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第五章〜南北大戦争〜
第43話 南部海戦
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北部での海戦が終わりに向かっている中、南部では単艦で打撃艦隊に挑んだ武蔵が、敵からの猛攻を受けていた。
「右舷高射砲、多数大破!」
「第二砲塔、中破!旋回出来ません!!」
「居住区に浸水!」
第一艦橋に、被害報告が次々と入ってくる。
だが、武蔵もやられてばかりではなく、敵駆逐艦三隻、巡洋艦二隻、戦艦一隻を撃沈させ、戦闘機も半数以上撃墜させている。
「目標!敵、巡洋艦!全門てーー!」
信介の号令により、砲弾が放たれる。
第一砲塔から放たれた砲弾が、目標の巡洋艦に向かい、三発同時でようやく魔導障壁を貫通、そのまま巡洋艦を沈めた。
だが、第三砲塔が放った砲弾は、戦艦の魔導障壁により弾かれてしまう。
「やはり、魔導障壁が厄介だな…」
戦艦の魔導障壁に、砲弾が弾かれたのを見ていた信介は、一人呟く。
現在信介達が分かっている、敵艦の魔導障壁を撃ち破るのに必要な砲弾数は、駆逐艦が一発、巡洋艦は三発、戦艦は六発以上。
もう少し近づけば、駆逐艦は副砲で倒せ、主砲に必要な砲弾数も減ると思われるが、これ以上近づくと更に武蔵が集中砲火を受けることになり、最悪の場合魚雷を流される危険性がある。単艦である以上、武蔵は下手な動きが取れないのだ。
(残り砲弾数も少ない…反転して、本土に引きずり込み、なとりとらいげいで迎撃するか…?いや、本土に入れ、あかぎが見つかったりなどすれば…)
信介は頭をフル回転させ、この戦況を打開する方法を必死に考える。
考えに考えた末、信介は苦肉の策として、
「取舵90°!日丸国に一時撤退!それと同時に、あかぎに航空機発艦を打電!!」
信介が敵を一度本土に引きづり込み、油断させるために日丸国への撤退を命令した。
信介の命令を受け、武蔵が回頭を始めようとしたその時だった。戦況を大きくひっくり返す魚雷が、水中にて発射されたのだ。
○
「ふはははは!武蔵だったか?やはりデカイ的だけのようだな!!」
旗艦ヴァイパーの第一艦橋にて、決して軽微と言えない被害が出ているのにも関わらず、チャルスは油断し切って居た。
「ええ!こちらは魔導障壁が万全な上、数でも勝っております、武蔵が勝つことはまず無いかと……」
ピタトもまた、チャルス同様慢心していた。
「全艦、主砲装填終わったな?」
「はっ!万全とのことです」
チャルスの質問に、通信長が答える。
それを聞いたチャルスは、ニヤリと笑みを浮かべた。
「ふむ…航空隊全機武蔵に突撃!それに続くように、主砲撃て!!」
残りの航空機に突撃命令と砲撃命令を下した。
「ま、待ってください!航空隊の攻撃と共に砲撃を開始すれば、航空隊に被害が……!」
「構わん!航空隊には突撃を!艦艇には砲撃命令を下せ!!」
「……りょ、了解致しました…」
通信長は航空隊諸共、武蔵を屠ろうとするチャルスの案に反対するが、チャルスの圧に負け、航空隊と残存艦艇それぞれに、命令を打電した。
「さぁて、武蔵の最後を見届けようでは無いか」
「私としては、鹵獲しても良いと思うのですがね」
「なぁに、大和も何れ来るはずだ。それを鹵獲すれば良い」
「それもそうですな」
次の一斉砲撃で、武蔵を屠れると確信したチャルス達はこの後の話を行い始める。
「砲撃準備完了!」
「よーし、目標武蔵!全艦砲撃かいs」
チャルスが砲撃を命じようとしたその時だった。
ドォーーン!!
突如、爆発音と共に魔導障壁が砕け散り、更にヴァイパーが大きく揺れる。
「な、何事だ!?」
揺れに何とか耐えたチャルスは状況を確認した。
「き、機関部に浸水!航行不能!!」
「何!?」
突如とした攻撃、ヴァイパーが航行不能になり、チャルスは混乱する。
「ウェルバージ司令長官、恐らく魚雷ではないでしょうか?」
「魚雷だと?武蔵が魚雷を撃ち、偶然にも機関に命中したと言いたいのか貴様は!!」
「い、いえ…」
「兎に角、ソナーを使用しろ!!」
チャルスは駆逐艦にソナーを使うように指示を出した。だが、そのソナーもまたレーダー同様魔力感知に反応する代物だったため、魔力を使用していない日丸国の魚雷を探知するのは不可能で、ソナー使用のために速度を落とした駆逐艦は、次々と魚雷の餌食になる。
「この攻撃…潜水艦か……?」
「馬鹿なことを言うでは無い!!」
武蔵が魚雷を発射する素振りがないため、ピタトは潜水艦の可能性を考えたが、チャルスは否定した。
(ソナーに反応しない魚雷を発射する潜水艦なぞ、大帝国でも作れていないのだぞ!!それを認めれば、我々はこんな極東人以下になってしまうではないか!!)
チャルスのプライドが、日丸国が大帝国以上の潜水艦を保有しているという事実を、認めようとしない。
そのため潜水艦への対処が遅れ、
「く、駆逐艦…全滅……武蔵に特攻した、航空機も全滅です…」
結果的に、打撃艦隊は、駆逐艦並びに航空機を全て失うことになった。
「右舷高射砲、多数大破!」
「第二砲塔、中破!旋回出来ません!!」
「居住区に浸水!」
第一艦橋に、被害報告が次々と入ってくる。
だが、武蔵もやられてばかりではなく、敵駆逐艦三隻、巡洋艦二隻、戦艦一隻を撃沈させ、戦闘機も半数以上撃墜させている。
「目標!敵、巡洋艦!全門てーー!」
信介の号令により、砲弾が放たれる。
第一砲塔から放たれた砲弾が、目標の巡洋艦に向かい、三発同時でようやく魔導障壁を貫通、そのまま巡洋艦を沈めた。
だが、第三砲塔が放った砲弾は、戦艦の魔導障壁により弾かれてしまう。
「やはり、魔導障壁が厄介だな…」
戦艦の魔導障壁に、砲弾が弾かれたのを見ていた信介は、一人呟く。
現在信介達が分かっている、敵艦の魔導障壁を撃ち破るのに必要な砲弾数は、駆逐艦が一発、巡洋艦は三発、戦艦は六発以上。
もう少し近づけば、駆逐艦は副砲で倒せ、主砲に必要な砲弾数も減ると思われるが、これ以上近づくと更に武蔵が集中砲火を受けることになり、最悪の場合魚雷を流される危険性がある。単艦である以上、武蔵は下手な動きが取れないのだ。
(残り砲弾数も少ない…反転して、本土に引きずり込み、なとりとらいげいで迎撃するか…?いや、本土に入れ、あかぎが見つかったりなどすれば…)
信介は頭をフル回転させ、この戦況を打開する方法を必死に考える。
考えに考えた末、信介は苦肉の策として、
「取舵90°!日丸国に一時撤退!それと同時に、あかぎに航空機発艦を打電!!」
信介が敵を一度本土に引きづり込み、油断させるために日丸国への撤退を命令した。
信介の命令を受け、武蔵が回頭を始めようとしたその時だった。戦況を大きくひっくり返す魚雷が、水中にて発射されたのだ。
○
「ふはははは!武蔵だったか?やはりデカイ的だけのようだな!!」
旗艦ヴァイパーの第一艦橋にて、決して軽微と言えない被害が出ているのにも関わらず、チャルスは油断し切って居た。
「ええ!こちらは魔導障壁が万全な上、数でも勝っております、武蔵が勝つことはまず無いかと……」
ピタトもまた、チャルス同様慢心していた。
「全艦、主砲装填終わったな?」
「はっ!万全とのことです」
チャルスの質問に、通信長が答える。
それを聞いたチャルスは、ニヤリと笑みを浮かべた。
「ふむ…航空隊全機武蔵に突撃!それに続くように、主砲撃て!!」
残りの航空機に突撃命令と砲撃命令を下した。
「ま、待ってください!航空隊の攻撃と共に砲撃を開始すれば、航空隊に被害が……!」
「構わん!航空隊には突撃を!艦艇には砲撃命令を下せ!!」
「……りょ、了解致しました…」
通信長は航空隊諸共、武蔵を屠ろうとするチャルスの案に反対するが、チャルスの圧に負け、航空隊と残存艦艇それぞれに、命令を打電した。
「さぁて、武蔵の最後を見届けようでは無いか」
「私としては、鹵獲しても良いと思うのですがね」
「なぁに、大和も何れ来るはずだ。それを鹵獲すれば良い」
「それもそうですな」
次の一斉砲撃で、武蔵を屠れると確信したチャルス達はこの後の話を行い始める。
「砲撃準備完了!」
「よーし、目標武蔵!全艦砲撃かいs」
チャルスが砲撃を命じようとしたその時だった。
ドォーーン!!
突如、爆発音と共に魔導障壁が砕け散り、更にヴァイパーが大きく揺れる。
「な、何事だ!?」
揺れに何とか耐えたチャルスは状況を確認した。
「き、機関部に浸水!航行不能!!」
「何!?」
突如とした攻撃、ヴァイパーが航行不能になり、チャルスは混乱する。
「ウェルバージ司令長官、恐らく魚雷ではないでしょうか?」
「魚雷だと?武蔵が魚雷を撃ち、偶然にも機関に命中したと言いたいのか貴様は!!」
「い、いえ…」
「兎に角、ソナーを使用しろ!!」
チャルスは駆逐艦にソナーを使うように指示を出した。だが、そのソナーもまたレーダー同様魔力感知に反応する代物だったため、魔力を使用していない日丸国の魚雷を探知するのは不可能で、ソナー使用のために速度を落とした駆逐艦は、次々と魚雷の餌食になる。
「この攻撃…潜水艦か……?」
「馬鹿なことを言うでは無い!!」
武蔵が魚雷を発射する素振りがないため、ピタトは潜水艦の可能性を考えたが、チャルスは否定した。
(ソナーに反応しない魚雷を発射する潜水艦なぞ、大帝国でも作れていないのだぞ!!それを認めれば、我々はこんな極東人以下になってしまうではないか!!)
チャルスのプライドが、日丸国が大帝国以上の潜水艦を保有しているという事実を、認めようとしない。
そのため潜水艦への対処が遅れ、
「く、駆逐艦…全滅……武蔵に特攻した、航空機も全滅です…」
結果的に、打撃艦隊は、駆逐艦並びに航空機を全て失うことになった。
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