大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

文字の大きさ
60 / 150
第六章〜新たな世界〜

第55話 異世界の魔術師

しおりを挟む
「シンシア様…!?」

気がついたアーミヤは、シンシアの名を叫びながら、ベットから飛び起きる。

「あっ、起きましたかッ!」

「シンシア様は何処!?何か変なことをしていないでしょうね!!?」

発見された帆船の乗組員達を見ていた雷は、気がついたアーミヤに声をかけようとしたが、シンシアのことが気が気では無いアーミヤは、雷の胸ぐらを掴みシンシアの居場所を問い質す。

「く、首!首首首っ!締まってる締まってるッ!!!」

胸ぐらを掴まれ、首が絞まっている雷は、アーミヤに首が締まっていることを必死に伝える。

「あっ…すみません……取り乱してしまいました……」

首が絞まっていることに気づいたアーミヤは、雷から手を離す。

「ケホコホ!と、取り敢えず…貴女が言うシンシアという人は、別室で寝ておりますから、安心してください…」

シンシアを豪華な服を着た少女だと気づいた雷は、息を整えながら無事のことを伝える。

「すぐに案内してくれ!」

アーミヤはその部屋までの案内を雷に頼みながら、ベットから立ち上がろうとした。
だが、上手く身体に力が入らず、ベットから床に落ちかける。

「先程起きたばかりなのに、無理しないでください!」

ベットから落ちかけたアーミヤを助け、雷はアーミヤをベットに寝かせる。

「じゃあ、今から記憶障害とかがないか、調べるから、質問に答えてもらうよ」

「分かった」

質問をする許可を得て、雷はカルテを片手にアーミヤへ質問を始める。

「まず、名前と年齢、それとどこから来たかを答えて欲しい」

「ソウィエル王国、王宮魔術師筆頭、アーミヤ・アルデンテ、にひゃ…28歳です」

「……ソウィエル王国…?」

自己紹介を書きながら雷は、ソウィエル王国という国名を聞いたことがなく、首を傾げながら復唱する。

「世界に名を馳せるソウィエル王国ですよ!?何故知らないのですか…!?」

「…あー……」

アーミヤがソウィエル王国を知らないことに驚く中、雷は察した。
今いる世界の大国は、セレーネ連邦国、シュヴァルツ共和国、ソラリス大帝国の3つしかなく、ソウィエル王国という国は知らない。となると、自分達同様この世界に迷い込んでしまったことになる。

「ええーっと、説明が難しいのですが…ここは貴女達が居た世界では無い、異世界と呼ばれる場所なんです…」

「は?」

アニメ漫画ファンではない彼女が、ここが異世界だと信じるのは無理があり、アーミヤは豆鉄砲を食らったような表情を浮かべた。

「うーん、どうすれば分かってくれるかなぁ……」

アーミヤの表情を見た雷は、ここが異世界だという証明を考える。

「あっ、これなら…」

閃いた雷はポケットから護衛用の拳銃を取りだした。

「拳銃という武器なんだけど、君たちの世界にはこんな物なかったでしょ?」

魔法が中心の世界ならば、拳銃は存在しないと予測した雷は、拳銃が存在するかどうか尋ねる。

「……信じたくはありませんが、ここが私が知っている世界ではないということは理解出来ました…」

拳銃を見たアーミヤは、異世界だということを理解し、溜息を吐いた。

「一応聞いておきますが、戻る方法は…」

「分かってたら、僕達はここに居ないよ」

「ん?それはどう言う…」

戻る方法を尋ねたアーミヤは、雷の言葉が引っかかり、意味を尋ねた。

「ああそれは…」

雷は自分達も同じ異世界から来た者だということ、今までの経緯をアーミヤに話した。

「貴方達も苦労したのね…」

「まぁそうですね……それで、君達も濃霧に巻き込まれたの…?」

一通り話を終えた雷は、自分達のように濃霧に巻き込まれ、転移してきたのかと尋ねた。

「いいえ、私達は魔王軍からの攻撃を受け、転移ワープで逃げ、気がついたらここに居た感じね」

「ワープというのは分からないけど、濃霧に飲み込まれなかったから、海からじゃなくて、島に突如現れたのか…」

第九護衛艦隊や日米輸送艦隊と同じように海から現れなかった理由に、雷は納得した。

「それで、これからどうするおつもりですか?」

「シンシア様が起き、相談をしてからだな…私の一存で決める訳には行かない」

今後についての質問に、アーミヤは迷うことなく、シンシアが起きるまで決めれないと伝える。
それを聞いた雷は、

「分かりました。シンシア様のことはしっかりと見ておくので、アルデンテさんは、ゆっくりと休んでください。シンシア様が起きたら、必ず報告するので」

と笑みを浮かべながら言った。

「…本当は今すぐにでも、シンシア様の元に向かいけど、今は君達の行為に甘えましょうか…悪い人達では無さそうですし」

「そう言って貰えて、光栄です」

雷の笑みを見た後、アーミヤはシンシアのことを日丸国に任せ、休養のために寝ることにした。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...