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12.女の子の話題はやっぱりドレスよね〜
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午前中の卒業式を無事に終えて、夕方から謝恩パーティーが開催された。
パーティーに参加するのは二年生と三年生及び卒業生の親族。来賓として宰相や一部の有力貴族が参加予定で、卒業生は一旦自宅に戻り、着替えた後パーティー会場に集まる事になっている。
盛装用のアビ・ア・ラ・フランセーズのウエストコートとコートを着た男性陣は、其々精緻な刺繍や宝石で意匠を凝らしている。
女性陣は皆、主流のローブ・ア・ラ・フランセーズ。
煌びやかな衣装を身に纏った卒業生が到着する度にパーティー会場には溜息や歓声が溢れていた。
会場入りした四人組は周りの喧騒を気にすることなく、其々のドレスの品評会に忙しくしていた。
「リリアーナのドレス、スピタルフィールズでしょう? 白地の縫取織。一体何種類の絹糸で織り込まれているのか想像もつかないわ。
二段のパゴダ型袖やストマッカーのレースとフライ・フリンジの飾りもとっても上品で最高に似合ってる」
「“ポワン・ラントレ” ね。立体感のある織りが本当に見事だわ。絵画の技法って言われてるのがよく分かる。嘘!エリオット様からなの? 一体何時から準備しておられたのかしら。一ヶ月じゃ間に合わないでしょう? ふふ、愛されてるのね~。
アクセサリーはエリオット様の色ね」
「キールと袖口のアンガジャントはアルジャンタン・レースね。こんなに繊細なのは見た事ないくらいとっても素敵。マシューからのプレゼントだったらちょっと見直してあげるんだけど?」
「シネ・ア・ラ・ブランシュ? この水に濡れて滲んだような感じ。解し織りって言うんだったかしら?
軽快な風合いとパステル調の色使い、マチルダにピッタリだわ。流石はジュード様ね」
パーティーの開始が宣言され宰相による祝辞の後に楽団による演奏がはじまった。
婚約者や親族とダンスを踊り始める人達が増え始めた頃、ジュード・ランカスター第三王子がやって来た。
四人はカーテシーをしてジュードの言葉を待った。
「堅苦しいのはなしだよ、今日の主役は君達なんだから。
久しぶりだね、こんなに美しい令嬢が揃って壁の花になってるなんて勿体ない。ここだけ別世界のように見えたよ」
「お久しぶりです。お会い出来るのを楽しみにしておりました」
「ありがとう、マチルダからみんなの話は聞いている。とても楽しそうで羨ましくもあり申し訳なくもありと言うところだね」
「もしかして出発が早まりました?」
「いや、本当はこのまま攫って行きたいんだがマチルダのお父上に断固拒否されてしまった。半年後に迎えに来るから、結婚式にはみんなで参加してくれるよね」
「勿論、全員で参加させて頂きますわ。楽しみにしております」
「マチルダをお借りしていいかな?」
ジュードにエスコートされて中央に向かうマチルダは少し頬を染め、いつもの数倍可愛らしく見えた。
「ジュード様ったら、ダンスが待ちきれないって感じだったわね。エリオット様は今頃悔し涙かも」
「みっミリアったら揶揄わないで」
「ミリア・・あの」
シエナが真っ赤な顔でミリアに抗議していると後ろからマシューが声をかけてきた。振り向くとマシューと一緒にグレッグが立っていた。
「ミリア、ダンスをお願いしても良いかな?」
「・・、ええ」
「リリアーナ様お久しぶりです。益々お綺麗になられて」
「ありがとうございます。グレッグ様も素敵になられて、ご活躍の噂お聞きしておりますわ」
ミリアとシエナもダンスに向かいリリアーナは一人残された。
(覚悟してた事とは言え、一人になると結構寂しいわね。お父様には別件をお願いしてるからいらっしゃらないし、お母様は足を捻挫して動けなかったし・・)
三人はダンスの後パートナーと共に親族や友人へ挨拶回りに向かう。この後もリリアーナは暫く一人ぼっちの時間が続く予定なので軽食でも・・と歩き出した。
パーティーも中盤に差し掛かる頃、
「リリアーナ・カートレット伯爵令嬢! 前に出て来て貰おう」
予想通りの展開がはじまった。
パーティーに参加するのは二年生と三年生及び卒業生の親族。来賓として宰相や一部の有力貴族が参加予定で、卒業生は一旦自宅に戻り、着替えた後パーティー会場に集まる事になっている。
盛装用のアビ・ア・ラ・フランセーズのウエストコートとコートを着た男性陣は、其々精緻な刺繍や宝石で意匠を凝らしている。
女性陣は皆、主流のローブ・ア・ラ・フランセーズ。
煌びやかな衣装を身に纏った卒業生が到着する度にパーティー会場には溜息や歓声が溢れていた。
会場入りした四人組は周りの喧騒を気にすることなく、其々のドレスの品評会に忙しくしていた。
「リリアーナのドレス、スピタルフィールズでしょう? 白地の縫取織。一体何種類の絹糸で織り込まれているのか想像もつかないわ。
二段のパゴダ型袖やストマッカーのレースとフライ・フリンジの飾りもとっても上品で最高に似合ってる」
「“ポワン・ラントレ” ね。立体感のある織りが本当に見事だわ。絵画の技法って言われてるのがよく分かる。嘘!エリオット様からなの? 一体何時から準備しておられたのかしら。一ヶ月じゃ間に合わないでしょう? ふふ、愛されてるのね~。
アクセサリーはエリオット様の色ね」
「キールと袖口のアンガジャントはアルジャンタン・レースね。こんなに繊細なのは見た事ないくらいとっても素敵。マシューからのプレゼントだったらちょっと見直してあげるんだけど?」
「シネ・ア・ラ・ブランシュ? この水に濡れて滲んだような感じ。解し織りって言うんだったかしら?
軽快な風合いとパステル調の色使い、マチルダにピッタリだわ。流石はジュード様ね」
パーティーの開始が宣言され宰相による祝辞の後に楽団による演奏がはじまった。
婚約者や親族とダンスを踊り始める人達が増え始めた頃、ジュード・ランカスター第三王子がやって来た。
四人はカーテシーをしてジュードの言葉を待った。
「堅苦しいのはなしだよ、今日の主役は君達なんだから。
久しぶりだね、こんなに美しい令嬢が揃って壁の花になってるなんて勿体ない。ここだけ別世界のように見えたよ」
「お久しぶりです。お会い出来るのを楽しみにしておりました」
「ありがとう、マチルダからみんなの話は聞いている。とても楽しそうで羨ましくもあり申し訳なくもありと言うところだね」
「もしかして出発が早まりました?」
「いや、本当はこのまま攫って行きたいんだがマチルダのお父上に断固拒否されてしまった。半年後に迎えに来るから、結婚式にはみんなで参加してくれるよね」
「勿論、全員で参加させて頂きますわ。楽しみにしております」
「マチルダをお借りしていいかな?」
ジュードにエスコートされて中央に向かうマチルダは少し頬を染め、いつもの数倍可愛らしく見えた。
「ジュード様ったら、ダンスが待ちきれないって感じだったわね。エリオット様は今頃悔し涙かも」
「みっミリアったら揶揄わないで」
「ミリア・・あの」
シエナが真っ赤な顔でミリアに抗議していると後ろからマシューが声をかけてきた。振り向くとマシューと一緒にグレッグが立っていた。
「ミリア、ダンスをお願いしても良いかな?」
「・・、ええ」
「リリアーナ様お久しぶりです。益々お綺麗になられて」
「ありがとうございます。グレッグ様も素敵になられて、ご活躍の噂お聞きしておりますわ」
ミリアとシエナもダンスに向かいリリアーナは一人残された。
(覚悟してた事とは言え、一人になると結構寂しいわね。お父様には別件をお願いしてるからいらっしゃらないし、お母様は足を捻挫して動けなかったし・・)
三人はダンスの後パートナーと共に親族や友人へ挨拶回りに向かう。この後もリリアーナは暫く一人ぼっちの時間が続く予定なので軽食でも・・と歩き出した。
パーティーも中盤に差し掛かる頃、
「リリアーナ・カートレット伯爵令嬢! 前に出て来て貰おう」
予想通りの展開がはじまった。
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