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〈フレデリック/しろさん編〉
第六話『小さな瞳に』 1
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『すぐれた研究者とは、謎めいたものほど解き明かしたくなるものだ。
たとえこの先十年、五十年かかるとしても。』
**************************************
暗い木々のあいだから現れたのは、かなり大きな四足獣の、
奇妙につきでた口と、象牙のような三本の白い角。
陽の光をうけて、ゴツゴツとした茶色い皮ふが全身をおおっている様子が見えた。
扇のようなりっぱな形の頭が、まるで象の大きな耳のようだ。
「や、やばい」タクが興奮した。
「トリケラトプスだ! で、でっかい。動いてるし!」
どうやらこちらに気づいたらしい。ゆっくりと近づいてくるようだ。
全長九メートルもの大型恐竜が、のしのしと。
四人の子どもたちは、おもわず後ずさりした。
あまりの図体に、恐ろしいという感情はあっただろうが、
それと同時に、感激で気持ちが高ぶっているようでもあった。
だって、そりゃあそうだろう。生きて動いている恐竜だ。本物だ。
アニマトロ二クスや、着ぐるみでもない。頭や四肢の動作が、やたらとリアルだ。
「あ、ユ、ユカちゃん……」
レンが急にほほを赤らめた。
ユカが、レンの片手をおもわずつかんでいたのだ。
「あ、レンくん! これは、その……」
ユカは、パッと手をはなした。彼女のほほも真っ赤になっている。
「で、でもよう」ジュンがふるえるような声で言った。
「こいつ、体の色がやたらと明るいよな。よくあるおもちゃみたいな」
「そ、そうだね」タクが答える。
「最新の図鑑にのってるのは、あんなに明るい茶色じゃないよ。
あちこちにオレンジ色の筋もはいっているみたいだし。人形、だったりして?」
「そういえば、そうじゃのう。目もきれいな青色じゃな」
わしも二人の見解につづいた。大型の恐竜なのに、どこか愛らしい。
この特徴的なジャングルの風景と、なにか関係があるのだろうか。
「ガルルル! オレさまにむかってくるとは、いい度胸だぜ」
背中の毛を真っ赤にそめたブリーチは、鼻息をふかして奮起すると、
むくむくっと大熊サイズにかわり、トリケラトプスの前で啖呵をきった。
「おい、そこのでっかいの! オレさまと勝負だ、勝負! バウバウッ!」
「ねえ、どうして急に赤色になったの?」
ユカがブリーチの様子を見て、不思議そうにたずねた。
「オレにもよく分からないんだ」レンが答える。
「興奮すると、背中が赤くなるみたい。フラップよりも熱そうな赤色にね」
「それを解き明かすためにも、
わしらはブリーチのデータを集めなければならんのじゃ」
わしは、レンの肩の上でネズミパッドを取りだし、カメラ撮影をはじめた。
「さあ、どう力くらべをする? おぬしとトリケラ、どちらが強いかのう?」
ボオォォォ―――!
ブリーチが、天にむかってごうごうと火炎放射した。
トリケラトプスは、たじろいで二、三歩ほど後ろへと下がった。
相手にも、これがほかにも見ない異様な光景だと分かるらしい。
「コラコラ、炎は禁止じゃ! 恐竜は火をふけないのじゃから」
声の小さいわしの言葉を、レンがかわりに大声でブリーチに伝えた。
「なんだよこいつ~。火もふけないのか?
じゃあ、相撲だ、相撲! オレは地面におりてやるから」
ブリーチは着地すると、どっしりと両脚をついたまま、
さらにむくむくと巨大化していった。
「がうぅ~! さあ、かかってこおい!」
いまやブリーチは、トリケラトプスとおなじサイズにかわって、
両腕をひろげてトリケラトプスに立ちふさがった。
「本当に恐竜サイズだあ!」
「いいぞー、やれやれ~!」
タクとジュンが大興奮でその姿を見上げた――が、その時だ。
ザワザワッ! トリケラトプスの後ろの茂みがゆれて、
なにか小さな生き物たちが飛び出してきた。
「あ、子どもがいる――」レンがつぶやいた。
林の中からやってきたのは、三匹のトリケラトプスの子ども。
犬のような軽やかな足どりで親のそばに集まり、心配そうに様子をみている。
体の色合いは、やはり親とおなじで、明るい茶色にオレンジの筋だった。
「かわいい!」
わずか三メートルほどしかないトリケラトプスの子どもたちを見て、
ユカが目をキラキラさせた。
ブリーチは、無事を確かめあう恐竜の親子を、呆然と見つめていた。
すると、彼は急にやる気をなくして、みるみる小さなサイズにもどっていった。
「なあんだ、子連れだったのか。なんか、その――悪いことしちまったぜ。
お散歩の途中だったのをさ」
ブリーチは、やれやれといった調子で腕をくんだまま、
レンたちの頭上で待機していたフリーナとフレディのもとへむかった。
背中の色が、すこしずつ白色にもどっていく。
「力くらべはいいのか?」フレディが笑ってそう聞いた。
「だって、オレの前にやられちまったブザマな親のかっこうを、
あんな小さな子どもたちに見せられないだろ?」
「へぇ~、優しいネ。いいとこあるじゃん。ワンッ!」
フリーナは、ブリーチの体をひじでドンとついた。
「いってえなあ、このぉ。オレだって優しい時は優しいんだぜ」
「「どうだか」」フリーナとフレディが、またも声をそろえた。
トリケラトプスの親子は、わしらにおそいかかるでもなく、
すこしのあいだそばにいて、体をさわるのを許してくれた。
トリケラトプスの皮ふはカチカチに硬かったが、ふしぎな温かみがあった。
それから、トリケラトプスの親子は、また森の奥へと去っていった。
*
わしらは、異界穴の入り口からすこしはなれ、広大な草原地帯に出た。
ピンク色のふしぎな空の下にひろがるジュラ紀の世界は、
本当に大型版の絵本をそっくりひらいてながめるような光景だった。
森や野原の植物から、遠くの丘の岩々まで、
すべての色味がシンプルで、どこかジオラマ風というか。
まあ、川を流れる水は、さすがに本物でちゃんと透明だったが。
ここは風もおだやかで、
大小さまざまな恐竜を見られる、心地よい空間だ。
群れをなして草原を歩く、五頭のパキケファロサウルス。
水場でのどをうるおす、七頭のイグアノドンの群れ。
葉っぱのような形の骨盤で野を歩く、二頭のステゴサウルス。
そして、キリンのように長い首をもつ、巨大なブラキオサウルスが一頭。
丘にそびえる大きな木の下でながめるだけで、
それだけではない数多くの恐竜たちを見ることができた。
まあ、みんなおもちゃのフィギュアみたいにカラフルな色なので、
本当に本物なのかどうかはハッキリしないがな。
「オレ、ちょっと胸焼けしそうだな」
「レンくん、こういう風景ってキライ?」と、ユカが聞いた。
「レンはもっとリアルなカンジの恐竜が好きだよな」
横からそう言ったのは、ジュンだった。
「しろさん、どうしてこんな世界ができたのかな。
ここ最近になって急に」と、タクがたずねてきた。
「裏側の世界については――」
わしはレンの肩の上で腕をくみ、考えこみながら答えた。
「わしもまだハッキリと断定できないのじゃが、
どうやら、表側の世界にあるものと関係がありそうじゃ」
「たしかに、入り口は恐竜公園にできてたもんね」と、レンはいった。
「異界穴は、周辺にあるものの影響をうけて発生し、
それにひもづいた環境、または光景などを内側に形づくる。
それがわしのなかで定説化しつつある。
いつ生まれたかも分からん穴もあれば、新たに生まれてくる穴もあるが、
なぜ裏側の世界が生まれるのか、そのメカニズムはなんなのか――。
わしはまだ、それを解明できておらん」
すぐれた研究者とは、謎めいたものほど解き明かしたくなるものだ。
たとえこの先十年、五十年かかるとしても。
わしもただのネズミとしては、あまりに長生きな方なのだが、
長すぎる生に疲れをかんじたことはない。
なぜなら、わしは大きな謎からさらなる大きな謎へと、
研究テーマを次々に乗りかえながら、退屈しない生を生きてきたのだから。
「そういえば、ドラギィも裏世界の住人なんだよね?」
ユカは、そばにうかんでいたフリーナとフレディにきいた。
「まあネ~」フリーナがピースサインをした。
「ぼくとしても、ドラギィ誕生のルーツは知りたいところだ。
それが、ドラギィとして生きる喜びにつながると、信じているから」
二匹は、エネルギー補給のためにユカが持ってきたチョコマシュマロを、
袋からだしてモグモグとやっていた。
わしと四人の子どもたちは、ふっと笑みをうかべた。
「そういえば、ブリーチはどこ? 見当たらないけど」
タクの言葉に、わしらはみんなでブリーチの姿をさがした。
あいつはおやつを食べた後、強そうな恐竜をさがすといって、
周辺をチョロチョロと飛びまわっていたのだが。
と、フリーナがぴゅうっと飛び上がって、水場のほうを指さした。
「あー! あそこにいたー! ブリーチ、でっかくなってる!」
ブリーチは、たった今むくむくと七メートルほどのサイズになって、
水の中を歩くデュプロドクスの背後をとっていた。
そいつは、全長二十五メートルを越える、最大級の草食恐竜だった。
どうやら、わしとおなじく長いムチのようなしっぽを生やしたそいつに、
興味をしめしたらしい。
それから、両腕でデュプロドクスの長いしっぽをつかみ、
ぐっと上にひっぱって、その太い後ろ脚が水面から上がるのを楽しんでいた。
わしのぜんまいドローンネズミが、しっかりと横から撮影をつづけている。
「いたずらされる方も、たいがい心の広いやつじゃのう」
わしは遠巻きにその光景をみて、クスリと笑った。
「ちっとも抵抗しておらんわ。ちょっとは仕置きしてやればよいじゃろうに」
だがその時、わしらは見た。
ブリーチの背後から、さらなる恐竜の影が翼を広げて、風に乗って飛んでくるのを!
たとえこの先十年、五十年かかるとしても。』
**************************************
暗い木々のあいだから現れたのは、かなり大きな四足獣の、
奇妙につきでた口と、象牙のような三本の白い角。
陽の光をうけて、ゴツゴツとした茶色い皮ふが全身をおおっている様子が見えた。
扇のようなりっぱな形の頭が、まるで象の大きな耳のようだ。
「や、やばい」タクが興奮した。
「トリケラトプスだ! で、でっかい。動いてるし!」
どうやらこちらに気づいたらしい。ゆっくりと近づいてくるようだ。
全長九メートルもの大型恐竜が、のしのしと。
四人の子どもたちは、おもわず後ずさりした。
あまりの図体に、恐ろしいという感情はあっただろうが、
それと同時に、感激で気持ちが高ぶっているようでもあった。
だって、そりゃあそうだろう。生きて動いている恐竜だ。本物だ。
アニマトロ二クスや、着ぐるみでもない。頭や四肢の動作が、やたらとリアルだ。
「あ、ユ、ユカちゃん……」
レンが急にほほを赤らめた。
ユカが、レンの片手をおもわずつかんでいたのだ。
「あ、レンくん! これは、その……」
ユカは、パッと手をはなした。彼女のほほも真っ赤になっている。
「で、でもよう」ジュンがふるえるような声で言った。
「こいつ、体の色がやたらと明るいよな。よくあるおもちゃみたいな」
「そ、そうだね」タクが答える。
「最新の図鑑にのってるのは、あんなに明るい茶色じゃないよ。
あちこちにオレンジ色の筋もはいっているみたいだし。人形、だったりして?」
「そういえば、そうじゃのう。目もきれいな青色じゃな」
わしも二人の見解につづいた。大型の恐竜なのに、どこか愛らしい。
この特徴的なジャングルの風景と、なにか関係があるのだろうか。
「ガルルル! オレさまにむかってくるとは、いい度胸だぜ」
背中の毛を真っ赤にそめたブリーチは、鼻息をふかして奮起すると、
むくむくっと大熊サイズにかわり、トリケラトプスの前で啖呵をきった。
「おい、そこのでっかいの! オレさまと勝負だ、勝負! バウバウッ!」
「ねえ、どうして急に赤色になったの?」
ユカがブリーチの様子を見て、不思議そうにたずねた。
「オレにもよく分からないんだ」レンが答える。
「興奮すると、背中が赤くなるみたい。フラップよりも熱そうな赤色にね」
「それを解き明かすためにも、
わしらはブリーチのデータを集めなければならんのじゃ」
わしは、レンの肩の上でネズミパッドを取りだし、カメラ撮影をはじめた。
「さあ、どう力くらべをする? おぬしとトリケラ、どちらが強いかのう?」
ボオォォォ―――!
ブリーチが、天にむかってごうごうと火炎放射した。
トリケラトプスは、たじろいで二、三歩ほど後ろへと下がった。
相手にも、これがほかにも見ない異様な光景だと分かるらしい。
「コラコラ、炎は禁止じゃ! 恐竜は火をふけないのじゃから」
声の小さいわしの言葉を、レンがかわりに大声でブリーチに伝えた。
「なんだよこいつ~。火もふけないのか?
じゃあ、相撲だ、相撲! オレは地面におりてやるから」
ブリーチは着地すると、どっしりと両脚をついたまま、
さらにむくむくと巨大化していった。
「がうぅ~! さあ、かかってこおい!」
いまやブリーチは、トリケラトプスとおなじサイズにかわって、
両腕をひろげてトリケラトプスに立ちふさがった。
「本当に恐竜サイズだあ!」
「いいぞー、やれやれ~!」
タクとジュンが大興奮でその姿を見上げた――が、その時だ。
ザワザワッ! トリケラトプスの後ろの茂みがゆれて、
なにか小さな生き物たちが飛び出してきた。
「あ、子どもがいる――」レンがつぶやいた。
林の中からやってきたのは、三匹のトリケラトプスの子ども。
犬のような軽やかな足どりで親のそばに集まり、心配そうに様子をみている。
体の色合いは、やはり親とおなじで、明るい茶色にオレンジの筋だった。
「かわいい!」
わずか三メートルほどしかないトリケラトプスの子どもたちを見て、
ユカが目をキラキラさせた。
ブリーチは、無事を確かめあう恐竜の親子を、呆然と見つめていた。
すると、彼は急にやる気をなくして、みるみる小さなサイズにもどっていった。
「なあんだ、子連れだったのか。なんか、その――悪いことしちまったぜ。
お散歩の途中だったのをさ」
ブリーチは、やれやれといった調子で腕をくんだまま、
レンたちの頭上で待機していたフリーナとフレディのもとへむかった。
背中の色が、すこしずつ白色にもどっていく。
「力くらべはいいのか?」フレディが笑ってそう聞いた。
「だって、オレの前にやられちまったブザマな親のかっこうを、
あんな小さな子どもたちに見せられないだろ?」
「へぇ~、優しいネ。いいとこあるじゃん。ワンッ!」
フリーナは、ブリーチの体をひじでドンとついた。
「いってえなあ、このぉ。オレだって優しい時は優しいんだぜ」
「「どうだか」」フリーナとフレディが、またも声をそろえた。
トリケラトプスの親子は、わしらにおそいかかるでもなく、
すこしのあいだそばにいて、体をさわるのを許してくれた。
トリケラトプスの皮ふはカチカチに硬かったが、ふしぎな温かみがあった。
それから、トリケラトプスの親子は、また森の奥へと去っていった。
*
わしらは、異界穴の入り口からすこしはなれ、広大な草原地帯に出た。
ピンク色のふしぎな空の下にひろがるジュラ紀の世界は、
本当に大型版の絵本をそっくりひらいてながめるような光景だった。
森や野原の植物から、遠くの丘の岩々まで、
すべての色味がシンプルで、どこかジオラマ風というか。
まあ、川を流れる水は、さすがに本物でちゃんと透明だったが。
ここは風もおだやかで、
大小さまざまな恐竜を見られる、心地よい空間だ。
群れをなして草原を歩く、五頭のパキケファロサウルス。
水場でのどをうるおす、七頭のイグアノドンの群れ。
葉っぱのような形の骨盤で野を歩く、二頭のステゴサウルス。
そして、キリンのように長い首をもつ、巨大なブラキオサウルスが一頭。
丘にそびえる大きな木の下でながめるだけで、
それだけではない数多くの恐竜たちを見ることができた。
まあ、みんなおもちゃのフィギュアみたいにカラフルな色なので、
本当に本物なのかどうかはハッキリしないがな。
「オレ、ちょっと胸焼けしそうだな」
「レンくん、こういう風景ってキライ?」と、ユカが聞いた。
「レンはもっとリアルなカンジの恐竜が好きだよな」
横からそう言ったのは、ジュンだった。
「しろさん、どうしてこんな世界ができたのかな。
ここ最近になって急に」と、タクがたずねてきた。
「裏側の世界については――」
わしはレンの肩の上で腕をくみ、考えこみながら答えた。
「わしもまだハッキリと断定できないのじゃが、
どうやら、表側の世界にあるものと関係がありそうじゃ」
「たしかに、入り口は恐竜公園にできてたもんね」と、レンはいった。
「異界穴は、周辺にあるものの影響をうけて発生し、
それにひもづいた環境、または光景などを内側に形づくる。
それがわしのなかで定説化しつつある。
いつ生まれたかも分からん穴もあれば、新たに生まれてくる穴もあるが、
なぜ裏側の世界が生まれるのか、そのメカニズムはなんなのか――。
わしはまだ、それを解明できておらん」
すぐれた研究者とは、謎めいたものほど解き明かしたくなるものだ。
たとえこの先十年、五十年かかるとしても。
わしもただのネズミとしては、あまりに長生きな方なのだが、
長すぎる生に疲れをかんじたことはない。
なぜなら、わしは大きな謎からさらなる大きな謎へと、
研究テーマを次々に乗りかえながら、退屈しない生を生きてきたのだから。
「そういえば、ドラギィも裏世界の住人なんだよね?」
ユカは、そばにうかんでいたフリーナとフレディにきいた。
「まあネ~」フリーナがピースサインをした。
「ぼくとしても、ドラギィ誕生のルーツは知りたいところだ。
それが、ドラギィとして生きる喜びにつながると、信じているから」
二匹は、エネルギー補給のためにユカが持ってきたチョコマシュマロを、
袋からだしてモグモグとやっていた。
わしと四人の子どもたちは、ふっと笑みをうかべた。
「そういえば、ブリーチはどこ? 見当たらないけど」
タクの言葉に、わしらはみんなでブリーチの姿をさがした。
あいつはおやつを食べた後、強そうな恐竜をさがすといって、
周辺をチョロチョロと飛びまわっていたのだが。
と、フリーナがぴゅうっと飛び上がって、水場のほうを指さした。
「あー! あそこにいたー! ブリーチ、でっかくなってる!」
ブリーチは、たった今むくむくと七メートルほどのサイズになって、
水の中を歩くデュプロドクスの背後をとっていた。
そいつは、全長二十五メートルを越える、最大級の草食恐竜だった。
どうやら、わしとおなじく長いムチのようなしっぽを生やしたそいつに、
興味をしめしたらしい。
それから、両腕でデュプロドクスの長いしっぽをつかみ、
ぐっと上にひっぱって、その太い後ろ脚が水面から上がるのを楽しんでいた。
わしのぜんまいドローンネズミが、しっかりと横から撮影をつづけている。
「いたずらされる方も、たいがい心の広いやつじゃのう」
わしは遠巻きにその光景をみて、クスリと笑った。
「ちっとも抵抗しておらんわ。ちょっとは仕置きしてやればよいじゃろうに」
だがその時、わしらは見た。
ブリーチの背後から、さらなる恐竜の影が翼を広げて、風に乗って飛んでくるのを!
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