DRAGGY!ードラギィ!ー【フラップ編(リライト)2/18連載開始!】

Sirocos(シロコス)

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〈フレデリック/しろさん編〉

第一話 5

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      『いつものにぎやか連中れんちゅうで、わしの研究協力者たち。
    やさしい大型犬おおがたけんみたいに、今日もにんまり笑顔えがおかべて――』

**************************************

 さて、新人たちの面倒めんどう見終みおわったわしは、
そのまま彼らを次の研修けんしゅうへとおくり出したあと、そのまま多目的たもくてきルームにのこって、
部下ぶかのこまつくんとともに、テーブルの上にある準備じゅんびを進めていた。

博士はかせ、おさらかずは四枚でよろしかったでしょうか?」

「うむ。今日はレン以外いがい人間にんげんは来ないからのう」

 今日は、重要じゅうような研究の協力者きょうりょくしゃたちへの日々のおれいとして、
わしが開発し、改良かいりょうをかさねている『天竺てんじくチーズ』をごちそうする日だ。
このフレデリック・ラボは今、その協力者たちの住む部屋と、
のだ。
そうすることが、ドラギィの研究を効率こうりつよく進めるうえで、かかせないからである。

「今回ふるまうチーズ料理ですが、いったいどのような料理りょうりなのですか?」

「ふふん、聞いておどろくでないぞ。
なんと、わしがみずからレシピを作り、彼らの満足度を最大限さいだいげんまで高めた、
ちょうビッグサイズのマルゲリータピザじゃ!
ピザの耳にまでたっぷりチーズを注入ちゅうにゅうした意欲作いよくさくじゃぞ」

「み、耳の中にもチーズですか。でもそういうのって、わりとよくあるような――」

「そうなのか? まあ、そこはべつに気にはせんぞ。
注目ちゅうもくすべきは、使っているチーズと、ピザの生地きじなんじゃから」

 ラボではたらくネズミもまた、ピザを食べるような機会きかいはまずないためか、
こまつ君も、まるで味気ない雑穀ざっこくでもかじるような、微妙びみょう反応はんのうだった。
の食べものにも関心かんしんをもつわしには、もはやなじみ深いものだが。

「わしは今回、きちんと生地にもこだわっとるんじゃ。
何をかくそう、日々のふしぎ研究の成果せいか応用おうようした――」


 コン、コン、コン!


 ふいに、部屋のドアがノックされた。
ラボ内のカベやドアは、最新鋭さいしんえい化学物質かがくぶっしつをつかっているが、
おどろくほどかるい素材そざいでできているので、ノックの音がよくひびく。

 この力強い手による重たいノック音。ネズミの手によるものじゃない。

(やっぱりな。もう来よったか)

 やってきた協力者たちとは、もうつきあいは長い。くされえんといってもいい。
彼らがわしの天竺チーズをやたら気に入っていて、
ごちそうしてもらえる日にはミサイルのはやさでんでくるのも、知っている。

 わしは部屋のそとにむかって、少々なげやりな調子ちょうしでこう言った。

「カベに顔認証かおにんしょうカメラがあるじゃろー!
おぬしたちの登録とうろくはすんでおるんじゃから、早く入ってこーい」

 協力者たちは、そなえつきの認証カメラに手こずっているのか、
ドアが開くまで三十秒はかかっていた。


「ワォ~ン! 開いた開いた開いたァ~!」

「やれやれ、どうして地上界では、なる合言葉あいことばとか、
こういったみたいなものが、わざわざ作られるんだ」

「まあまあ、は生きるための大事だいじなものみたいだから。
ですよね、レン君? あなたもそう言ってましたよね」

「というかさ、しろさんが出迎でむかえてくれてもよくない?
わざわざオレたちに開けさせなくてもさ――」

 
 ドラギィのフラップ、フリーナ、フレディと、その保護者ほごしゃのレン少年だ。

 ドラギィには、体の大きさを自在じざいに変える能力のうりょくがある。
今日はわしらネズミと同じくらいチビサイズだが、本来ほんらいなら山のようなサイズだ。
一方いっぽうでレンは、わしがあずけているチヂミバンドをつかって、体を小さくしていた。

――にしても、ドラギィたちはこのラボを、第三のわがだと思っているようだ。
今日も今日とて、遠慮えんりょのそぶりもなく、
丸太まるたみたいに大きなあしでドカドカ、ノシノシと部屋に入ってくる。


「よく来たな、おぬしたち。ま、今日もゆっくりしていってくれい」


「「「おいしいチーズ、いただきまあす。ワンッ!」」」


 いつものにぎやか連中れんちゅうで、わしの研究協力者たち。
やさしい大型犬おおがたけんみたいに、今日もにんまり笑顔えがおかべて――

 彼らの存在そんざいは、
わし自身じしんが楽しく生きるために、今日もおおいに役立やくだってくれるだろう。 
 
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