大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第六章〜新たな世界〜

第56話 目覚める姫

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乗組員達が運ばれた丸日病院の病室とはまた別の部屋にて、シンシアはベットに寝かされていた。

「ネルソン殿、そろそろ交代の時間だ…」

その部屋に、光太郎と春菜が部屋の中で見守っていたカイルとその部下に声をかけながら入ってくる。
なおカイルは、日丸国海軍特別顧問に任命されており、位は中将とされている。

「もうそんな時間ですかー……あとはお二人に任せマース!!」

二人の姿を見たカイルは部下と共に、シンシアのことを二人に任せて、部屋から出ていく。
何処かの王女様と思われたシンシアには、護衛をつけることになり、その護衛を非番の者や現在は出撃する出番がない桜花艦隊などが二人一組で、交代しながら行っている。
ちなみに、護衛のペアは基本抽選で決まっているが、一部ペアは故意的に決められている。光太郎と春菜のペアもまた、1回話し合えという意味合いを込め、それぞれの親友が故意的に決めたペアである。

「すぅ……すぅ……すぅ………」

「…」

「…」

シンシアの可愛い寝息が病室に響く中、光太郎と春菜の間には気まづい空気が流れる。
互いに異性とプライベートの交流を持ったことはないため、どうすれば良いか悩んでいるのだ。

「……天気が良いな…」

「そうですね…」

「「………」」

光太郎は話題づくりで天気のことを述べるも、会話は長く持たない。

「…そっちの日本は大丈夫なのか?」

暫くの沈黙の後、光太郎は春菜世界の日本のことを尋ねた。

「政府は汚職だらけ、一部国民は自衛の軍隊の自衛隊を凶悪な軍隊などと罵り…正直、ここの方がまだマシです」

光太郎からの質問に、春菜は呆れながら自分世界の日本を光太郎に説明する。

「守ってくれている軍隊を叩くとは…一体どんな神経をしているのやら…いや、平和ボケしている方が正しいのか?」

「そうね。私達の日本は、戦争に参加したことがないから平和ボケはしているね……」

春菜世界の日本の酷さに、光太郎は呆れる。
春菜世界の歴史を少しばかり聞いていた光太郎は、平和ボケしていると判断していた。

「アメリカに負け、平和ボケか……未来の君達から見て、大国に挑んだ大日本帝国は滑稽だったか…?」

窓の外を見ながら、大日本帝国が始めた大東亜戦争について尋ねた。

「…帝国は方向性を間違えました。ですが、独立のために立ち上がる…その点に関しては認めます」

光太郎の質問に、春菜は自身の考えを話した。

「そうか…」

春菜の考えを聞き、光太郎は微笑みながら納得した。
そして病室には、再び静まり込む。
このまま次の交代まで、無言が続くそう思われていたのだが、

「……っ………こ、ここ…は……?」

シンシアが目を覚ましたのだ。

「っ!」

「山稜!今すぐ今堅軍医を呼んでくれ!」

「分かりました」

シンシアが目覚めたことに春菜が驚く中、光太郎は雷を呼んでくるように言い、春菜は雷を呼ぶために病室から出ていった。

「大丈夫ですか…?」

光太郎はシンシアに優しく声をかけながら、不調がないかどうか尋ねた。

「貴方…は…?」

寝ぼけながらも、シンシアは光太郎に名前を尋ねた。

「日丸国海軍桜花艦隊司令長官兼大和艦長の山本光太郎です」

光太郎は敬礼をしながらシンシアに自己紹介を行う。

「名前言える…?」

跪いて、シンシアの顔を見ながら光太郎は、シンシアに名前を尋ねる。

「私は…私は……シンシア…ソウィエル王国第二王女の…シンシア・S・ソウィエルです!」

自身の名前を言うことで、シンシアは覚醒した。

「山本さん、皆は!アーミヤ達は!?」

シンシアはベットから降り、光太郎達にアーミヤ達について言いよる。

「別室で安静にして貰ってますよ…ただ、救えなかった命もありましたけどね……」

「そう、ですか……」

光太郎から命を落としてしまった者も居ると聞き、シンシアは自分のせいだと思い気を落とす。
シンシアが気を落としている中、バタバタと足音が聞こえてくる。

「シンシア様!お目覚めになりましたか!!」

勢いよく扉が開き、アーミヤが光太郎を突き飛ばしてシンシアの元にやってくる。

「お怪我はありませんか!?熱は…!!」

「大丈夫だから、アーミヤ…」

アーミヤがシンシアの身体に怪我などがないか確認する中、シンシアは落ち着くように伝える。

「はぁ、はぁはぁ…はぁ……ちょっと…待って…」

少しした後、雷が息を切らしながらやってくる。

「今堅軍医。竹田首相などにこのことは…?」

服に着いた汚れを叩いて落としながら、光太郎はシンシアが目覚めたことについての報告をしているかどうか、立ち上がりながら雷に尋ねた。

「山稜さんが報告しに行ってくれました」

立ち上がろうとしている光太郎の手助けをしつつ、雷は質問に答えた。

「なら、私は竹田首相達が来るまで、彼女らの護衛だな…君は、彼女の身体に異常がないか確認してくれ…」

「はい!」

光太郎は雷にそう伝えた後、三人を見守るために、扉の前に移動し、雷はシンシアの元に駆け寄り、身体に異常がないか検査を始めることにした。
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