57 / 130
秋祭り
24
しおりを挟む
「あいたたた・・?あれ、痛くない」
ベスが飲み込まれ、吐き出された先は、ベスのとてもよく知る場所だった。
山車の出し物に使った、ベスの散歩場所。深い森の中だ。
エズラはここが精霊の森だと言っていた。べスも、ここが人の世界ではない事はなんとなくは知っていた。
(多分、魔術で吹き飛ばされたのね。まあいいわ。帰る手間は省けたもの)
ベスは久しぶりに帰ってきた勝手知ったるこの鬱蒼とした緑の森の中をゆっくり歩いていく。
久しぶりに胸に吸い込む、水分をたっぷり含んだ空気が甘くベスの体を慈しむ。
小さな光の粒がベスの元に集まってきた。
「久しぶりね。こんにちわ」
ベスが大切そうに、そっと手を差し出して光を手にすると、光はそのまま固まって、新しい命となり、ふわりと森の中に消えてゆく。
「なあに? 今日は随分騒がしいわね」
普段も静寂の中にも、命のさざめきが賑やかな空気の、この森だ。
だが、今日は空気の中の、命になる前の光のさざめきが、ベスに何かを告げようとしている。
ベスは、さざめきに導かれるように、森の中を歩んで行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここは、お墓のある広場のはず)
見知ったはずの森が、今日は何かおかしい。
あるはずの場所にある木がなく、ないはずの場所に、見知らぬ池がある。
池の中には鳥が泳ぎ、空には魚が飛んでいる。
(・・・歪んでいるわ)
時折この美しい森は、歪む。
時空の理が、歪むのだ。
北は東に 上は下に。過去は現在に戻り、未来は卵になって、ベスの目の前に現れる。
歪みが発生する時は、大抵何か大きな事が空でおこっている時だ。
前にこの森の空間歪んだのは、千年に一度の彗星が空から降ってきた時だった。
ベスは歪んだ森の中を、さざめきが導く方向へ導かれ、歩いていく。どんどんと森は鬱蒼と暗くなる。
どうやらさざめきは、べスの整えたあの広場の方向に、連れて行くつもりだ。
(‥誰かしら)
さざめきは、ベスに、この森の客人の訪れを伝えたかったようだ。
ベスの整えたはずの小さな広場には、知らない場所になっていた。
そこには、べスがよく見知った、うろのある杉の大木があった。だが、その大木の前には、白い墓標と、その白い墓標にすがって泣き縋る見知らぬ男がいたのだ。
急に表れた見知らぬ光景に、べスは少し驚きながらも、目の前の男にじっと、心を合わせて、感じてみた。
(‥この人は、とても傷ついているのね)
深く、傷ついている命だ。
苦しみの最中で、あえぎもがいている魂である事を、べスは感じた。
ベスは男にむかって、ゆっくりと歩みを進めていく。
(・・この墓に眠るものは、ヒトである事を放棄したヒトだわ)
ベスはこの男の縋る墓標の下の正体を、そう感じ取った。
滅多にいないが、時々そういうヒトである事を放棄した命がこの森にやってきて、新しい姿と新しい命を与えられて、妖精や精霊に生まれる。
(可哀そうな人。理の違う世界の生き物とは、ともに生きていく事はできないのに)
ベスにはわかった。
哀れなこの男は、人の身で、この精霊の森に属する命に恋したのだろう。
この森の理は、人の世界の理とは全く違うのだ。
精霊の世界に属するものと、人の世界に属するものは、お互いの存在が交じり合う事はない。理を同じくしない命は、交わる事はできない。心を交わす事はできない。
べスは、その事は小さい時からよく知っていた。どれだけべスが心を与えても、ここで生きている生き物に、心を返してもらった事はない。
ここの命は、べスを傷つけた事はない。ただ気まぐれに優しく、きまぐれにべスを構う。昆虫のそれに、よく似ているとべスは思う。べスのおじいちゃんや、エイミーのようにべスと心を交わす事はない。
ー知らなかったのね。決して愛を求めてはいけない存在だと。
ベスは、男にゆっくり近づいていった。
そして、泣きじゃくる男の背中にそっと、立った。
「あなたは、この命に愛されたかったのね、あなたが愛したのと同じくらいに」
男は急に現れたベスに驚きもせず、泣きじゃくりながら子供のように返事をした。
「うん」
ベスは、ゆっくりと、男と呼吸を合わせて、心を合わせてゆく。
やがて心を開けはなしたベスの心に、言葉にならない男の慟哭が響いてきた。
ベスは、男の代わりに、男の心の奥にあるものを、言葉にして、解放してやる。
「・・そう。あなたは、彼女から赦されたかったのね。それから、貴方を愛せない彼女を、赦してあげたかったのね」
「・・うん」
男の体から、白い鳥の形をした光が飛び立っていった。
ベスがその正体を言葉にした事により、男のこころの底でくすぶっていた、言葉にならない大きな思いは、解放されたのだ。
「誰も、あなたを赦してくれないのね。それから、あなたは誰も赦していないのね。ああ、赦し方を知らないのね」
「僕、どうしたらいいのか、わからないんだ」
男は迷子になった子供のように、悲しそうに、途方にくれてぐすぐすと、泣いた。
ベスは、大きく息を吸った。
小さな光の粒が、ベスの体に取り込まれてゆく。べスが言葉をつむぐ。
べスの息は、金色の吐息となって、言葉に命があたえられる。
「なら私が、あなたを赦してあげるわ」
そしてベスは空を向いて、言った。
「それから、あなたも赦してあげるわ」
言葉が発しられたその瞬間、女の顔をした大きな鳥が、慟哭のような鳴き声をあげて、真っ直ぐに空に飛び去っていった。
ベスはしっかりと、愛おしそうに、男の頭を抱きしめて、言った。
「もう、大丈夫よ。もう、受け取れるわ」
「受け取る・・・?僕なんかに、誰も欲しいものは何もくれないよ」
べスは優しく微笑んだ。
「あの子は、あなたをあんなに愛しているのに。あなたがあれほど欲しがっていたものを、与えようとしてくれているのに。あなたはあの子からの贈り物の受け取り方を、どうやって受け取ればよいのか知らなかったのね」
木の影に身を隠して成り行きを見つめていたノエルは、男の背中越しに、バチリ、とべスと目が合う。
べスと目があった瞬間に、ノエルは急に体が小さくなって、無力な子供の姿にもどってゆく。
小さなノエルに、愛おしい娘はゆっくり近づいてきて、その体をしっかり抱きしめた。
「僕は怖いんだ。またいらないって言われるのが」
ノエルの口からは自然にそんな言葉がこぼれ出た。
ポロポロと涙が溢れて、忘れたはずの心の傷が、ズキズキと痛む。
「もう大丈夫よ。私がいるから怖くないわ。渡してごらん」
愛おしそうに、ベスはノエルに微笑んで、優しく抱きしめそう言った。
ノエルはベスの優しい声に促されて、胸の奥にしまっていた大きな暖かい、壊れやすい光の何かを、差出した。
ベスは、私に託してくれて、ありがとう。
そう言って大切そうにその何かを両手で受取って、男の元に歩み寄ると、そうっと、そうっと男の胸にその光の何か手渡した。
男は震える手で、ベスから光を受け取り、胸の中に抱き留めた。
男の胸から、一杯の光があふれて、男を満たしてゆく。
男は呆けた様に言葉を飲んで驚き、そしてただただ滂沱の涙を流した。そして男は転がるように、小さなノエルに走り寄って、恐る恐る、グッと抱きしめた。
「ノエル・・ごめんよ。私は一体、どうしていいのか、わからなかったんだ」
「僕寂しかったよ」
大切なものを、受け取ってもらった。
ノエルの心の開いていた大きな傷が、みるみると癒されたのを感じた。
本当に魂が求めていたものが満たされた、重さをともなった充足感で、ノエルは胸は、重くて暖かい何かで、一杯に満ちていた。
突然大きな旋風が立ち起こる。
旋風の真ん中から、赤い衣装の、長い黒髪の、大きな蝶の羽を持つ生き物が現れた。
眷属達が続々と森中から集まり、あたりは眩しく光輝く。
「やあ、久しぶりだね、ベス」
ベスが飲み込まれ、吐き出された先は、ベスのとてもよく知る場所だった。
山車の出し物に使った、ベスの散歩場所。深い森の中だ。
エズラはここが精霊の森だと言っていた。べスも、ここが人の世界ではない事はなんとなくは知っていた。
(多分、魔術で吹き飛ばされたのね。まあいいわ。帰る手間は省けたもの)
ベスは久しぶりに帰ってきた勝手知ったるこの鬱蒼とした緑の森の中をゆっくり歩いていく。
久しぶりに胸に吸い込む、水分をたっぷり含んだ空気が甘くベスの体を慈しむ。
小さな光の粒がベスの元に集まってきた。
「久しぶりね。こんにちわ」
ベスが大切そうに、そっと手を差し出して光を手にすると、光はそのまま固まって、新しい命となり、ふわりと森の中に消えてゆく。
「なあに? 今日は随分騒がしいわね」
普段も静寂の中にも、命のさざめきが賑やかな空気の、この森だ。
だが、今日は空気の中の、命になる前の光のさざめきが、ベスに何かを告げようとしている。
ベスは、さざめきに導かれるように、森の中を歩んで行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここは、お墓のある広場のはず)
見知ったはずの森が、今日は何かおかしい。
あるはずの場所にある木がなく、ないはずの場所に、見知らぬ池がある。
池の中には鳥が泳ぎ、空には魚が飛んでいる。
(・・・歪んでいるわ)
時折この美しい森は、歪む。
時空の理が、歪むのだ。
北は東に 上は下に。過去は現在に戻り、未来は卵になって、ベスの目の前に現れる。
歪みが発生する時は、大抵何か大きな事が空でおこっている時だ。
前にこの森の空間歪んだのは、千年に一度の彗星が空から降ってきた時だった。
ベスは歪んだ森の中を、さざめきが導く方向へ導かれ、歩いていく。どんどんと森は鬱蒼と暗くなる。
どうやらさざめきは、べスの整えたあの広場の方向に、連れて行くつもりだ。
(‥誰かしら)
さざめきは、ベスに、この森の客人の訪れを伝えたかったようだ。
ベスの整えたはずの小さな広場には、知らない場所になっていた。
そこには、べスがよく見知った、うろのある杉の大木があった。だが、その大木の前には、白い墓標と、その白い墓標にすがって泣き縋る見知らぬ男がいたのだ。
急に表れた見知らぬ光景に、べスは少し驚きながらも、目の前の男にじっと、心を合わせて、感じてみた。
(‥この人は、とても傷ついているのね)
深く、傷ついている命だ。
苦しみの最中で、あえぎもがいている魂である事を、べスは感じた。
ベスは男にむかって、ゆっくりと歩みを進めていく。
(・・この墓に眠るものは、ヒトである事を放棄したヒトだわ)
ベスはこの男の縋る墓標の下の正体を、そう感じ取った。
滅多にいないが、時々そういうヒトである事を放棄した命がこの森にやってきて、新しい姿と新しい命を与えられて、妖精や精霊に生まれる。
(可哀そうな人。理の違う世界の生き物とは、ともに生きていく事はできないのに)
ベスにはわかった。
哀れなこの男は、人の身で、この精霊の森に属する命に恋したのだろう。
この森の理は、人の世界の理とは全く違うのだ。
精霊の世界に属するものと、人の世界に属するものは、お互いの存在が交じり合う事はない。理を同じくしない命は、交わる事はできない。心を交わす事はできない。
べスは、その事は小さい時からよく知っていた。どれだけべスが心を与えても、ここで生きている生き物に、心を返してもらった事はない。
ここの命は、べスを傷つけた事はない。ただ気まぐれに優しく、きまぐれにべスを構う。昆虫のそれに、よく似ているとべスは思う。べスのおじいちゃんや、エイミーのようにべスと心を交わす事はない。
ー知らなかったのね。決して愛を求めてはいけない存在だと。
ベスは、男にゆっくり近づいていった。
そして、泣きじゃくる男の背中にそっと、立った。
「あなたは、この命に愛されたかったのね、あなたが愛したのと同じくらいに」
男は急に現れたベスに驚きもせず、泣きじゃくりながら子供のように返事をした。
「うん」
ベスは、ゆっくりと、男と呼吸を合わせて、心を合わせてゆく。
やがて心を開けはなしたベスの心に、言葉にならない男の慟哭が響いてきた。
ベスは、男の代わりに、男の心の奥にあるものを、言葉にして、解放してやる。
「・・そう。あなたは、彼女から赦されたかったのね。それから、貴方を愛せない彼女を、赦してあげたかったのね」
「・・うん」
男の体から、白い鳥の形をした光が飛び立っていった。
ベスがその正体を言葉にした事により、男のこころの底でくすぶっていた、言葉にならない大きな思いは、解放されたのだ。
「誰も、あなたを赦してくれないのね。それから、あなたは誰も赦していないのね。ああ、赦し方を知らないのね」
「僕、どうしたらいいのか、わからないんだ」
男は迷子になった子供のように、悲しそうに、途方にくれてぐすぐすと、泣いた。
ベスは、大きく息を吸った。
小さな光の粒が、ベスの体に取り込まれてゆく。べスが言葉をつむぐ。
べスの息は、金色の吐息となって、言葉に命があたえられる。
「なら私が、あなたを赦してあげるわ」
そしてベスは空を向いて、言った。
「それから、あなたも赦してあげるわ」
言葉が発しられたその瞬間、女の顔をした大きな鳥が、慟哭のような鳴き声をあげて、真っ直ぐに空に飛び去っていった。
ベスはしっかりと、愛おしそうに、男の頭を抱きしめて、言った。
「もう、大丈夫よ。もう、受け取れるわ」
「受け取る・・・?僕なんかに、誰も欲しいものは何もくれないよ」
べスは優しく微笑んだ。
「あの子は、あなたをあんなに愛しているのに。あなたがあれほど欲しがっていたものを、与えようとしてくれているのに。あなたはあの子からの贈り物の受け取り方を、どうやって受け取ればよいのか知らなかったのね」
木の影に身を隠して成り行きを見つめていたノエルは、男の背中越しに、バチリ、とべスと目が合う。
べスと目があった瞬間に、ノエルは急に体が小さくなって、無力な子供の姿にもどってゆく。
小さなノエルに、愛おしい娘はゆっくり近づいてきて、その体をしっかり抱きしめた。
「僕は怖いんだ。またいらないって言われるのが」
ノエルの口からは自然にそんな言葉がこぼれ出た。
ポロポロと涙が溢れて、忘れたはずの心の傷が、ズキズキと痛む。
「もう大丈夫よ。私がいるから怖くないわ。渡してごらん」
愛おしそうに、ベスはノエルに微笑んで、優しく抱きしめそう言った。
ノエルはベスの優しい声に促されて、胸の奥にしまっていた大きな暖かい、壊れやすい光の何かを、差出した。
ベスは、私に託してくれて、ありがとう。
そう言って大切そうにその何かを両手で受取って、男の元に歩み寄ると、そうっと、そうっと男の胸にその光の何か手渡した。
男は震える手で、ベスから光を受け取り、胸の中に抱き留めた。
男の胸から、一杯の光があふれて、男を満たしてゆく。
男は呆けた様に言葉を飲んで驚き、そしてただただ滂沱の涙を流した。そして男は転がるように、小さなノエルに走り寄って、恐る恐る、グッと抱きしめた。
「ノエル・・ごめんよ。私は一体、どうしていいのか、わからなかったんだ」
「僕寂しかったよ」
大切なものを、受け取ってもらった。
ノエルの心の開いていた大きな傷が、みるみると癒されたのを感じた。
本当に魂が求めていたものが満たされた、重さをともなった充足感で、ノエルは胸は、重くて暖かい何かで、一杯に満ちていた。
突然大きな旋風が立ち起こる。
旋風の真ん中から、赤い衣装の、長い黒髪の、大きな蝶の羽を持つ生き物が現れた。
眷属達が続々と森中から集まり、あたりは眩しく光輝く。
「やあ、久しぶりだね、ベス」
851
あなたにおすすめの小説
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さくら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる