86 / 130
緑の指を持つ娘 温泉湯けむり編
23
しおりを挟む
(はあ、はあ、くそ、亀のくせに何ていうスピードだ)
汗が出だすと非常にまずい。
体の皮膚が汗に刺激を受けて、反応して痒くなる。痒くなった所から古い魔力が漏れ出して、黄色い体液がにじんでくる。早く止まらないと、まずい。
目の前を行く亀は目的の場所があるようなのだが、一体どこに行こうとしているのかも皆目検討がつかない。
そもそも大の大人が走って追いかけるスピードで移動する亀など、聞いたこともない。
(くそ、一体どこに行こうというのだ)
フェリクスの息が上がってくる。亀はそれでも止まる様子は見えない。
フェリクスが少しでも足を止まると、亀は白い霧の中に消えて、2度とその姿をつかむことが出来ない気がする。
汗が額を走った。まずい。
フェリクスは上着も包帯もかなぐり捨てて追いかける。
(はあ、はあ、もう限界だ)
足が思うように動かなくなって、フェリクスはたまりかね、その場に膝をついた。
黒い亀はそんなフェリクスに一切構うことなく、無慈悲にも視界から消えた。
そして急に目の前の白い霧が晴れた。
(・・・ここは・・)
フェリクスは、今目にしている光景が信じられなかった。
そこには白い岩肌の美しい岩に囲まれた、真昼の空のように美しい温水が広々と広がる、天然の温泉だったのだ。
(温泉・・か)
予想すらしていなかった美しい光景に、フェリクスは度肝を抜かれてしまったが、一筋の傷もない、完璧な王太子と言わしめたその頭脳はすぐに冷静さを取り戻し、ここがどこであるのか憶測する。
ここはおそらくはアビーブの源泉だ。
そして、伝説になっている王家の奥の森の、温泉だろう。
(まさか本当に存在していたとはな)
伝説にはあったが、そんな温泉を見たことがあるという王家の歴史には記録はほとんどない。
おそらくは相当森の奥まった場所にあるのだろう。
フェリクスはゆっくりと生い茂る木々をかき分けて、温泉に近づいていった。
温泉の水面に、悠々と目の前を泳ぎ去っていく、先ほどの亀の姿が見えた。
(ここが目的地だったのか)
フェリクスは改めて、あたりを見渡してみる。
亀のほかにも、どうやらいろんな動物がこの温泉に体を預けているらしい。
フェリクスの横を、今度は二つの頭のある猪が泳いで行った。
ギョッとしたフェリクスは、猪のゆく方向に目をやると、奥の方にもっとたくさんの生き物の影が見えた。
奥には動物だけではない。
明らかに人間の世界には存在してはならない存在がいる。
羽が破れている小さな女の姿をした妖精の一種。あれは確か、時々海に出て、男を惑わす種類の妖精だ。
他にも、身体中に醜い吹き出物ができている老いた男の姿をした生き物。
その隣には、見た事もないほどの巨大な金の鯉が優雅に泳ぐ。
パチリとフェリクスは、何かの白い塊と目があった。
塊は、大きな人の顔をしており、顔から手足が生えていた。
フェリクスに害を加えるつもりも、フェリクスを気にする様子もない。ちらりとフェリクスを見ると、目をつぶって大きなため息をつきながら、湯を楽しんでいる。
どの命も、静かに、それは心地よさそうに、ただ湯を楽しんでいる。
フェリクスは、恐怖と驚きと、そしてその光景の美しさへの感動で、その場を動くことが出来ない。
しばらくすると、全身が矢傷や刀傷に覆われた、一つ目の赤鬼が倒れ込むように湯に入る所が見えた。
フェリクスは思わず叫び声をあげそうになった。
あれは人を食う魔獣の一種だ。
フェリクスは警戒し、固く拳を握ったが、赤鬼は、しばらく静かに湯に体を浸すと、何事もなかったかのように湯から上がり、大きな足音を立てて森に帰っていった。
その体から、全ての傷は夢の中の出来事のように、拭われていた。
(神々の、癒しの湯)
まちがいない。ここは人の理にあらざるもの達の、癒しの場所だ。
フェリクスは興奮と、そして恐怖で足が動かなかった。ここは人が足を踏み入れるべき場所ではない。
一刻も早く、この聖域からでなければ、未来永劫この世界から逃れる事はできなくなるはずだ。
(ここに私が存在している事を、誰にも気づかれてはならん)
フェリクスの王太子教育の中には、神学の座学も少なくない時間がとられていた。
その全てが無駄だと思ってあまり腰を入れて励んでいなかったのだが、今フェリクスは、神学の座学で学んだ知識に心から感謝をする時がきた。
フェリクスが足音を立てない様に、来た道を、神学で学んだ通りに、そっとあとずさりしてこの場を立ち去ろうとしていた時だ。
がさり、と遠くで大きな草音が聞こえた。
フェリクスは、慎重に音の立った方を見た。
そして、今度こそすんでの所で叫び声を上げそうになった。
(お・・おい!!なぜ!!!なぜあの娘がここに!!!)
フェリクスの遠い目に映ったのは、真っ白な、一糸纏わぬ姿で湯の中に吸い込まれていく、赤茶色の髪をした若い人間の娘だった。
間違いない。フェリクスがずっと会いたいと望んでいた、あの娘。
娘は何のためらいもなく、人外の生き物の間にざぶりと音をたてて滑りゆき、そしてそれは心地よさそうにその体を水色の湯に預けた。
人外の生き物達は、ちらりと娘を見ると、それだけで、後はなにも気にかけていない風に娘の存在を受け入れて、静かに温泉の湯を楽しんでいいる様子だった。
フェリクスは、娘の美しい姿に目が離せない。
(私は・・幻影を見ているのか・・)
やがて霧がゆっくりと濃くなってゆく。
一歩も足が動かないまま、フェリクスの目の前は霧でおおわれて、何も見えなくなる。
霧はどんどん濃くなって、フェリクスは自分の手すら見えなくなる。
気が付けば、フェリクスは、離宮の裏の、森の入り口に脱ぎ去ったはずの上着と、外した包帯と一緒に立ち尽くしていた。
汗が出だすと非常にまずい。
体の皮膚が汗に刺激を受けて、反応して痒くなる。痒くなった所から古い魔力が漏れ出して、黄色い体液がにじんでくる。早く止まらないと、まずい。
目の前を行く亀は目的の場所があるようなのだが、一体どこに行こうとしているのかも皆目検討がつかない。
そもそも大の大人が走って追いかけるスピードで移動する亀など、聞いたこともない。
(くそ、一体どこに行こうというのだ)
フェリクスの息が上がってくる。亀はそれでも止まる様子は見えない。
フェリクスが少しでも足を止まると、亀は白い霧の中に消えて、2度とその姿をつかむことが出来ない気がする。
汗が額を走った。まずい。
フェリクスは上着も包帯もかなぐり捨てて追いかける。
(はあ、はあ、もう限界だ)
足が思うように動かなくなって、フェリクスはたまりかね、その場に膝をついた。
黒い亀はそんなフェリクスに一切構うことなく、無慈悲にも視界から消えた。
そして急に目の前の白い霧が晴れた。
(・・・ここは・・)
フェリクスは、今目にしている光景が信じられなかった。
そこには白い岩肌の美しい岩に囲まれた、真昼の空のように美しい温水が広々と広がる、天然の温泉だったのだ。
(温泉・・か)
予想すらしていなかった美しい光景に、フェリクスは度肝を抜かれてしまったが、一筋の傷もない、完璧な王太子と言わしめたその頭脳はすぐに冷静さを取り戻し、ここがどこであるのか憶測する。
ここはおそらくはアビーブの源泉だ。
そして、伝説になっている王家の奥の森の、温泉だろう。
(まさか本当に存在していたとはな)
伝説にはあったが、そんな温泉を見たことがあるという王家の歴史には記録はほとんどない。
おそらくは相当森の奥まった場所にあるのだろう。
フェリクスはゆっくりと生い茂る木々をかき分けて、温泉に近づいていった。
温泉の水面に、悠々と目の前を泳ぎ去っていく、先ほどの亀の姿が見えた。
(ここが目的地だったのか)
フェリクスは改めて、あたりを見渡してみる。
亀のほかにも、どうやらいろんな動物がこの温泉に体を預けているらしい。
フェリクスの横を、今度は二つの頭のある猪が泳いで行った。
ギョッとしたフェリクスは、猪のゆく方向に目をやると、奥の方にもっとたくさんの生き物の影が見えた。
奥には動物だけではない。
明らかに人間の世界には存在してはならない存在がいる。
羽が破れている小さな女の姿をした妖精の一種。あれは確か、時々海に出て、男を惑わす種類の妖精だ。
他にも、身体中に醜い吹き出物ができている老いた男の姿をした生き物。
その隣には、見た事もないほどの巨大な金の鯉が優雅に泳ぐ。
パチリとフェリクスは、何かの白い塊と目があった。
塊は、大きな人の顔をしており、顔から手足が生えていた。
フェリクスに害を加えるつもりも、フェリクスを気にする様子もない。ちらりとフェリクスを見ると、目をつぶって大きなため息をつきながら、湯を楽しんでいる。
どの命も、静かに、それは心地よさそうに、ただ湯を楽しんでいる。
フェリクスは、恐怖と驚きと、そしてその光景の美しさへの感動で、その場を動くことが出来ない。
しばらくすると、全身が矢傷や刀傷に覆われた、一つ目の赤鬼が倒れ込むように湯に入る所が見えた。
フェリクスは思わず叫び声をあげそうになった。
あれは人を食う魔獣の一種だ。
フェリクスは警戒し、固く拳を握ったが、赤鬼は、しばらく静かに湯に体を浸すと、何事もなかったかのように湯から上がり、大きな足音を立てて森に帰っていった。
その体から、全ての傷は夢の中の出来事のように、拭われていた。
(神々の、癒しの湯)
まちがいない。ここは人の理にあらざるもの達の、癒しの場所だ。
フェリクスは興奮と、そして恐怖で足が動かなかった。ここは人が足を踏み入れるべき場所ではない。
一刻も早く、この聖域からでなければ、未来永劫この世界から逃れる事はできなくなるはずだ。
(ここに私が存在している事を、誰にも気づかれてはならん)
フェリクスの王太子教育の中には、神学の座学も少なくない時間がとられていた。
その全てが無駄だと思ってあまり腰を入れて励んでいなかったのだが、今フェリクスは、神学の座学で学んだ知識に心から感謝をする時がきた。
フェリクスが足音を立てない様に、来た道を、神学で学んだ通りに、そっとあとずさりしてこの場を立ち去ろうとしていた時だ。
がさり、と遠くで大きな草音が聞こえた。
フェリクスは、慎重に音の立った方を見た。
そして、今度こそすんでの所で叫び声を上げそうになった。
(お・・おい!!なぜ!!!なぜあの娘がここに!!!)
フェリクスの遠い目に映ったのは、真っ白な、一糸纏わぬ姿で湯の中に吸い込まれていく、赤茶色の髪をした若い人間の娘だった。
間違いない。フェリクスがずっと会いたいと望んでいた、あの娘。
娘は何のためらいもなく、人外の生き物の間にざぶりと音をたてて滑りゆき、そしてそれは心地よさそうにその体を水色の湯に預けた。
人外の生き物達は、ちらりと娘を見ると、それだけで、後はなにも気にかけていない風に娘の存在を受け入れて、静かに温泉の湯を楽しんでいいる様子だった。
フェリクスは、娘の美しい姿に目が離せない。
(私は・・幻影を見ているのか・・)
やがて霧がゆっくりと濃くなってゆく。
一歩も足が動かないまま、フェリクスの目の前は霧でおおわれて、何も見えなくなる。
霧はどんどん濃くなって、フェリクスは自分の手すら見えなくなる。
気が付けば、フェリクスは、離宮の裏の、森の入り口に脱ぎ去ったはずの上着と、外した包帯と一緒に立ち尽くしていた。
587
あなたにおすすめの小説
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』
鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」
王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。
感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、
彼女はただ――王宮を去った。
しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。
外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、
かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。
一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。
帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、
彼女は再び“判断する側”として歩み始める。
やがて明らかになるのは、
王国が失ったのは「婚約者」ではなく、
判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。
謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。
それでも――
選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。
これは、
捨てられた令嬢が声を荒げることなく、
世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
【完結】令嬢憧れの騎士様に結婚を申し込まれました。でも利害一致の契約です。
稲垣桜
恋愛
「君と取引がしたい」
兄の上司である公爵家の嫡男が、私の前に座って開口一番そう告げた。
「取引……ですか?」
「ああ、私と結婚してほしい」
私の耳がおかしくなったのか、それとも幻聴だろうか……
ああ、そうだ。揶揄われているんだ。きっとそうだわ。
* * * * * * * * * * * *
青薔薇の騎士として有名なマクシミリアンから契約結婚を申し込まれた伯爵家令嬢のリディア。
最低限の役目をこなすことで自由な時間を得たリディアは、契約通り自由な生活を謳歌する。
リディアはマクシミリアンが契約結婚を申し出た理由を知っても気にしないと言い、逆にそれがマクシミリアンにとって棘のように胸に刺さり続け、ある夜会に参加してから二人の関係は変わっていく。
※ゆる〜い設定です。
※完結保証。
※エブリスタでは現代テーマの作品を公開してます。興味がある方は覗いてみてください。
成功条件は、まさかの婚約破棄!?
たぬきち25番
恋愛
「アリエッタ、あなたとの婚約を破棄する……」
王太子のアルベルト殿下は、そう告げた。
王妃教育に懸命に取り組んでいたアリエッタだったが、
それを聞いた彼女は……?
※他サイト様にも公開始めました!
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
婚約破棄された伯爵令嬢ですが、国の経済を掌握しました
鍛高譚
恋愛
「経済を握る者こそ、世界を動かす――」
前世、日本の証券会社で働いていた**瑞穂紗羅(みずほ さら)**は、異世界に転生し、サラ・レティシア伯爵令嬢として生まれ変わった。
貴族社会のしがらみや婚姻政策に巻き込まれながらも、彼女はひそかに動き始める。
「まずは資金を確保しなくちゃね」
異世界の為替市場(FX)を利用し、通貨の価値変動を読み、巨額の富を得るサラ。
次に狙うは株式投資――貴族の商会やギルドに出資し、国の経済に食い込んでいく。
気づけば彼女は、両替所ネットワークと金融システムを構築し、王国の経済を裏から支配する影の実力者となっていた。
そんな中、彼女に公爵令息との婚約話が舞い込む。
しかし、公爵令息は「格下の伯爵令嬢なんて興味がない」と、一方的に婚約破棄。
それを知った公爵は激怒する――
「お前は何も分かっていない……! あの女は、この国の経済を支配する者だぞ! 世界すら掌握しかねないのだ!」
サラの金融帝国の成長は止まらない。
貴族たちは彼女にひれ伏し、国王は頼り、王太子は取り込もうとし、帝国は彼女の影響力に戦慄する。
果たしてサラは、異世界経済の頂点に立ち、さらなる世界の覇権を握るのか――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる