47 / 150
第五章〜南北大戦争〜
第42話 北部海戦
しおりを挟む
武蔵と打撃艦隊が戦闘を始めた同時刻、日丸国の北部には、機動艦隊の指揮官を任せられた、イーグル級魔導航空母艦イーグル艦長、アートワ・モーデルトスが腕時計で時間を確認していた。
「そろそろ時間だろう…ウィンドを飛ばせ」
「はっ!」
アートワはイーグルの艦橋から、艦載機であるウィンドを発艦させるように指示を飛ばす。
指示を受け、イーグルからウィンドが次々と発艦していく。
「数を揃えた後、島に爆撃を開始せよ」
「はっ!」
発艦したウィンドは、日丸国目指して進んでいく。
「さて、我々はここでゆっくりと前進していくだけで済むというわけだ」
アートワが油断したその時だった。
ドドンッ!
大きな音ともに駆逐艦一隻が、突如として爆発し、下から突き上げるように折れた。
「なっ、何事だ!?」
「わ、分かりません!」
突如駆逐艦が一隻爆沈したため、イーグル艦内は騒然とする。そして更に、一隻の巡洋艦が、右舷が爆発し、そのまま右に傾き転覆してしまう。
「全艦、魔導障壁展開!第三戦速!」
「了解!」
驚きつつも、アートワは慢心で張っていなかった魔導障壁を展開させ、速度を上げて海域から逃げようとするが、
ババンッッッ!
突発音と共に、イーグルの上空で爆発が起きた。
「前方敵艦!」
「何!?」
前方を確認してみると、なとりが機動艦隊に向かってきていた。
アートワが、なとりに集中砲火を命令しようとしたその時、再び駆逐艦一隻が、下から攻撃を受け、海底へと沈んでいく。
「魚雷…もしや潜水艦か!?」
一瞬だけ魚雷が見えたため、アートワは潜水艦が魚雷を撃ったのではないかと推測した。
「ソナーは使えんのか!」
「現状、ここで使用すれば、敵の的になりかねません…!」
「ぐぬぬぬっ…!」
ソナーが使えない状況に、アートワは悔しがる。
大帝国にも魚雷や潜水艦はあるのだが、どれも第一次世界大戦と同程度の性能艦しかなく、更にソナーに関しては初期のソナーであるQCと同性能のため、4ノット以下でなければ使用することが出来ない。そのため、目の前にやばりが居る現状では、海中には何処にいるか分からないらいげいを探すために、ソナーを使うことは危険なのだ。
「ええい!目の前の敵艦は一隻だけだ!ソイツをまず最初に潰せ!!」
「はっ!」
アートワはなとりへの集中砲火を開始させる。
○
集中砲火により、なとりの付近に砲弾が何発も落ち、船体が大きく揺れる。
「おもーかーじー!」
「おもーかーじ!」
雪の指示の元、なとりは砲弾を避けるため、右に回頭を始めた。
「魚雷投下!主砲、撃ちー方ー始めーっ!」
無論、なとりもやられてばがりではなく、魚雷と主砲で反撃を行う。
魚雷は巡洋艦に全弾命中し、巡洋艦の魔導障壁の効果が無くなる。それと同時になとりは砲撃を畳み込み、魔導障壁が無くなった巡洋艦は、砲撃を受け沈んでいく。
「もどーせー!」
「もどーせー!!」
魚雷を打ち終えたなとりは、舵を左に取る。
「艦長!敵戦闘機が!!」
アートワの命令を受けたのか、本土に向かっていったウィンドが、3機ほど戻ってきて、なとりに攻撃を仕掛けた。
「RAM発射!」
迫ってくる3機に対し、なとりのSea RAMから、3発の近接防空ミサイルが発射され、ミサイルはそのまま接近してきたウィンドに直撃、消し飛ばした。
「敵戦艦の魔導障壁を突破する!目標、敵戦艦二隻!対艦誘導弾、全弾てーー!」
雪の指示を受け、なとりに搭載されている17式艦対艦誘導弾が八発放たれ、二隻の戦艦に四発ずつ対艦誘導弾が向かっていき、一撃で魔導障壁を撃ち破った。
「今だ、右敵戦艦に向け、集中砲撃!らいげいには左の戦艦を狙うように打電!」
自分達から見て、右の戦艦になとりは集中砲撃を開始し、もう1つの戦艦に対しては、らいげいが魚雷を発射した。
○
爆発音と共に、アートワの目の前に居た戦艦が、徐々に沈んでいく。そして、もう片方の戦艦は、なとりからの集中砲火を受けている。
現在、機動艦隊の残存艦艇は、戦艦一隻、空母一隻、巡洋艦二隻、駆逐艦三隻の計七隻のみだ。
数ではまだ勝っているが、性能ではなとりとらいげいの方が上のため、負ける可能性は十分にある。
「ぐぬぬぬぬ」
アートワは頭を悩ましていた。
砲撃しても、なとりは軽々と避け、その間にらいげいによる魚雷で、小回りが効く駆逐艦が次々と沈んでいく。空からならと、攻撃隊から3機のウィンドを向かわせたが、呆気なく撃墜された。
「空からならば、奴を陥れられるかもしれん…おい!本土への攻撃はどうなっておる!」
考えに考えた末、アートワは航空機の数で、なとりを沈める作戦に出ることにしたが、
「……こ、航空隊との、連絡が通じません…」
「はぁ?」
通信長から、航空隊との連絡が取れないと聞き、アートワは唖然とした。
それと同時に
「か、かか艦長!前方を見てください!」
「…なっ!なんだあれは!」
アートワの視線の先には、必要なはずのプロペラがない、航空機が十機、機動艦隊に向けて向かってきていたからだ。
艦上戦闘機F-3。春菜達世界の日本が、航空母艦あかぎの建造時に、F-2を改良して作られた艦上戦闘機。それが今、本土を襲おうとしたウィンドを撃滅させ、そのまま機動艦隊に向かってきていたのだ。
アートワがF-2を観察していると、
「な、何かが来るぞ!」
F-2の両翼からミサイルが放たれ、真っ直ぐ機動艦隊に向かっていく。
「対空戦闘開始!!」
「ダメです!間に合いません!!」
対空戦闘が整う前に、F-2から発射されたミサイルは、なとりの砲撃を受けていた戦艦に、突き刺さり大爆発。ミサイルを受けた戦艦は、そのまま沈んでいく。
「こうなったら撤退だ!撤退するぞ!!」
「無理です!撃沈した戦艦や巡洋艦、駆逐艦の残骸で、回頭並びに後進が今は不可能です!!」
「ぐぅぅぅ…!!」
航海長からの報告に、アートワは何とできないことに悔しがる。
護衛の艦艇を殆ど失い、更に艦載機も失った。逃げようにも、本土は遠いため出来ない。そうなると、アートワができるのは、艦と共に死ぬか、降伏して打撃艦隊が勝利するのを待つかのどちらかだ。
「……降伏勧告をせよ、打撃艦隊に運命を託すのだ…」
「…はっ……」
悩んだ末、アートワは自分達の運命を打撃艦隊に託すことにした。
「そろそろ時間だろう…ウィンドを飛ばせ」
「はっ!」
アートワはイーグルの艦橋から、艦載機であるウィンドを発艦させるように指示を飛ばす。
指示を受け、イーグルからウィンドが次々と発艦していく。
「数を揃えた後、島に爆撃を開始せよ」
「はっ!」
発艦したウィンドは、日丸国目指して進んでいく。
「さて、我々はここでゆっくりと前進していくだけで済むというわけだ」
アートワが油断したその時だった。
ドドンッ!
大きな音ともに駆逐艦一隻が、突如として爆発し、下から突き上げるように折れた。
「なっ、何事だ!?」
「わ、分かりません!」
突如駆逐艦が一隻爆沈したため、イーグル艦内は騒然とする。そして更に、一隻の巡洋艦が、右舷が爆発し、そのまま右に傾き転覆してしまう。
「全艦、魔導障壁展開!第三戦速!」
「了解!」
驚きつつも、アートワは慢心で張っていなかった魔導障壁を展開させ、速度を上げて海域から逃げようとするが、
ババンッッッ!
突発音と共に、イーグルの上空で爆発が起きた。
「前方敵艦!」
「何!?」
前方を確認してみると、なとりが機動艦隊に向かってきていた。
アートワが、なとりに集中砲火を命令しようとしたその時、再び駆逐艦一隻が、下から攻撃を受け、海底へと沈んでいく。
「魚雷…もしや潜水艦か!?」
一瞬だけ魚雷が見えたため、アートワは潜水艦が魚雷を撃ったのではないかと推測した。
「ソナーは使えんのか!」
「現状、ここで使用すれば、敵の的になりかねません…!」
「ぐぬぬぬっ…!」
ソナーが使えない状況に、アートワは悔しがる。
大帝国にも魚雷や潜水艦はあるのだが、どれも第一次世界大戦と同程度の性能艦しかなく、更にソナーに関しては初期のソナーであるQCと同性能のため、4ノット以下でなければ使用することが出来ない。そのため、目の前にやばりが居る現状では、海中には何処にいるか分からないらいげいを探すために、ソナーを使うことは危険なのだ。
「ええい!目の前の敵艦は一隻だけだ!ソイツをまず最初に潰せ!!」
「はっ!」
アートワはなとりへの集中砲火を開始させる。
○
集中砲火により、なとりの付近に砲弾が何発も落ち、船体が大きく揺れる。
「おもーかーじー!」
「おもーかーじ!」
雪の指示の元、なとりは砲弾を避けるため、右に回頭を始めた。
「魚雷投下!主砲、撃ちー方ー始めーっ!」
無論、なとりもやられてばがりではなく、魚雷と主砲で反撃を行う。
魚雷は巡洋艦に全弾命中し、巡洋艦の魔導障壁の効果が無くなる。それと同時になとりは砲撃を畳み込み、魔導障壁が無くなった巡洋艦は、砲撃を受け沈んでいく。
「もどーせー!」
「もどーせー!!」
魚雷を打ち終えたなとりは、舵を左に取る。
「艦長!敵戦闘機が!!」
アートワの命令を受けたのか、本土に向かっていったウィンドが、3機ほど戻ってきて、なとりに攻撃を仕掛けた。
「RAM発射!」
迫ってくる3機に対し、なとりのSea RAMから、3発の近接防空ミサイルが発射され、ミサイルはそのまま接近してきたウィンドに直撃、消し飛ばした。
「敵戦艦の魔導障壁を突破する!目標、敵戦艦二隻!対艦誘導弾、全弾てーー!」
雪の指示を受け、なとりに搭載されている17式艦対艦誘導弾が八発放たれ、二隻の戦艦に四発ずつ対艦誘導弾が向かっていき、一撃で魔導障壁を撃ち破った。
「今だ、右敵戦艦に向け、集中砲撃!らいげいには左の戦艦を狙うように打電!」
自分達から見て、右の戦艦になとりは集中砲撃を開始し、もう1つの戦艦に対しては、らいげいが魚雷を発射した。
○
爆発音と共に、アートワの目の前に居た戦艦が、徐々に沈んでいく。そして、もう片方の戦艦は、なとりからの集中砲火を受けている。
現在、機動艦隊の残存艦艇は、戦艦一隻、空母一隻、巡洋艦二隻、駆逐艦三隻の計七隻のみだ。
数ではまだ勝っているが、性能ではなとりとらいげいの方が上のため、負ける可能性は十分にある。
「ぐぬぬぬぬ」
アートワは頭を悩ましていた。
砲撃しても、なとりは軽々と避け、その間にらいげいによる魚雷で、小回りが効く駆逐艦が次々と沈んでいく。空からならと、攻撃隊から3機のウィンドを向かわせたが、呆気なく撃墜された。
「空からならば、奴を陥れられるかもしれん…おい!本土への攻撃はどうなっておる!」
考えに考えた末、アートワは航空機の数で、なとりを沈める作戦に出ることにしたが、
「……こ、航空隊との、連絡が通じません…」
「はぁ?」
通信長から、航空隊との連絡が取れないと聞き、アートワは唖然とした。
それと同時に
「か、かか艦長!前方を見てください!」
「…なっ!なんだあれは!」
アートワの視線の先には、必要なはずのプロペラがない、航空機が十機、機動艦隊に向けて向かってきていたからだ。
艦上戦闘機F-3。春菜達世界の日本が、航空母艦あかぎの建造時に、F-2を改良して作られた艦上戦闘機。それが今、本土を襲おうとしたウィンドを撃滅させ、そのまま機動艦隊に向かってきていたのだ。
アートワがF-2を観察していると、
「な、何かが来るぞ!」
F-2の両翼からミサイルが放たれ、真っ直ぐ機動艦隊に向かっていく。
「対空戦闘開始!!」
「ダメです!間に合いません!!」
対空戦闘が整う前に、F-2から発射されたミサイルは、なとりの砲撃を受けていた戦艦に、突き刺さり大爆発。ミサイルを受けた戦艦は、そのまま沈んでいく。
「こうなったら撤退だ!撤退するぞ!!」
「無理です!撃沈した戦艦や巡洋艦、駆逐艦の残骸で、回頭並びに後進が今は不可能です!!」
「ぐぅぅぅ…!!」
航海長からの報告に、アートワは何とできないことに悔しがる。
護衛の艦艇を殆ど失い、更に艦載機も失った。逃げようにも、本土は遠いため出来ない。そうなると、アートワができるのは、艦と共に死ぬか、降伏して打撃艦隊が勝利するのを待つかのどちらかだ。
「……降伏勧告をせよ、打撃艦隊に運命を託すのだ…」
「…はっ……」
悩んだ末、アートワは自分達の運命を打撃艦隊に託すことにした。
170
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる