大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第七章~日丸国建国祭~

第71話 賑わう街

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日丸国建国祭開会式が終わるのと同時に、次々と日丸国中の露店が運営を始める。

「いらっしゃい、いらっしゃい!たこ焼き出来たてだよ~!食べる時は火傷に注意してくれよ~!」

「焼きそば~、美味しい焼きそばはどうですか~!」

観光客を引き込もうと、各露店は声を上げて商品をアピールする。
今回、それぞれの露店を切り盛りしているのは、桜花艦隊や非番の桜守艦隊の者達で、一番売り上げたグループには、一年分の春一番もしくは藤月温泉年間パスが与えられることになっているため、各グループが売上を伸ばそうと奮闘している。

「このたこ焼きというもの、外はカリッ、中はトロッとしていて旨いですな!」

「焼きそばもいいですよ。パスタとはまた違って、美味しくいただけます」

街の中にある食堂にて、トムヤードとウルフが雑談しながら、日丸国の料理を食べていた。
二人がこうしている理由としては、セレーネ連邦国とシュヴァルツ共和国のそれぞれの国民に、仲が良いことをアピールするのと、日丸国の料理を番宣するという2つの目的からだ。
更にこの2人の姿は、映像として世界共栄連盟内に送られている。
そのため、

「今からでも間に合うか?」

「便を増やして船を出しているみたいだぞ」

「今から家族旅行に行くか」

など、日丸国に向かおうとする人が増え始めている。
しかしながら、他国を下に見る者はいる。





「貴様!この食べ物のせいで、火傷したでは無いか!」

屋台が立ち並ぶ大通りにて、髭を生やした男が、たこ焼きの店員に向けて怒鳴りつける。

「ですから、熱いのでお気をつけ下さいと…!」

「女如きが私に口答えするな!」

男は店員の言葉を遮るように怒鳴り、一方的に叱りつける。
そんな男がいる店に、客が寄り添うことなく、離れて行ってしまう。

「セレーネ連邦国の中でも、高貴な私が怪我をしたのだぞ!さっさと弁償したまえ!払えないというならば、貴様を奴隷としてや「おい」

店員を指さして、一方的に怒鳴り続ける男に、誰かが声を掛けた。

「誰だきさm」

声がした方に男が振り返った瞬間、声をかけた者は男に背負い投げを食らわせる。

「ミルボート様ぁ!」

護衛の者は慌てて、男に駆け寄り容態を確認する。
男は強い衝撃により気を失っており、当分は目覚めそうになかった。

「貴様!国際問題だぞこれは!!」

護衛の者がそう怒鳴りつけるが、声をかけた者は両手についたゴミを払って無視し、店の方へと向かった。

「普通のたこ焼きと、チーズうぃんなーというやつを二つづつ頼むよ」

「山本司令!?」

男に声をかけた者が、光太郎だと分かった店員達は、慌てながらその場で敬礼をする。

「おい貴様!自分が何をしたのか分かっているのか!?」

無視を決め込んでいた光太郎に、護衛の者は食ってかかる。

「…それはこちらの台詞だ。世界共栄連盟内では、人や亜人の奴隷化並びに人身売買が禁止されている。それなのに、人間を更には、同盟国の軍人を奴隷化すると発言した、そこの男の方が大問題だと思わないか?私はそれを止めるために、動いたに過ぎない」

「ぐっぅ…」

光太郎の発言に護衛の者達は黙り込むしか無かった。

「そんなに不満ならば、この近くに居るローベルト首相に相談してみれば?まぁ、これだけの証言者が居る中、あなたがたの言い訳が通ることは無いでしょうが…」

「~~~っ!!!」

護衛の者達は声にならない叫びを上げ、男を連れてそそくさと撤退して行った。

オ~~~~!!

光太郎が見事に迷惑客を撃退し、周りで見守っていた者達は声を出しながら拍手を送る。

「山本司令、助かりました…!お礼として、今回の代金は無償とします!」

「なに、部下を守ったに過ぎないよ…」

「いえいえ、本当に助かりました。お礼として受け取ってください!」

「それなら、その行為に甘えよう…」

店員から礼を言われながら、光太郎は注文した品を無償で頂いた。

「それじゃあ、頑張ってくれたまえ」

「はっ!」

たこ焼きを貰った光太郎は、店員達に言葉をかけてそのまま店を後にした。





たこ焼きを後にした光太郎は、それを食べるために、そのまま自分の家へと戻って行った。

「遅いですよ」

「なぜお前がいる」

光太郎が家に入り、リビングに向かうと、居るはずのない春菜が居た。

「おお、遅かったじゃないか!」

「お邪魔してまーす!」

キッチンの方から信介と零が顔を出す。
2人の顔を見て、光太郎は信介が春菜と零を家に連れ込んだということに察した。

「たこ焼き買ってくるだけで、何故こんなにも遅かったのですか?」

テーブルの上にたこ焼きが入った袋を置き、中のたこ焼きを出していく光太郎を春菜はジト目で見つめながら、遅れた原因を問い詰める。

「部下が厄介事に絡まれていたんだ。大目に見てくれ…」

春菜からの目線にうんざりしながら、光太郎は遅れた理由を答える。

「中々進展しないよね…」

「相性的にはいいと思うんだがなぁ~…」

バチバチしている光太郎と春菜をキッチンから見つめながら、皿に買ってきた物を乗せている信介と零は小さな声で話し合う。
今回、信介と零は、少しでも2人の仲を良くするために、4人で昼食を取るようにしたのだ。

「はーいお待たせー」

「焼きそばとサラダの良い出来たよー」

テーブルの上に2人分が1つの皿に盛られた焼きそばと、ボウルに入ったサラダが出される。

「それじゃあ、」
イタダキマス!

昼食が並んだことで、4人はたこ焼き、焼きそば、サラダを分けながら食べ始める。

「あっ、私が取ろうとしていたたこ焼きを取らないでください!」

「それならば、最初から食べたい分だけ、自分の皿に乗せろ…」

「酒臭い人に言われたくないです」

「あ?」

喧嘩しながらも、2人は昼食を食べ進める。

「ねぇ…見た?」

「うん、見た…」

喧嘩している2人を見ていた信介と零は、あることに気がついた。

「光太郎のやつ、自分の目の前に残っていた普通のたこ焼きを、春菜ちゃんの方に無言で運んだな…」

「春菜も春菜で、運ばれた瞬間それ食べてるし…」

((やっぱり、仲良しじゃん…))

自分達の目の前で行われている夫婦漫才に、2人は同じようなことを思いつつ、昼食を食べ進めた。
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