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109.気になってたから会いに行っちゃおう
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「うっわあぁぁ! 薬草が、薬草がわっしゃわしゃじゃないですか!⋯⋯ポーション作り放題。伝説の薬草に世にも恐ろしい毒薬草⋯⋯それぞれに適した環境があるはずなのに、こんなに生き生きと⋯⋯ここは天国? どうしよう、天に召されたのかも。はあ、幸せ」
ポーションに全ての愛を注ぐマッドサイエンティスト、ジェイムス・チェンバー。学園の元教師で、錬金術・魔導具教師。
「老け顔と猫背とモジャモジャは相変わらずだね~」
今日も着ているヨレヨレの白衣は先生の正装。
張り切って騎士団に入ったものの、ひとり寂しく事務仕事に埋もれていた哀れな男レイモンド・ボッグス。騎士団の横領や、いい加減な会計処理の責任を押し付けられてクビになっていた。
「畑で鍬を持って『俺のせいじゃねえぇぇ』って叫んでやがったんだ。その横で妹が途方に暮れてるのが哀れでなあ」
自分の娘と同じくらいの歳だと思うと捨てて置けなかったそう。
「ロバート・ムスカも来たがってたが捨ててきた」
レイモンドの幼馴染。2年遅れで騎士団に入団し、雑用係を脱却する為に斜め下方向に向けて爆走していた情けない奴。騎士団長達にゴマをすったり、レベッカの護衛騎士になったり⋯⋯残念な経歴の持ち主。
【な~んか人がいっぱいになってきた~! ここはねえ、超楽しいの~。イケメンの生態を観察したり~、イケメンの観察結果で妄想したり~。あっ、私物に手を出すと凍らされるか、電撃が飛んでくるから⋯⋯それだけは注意しないとだよ~。
んじゃあ、まずは『推し親衛隊』を作るのか『ジルベルトVSシーミア⋯⋯どっちがオカズになりやすい?』を企画するのか、決をとりま~す】
アラクネの会に参加しているのは、カトリーナ・キコーニア・フェーリス・ミネルバ・アリサ・ターニャ。
ドワーフからはカジャおばさんとエランおばさん、カジャおばさんの娘サジャとタジャ、その友達のラーナが参戦している。
ロクサーナは何度説明しても『推し』の意味が理解できないので、会員ではなく全員のおもちゃ兼情報提供者にされている(本人はお世話係さんだと信じている)
幽霊会員と化しているのはユースティティで、彼女はいまだに島への上陸許可さえ降りていない。
「両方でも良いんじゃないか? 同時並行できそうだが?」
「そうですよ! 両方にしましょう!」
「あ、あの! 熊の生態も観察したいです」
「「「⋯⋯⋯⋯えぇぇぇっ!」」」
グラントの娘アリサの世にも不思議なカミングアウトに、アラクネ達が盛り上がったのは言うまでもない。
【熊と美少女⋯⋯生の美女と野獣⋯⋯夜毎熊に蹂躙される美少女と、娘を救い出そうと闘う父親! きゃ~、新しいのきたー!】
「蹂躙される娘のシチュエーションはちょっと⋯⋯」
「ウルサさんは優しそうだから、美少女の愛に翻弄される不器用な熊とか?」
【それ! いただき~! ああ、また魔糸が出ちゃう、出まくっちゃう~⋯⋯会員全員のコスチュームとか、ロクサーナに作らせちゃう。そこに『推しの名前』を刺繍しちゃうわ】
ロクサーナに変な性癖を覚え込まされたアラクネが身を捩った。
島に来て復活したレイモンドを尻に敷いている、元気いっぱいの妹ターニャはシーミア狙いらしい。
【年の差婚! 最高じゃん。あの顔とオネエ言葉で愛を囁くとか⋯⋯倒錯めいてて堪んない。ああ、また魔糸が⋯⋯】
会員達の歓声が島に響き渡ると、ジルベルトとシーミアが真っ青な顔で震え上がった。
「ここ最近しょっちゅうあるんですけど、今日は特に嫌な予感がします」
「ええ、まるで背筋を蜘蛛が這ってるみたいな感じなのよ」
あながち間違いではない。かなり鋭い感性と危険予知能力を持っている2人とは違って、話に出ていたもう一人の男⋯⋯ウルサはのんびりと欠伸をしていた。
「気のせいじゃねえか? この島の魔物は大人しいからよお」
「新種の魔物が現れた気が⋯⋯」
「どっかから、狙われてる気がするのよ」
神聖魔法を完璧に使えるようになるまで、キルケーの件は強制お預けになったが、カネーンスの事は少し気にかかる。
「セイレーン達と上手くやってけてるのかなあ」
【幻術のせいで山を彷徨い続けてたけど、幻術でキルケーと繋がってたからギリギリで消えずに済んでたんだ】
他の精霊達も同じ方法で元に戻せるかもと思っていたロクサーナは、ガックリと肩を落とした。
「取り敢えず様子だけ見に行ってみようかなあ」
港の再開発が進んでいく中で、セイレーン達がいる島や海域がどうなっているのか気になって仕方ない。
(シーサーペントやグラウコスを嗾けたのはアレだけど、彼女達の居場所がなくなればいいって思うほどではないんだよね~。それよりも、再開発で居場所がなくなって『その恨み、晴らしてやる』とかってなる方が面倒かも)
「と、言う事で久しぶりのリューズベイで~す。いやぁ、ますます様変わり⋯⋯完全にプチ公国になっちゃったね」
世界各地の食や文化を売りにした店が軒を構え、着飾った観光客が笑い声を立てている。
「キャラベル船の代わりにダウ船を再現したんだね。三角帆がすっごい綺麗だね~!」
ダウ船はムスリム商人が利用した大型木造帆船で大きな三角帆が特徴。
インド洋の季節風を利用して、広範囲な海上活動を行った。
「ムスリム商人が航海に利用したダウ船はね、釘を使ってないのが特徴なの」
今回、ジルベルトは島でお留守番。ドワーフの作る武器や生活用品を数カ国のギルドで販売しているが、そのサポートをしているジルベルトは目が回るほど忙しい。職人気質で値段度外視の品ばかり作るドワーフ達に懇々と説明し、ギルドの無茶振りを説き伏せ、ドワーフを拉致しようとする者を追い払ったり捕縛したり。
毎日遅くまで働いているのは昔と変わらない。
(もしかしてスキルに社畜とかついてたりして)
但し、今回不参加になった理由は⋯⋯。
『男を挟んで喧嘩し続けてるところに男連れで行くのは、喧嘩を売りにいくようなもの』
『飢えてる女達に、色んな意味で喰われる』
気になっていた遊覧観光の様子を確認したロクサーナは、一気にセイレーンのいる島に転移した。
「セイレーンも元はニュンペーだったんだよね。カネーンスと仲良くしてるかな?」
セイレーンのいる島はうっすらとした霧に包まれ、カリュブディスとスキュラの棲む海域に近付けば近付くほど霧が濃くなっていく。
(おお、なんかファンタジー色がマシマシで、ワクワクしてきた!)
足元さえ見えない霧の中を潮が打ちつける音を目印に歩いていくと、小さな光が付かず離れずの位置でチラチラと揺れているのが見えてきた。
(カネーンスが道案内をしてくれてるとかかな?)
【セイレーンのとこに連れてってくれるって】
石だと思って踏みつけていたのが人骨だと気付いた時は、思わず声をあげそうになったが、両手で口を押さえながら前に進んだ。
(悲鳴を上げて逃げ出したら、大笑いするつもりかも。せっかくここまで来たんだもん、このまま帰るなんてもったいないよね)
【わたくし達の邪魔をした人の子ね。こんなとこに何の用かしら?】
シーサーペントを討伐した事を言っているのだろうが、リューズベイの人達にとっては迷惑でしかない。
(一部の人は喜んでたけどね)
「こんにちは、ロクサーナと言います。えーっと⋯⋯カネーンスの様子が知りたくてきたのが一つ目の目的で、セイレーン達と話ができたらいいなって言うのが二つ目の目的です」
霧の中から聞こえた声に返事をすると、ケラケラと笑う複数の声が聞こえる。
【殺されないと思っているのかしら。傲慢な人の子は、足元のそれのようにしてあげても良くてよ?】
優しそうな声だが、言っている事は結構えげつない。
ポーションに全ての愛を注ぐマッドサイエンティスト、ジェイムス・チェンバー。学園の元教師で、錬金術・魔導具教師。
「老け顔と猫背とモジャモジャは相変わらずだね~」
今日も着ているヨレヨレの白衣は先生の正装。
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レイモンドの幼馴染。2年遅れで騎士団に入団し、雑用係を脱却する為に斜め下方向に向けて爆走していた情けない奴。騎士団長達にゴマをすったり、レベッカの護衛騎士になったり⋯⋯残念な経歴の持ち主。
【な~んか人がいっぱいになってきた~! ここはねえ、超楽しいの~。イケメンの生態を観察したり~、イケメンの観察結果で妄想したり~。あっ、私物に手を出すと凍らされるか、電撃が飛んでくるから⋯⋯それだけは注意しないとだよ~。
んじゃあ、まずは『推し親衛隊』を作るのか『ジルベルトVSシーミア⋯⋯どっちがオカズになりやすい?』を企画するのか、決をとりま~す】
アラクネの会に参加しているのは、カトリーナ・キコーニア・フェーリス・ミネルバ・アリサ・ターニャ。
ドワーフからはカジャおばさんとエランおばさん、カジャおばさんの娘サジャとタジャ、その友達のラーナが参戦している。
ロクサーナは何度説明しても『推し』の意味が理解できないので、会員ではなく全員のおもちゃ兼情報提供者にされている(本人はお世話係さんだと信じている)
幽霊会員と化しているのはユースティティで、彼女はいまだに島への上陸許可さえ降りていない。
「両方でも良いんじゃないか? 同時並行できそうだが?」
「そうですよ! 両方にしましょう!」
「あ、あの! 熊の生態も観察したいです」
「「「⋯⋯⋯⋯えぇぇぇっ!」」」
グラントの娘アリサの世にも不思議なカミングアウトに、アラクネ達が盛り上がったのは言うまでもない。
【熊と美少女⋯⋯生の美女と野獣⋯⋯夜毎熊に蹂躙される美少女と、娘を救い出そうと闘う父親! きゃ~、新しいのきたー!】
「蹂躙される娘のシチュエーションはちょっと⋯⋯」
「ウルサさんは優しそうだから、美少女の愛に翻弄される不器用な熊とか?」
【それ! いただき~! ああ、また魔糸が出ちゃう、出まくっちゃう~⋯⋯会員全員のコスチュームとか、ロクサーナに作らせちゃう。そこに『推しの名前』を刺繍しちゃうわ】
ロクサーナに変な性癖を覚え込まされたアラクネが身を捩った。
島に来て復活したレイモンドを尻に敷いている、元気いっぱいの妹ターニャはシーミア狙いらしい。
【年の差婚! 最高じゃん。あの顔とオネエ言葉で愛を囁くとか⋯⋯倒錯めいてて堪んない。ああ、また魔糸が⋯⋯】
会員達の歓声が島に響き渡ると、ジルベルトとシーミアが真っ青な顔で震え上がった。
「ここ最近しょっちゅうあるんですけど、今日は特に嫌な予感がします」
「ええ、まるで背筋を蜘蛛が這ってるみたいな感じなのよ」
あながち間違いではない。かなり鋭い感性と危険予知能力を持っている2人とは違って、話に出ていたもう一人の男⋯⋯ウルサはのんびりと欠伸をしていた。
「気のせいじゃねえか? この島の魔物は大人しいからよお」
「新種の魔物が現れた気が⋯⋯」
「どっかから、狙われてる気がするのよ」
神聖魔法を完璧に使えるようになるまで、キルケーの件は強制お預けになったが、カネーンスの事は少し気にかかる。
「セイレーン達と上手くやってけてるのかなあ」
【幻術のせいで山を彷徨い続けてたけど、幻術でキルケーと繋がってたからギリギリで消えずに済んでたんだ】
他の精霊達も同じ方法で元に戻せるかもと思っていたロクサーナは、ガックリと肩を落とした。
「取り敢えず様子だけ見に行ってみようかなあ」
港の再開発が進んでいく中で、セイレーン達がいる島や海域がどうなっているのか気になって仕方ない。
(シーサーペントやグラウコスを嗾けたのはアレだけど、彼女達の居場所がなくなればいいって思うほどではないんだよね~。それよりも、再開発で居場所がなくなって『その恨み、晴らしてやる』とかってなる方が面倒かも)
「と、言う事で久しぶりのリューズベイで~す。いやぁ、ますます様変わり⋯⋯完全にプチ公国になっちゃったね」
世界各地の食や文化を売りにした店が軒を構え、着飾った観光客が笑い声を立てている。
「キャラベル船の代わりにダウ船を再現したんだね。三角帆がすっごい綺麗だね~!」
ダウ船はムスリム商人が利用した大型木造帆船で大きな三角帆が特徴。
インド洋の季節風を利用して、広範囲な海上活動を行った。
「ムスリム商人が航海に利用したダウ船はね、釘を使ってないのが特徴なの」
今回、ジルベルトは島でお留守番。ドワーフの作る武器や生活用品を数カ国のギルドで販売しているが、そのサポートをしているジルベルトは目が回るほど忙しい。職人気質で値段度外視の品ばかり作るドワーフ達に懇々と説明し、ギルドの無茶振りを説き伏せ、ドワーフを拉致しようとする者を追い払ったり捕縛したり。
毎日遅くまで働いているのは昔と変わらない。
(もしかしてスキルに社畜とかついてたりして)
但し、今回不参加になった理由は⋯⋯。
『男を挟んで喧嘩し続けてるところに男連れで行くのは、喧嘩を売りにいくようなもの』
『飢えてる女達に、色んな意味で喰われる』
気になっていた遊覧観光の様子を確認したロクサーナは、一気にセイレーンのいる島に転移した。
「セイレーンも元はニュンペーだったんだよね。カネーンスと仲良くしてるかな?」
セイレーンのいる島はうっすらとした霧に包まれ、カリュブディスとスキュラの棲む海域に近付けば近付くほど霧が濃くなっていく。
(おお、なんかファンタジー色がマシマシで、ワクワクしてきた!)
足元さえ見えない霧の中を潮が打ちつける音を目印に歩いていくと、小さな光が付かず離れずの位置でチラチラと揺れているのが見えてきた。
(カネーンスが道案内をしてくれてるとかかな?)
【セイレーンのとこに連れてってくれるって】
石だと思って踏みつけていたのが人骨だと気付いた時は、思わず声をあげそうになったが、両手で口を押さえながら前に進んだ。
(悲鳴を上げて逃げ出したら、大笑いするつもりかも。せっかくここまで来たんだもん、このまま帰るなんてもったいないよね)
【わたくし達の邪魔をした人の子ね。こんなとこに何の用かしら?】
シーサーペントを討伐した事を言っているのだろうが、リューズベイの人達にとっては迷惑でしかない。
(一部の人は喜んでたけどね)
「こんにちは、ロクサーナと言います。えーっと⋯⋯カネーンスの様子が知りたくてきたのが一つ目の目的で、セイレーン達と話ができたらいいなって言うのが二つ目の目的です」
霧の中から聞こえた声に返事をすると、ケラケラと笑う複数の声が聞こえる。
【殺されないと思っているのかしら。傲慢な人の子は、足元のそれのようにしてあげても良くてよ?】
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