー!」
パシュッと音を立てて水の刃が地面に落ちた。
「こんな感じかあ⋯⋯おーい、狐目~、覚えたあ? 魔法レッスンだから、お代はちゃーんと払えよ~」
(やっぱり金取るんだ⋯⋯流石ちび、相変わらずの銭ゲバだな)
「ウルサ~、何か話があったんだっけ?」
船縁から楽しそうにショーを見ていたウルサが桟橋に飛び降りた。
ミシッ、ベキベキ⋯⋯
「おう、俺達はお前の所属しているマーベラス商会の遊覧船とやらに興味はねえ。んで、船も売らねえしな。これが最後通告だ、二度と俺たちの前に顔を出すな。聞こえたらさっさと帰りやがれ!」
「あたしもマーベラス商会で働くつもりはないの。だって、ホントにキモいんだもん」
ドヤ顔で言い切ったシーミアとロクサーナが、フィストバンプして笑い合った。
「グッ、くそ! ホントのホントに良いんですかねえ。アンセルさんの奥さんとか子供とか、ここにはおられませんけどお?
実はですね~、今頃ウチの手の者がアンセルさんちにお邪魔してるんですよね~。奥さん美人でしたし、お子さんも将来楽しみですしねぇ⋯⋯ウルサさん達がどーしてもウチと契約したくないってんなら、ウチが関係してるお店で奥さんにお仕事していただきましょうかねえ。
今まで交渉にかかった手間賃を含めて、奥さんの身体で払ってもらって、終わりにしますか?」
「それがマーベラス商会としての最終決定か?」
「はい、もちろんです。初期のキャラベル船で遊覧する計画は、すでに王の許可もいただいてますからねえ、マーベラス商会としては失敗するわけにはいかないんですよ。
商会長から『どんなことをしてでもサインをもらってこい』と厳命を受けてますから」
「やれるもんならやってみろよ。お前らのやりそうな事が分からんとか、ありえねえし? それよりもだ、マーベラス商会の商会長の指示で『理由もなく仲間の嫁さんを娼館に沈める』とまで言いきって、商会が潰れなきゃ良いがな」
「は! たかが漁師のくせに! お前の言葉なんて誰も聞きゃしません。そんな脅しが通用するわけな⋯⋯」
『⋯⋯ウルサさん達がどーしてもウチと契約したくないってんなら、ウチが関係してるお店で奥さんにお仕事していただきましょうかねえ。
今まで交渉にかかった手間賃を含めて、奥さんの身体で払ってもらって終わりって事にしますか?』
「は? なんだ今のは!」
「商会員のくせに記録する魔導具を知らないんですか? うっそお、やっぱり商人ギルドが斜陽だってのはホントなのかも!
さっきの話は映像込みで記録しといたんで、マーベラス商会潰れますね~」
爽やかな笑顔込みでサムズアップしたロクサーナが、公国の王宮がある方向を指差した。
94
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
二度目の人生は離脱を目指します
橋本彩里(Ayari)
恋愛
エレナは一度死に戻り、二度目の人生を生きることになった。
一度目は親友のマリアンヌにあらゆるものを奪われ、はめられた人生。
今回は関わらずにいこうと、マリアンヌとの初めての顔合わせで倒れたのを機に病弱と偽り王都から身を遠ざけることにする。
人生二度目だから自身が快適に過ごすために、マリアンヌと距離を取りながらあちこちに顔を出していたら、なぜかマリアンヌの取り巻き男性、死に戻り前は髪色で呼んでいた五人、特に黒いのがしつこっ、……男たちが懐いてきて。
一度目の人生は何が起っていたのか。
今度こそ平穏にいきたいエレナだがいつの間にか渦中に巻き込まれ――。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャらら森山
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる