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〈フロン編〉
10『自己暗示とは、魔法をかけるようなもの』②
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※昨日からまたもやUPが遅れてしまい、申しわけありませんでした!
一方その頃――。
レンは、たった一人きりになった自分の部屋で、ぽつねんとイスに座っていました。
夕方からのお店のお手伝いに備えて、バンダナとエプロンを身につけていましたが、
今日はなんだかずっと、自分の腰が重たいような気がしていたのです。
(フラップたちが、いない。もうオレの部屋に、あの子たちはいないんだ)
自分の口で、はっきりと、ドラギィとの暮らしは終わりだと宣言したのです。
今更になって、寂しさや無気力を感じるなんて、
はたから見たら男らしくないかもしれません。
事実、ドラギィたちを神社に置き去りにしたことで、
レンはなんでも調査隊の仲間たちから、かなりの非難を受けていました。
ジュンとタクからは、すごく怒られました。
ヨシからかかってきた電話のせいで気が立っていたとはいえ、
レンが大切な友だちとの縁を簡単に切るようなことをする人間とは、
今までいっしょに過ごしてきて一度たりとも思わなかった、と言って。
「わたし、レン君がフラップたちを連れて帰ってくるまで、
絶対に許さないからね」
ユカからも、強い口調でそう言われたばかりでした。
レンも、自分が間違った選択をしたとは、
ちっとも思っていない……なんて思うようにしていましたから、
この一言にはなかなか辛い思いをさせられていました。
ひそかに恋心をよせている女の子からの、きついお言葉でしたもの。
「はぁ……そろそろお手伝い、行かなきゃ。おこづかいがかかってるし」
レンは、ガチガチの石みたいな腰を上げて、
『サカモト一番』のお店へと降りていきました。
ユカからもらった、闇竜グレイのバッジをいつものように胸につけて。
*
(――今日も、来てるし)
店内に入ったとたん、レンの目に飛びこんできたのは、
トルコ石色の半袖Yシャツに白いジーパンをはいて、
今まさにやってきたレンにむかって爽やかな笑みを浮かべた、
あの小説家のシロウ先生でした。
お決まりの席になった、厨房の入り口に一番近いカウンター席に座っています。
「きたきた、レン君だ。おーい、今日もお手伝いがんばんなよ~」
陽気な顔で、こちらにふるふると手なんかを振っています。
ほんの少し前までのレンなら、先生とのやり取りを心待ちにして、
「どうも、いらっしゃいませ!」と元気よく返していました。
けれど今は、例の『赤黄青の不思議なコウモリ』の件で、
シロウ先生がカマをかけにきているのではと、警戒しなくてはなりません。
「ああ、どうも……いらっしゃい、ませ……」
レンは、覇気のない返事をしました。
案の定、お父さんとお母さんが厨房からレンを不思議がりました。
「どうしたの、レン。今日はやけに元気ないじゃないの」
「というか、今日はずっとだろう? そんな調子じゃあ、
フロアのお仕事なんて任せていられないんだけどなあ」
シロウ先生も、意外そうな顔を見せてはいましたが、
なんだか、お父さんやお母さんよりも反応が薄いように見えました。
レンは、厨房の壁にかかった注文票をチェックすると、
仲よしだったはずのシロウ先生に一瞥もくれないまま、
食べ終わったお帰り客のテーブルのお皿を片づけはじめました。
一通りお皿を下げ、今度はそのテーブルをふこうと、
厨房から布巾をもって現れた時でした。
注文の品を待っていたシロウ先生が、意味深な笑みを浮かべながら、
レンに話しかけてきたのです。
「レン君、今日は何かあった?」
「……いやその、べつに」
「その割に、なんだか顔が暗いじゃない。悩みごと、あるんでしょ?」
レンは、やっぱりシロウ先生を見ようとはせず、
黙々とテーブルを拭きはじめました。
「こら、レン! 客商売は愛想よく! ちゃんと教えたでしょうが」
お母さんもいつになく注意を呼びかけています。
それでもレンは、作り笑いすら浮かべる気になれません。
「レン君」シロウ先生がなおも話しかけてきます。
「いつも明るくてニコニコしながら、どんなお客さんとも分けへだてなく
接してたキミが、そんなにも人生につまづいてるような顔をしてると、
ご両親も、お店に来てくれるお客さんたちも、心配になっちゃうよ」
人生につまづいてるような顔……言いたいことは分かるものの、
もっと普通らしい言い方はできないのでしょうか。
(オレがこうなっている原因の一つは、先生にあるのにぃ!)
さっさと厨房に引っこもうと歩き出したレンは、
ふと大事なことに気がついて、足を止めました。
(待てよ。オレはもう、ドラギィたちの保護者なんかじゃない。
だとしたら、赤黄青のコウモリを見たがっている先生と言葉を交わすのも、
べつに悪いことじゃないかもしれない)
レンは……自分のしていることが、なんだか急にバカバカしくなりました。
どうしてもっと早く気がつかなかったのでしょう?
ドラギィがどうのこうのではなく、楽観的になってしまえばいいのです。
だってレンはもう、ドラギィたちとは何の関係もないわけですから。
レンは開き直ったように、いつもと変わらない笑顔を浮かべました。
「アハハ……ごめんなさい、考えてみればそうですよね。
人生、もっと気楽に生きないと。じつはオレ、悩みがあるんですよね」
「だろうねぇ! 僕の思った通りだった」
でもまあ、ドラギィの保護者ではなくなったからといって、
べつに何もかも投げやりするつもりなんてありません。
ドラギィと暮らしていたい気持ちはその辺のゴミ箱に捨ててしまっても、
ドラギィを守りたいという気持ちはちょっぴり残っていました。
だから、自分がドラギィと暮らしていたことを、悟られまいとしたのです。
「オレ……友達の力になってあげられなくて、辛かったんです。
その友達、すっごく大切なんです。
でも、その友達にも、なんか大きな悩みごとがあって。
オレが、力になるよって言っても、『話せません!』って突き放されて」
「ふぅ~ん……それで?」
「オレ、信用されてないのかどうか分かんないんですけど、
力不足だから関わらないでって言われたみたいに感じちゃって。
それで……悔しくて、悲しくて……思わず走って帰って来ちゃったんです」
「ほう、なるほどねえ」
お父さんもお母さんも、レンの話にしっかりと傾聴していました
(もちろん、シゴトの手は動かし続けていましたけどね)。
「それで、レン君はその友達とケンカしちゃったの?」
「ケンカ……それとはちょっと違うかな。オレが勝手に、その――」
「いじけちゃったカンジ?」
「……そうかも」
話しているうちに、レンの気持ちはだんだんとゆらいでいきました。
今思えば、ずいぶんと情けないことをしてしまったかもしれません。
その場の気持ちにまかせて、衝動的な行為に走っただけなのかもしれません。
けれど本来、人間はドラギィといっしょにいてはいけないのです。
それは結局、おたがいが、おたがいに足かせをつけ合うだけなのでした。
「レン君はさ、どうしたい? その友達と」
「やっぱり……本当のことを聞きたいです。
何に悩んでるのとか、何を考えてあんなことを言ったの、とか。
でも、う~ん――」
「こわい?」
「当たり前ですよう!」レンは泣きそうな顔で言いました。
「絶対、オレが弱いからダメって話になっちゃいます」
「友達を助けたいって気持ちは、メラメラ燃え上がってるほどなのに?」
「えっ?」
シロウ先生は、席に座ったままそうっと体のむきを変えて、
レンとむかい合います。いつもの爽やかな香水のにおいがただよってきます。
その瞬間……先生を取りまく雰囲気が変わりました。
知性あふれる小説家らしく、そっと子どもをさとすような、
ゆったりとしつつも重みのあるオーラを放ったのです。
「あのね、キミがその友達にとっての力になりたいって、本気で思うなら、
どんなことにも動じない強い自分を持たなくちゃ」
「強い自分、ですか?」
「そう。つまり、理屈なんてヌキにしちゃっていいから、
『自分なら間違いなく友達の助けになる』って、自分に暗示をかけるんだ」
「あ、暗示!?」
「だって、友達に言われて悔しくて逃げちゃったのは、キミも今言った通り、
自分が弱いと思ってるからでしょ? べつにまあ、無理にとは言わないし、
暗示をかけてみたからって急に強くなれるわけでもないけど、ね。
でも、これが一番、確実な解決方法だって、お兄さんは思うんだけどな」
「………」
やっぱり、フラップたちのことをきれいさっぱり忘れるなんて、できません。
できるわけがありません。今までたくさんの出来事がありましたもの。
何がフラップたちのためになるかなんて、関係ありません。
(オレが一番に思っていることは、フラップたちが一番に思っていることは、
何だったか。うん、そうだよな)
「あ、でも仮に、暗示の力で自分の中身が変わったとしても、
その友達を思いやる心がないと、結局、意味がないからね。
助けたい気持ちばかり押しつけないように。でないと、かえってうまくいかない」
「大丈夫です。オレ、もう迷わなくていいんだって、気づきましたから」
レンのやるべきことは、見つかりました。
フラップたちが安心してなんでも話せるような男になるために、
何としてでも、フラップたちが隠している悩みを聞かなくてはいけません。
レンは、大急ぎでバンダナとエプロンを外します。
(暗示だ! オレは、フラップたちの助けになれるやつなんだ!)
お母さんが目を丸くしました。「ちょっと、レン!? どうしちゃったの?」
「ゴメン、母さん、父さん! 今日のお手伝いパスする。
どうしても友達のところに行かなきゃいけなくて!」
レンは、入ってきたお店の裏口へドタバタと引き返していきました。
お父さんが、
トッピングに乗せるハンバーグをフライパンで焼きながらつぶやきます。
「今から出かけるのかな? 夕方から雨が降るって、予報あったのに」
シロウ先生は、なんだかあわただしい男の子の姿を見て、
微笑ましそうに小さな笑みを浮かべました。
(いってらっしゃい。――あとはそっちにまかせたからね)
一方その頃――。
レンは、たった一人きりになった自分の部屋で、ぽつねんとイスに座っていました。
夕方からのお店のお手伝いに備えて、バンダナとエプロンを身につけていましたが、
今日はなんだかずっと、自分の腰が重たいような気がしていたのです。
(フラップたちが、いない。もうオレの部屋に、あの子たちはいないんだ)
自分の口で、はっきりと、ドラギィとの暮らしは終わりだと宣言したのです。
今更になって、寂しさや無気力を感じるなんて、
はたから見たら男らしくないかもしれません。
事実、ドラギィたちを神社に置き去りにしたことで、
レンはなんでも調査隊の仲間たちから、かなりの非難を受けていました。
ジュンとタクからは、すごく怒られました。
ヨシからかかってきた電話のせいで気が立っていたとはいえ、
レンが大切な友だちとの縁を簡単に切るようなことをする人間とは、
今までいっしょに過ごしてきて一度たりとも思わなかった、と言って。
「わたし、レン君がフラップたちを連れて帰ってくるまで、
絶対に許さないからね」
ユカからも、強い口調でそう言われたばかりでした。
レンも、自分が間違った選択をしたとは、
ちっとも思っていない……なんて思うようにしていましたから、
この一言にはなかなか辛い思いをさせられていました。
ひそかに恋心をよせている女の子からの、きついお言葉でしたもの。
「はぁ……そろそろお手伝い、行かなきゃ。おこづかいがかかってるし」
レンは、ガチガチの石みたいな腰を上げて、
『サカモト一番』のお店へと降りていきました。
ユカからもらった、闇竜グレイのバッジをいつものように胸につけて。
*
(――今日も、来てるし)
店内に入ったとたん、レンの目に飛びこんできたのは、
トルコ石色の半袖Yシャツに白いジーパンをはいて、
今まさにやってきたレンにむかって爽やかな笑みを浮かべた、
あの小説家のシロウ先生でした。
お決まりの席になった、厨房の入り口に一番近いカウンター席に座っています。
「きたきた、レン君だ。おーい、今日もお手伝いがんばんなよ~」
陽気な顔で、こちらにふるふると手なんかを振っています。
ほんの少し前までのレンなら、先生とのやり取りを心待ちにして、
「どうも、いらっしゃいませ!」と元気よく返していました。
けれど今は、例の『赤黄青の不思議なコウモリ』の件で、
シロウ先生がカマをかけにきているのではと、警戒しなくてはなりません。
「ああ、どうも……いらっしゃい、ませ……」
レンは、覇気のない返事をしました。
案の定、お父さんとお母さんが厨房からレンを不思議がりました。
「どうしたの、レン。今日はやけに元気ないじゃないの」
「というか、今日はずっとだろう? そんな調子じゃあ、
フロアのお仕事なんて任せていられないんだけどなあ」
シロウ先生も、意外そうな顔を見せてはいましたが、
なんだか、お父さんやお母さんよりも反応が薄いように見えました。
レンは、厨房の壁にかかった注文票をチェックすると、
仲よしだったはずのシロウ先生に一瞥もくれないまま、
食べ終わったお帰り客のテーブルのお皿を片づけはじめました。
一通りお皿を下げ、今度はそのテーブルをふこうと、
厨房から布巾をもって現れた時でした。
注文の品を待っていたシロウ先生が、意味深な笑みを浮かべながら、
レンに話しかけてきたのです。
「レン君、今日は何かあった?」
「……いやその、べつに」
「その割に、なんだか顔が暗いじゃない。悩みごと、あるんでしょ?」
レンは、やっぱりシロウ先生を見ようとはせず、
黙々とテーブルを拭きはじめました。
「こら、レン! 客商売は愛想よく! ちゃんと教えたでしょうが」
お母さんもいつになく注意を呼びかけています。
それでもレンは、作り笑いすら浮かべる気になれません。
「レン君」シロウ先生がなおも話しかけてきます。
「いつも明るくてニコニコしながら、どんなお客さんとも分けへだてなく
接してたキミが、そんなにも人生につまづいてるような顔をしてると、
ご両親も、お店に来てくれるお客さんたちも、心配になっちゃうよ」
人生につまづいてるような顔……言いたいことは分かるものの、
もっと普通らしい言い方はできないのでしょうか。
(オレがこうなっている原因の一つは、先生にあるのにぃ!)
さっさと厨房に引っこもうと歩き出したレンは、
ふと大事なことに気がついて、足を止めました。
(待てよ。オレはもう、ドラギィたちの保護者なんかじゃない。
だとしたら、赤黄青のコウモリを見たがっている先生と言葉を交わすのも、
べつに悪いことじゃないかもしれない)
レンは……自分のしていることが、なんだか急にバカバカしくなりました。
どうしてもっと早く気がつかなかったのでしょう?
ドラギィがどうのこうのではなく、楽観的になってしまえばいいのです。
だってレンはもう、ドラギィたちとは何の関係もないわけですから。
レンは開き直ったように、いつもと変わらない笑顔を浮かべました。
「アハハ……ごめんなさい、考えてみればそうですよね。
人生、もっと気楽に生きないと。じつはオレ、悩みがあるんですよね」
「だろうねぇ! 僕の思った通りだった」
でもまあ、ドラギィの保護者ではなくなったからといって、
べつに何もかも投げやりするつもりなんてありません。
ドラギィと暮らしていたい気持ちはその辺のゴミ箱に捨ててしまっても、
ドラギィを守りたいという気持ちはちょっぴり残っていました。
だから、自分がドラギィと暮らしていたことを、悟られまいとしたのです。
「オレ……友達の力になってあげられなくて、辛かったんです。
その友達、すっごく大切なんです。
でも、その友達にも、なんか大きな悩みごとがあって。
オレが、力になるよって言っても、『話せません!』って突き放されて」
「ふぅ~ん……それで?」
「オレ、信用されてないのかどうか分かんないんですけど、
力不足だから関わらないでって言われたみたいに感じちゃって。
それで……悔しくて、悲しくて……思わず走って帰って来ちゃったんです」
「ほう、なるほどねえ」
お父さんもお母さんも、レンの話にしっかりと傾聴していました
(もちろん、シゴトの手は動かし続けていましたけどね)。
「それで、レン君はその友達とケンカしちゃったの?」
「ケンカ……それとはちょっと違うかな。オレが勝手に、その――」
「いじけちゃったカンジ?」
「……そうかも」
話しているうちに、レンの気持ちはだんだんとゆらいでいきました。
今思えば、ずいぶんと情けないことをしてしまったかもしれません。
その場の気持ちにまかせて、衝動的な行為に走っただけなのかもしれません。
けれど本来、人間はドラギィといっしょにいてはいけないのです。
それは結局、おたがいが、おたがいに足かせをつけ合うだけなのでした。
「レン君はさ、どうしたい? その友達と」
「やっぱり……本当のことを聞きたいです。
何に悩んでるのとか、何を考えてあんなことを言ったの、とか。
でも、う~ん――」
「こわい?」
「当たり前ですよう!」レンは泣きそうな顔で言いました。
「絶対、オレが弱いからダメって話になっちゃいます」
「友達を助けたいって気持ちは、メラメラ燃え上がってるほどなのに?」
「えっ?」
シロウ先生は、席に座ったままそうっと体のむきを変えて、
レンとむかい合います。いつもの爽やかな香水のにおいがただよってきます。
その瞬間……先生を取りまく雰囲気が変わりました。
知性あふれる小説家らしく、そっと子どもをさとすような、
ゆったりとしつつも重みのあるオーラを放ったのです。
「あのね、キミがその友達にとっての力になりたいって、本気で思うなら、
どんなことにも動じない強い自分を持たなくちゃ」
「強い自分、ですか?」
「そう。つまり、理屈なんてヌキにしちゃっていいから、
『自分なら間違いなく友達の助けになる』って、自分に暗示をかけるんだ」
「あ、暗示!?」
「だって、友達に言われて悔しくて逃げちゃったのは、キミも今言った通り、
自分が弱いと思ってるからでしょ? べつにまあ、無理にとは言わないし、
暗示をかけてみたからって急に強くなれるわけでもないけど、ね。
でも、これが一番、確実な解決方法だって、お兄さんは思うんだけどな」
「………」
やっぱり、フラップたちのことをきれいさっぱり忘れるなんて、できません。
できるわけがありません。今までたくさんの出来事がありましたもの。
何がフラップたちのためになるかなんて、関係ありません。
(オレが一番に思っていることは、フラップたちが一番に思っていることは、
何だったか。うん、そうだよな)
「あ、でも仮に、暗示の力で自分の中身が変わったとしても、
その友達を思いやる心がないと、結局、意味がないからね。
助けたい気持ちばかり押しつけないように。でないと、かえってうまくいかない」
「大丈夫です。オレ、もう迷わなくていいんだって、気づきましたから」
レンのやるべきことは、見つかりました。
フラップたちが安心してなんでも話せるような男になるために、
何としてでも、フラップたちが隠している悩みを聞かなくてはいけません。
レンは、大急ぎでバンダナとエプロンを外します。
(暗示だ! オレは、フラップたちの助けになれるやつなんだ!)
お母さんが目を丸くしました。「ちょっと、レン!? どうしちゃったの?」
「ゴメン、母さん、父さん! 今日のお手伝いパスする。
どうしても友達のところに行かなきゃいけなくて!」
レンは、入ってきたお店の裏口へドタバタと引き返していきました。
お父さんが、
トッピングに乗せるハンバーグをフライパンで焼きながらつぶやきます。
「今から出かけるのかな? 夕方から雨が降るって、予報あったのに」
シロウ先生は、なんだかあわただしい男の子の姿を見て、
微笑ましそうに小さな笑みを浮かべました。
(いってらっしゃい。――あとはそっちにまかせたからね)
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