141 / 145
第九章 なんでやねん
08.何もない真っ白な部屋
しおりを挟む
支払いを済ませ4人をファミレスに置き去りにした実里は、アパートに向けて歩きはじめた。
レシートを入れた実里の財布には千円札が数枚残っているだけ。
(野菜も何もかもどんどん値上げしてるから、ファミレスも値段が上がったとか? いや、あの人達結構食べてたもんね⋯⋯必要経費だと思うしかないけど、今月は間違いない赤字じゃん。はぁ)
実里の収入は税金や保険料などを払うと、生活できるギリギリというところ。歩いていける範囲内で暮らし、バスや電車は使わない。外食も買い食いもせず、できるだけスーパーの見切り品を利用する。
実里が受け取った慰謝料は口止め料が入っているので、この国の相場から考えるとかなり高額だが(当然のことだが)使えばなくなる。
実里が勤めていた会社は倒産こそ免れたものの規模を縮小し、細々と経営を続けている。親会社の株価も低迷したまま。
世間の騒ぎは収まったが、懲戒解雇された者達は会社からの損害賠償の手続きが進められ、実里も個人情報保護法違反や恐喝・暴行などで数人を訴える予定で準備中。
そんな中、実里の所在や過去を探る者の存在が見つかった事もあり、いつ何が起きるか分からない不安定な状況で暮らしている。
『逆恨みする者はいつ何をするか分かりません。警察は事件が起きるまで助けにはならないので、くれぐれも注意して下さい』
外出時に不審な人物を見かけなかったか、郵便物は開封されていないか、無言電話を含め怪しい着信はないか⋯⋯。
『自主退職を勧告された者は退職金を減額され、会社縮小によりリストラの憂き目にあった者もいます。疑えばキリがありませんが、用心するに越した事はありませんから』
今いるアパートに居られなくなれば住処を新しく探さなければならないし、収入が途切れれば貯金で暮らすしかない。慰謝料は実里にとって最後の切り札に近く、残しておかなければ生きていけない。
弁護士は頼りになるが、依頼できるお金がなければ手のひらを返すだろう⋯⋯しかも、依頼料がめちゃくちゃ高い。
(世知辛い世の中だよね~。弱者に冷たい国ってホントだよ。被害者なのに⋯⋯。高野達を訴えても訴えなくても私のこの状況は変わらないって言われたから、やるしかないんだけど⋯⋯いつになったら普通に暮らせるのかなぁ)
個人で訴えるとなると元々の財力の違いで戦いは相手方有利だが、会社と共闘できる今なら優位を保って戦える。
(あの人達がアパートを突き止めた事を弁護士さんに伝えて、どうやって見つけたのか調べる⋯⋯はぁ、また調査費用が嵩んじゃうじゃん。あの人達を脅迫罪で訴えて調査費用分を取り戻すとかしちゃおうか。全額じゃなくても返してもらえたら助かるもん)
それが高野達と繋がるとは思えないが、二度と連絡してこなくなると言うメリットはある。
(毎月決まった収入があって、安心して住む家もある。その上に人のお金を当てにするなんて、どんだけ我儘なんだっつうの! こっちはいつ夜逃げしなきゃいけなくなるかってドキドキしてるんだからね)
アパートが見えてくると、玄関の前に箒を持った管理人さんが立っているのが見えた。
(もしかして、心配して待っててくれたのかな?)
「管理人さ~ん」
大きく両手を振ってアパートに向けて走り出した。
「実里ちゃん! おかえりなさい、大丈夫だったかい?」
「はい! 多分ですけど、もうこないと思います。ご迷惑をおかけいたしました」
ペコリと下げた実里の頭を管理人さんがガシガシと撫でた。
(最近はスキンシップが増えて、なんかちょっと嬉しいかも。痛いけど)
「迷惑だなんて、元気そうだから安心したよ。さてと、部屋に帰ってお茶でもしようか。実里ちゃんもどう?」
「いや~、仕事を投げ出してるんで、また今度。ありがとうございます」
両親や兄姉に散々悪態を吐き、ついでのように現状まで思い出してしまった実里は、このままでは親切な管理人さんに愚痴をこぼしてしまいそうな気がしている。
(優しいからって甘えちゃダメだもん。距離感は大事。何事もほどほどが一番)
鍵を開けて部屋に入り、パソコンの電源を入れてベッドに飛び込んだ。
(はぁ~、終わった~。なんかすっごく疲れた。達成感じゃなくて、なんだろうこの気持ち⋯⋯なんか、空っぽ? 掃除したてで家具を置いてない部屋にいるみたい)
声を出せば響きそうな何もない真っ白な部屋が心の中にある。狭い部屋だけど自分だけの誰にも邪魔されない、少し寂しくて心細くなる不思議な場所。
仕事をなくして、今日は家族をなくした実里。借り暮らしのような不安定な生活は、将来への夢も見せてくれない。
(今はまだ、たんぽぽ食べなくても生きてけるし、なんとかなるさ。大人だからじゃがいもを生で食べてもお腹壊さないんだから。ふぁあ~、なんだか少し眠く⋯⋯ちょっとだけ⋯⋯パソコンの電源落とさなくちゃ⋯⋯)
土埃を舞い上げながら走り抜けた馬車が警笛を鳴らし、少しずつ速度を上げていった。ガラガラと音を立てる車輪が少しぐらついている。
「危ねえなあ、外れないといいんだけどよ」
「どこの貴族だよ、ったく」
乱暴な馬車をやり過ごした男が隣の男と話しながら、実里の前を通り過ぎて行った。
(むむっ? ここって見たことある景色のような⋯⋯)
あちこちに小さな窪みのある道の両側には、1階が店になっている2階建ての家が並んでいる。木造で店は吹きっさらし。店の看板に描かれているのは文字よりも絵が多い。
古びたテーブルを前に椅子に腰掛けている男達が持っているのは木のジョッキで、料理が乗っているのは木の皿。
歩いている人は麻や木綿のチュニックやシンプルなワンピースを着ている。
(この道を右に行ったら⋯⋯)
人を避けながら見慣れた道を進んでいくと、籠いっぱいに乗せられた野菜の山がいくつも見えた。
(ターニャ婆の店? 私、戻ってきた?)
駆け出した実里が店に飛び込むと、ターニャ婆は店の奥のいつもの椅子に座ってせっせと編み物をしていた。
『ターニャ婆!』
実里が呼びかけてもターニャ婆は気付かず、手を動かしながら溜め息を吐いた。
「はぁ、なんだかねえ⋯⋯」
(何かあったのかな? 元気がないターニャ婆は初めて見たかも。あっ! そうか、今の私って子供のミリーじゃなくて大人の実里なんだ)
『ターニャ婆、お久しぶりです⋯⋯えーっと、実里なんだけど分かりますか? いつくらいの頃に戻ってきたのか分かんないんだけど、ほら、ちびっ子なのにじゃがいも売りに来て8掛けで買えって言ったミリーの⋯⋯』
必死で説明する実里の声が聞こえてないみたいに、ターニャ婆は全然顔を上げない。
(どうしよう⋯⋯もしかして、声が聞こえてない?)
もう一度声をかけようとした実里の後ろから声が聞こえた。
「ターニャ婆、蕪が欲しいんだけど」
その声の主は店の奥に入って来て⋯⋯実里の身体を通り抜けた。
レシートを入れた実里の財布には千円札が数枚残っているだけ。
(野菜も何もかもどんどん値上げしてるから、ファミレスも値段が上がったとか? いや、あの人達結構食べてたもんね⋯⋯必要経費だと思うしかないけど、今月は間違いない赤字じゃん。はぁ)
実里の収入は税金や保険料などを払うと、生活できるギリギリというところ。歩いていける範囲内で暮らし、バスや電車は使わない。外食も買い食いもせず、できるだけスーパーの見切り品を利用する。
実里が受け取った慰謝料は口止め料が入っているので、この国の相場から考えるとかなり高額だが(当然のことだが)使えばなくなる。
実里が勤めていた会社は倒産こそ免れたものの規模を縮小し、細々と経営を続けている。親会社の株価も低迷したまま。
世間の騒ぎは収まったが、懲戒解雇された者達は会社からの損害賠償の手続きが進められ、実里も個人情報保護法違反や恐喝・暴行などで数人を訴える予定で準備中。
そんな中、実里の所在や過去を探る者の存在が見つかった事もあり、いつ何が起きるか分からない不安定な状況で暮らしている。
『逆恨みする者はいつ何をするか分かりません。警察は事件が起きるまで助けにはならないので、くれぐれも注意して下さい』
外出時に不審な人物を見かけなかったか、郵便物は開封されていないか、無言電話を含め怪しい着信はないか⋯⋯。
『自主退職を勧告された者は退職金を減額され、会社縮小によりリストラの憂き目にあった者もいます。疑えばキリがありませんが、用心するに越した事はありませんから』
今いるアパートに居られなくなれば住処を新しく探さなければならないし、収入が途切れれば貯金で暮らすしかない。慰謝料は実里にとって最後の切り札に近く、残しておかなければ生きていけない。
弁護士は頼りになるが、依頼できるお金がなければ手のひらを返すだろう⋯⋯しかも、依頼料がめちゃくちゃ高い。
(世知辛い世の中だよね~。弱者に冷たい国ってホントだよ。被害者なのに⋯⋯。高野達を訴えても訴えなくても私のこの状況は変わらないって言われたから、やるしかないんだけど⋯⋯いつになったら普通に暮らせるのかなぁ)
個人で訴えるとなると元々の財力の違いで戦いは相手方有利だが、会社と共闘できる今なら優位を保って戦える。
(あの人達がアパートを突き止めた事を弁護士さんに伝えて、どうやって見つけたのか調べる⋯⋯はぁ、また調査費用が嵩んじゃうじゃん。あの人達を脅迫罪で訴えて調査費用分を取り戻すとかしちゃおうか。全額じゃなくても返してもらえたら助かるもん)
それが高野達と繋がるとは思えないが、二度と連絡してこなくなると言うメリットはある。
(毎月決まった収入があって、安心して住む家もある。その上に人のお金を当てにするなんて、どんだけ我儘なんだっつうの! こっちはいつ夜逃げしなきゃいけなくなるかってドキドキしてるんだからね)
アパートが見えてくると、玄関の前に箒を持った管理人さんが立っているのが見えた。
(もしかして、心配して待っててくれたのかな?)
「管理人さ~ん」
大きく両手を振ってアパートに向けて走り出した。
「実里ちゃん! おかえりなさい、大丈夫だったかい?」
「はい! 多分ですけど、もうこないと思います。ご迷惑をおかけいたしました」
ペコリと下げた実里の頭を管理人さんがガシガシと撫でた。
(最近はスキンシップが増えて、なんかちょっと嬉しいかも。痛いけど)
「迷惑だなんて、元気そうだから安心したよ。さてと、部屋に帰ってお茶でもしようか。実里ちゃんもどう?」
「いや~、仕事を投げ出してるんで、また今度。ありがとうございます」
両親や兄姉に散々悪態を吐き、ついでのように現状まで思い出してしまった実里は、このままでは親切な管理人さんに愚痴をこぼしてしまいそうな気がしている。
(優しいからって甘えちゃダメだもん。距離感は大事。何事もほどほどが一番)
鍵を開けて部屋に入り、パソコンの電源を入れてベッドに飛び込んだ。
(はぁ~、終わった~。なんかすっごく疲れた。達成感じゃなくて、なんだろうこの気持ち⋯⋯なんか、空っぽ? 掃除したてで家具を置いてない部屋にいるみたい)
声を出せば響きそうな何もない真っ白な部屋が心の中にある。狭い部屋だけど自分だけの誰にも邪魔されない、少し寂しくて心細くなる不思議な場所。
仕事をなくして、今日は家族をなくした実里。借り暮らしのような不安定な生活は、将来への夢も見せてくれない。
(今はまだ、たんぽぽ食べなくても生きてけるし、なんとかなるさ。大人だからじゃがいもを生で食べてもお腹壊さないんだから。ふぁあ~、なんだか少し眠く⋯⋯ちょっとだけ⋯⋯パソコンの電源落とさなくちゃ⋯⋯)
土埃を舞い上げながら走り抜けた馬車が警笛を鳴らし、少しずつ速度を上げていった。ガラガラと音を立てる車輪が少しぐらついている。
「危ねえなあ、外れないといいんだけどよ」
「どこの貴族だよ、ったく」
乱暴な馬車をやり過ごした男が隣の男と話しながら、実里の前を通り過ぎて行った。
(むむっ? ここって見たことある景色のような⋯⋯)
あちこちに小さな窪みのある道の両側には、1階が店になっている2階建ての家が並んでいる。木造で店は吹きっさらし。店の看板に描かれているのは文字よりも絵が多い。
古びたテーブルを前に椅子に腰掛けている男達が持っているのは木のジョッキで、料理が乗っているのは木の皿。
歩いている人は麻や木綿のチュニックやシンプルなワンピースを着ている。
(この道を右に行ったら⋯⋯)
人を避けながら見慣れた道を進んでいくと、籠いっぱいに乗せられた野菜の山がいくつも見えた。
(ターニャ婆の店? 私、戻ってきた?)
駆け出した実里が店に飛び込むと、ターニャ婆は店の奥のいつもの椅子に座ってせっせと編み物をしていた。
『ターニャ婆!』
実里が呼びかけてもターニャ婆は気付かず、手を動かしながら溜め息を吐いた。
「はぁ、なんだかねえ⋯⋯」
(何かあったのかな? 元気がないターニャ婆は初めて見たかも。あっ! そうか、今の私って子供のミリーじゃなくて大人の実里なんだ)
『ターニャ婆、お久しぶりです⋯⋯えーっと、実里なんだけど分かりますか? いつくらいの頃に戻ってきたのか分かんないんだけど、ほら、ちびっ子なのにじゃがいも売りに来て8掛けで買えって言ったミリーの⋯⋯』
必死で説明する実里の声が聞こえてないみたいに、ターニャ婆は全然顔を上げない。
(どうしよう⋯⋯もしかして、声が聞こえてない?)
もう一度声をかけようとした実里の後ろから声が聞こえた。
「ターニャ婆、蕪が欲しいんだけど」
その声の主は店の奥に入って来て⋯⋯実里の身体を通り抜けた。
261
あなたにおすすめの小説
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな
恋愛
私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います
きんもくせい
恋愛
リルベール侯爵家に嫁いできた子爵令嬢、ナタリーは、最初は純朴そうな少女だった。積極的に雑事をこなし、兄と仲睦まじく話す彼女は、徐々に家族に受け入れられ、気に入られていく。しかし、主人公のソフィアに対しては冷たく、嫌がらせばかりをしてくる。初めは些細なものだったが、それらのいじめは日々悪化していき、痺れを切らしたソフィアは、両家の食事会で……
結婚十年目の夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。彼は「送り間違えた」というけれど、それはそれで問題なのでは?
ぽんた
恋愛
レミ・マカリスター侯爵夫人は、夫と政略結婚をして十周年。侯爵夫人として、義父母の介護や領地経営その他もろもろを完ぺきにこなしている。そんなある日、王都に住む夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。義弟を通じ、夫を追求するも夫は「送り間違えた。ほんとうは金を送れというメモを送りたかった」という。レミは、心から思った。「それはそれで問題なのでは?」、と。そして、彼女の夫にたいするざまぁがはじまる。
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
私はあなたの正妻にはなりません。どうぞ愛する人とお幸せに。
火野村志紀
恋愛
王家の血を引くラクール公爵家。両家の取り決めにより、男爵令嬢のアリシアは、ラクール公爵子息のダミアンと婚約した。
しかし、この国では一夫多妻制が認められている。ある伯爵令嬢に一目惚れしたダミアンは、彼女とも結婚すると言い出した。公爵の忠告に聞く耳を持たず、ダミアンは伯爵令嬢を正妻として迎える。そしてアリシアは、側室という扱いを受けることになった。
数年後、公爵が病で亡くなり、生前書き残していた遺言書が開封された。そこに書かれていたのは、ダミアンにとって信じられない内容だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる