DRAGGY!ードラギィ!ー【フラップ編(リライト)2/18連載開始!】

Sirocos(シロコス)

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〈フレデリック/しろさん編〉

第七話 5

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      『七色にかがやくフリーナは、わしを背中に乗せて飛んだ。
       いまこそわしは、勇敢なるドラギィの騎士となった。』

**************************************

「この裏世界うらせかいは、あなたたちよりも先にわたくしたちが見つけ出し、
調査をすすめてきましたわ。みちまよったなんて、なウ・ソ」

 ビオラ博士はかせが片手を広げ、しっぽをゆうらりとゆらしてみせた。

「まさかと思ってたけど、やっぱりかよー!」ジュンがおおいにあきれ返った。

「わたし、よく分かんない」と、ユカがつぶやいた。

「さて、わたくしがあなたがたに会いに来た用件ようけんは二つ。
ひとつは、あなたがたがこの裏世界に入ったということで、
先ほど子分こぶんかたがルドルフ様に一報いっぽうを入れたと、おつたえするためですわ。
ルドルフ様ごほんにんは、もうすでに異界穴いかいあなからこちらにお入りずみ。
のぞみでしたら、直接彼ちょくせつかれにお会いすることもできましてよ。
それで、ふたつ目なのですが――じつはわたくしたち、
先ほど幸運にも、二頭のドラギィの捕獲ほかく成功せいこういたしまして!」

 嬉々ききとしてかたられたその言葉そのに、フリーナがあおざめた。

「そ、それってまさか――」

「そのまさかですわ。フラップ様とフレディ様!
あ、フラップ様はたしかいま、ブリーチ様でいらっしゃいましたわね。
そちらの状況じょうきょうは、すでにだいたい把握はあくずみですわ」

 情報じょうほうはやい。
いったいいつから、わしらはこいつらに見張みはられていたのやら。

「あなたは、たしかフリーナ様でしたわよね?
証拠映像しょうこえいぞうをお見せしますわ。もっとも、それがふたつ目の用件ですから」

 ビオラ博士は、電子でんしパッドをすばやく操作そうさすると、
電子パッドを両手りょうてにもち、その画面を空にむけた。
すると、画面から光がのびあがり、
そのてっぺんに大型おおがた空中くうちゅうモニターがあざやかにうつしだされた。


 そこに映っていたのは、まぎれもなくブリーチとフレディだった。
例の黒猫ドローンがつり下げるピラミッド型の光のおりに、じこめられている。
弱っているのか、檻をたたくこともせず、下でぐったりとうつむいていた。


「フラップ! フレディ! そんなあ。わぉ――ん!」

 フリーナがどっと泣き出した。それなりにショッキングだったらしい。

たすけにむかいたいですか? そりゃそうでしょう。でしたら、これからわたくし、
すたこらとげるようなマネをしますので、いかけてくださいまし。
たきがふりそそぐきた水辺みずべにて、おちしていますわ」

 ビオラ博士は、電子パッドをスリープにすると、
片方の手首にはめていた銀のリングにむかってこう唱えた。

「ネコンド、ネンドローン。ニャーオ!」

 すると、ビオラ博士の全身ぜんしん白衣はくいが、奇妙きみょうにグニャッと変形へんけいした。
そして数秒後すうびょうごには、ミミズやら、まりやら、さまざまに形を変えながら、
地面じめんをあちこちぴょんぴょんとびまわっていた。

「おほほほっ! わたくしの新発明しんはつめい『ネコンドローンリング』ですわ。
猫の体で走るよりも、はるかにすばやく移動いどうできますのよ、これが。
それでは、アデュー」

 ビオラ博士は、ネンド姿のままぴょんぴょんと跳びさっていった。

 *

 フリーナは両手をにぎりしめる。「すぐに助けにいかなくちゃ!」

 タクが、フリーナにまったをかけた。

「いまのはたぶん、合成映像ごうせいえいぞうかなにかだよ。キミをだます気なんだ。
いったところで、ふたりはつかまってないと思うよ」

「なんでー!? ホントに捕まっちゃったかもしれないじゃん」

「行くべきではない、というわけではないじゃろう」

 わしは片手をこしにあてて、冷静れいせいかおでこういった。

「やつらが本当に二匹を捕まえたかどうかはともかく、
彼らがしつこくドラギィをつけねらうワケをきだす必要ひつようがあるのう。
きっと、ただ不思議だらけの生物だからというわけではないはずじゃ。
よし、ユカ、ジュン、タク。おぬしたち三人はここまでじゃ。
レーダーアプリで異界穴いかいあな場所ばしょ確認かくにんして、表世界おもてせかいへ出ろ」

 ジュンが不平ふへいをもらす。「なんでだよー! こっからが面白おもしろいんじゃんか」

 わしはちょうど、勇者ゆうしゃのすがたでいたものだから、
ここはいかに子どもたちの身の安全あんぜんを考えているか、
大まじめな気持ちで教えてやった。

「やつらはおそらく、ドラギィにしか興味きょうみがないだろうが、
やつらはふしぎ生物コレクター。どれほどあぶない生物せいぶつをけしかけてくるか。
わしは、おぬしたち人間のいのちまもりたい。じゃから、おぬしたちはれていけん」

 異界穴いかいあなは、裏世界うらせかいがわからならいつでもむこうに出られるしくみだ。
だから、わしの〈亜空あくうでんでん丸〉をもたせてやる必要ひつようはなかった。

「なるべく早く出るんじゃぞ。ここからすぐじゃから、迷うこともあるまい。
よいか? 肉食恐竜にくしょくきょうりゅうにでくわしたら、じっとをひそめて、音を立てるな。
表世界に出たら、あのしげみのなかでわしらの帰還きかんて」

 でんでん丸をふところからりだして、銀色ぎんいろしんをのばしてから、
「いくぞ、フリーナ!」とわしは言った。

「ガルルル。しろちゃんにサシズされるの、なんかシャクなんだけど!
ユカちゃんたち、アタシたち行ってくるから、気をつけて帰ってネ」


 七色なないろにかがやくフリーナは、わしを背中せなかに乗せてんだ。
いまこそわしは、勇敢ゆうかんなるドラギィの騎士きしとなった。
ずっとむかしにも、こうして竜の背中に乗ったことがあったなと、
ひとり頭のなかで感慨かんがいぶかく思い出しながら。

 ――どうにもがさわぐ。窮鼠猫きゅうそねこをかむ、とはちょっとちがうが、
ひさしぶりに、たたかうさすらいネズミをじてやるとしよう。
 
**************************************

*読者の皆様にお知らせ

 突然ですみません! 『ドラギィ フレデリック/しろさん編』ですが、
来年1/7(水)まで休載とさせていただきます。
もり上がりのタイミングで大変申しわけありませんが、
本作にのせたい絵を作成したり、
過去シリーズのリライトプロジェクトを進めたりするために、
今しばしお時間をいただきたいためです。
その他にもいろいろと事情はございますが、
本編のクライマックスも必ずこの期間内に書き上げてまいりますので、
なにとぞ、ご了承のほどよろしくお願いいたします!(汗)
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