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第二章~護衛艦隊「つばき」~
第9話 方針会議
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第九護衛艦隊の者達が加わったことにより、動員できる人数が増え、日丸島と周囲の島々では、建築ラッシュが続いている。
更にあかぎに、いざという時のための技術者が多く乗っていたのもあり、日丸島の技術問題が多少マシになったと言える。
現在、日丸島に建設された司令室にて、大和乗組員、武蔵乗組員、第九護衛艦隊の者達で、今後の方針を決める会議が行われようとしていた。
メンバーは、光太郎、信介、眞、光成、剛士、春菜、雪、恵奈、零の九名だ。
「さて、まず大日本帝國海軍側の意見としては、ドックを建築し新造艦を作るのを優先したい。現在我々の戦力は、大和型戦艦二隻、あかぎ型護衛空母一隻、みさか型護衛艦一隻、もがみ型護衛艦一隻、たいげい型潜水艦一隻の計六隻のみです。駆逐艦か潜水艦のどれかを新造しなければ、未知の脅威に耐えきれない可能性があります」
光太郎が、信介、眞、光成の四名と、話し合って決めた今後の方針を、第九護衛艦隊の者達に伝える。
それに対し、春菜が席から立ちあがった。
「我々つばきの意見としては、現在の戦力の強化に、注力するべきと考えます。新造艦生産は確かに重要ですが、現在の戦力を強化する方が良いと思います。第九護衛艦隊は海上自衛隊の中で、最新鋭で大丈夫なので良いと思いますが…問題が大和と武蔵です」
春菜が第九護衛艦隊の考えを示した時、光太郎は少し腹が立った。
まるで大和と武蔵が弱いといっているように聞こえたのだ。
光太郎は祖父の五十六の影響もあり、空母機動部隊の思想を持っていたが、それでも座乗艦である大和を誇りに思っている。
「大和と武蔵の火力は十分にあると思うのですが、問題点は何処なんですか?」
光太郎の機嫌が悪くなっているのを悟った信介は、光太郎が何か言う前に、春菜に問題点を聞いた。
「確かに火力は十分にあります…ですが、対空防御に弱いという点があるのです。事実、我々が知っている大和は、急降下爆撃が敗因の一つと言われてますから………それに、戦艦は無用の長物ですし」
「………すまない、失礼する…」
春菜の説明に途中まで納得していた光太郎だったが、春菜の最後の言葉に怒りが頂点にまで登ったようで、一言かけてから司令室を後にした。
春菜は何も思っていないようだが、他の者達は言い過ぎだろうと思っていた。
「で、では!今後の方針は、大和と武蔵の対空防御を高めつつ、新造艦を作るということでよいですな?」
この気まずい空気を何とかするため、剛士は二つの意見を纏めた方針を提案した。
「我々としては異議はないです」
光成が異議なしと言ったため、日丸島の方針は、大和と武蔵にイージス艦の装備を搭載、更に駆逐艦と潜水艦の新造することになった。
〇
「……ふー…」
「うっわ…これはひでぇ…」
会議が終わって、信介は光太郎を見つけるや否や、そう言葉を漏らす。
何せ、数本の木がボッコボコになって、倒れているからだ。
光太郎は空手と剣道を嗜んでいるのだが、ストレスなどを感じると、そこらへんの木をサンドバッグにし、ストレスを解消して居るのだ。
普段なら一本程度で済むのだが、今回は数本。相当腹が立っていたのだろう。
「落ち着いたか?」
「…まあな……」
信介は光太郎に声をかけながら、汗拭き用のタオルと、水が入った水筒を手渡した。
「助かった…」
光太郎は信介に礼を述べ、タオルで汗を拭いた後、手の血を拭きとった。
「あの発言は確かにムカついたけど、お前って空母機動思想じゃなかったか?」
「大和は日本の技術の結晶だ…それを馬鹿にされるのは、耐えきれなかったんだ…後、俺は空母機動思想ではなく、艦空連携思想だ」
「あ~…そうだったな。すまん、五十六の爺さんが空母機動思想だったから、一色淡にしてた」
「全く、気を付けろよ?」
「すまんすまん」
日が沈みかかっている中、二人は声を出して笑い合った。
艦空連携思想、光太郎が発案した。空の航空機と水上の艦艇で連携を取り、敵を殲滅するという思想だ。
この思想が、光太郎の世界では当たり前の戦術となるということは、本人は知る由もなかった。
〇
「…山稜艦長、あの言い方はよくないだろう?」
信介が光太郎を探していた時、司令室に残って居た剛士は、同じく司令室に残って居た春菜のことを注意していた。
「事実を述べたままです。それに、私的には時代遅れの戦艦は、早急に空母に改装する方が良いと思っているので」
春菜の意見を聞き、剛士は頭を抱えつつ説明する。
「確かに、我々の世界では戦艦は時代遅れという認知があったが、それも今では見直そうと言われているのだぞ?ミサイルを撃つより、砲弾の方が圧倒的に安いからな…それに、ここは異世界だ。異世界で、空母中心主義のやり方が通じるとは限らないぞ?ミサイルも生産できていないしな」
「…」
今の状況的に大和型戦艦は必要だと言われた春菜だが、その意見に不満のようだ。
春菜は戦艦は何もできないと考えているため、大和が役立つとは一切思っていないのだ。
「…何とかして、空母に改修させましょうか…」
剛士が聞こえない程の声量で、春菜は一人、大和型戦艦空母改修を計画を練ることとなる。
なお、彼女が大和への考えを改める機会はそう遠くない。
更にあかぎに、いざという時のための技術者が多く乗っていたのもあり、日丸島の技術問題が多少マシになったと言える。
現在、日丸島に建設された司令室にて、大和乗組員、武蔵乗組員、第九護衛艦隊の者達で、今後の方針を決める会議が行われようとしていた。
メンバーは、光太郎、信介、眞、光成、剛士、春菜、雪、恵奈、零の九名だ。
「さて、まず大日本帝國海軍側の意見としては、ドックを建築し新造艦を作るのを優先したい。現在我々の戦力は、大和型戦艦二隻、あかぎ型護衛空母一隻、みさか型護衛艦一隻、もがみ型護衛艦一隻、たいげい型潜水艦一隻の計六隻のみです。駆逐艦か潜水艦のどれかを新造しなければ、未知の脅威に耐えきれない可能性があります」
光太郎が、信介、眞、光成の四名と、話し合って決めた今後の方針を、第九護衛艦隊の者達に伝える。
それに対し、春菜が席から立ちあがった。
「我々つばきの意見としては、現在の戦力の強化に、注力するべきと考えます。新造艦生産は確かに重要ですが、現在の戦力を強化する方が良いと思います。第九護衛艦隊は海上自衛隊の中で、最新鋭で大丈夫なので良いと思いますが…問題が大和と武蔵です」
春菜が第九護衛艦隊の考えを示した時、光太郎は少し腹が立った。
まるで大和と武蔵が弱いといっているように聞こえたのだ。
光太郎は祖父の五十六の影響もあり、空母機動部隊の思想を持っていたが、それでも座乗艦である大和を誇りに思っている。
「大和と武蔵の火力は十分にあると思うのですが、問題点は何処なんですか?」
光太郎の機嫌が悪くなっているのを悟った信介は、光太郎が何か言う前に、春菜に問題点を聞いた。
「確かに火力は十分にあります…ですが、対空防御に弱いという点があるのです。事実、我々が知っている大和は、急降下爆撃が敗因の一つと言われてますから………それに、戦艦は無用の長物ですし」
「………すまない、失礼する…」
春菜の説明に途中まで納得していた光太郎だったが、春菜の最後の言葉に怒りが頂点にまで登ったようで、一言かけてから司令室を後にした。
春菜は何も思っていないようだが、他の者達は言い過ぎだろうと思っていた。
「で、では!今後の方針は、大和と武蔵の対空防御を高めつつ、新造艦を作るということでよいですな?」
この気まずい空気を何とかするため、剛士は二つの意見を纏めた方針を提案した。
「我々としては異議はないです」
光成が異議なしと言ったため、日丸島の方針は、大和と武蔵にイージス艦の装備を搭載、更に駆逐艦と潜水艦の新造することになった。
〇
「……ふー…」
「うっわ…これはひでぇ…」
会議が終わって、信介は光太郎を見つけるや否や、そう言葉を漏らす。
何せ、数本の木がボッコボコになって、倒れているからだ。
光太郎は空手と剣道を嗜んでいるのだが、ストレスなどを感じると、そこらへんの木をサンドバッグにし、ストレスを解消して居るのだ。
普段なら一本程度で済むのだが、今回は数本。相当腹が立っていたのだろう。
「落ち着いたか?」
「…まあな……」
信介は光太郎に声をかけながら、汗拭き用のタオルと、水が入った水筒を手渡した。
「助かった…」
光太郎は信介に礼を述べ、タオルで汗を拭いた後、手の血を拭きとった。
「あの発言は確かにムカついたけど、お前って空母機動思想じゃなかったか?」
「大和は日本の技術の結晶だ…それを馬鹿にされるのは、耐えきれなかったんだ…後、俺は空母機動思想ではなく、艦空連携思想だ」
「あ~…そうだったな。すまん、五十六の爺さんが空母機動思想だったから、一色淡にしてた」
「全く、気を付けろよ?」
「すまんすまん」
日が沈みかかっている中、二人は声を出して笑い合った。
艦空連携思想、光太郎が発案した。空の航空機と水上の艦艇で連携を取り、敵を殲滅するという思想だ。
この思想が、光太郎の世界では当たり前の戦術となるということは、本人は知る由もなかった。
〇
「…山稜艦長、あの言い方はよくないだろう?」
信介が光太郎を探していた時、司令室に残って居た剛士は、同じく司令室に残って居た春菜のことを注意していた。
「事実を述べたままです。それに、私的には時代遅れの戦艦は、早急に空母に改装する方が良いと思っているので」
春菜の意見を聞き、剛士は頭を抱えつつ説明する。
「確かに、我々の世界では戦艦は時代遅れという認知があったが、それも今では見直そうと言われているのだぞ?ミサイルを撃つより、砲弾の方が圧倒的に安いからな…それに、ここは異世界だ。異世界で、空母中心主義のやり方が通じるとは限らないぞ?ミサイルも生産できていないしな」
「…」
今の状況的に大和型戦艦は必要だと言われた春菜だが、その意見に不満のようだ。
春菜は戦艦は何もできないと考えているため、大和が役立つとは一切思っていないのだ。
「…何とかして、空母に改修させましょうか…」
剛士が聞こえない程の声量で、春菜は一人、大和型戦艦空母改修を計画を練ることとなる。
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