33 / 150
第四章〜日丸国建国〜
第28話 日丸国の艦隊
しおりを挟む
日丸国とセレーネ連邦国の同盟が締結してから一ヶ月ほど経過した。
光成は日丸国の建国に伴い、一部大臣が決めることとする。総務大臣に一文字眞、国防大臣に松山剛士がそれぞれ就任。その他の大臣は、一旦保留とされているが、それぞれに候補者がいるため、就任は時間の問題と言えるだろう。
一方貿易の方は、セレーネ連邦国からの輸入品により、輸出品の生産は勿論、レーダーやソナーなどの開発や、新造艦の生産が一気に進み、それにより大和型戦艦の強化計画も進んでいる。
「…大和並び武蔵に、新型電探の多機能型対空電探1号、多機能型対艦電探2号、新型の二十八式水中聴音機の搭載完了か」
大和と武蔵に現代技術により制作したレーダーとソナーを搭載したという報告書を、日丸国桜花艦隊司令長官兼戦艦大和艦長になった光太郎が、海軍司令部の一室にて確認していた。
桜花艦隊。戦艦大和を旗艦とした日丸国の主力艦隊で、所属艦艇は大和の他、ながと、むつ、着任予定の新造駆逐艦五隻で編成される艦隊だ。そんな艦隊の司令長官を光太郎は、光成の強い要望により着任することになったのだ。
「……しかし、私が艦隊司令官か…絶対、あの時の仕返しだろうな…」
報告書を読み終えた光太郎は、溜息を吐きながら恨みは恐ろしいことを身をもって知った。
「この後は……新造ドックの視察、新造駆逐艦の進捗具合の確認…やることが多すぎる…」
これからの予定を確認した光太郎は、やることの多さに頭を抱える。
そんな中、誰かが扉を軽く叩き、部屋に入って来た。
「よっ!」
部屋に入って来たのは、日丸国桜守艦隊司令長官兼戦艦武蔵艦長になった信介だ。
桜守艦隊。戦艦武蔵を旗艦とした日丸国の本土を守る護衛艦隊。所属艦艇はあかぎ、なとり、新造巡洋艦一隻、新造駆逐艦二隻、らいげいの六隻の艦隊である。
なお、あかぎが護衛艦隊に所属しているのは、貴重な航空機とパイロットの損失や、ジェット機を秘匿するという理由があるからである。
「なんだ信介。つまらない事なら帰ってくれ」
忙しい光太郎は、信介を帰らそうとしたが、
「別に行けど、試作の水まんじゅうも持って行くぞ」
「待ってろ、今お茶を用意する」
水まんじゅうと聞きいた光太郎は態度を急変させ、お茶を入れ始めた。
「ほんと、お前は水まんじゅうが好きだな…」
「水まんじゅうは至高の甘味だ」
部屋の中にある長机に水まんじゅうとお茶が入った湯飲みが二つ置かれ、光太郎と信介は二つソファにそれぞれ、向かい合うよう座った。
「…砂糖はないのか?」
「作られてはいるが、量産が出来てないからな…当分は無理だろう」
「そうか……」
砂糖をかけた水まんじゅうが好きな光太郎は、砂糖がないと聞き肩を落とした。
「まぁそれより、シュヴァルツの事聞いたか?」
「ああ…」
シュヴァルツに関する話になり、落胆していた光太郎は水まんじゅうを食べながら、気持ちを切り替えた。
「陸軍を優先的に強化して居るって話だろ?十中八九、セレーネ連邦国に攻め込むつもりだろうな…」
「それに、こんなのも出回っている」
信介は机の上に数枚の白黒写真を出した。
「……航空機か?」
「ああ…シュヴァルツの最新戦闘機だとさ」
「この複葉戦闘機が!?」
白黒写真の複葉戦闘機を見ていた光太郎は、その戦闘機が、シュヴァルツの最新戦闘機と聞き、驚いた表情を浮かべる。
無理もない。複葉戦闘機は、第一次世界大戦では活躍していたが、第二次世界大戦の頃では、殆どの国が単葉機へと移行を完了させていた。それは光太郎達の世界でも同じで、最新戦闘機が複葉戦闘機と聞いたら、驚くのも無理はないだろう。
「どうやら、セレーネ連邦国も複葉戦闘機が主流らしい。まぁ艦隊の中に帆船が含まれている時点で、俺らとこの世界では技術格差があるのは分かっていたがな…」
お茶を飲みながら信介は、改めてセレーネ大陸と日丸国の技術格差を実感する。
「…取り敢えず、もしもの時に備えとくか…」
「だな…さーてと、主力艦隊が居ない間の防衛網を考えとかないとな……」
「私もそろそろ、視察に向かわなければな…」
お茶を飲み終え、水まんじゅうを食べ終えた二人は、それぞれの仕事に戻るため、立ち上がり、そのまま部屋を出た。
「じゃ、俺は執務室に戻るわ」
「私は新造ドックに向かう」
互いに行き先を伝え、二人は扉の前で別々の方向に向けて歩き出した。
光成は日丸国の建国に伴い、一部大臣が決めることとする。総務大臣に一文字眞、国防大臣に松山剛士がそれぞれ就任。その他の大臣は、一旦保留とされているが、それぞれに候補者がいるため、就任は時間の問題と言えるだろう。
一方貿易の方は、セレーネ連邦国からの輸入品により、輸出品の生産は勿論、レーダーやソナーなどの開発や、新造艦の生産が一気に進み、それにより大和型戦艦の強化計画も進んでいる。
「…大和並び武蔵に、新型電探の多機能型対空電探1号、多機能型対艦電探2号、新型の二十八式水中聴音機の搭載完了か」
大和と武蔵に現代技術により制作したレーダーとソナーを搭載したという報告書を、日丸国桜花艦隊司令長官兼戦艦大和艦長になった光太郎が、海軍司令部の一室にて確認していた。
桜花艦隊。戦艦大和を旗艦とした日丸国の主力艦隊で、所属艦艇は大和の他、ながと、むつ、着任予定の新造駆逐艦五隻で編成される艦隊だ。そんな艦隊の司令長官を光太郎は、光成の強い要望により着任することになったのだ。
「……しかし、私が艦隊司令官か…絶対、あの時の仕返しだろうな…」
報告書を読み終えた光太郎は、溜息を吐きながら恨みは恐ろしいことを身をもって知った。
「この後は……新造ドックの視察、新造駆逐艦の進捗具合の確認…やることが多すぎる…」
これからの予定を確認した光太郎は、やることの多さに頭を抱える。
そんな中、誰かが扉を軽く叩き、部屋に入って来た。
「よっ!」
部屋に入って来たのは、日丸国桜守艦隊司令長官兼戦艦武蔵艦長になった信介だ。
桜守艦隊。戦艦武蔵を旗艦とした日丸国の本土を守る護衛艦隊。所属艦艇はあかぎ、なとり、新造巡洋艦一隻、新造駆逐艦二隻、らいげいの六隻の艦隊である。
なお、あかぎが護衛艦隊に所属しているのは、貴重な航空機とパイロットの損失や、ジェット機を秘匿するという理由があるからである。
「なんだ信介。つまらない事なら帰ってくれ」
忙しい光太郎は、信介を帰らそうとしたが、
「別に行けど、試作の水まんじゅうも持って行くぞ」
「待ってろ、今お茶を用意する」
水まんじゅうと聞きいた光太郎は態度を急変させ、お茶を入れ始めた。
「ほんと、お前は水まんじゅうが好きだな…」
「水まんじゅうは至高の甘味だ」
部屋の中にある長机に水まんじゅうとお茶が入った湯飲みが二つ置かれ、光太郎と信介は二つソファにそれぞれ、向かい合うよう座った。
「…砂糖はないのか?」
「作られてはいるが、量産が出来てないからな…当分は無理だろう」
「そうか……」
砂糖をかけた水まんじゅうが好きな光太郎は、砂糖がないと聞き肩を落とした。
「まぁそれより、シュヴァルツの事聞いたか?」
「ああ…」
シュヴァルツに関する話になり、落胆していた光太郎は水まんじゅうを食べながら、気持ちを切り替えた。
「陸軍を優先的に強化して居るって話だろ?十中八九、セレーネ連邦国に攻め込むつもりだろうな…」
「それに、こんなのも出回っている」
信介は机の上に数枚の白黒写真を出した。
「……航空機か?」
「ああ…シュヴァルツの最新戦闘機だとさ」
「この複葉戦闘機が!?」
白黒写真の複葉戦闘機を見ていた光太郎は、その戦闘機が、シュヴァルツの最新戦闘機と聞き、驚いた表情を浮かべる。
無理もない。複葉戦闘機は、第一次世界大戦では活躍していたが、第二次世界大戦の頃では、殆どの国が単葉機へと移行を完了させていた。それは光太郎達の世界でも同じで、最新戦闘機が複葉戦闘機と聞いたら、驚くのも無理はないだろう。
「どうやら、セレーネ連邦国も複葉戦闘機が主流らしい。まぁ艦隊の中に帆船が含まれている時点で、俺らとこの世界では技術格差があるのは分かっていたがな…」
お茶を飲みながら信介は、改めてセレーネ大陸と日丸国の技術格差を実感する。
「…取り敢えず、もしもの時に備えとくか…」
「だな…さーてと、主力艦隊が居ない間の防衛網を考えとかないとな……」
「私もそろそろ、視察に向かわなければな…」
お茶を飲み終え、水まんじゅうを食べ終えた二人は、それぞれの仕事に戻るため、立ち上がり、そのまま部屋を出た。
「じゃ、俺は執務室に戻るわ」
「私は新造ドックに向かう」
互いに行き先を伝え、二人は扉の前で別々の方向に向けて歩き出した。
223
あなたにおすすめの小説
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる