79 / 150
第七章~日丸国建国祭~
第73話 日丸国建国祭終幕
しおりを挟む
日丸国建国祭三日目。
その日の日丸国に訪れる観光客は、今まで訪れた人の数と比べて、一段と多かった。
更に最終日ということもあり、露店の店員達も少しでも売り上げを伸ばそうと、声を大にして客を呼び込もうとするため、日丸国中が活気に溢れていた。
そんな中、日丸国沖合では、大和と武蔵が停泊していた。
「本当にいいんですかい?」
大和の甲板の上に居るワルフが、同じく甲板に居る光太郎に尋ねた。
「構わんよ。小舟や駆逐艦だと安定させることが難しいからな」
ワルフの質問に答えながら、光太郎は甲板の上に並べられている発射装置を見つめる。
大和と武蔵の甲板の上には現在、花火玉を打ち出す発射装置が並べられている。最初は小舟から打ち上げる予定だったのだが、当日になって波が少し荒くなり、小舟では危険ということで大和と武蔵に発射装置を乗せることにしたのだ。
「しかし、大和と武蔵から上がる花火か…大和花火…」
大和型戦艦から花火を上げることに、光太郎は冗談のつもりで、花火を大和花火と称した。
「大和花火か…まだ名前を決めていなかったし、そう呼ぶようにするか!」
「えっ?」
冗談で称した花火の名前が、正式に採用されそうになり、光太郎はワルフの方を見る。
「本当にその名前でやるのか…?」
恐る恐る光太郎は、ワルフに大和花火という名前を本当に採用するのか尋ねる。
「色々考えていたが…大和花火が一番しっくりくる!」
「そ、そうか…」
適当に考えた大和花火が、日丸国の花火の名前になったことに、光太郎は恥ずかしさもあって手で顔を覆った。
光太郎の冗談から名付けられた大和花火を打ち上げる準備は着々と進んで行き、夕方ごろには完成していた。
〇
日が沈み月や星々の明かりが地上を照らし始めたころに、とある放送が始まった。
ピーン、ポーン、パーン…ポーンッ
『本日は、日丸国建国祭にお越し頂き、誠にありがとうございます。ご来場の皆様にお知らせいたします。まもなく、花火大会が開始されます。我が国の職人が、丹精込めて製作した大和花火を、どうぞお楽しみください』
ピーンポーン…パーンポーン…
島中に花火大会が始まるというアナウンスが入った。
「え~何、何?」
「花火ってなに?」
「さぁ~」
花火という物を知らない観光客達は、ざわつき始める。
だが、それは一瞬にして無くなる。
ヒュ~~…ボッボッボンッ!!
夜空に大和から打ち上げられた三つの花火が咲き誇る。
ウォ~~~!!!!
花火を見た観光客達は、声を出しながらその綺麗さに見とれる。
無論、花火はこれだけで終わらず、菊花火、牡丹花火、冠など、可能な限り再現した花火が夜空へと打ちあがり、暗闇を彩る。
「たーまやー!!」
花火を見ていた日丸国海兵の一人がそう叫ぶ。
「かーぎやー!!」
それを聞いた別の者が、対抗するように叫んだ。
2人の海兵がきっかけに、花火を見る時はそれが正しいと思い込んだ観光客が、次々と同じことを言い始める。
その後の花火大会は、何事もなくプログラム通りに行われた。
『本日の花火大会は、終了いたしました。お帰りの際は忘れ物などがないよう注意し、お気をつけてお帰りください……本日の花火大会は───』
花火大会が終わり、アナウンスが繰り返し響き渡る中、港は帰るのを惜しみながら帰国する人が大半を占めていた。
だが、日丸国建国祭の閉会式はまだ行われていないため、まだ残る人も多い。
しかしながら、祭りが終わる時は刻一刻と迫ってきている。
〇
日丸国建国祭最終日。
主要人物達と抽選で当たった者達が、千尋島の観覧会場に集まって居た。
様々な人の会話が聞こえる中、光成が前にあるステージの上に立った。
「んんっ…改めまして、皆さんこんにちは…日丸国首相竹田光成であります。皆さんに我が国、日丸国の良さを知っていただくために開催した日丸国建国祭、いかがだったでしょうか?楽しみ、そして日丸国の文化などを知っていただければ幸いです。今回の建国祭はここで終わりですが、私達はいつでも皆さんを歓迎致します。まだまだ名残惜しいですが、本日はここまでとさせてもらいます。それでは皆さん、また会いましょう…!」
光成の別れの挨拶が終わると、その場にいる者が拍手を始め、それと同時に待機していた大和と武蔵が、開幕式と同じように祝砲を放った。
しかしながら、終幕式ということで、祝砲は一発で終わらず、連続で行われた。
かくして、日丸国建国祭は無事に終了した。
祭りが終わり、残っていた者たちも、満足そうに話しながら帰り支度を始め、港には昨日の夜同様、帰国するための列ができ始める。
その日の日丸国に訪れる観光客は、今まで訪れた人の数と比べて、一段と多かった。
更に最終日ということもあり、露店の店員達も少しでも売り上げを伸ばそうと、声を大にして客を呼び込もうとするため、日丸国中が活気に溢れていた。
そんな中、日丸国沖合では、大和と武蔵が停泊していた。
「本当にいいんですかい?」
大和の甲板の上に居るワルフが、同じく甲板に居る光太郎に尋ねた。
「構わんよ。小舟や駆逐艦だと安定させることが難しいからな」
ワルフの質問に答えながら、光太郎は甲板の上に並べられている発射装置を見つめる。
大和と武蔵の甲板の上には現在、花火玉を打ち出す発射装置が並べられている。最初は小舟から打ち上げる予定だったのだが、当日になって波が少し荒くなり、小舟では危険ということで大和と武蔵に発射装置を乗せることにしたのだ。
「しかし、大和と武蔵から上がる花火か…大和花火…」
大和型戦艦から花火を上げることに、光太郎は冗談のつもりで、花火を大和花火と称した。
「大和花火か…まだ名前を決めていなかったし、そう呼ぶようにするか!」
「えっ?」
冗談で称した花火の名前が、正式に採用されそうになり、光太郎はワルフの方を見る。
「本当にその名前でやるのか…?」
恐る恐る光太郎は、ワルフに大和花火という名前を本当に採用するのか尋ねる。
「色々考えていたが…大和花火が一番しっくりくる!」
「そ、そうか…」
適当に考えた大和花火が、日丸国の花火の名前になったことに、光太郎は恥ずかしさもあって手で顔を覆った。
光太郎の冗談から名付けられた大和花火を打ち上げる準備は着々と進んで行き、夕方ごろには完成していた。
〇
日が沈み月や星々の明かりが地上を照らし始めたころに、とある放送が始まった。
ピーン、ポーン、パーン…ポーンッ
『本日は、日丸国建国祭にお越し頂き、誠にありがとうございます。ご来場の皆様にお知らせいたします。まもなく、花火大会が開始されます。我が国の職人が、丹精込めて製作した大和花火を、どうぞお楽しみください』
ピーンポーン…パーンポーン…
島中に花火大会が始まるというアナウンスが入った。
「え~何、何?」
「花火ってなに?」
「さぁ~」
花火という物を知らない観光客達は、ざわつき始める。
だが、それは一瞬にして無くなる。
ヒュ~~…ボッボッボンッ!!
夜空に大和から打ち上げられた三つの花火が咲き誇る。
ウォ~~~!!!!
花火を見た観光客達は、声を出しながらその綺麗さに見とれる。
無論、花火はこれだけで終わらず、菊花火、牡丹花火、冠など、可能な限り再現した花火が夜空へと打ちあがり、暗闇を彩る。
「たーまやー!!」
花火を見ていた日丸国海兵の一人がそう叫ぶ。
「かーぎやー!!」
それを聞いた別の者が、対抗するように叫んだ。
2人の海兵がきっかけに、花火を見る時はそれが正しいと思い込んだ観光客が、次々と同じことを言い始める。
その後の花火大会は、何事もなくプログラム通りに行われた。
『本日の花火大会は、終了いたしました。お帰りの際は忘れ物などがないよう注意し、お気をつけてお帰りください……本日の花火大会は───』
花火大会が終わり、アナウンスが繰り返し響き渡る中、港は帰るのを惜しみながら帰国する人が大半を占めていた。
だが、日丸国建国祭の閉会式はまだ行われていないため、まだ残る人も多い。
しかしながら、祭りが終わる時は刻一刻と迫ってきている。
〇
日丸国建国祭最終日。
主要人物達と抽選で当たった者達が、千尋島の観覧会場に集まって居た。
様々な人の会話が聞こえる中、光成が前にあるステージの上に立った。
「んんっ…改めまして、皆さんこんにちは…日丸国首相竹田光成であります。皆さんに我が国、日丸国の良さを知っていただくために開催した日丸国建国祭、いかがだったでしょうか?楽しみ、そして日丸国の文化などを知っていただければ幸いです。今回の建国祭はここで終わりですが、私達はいつでも皆さんを歓迎致します。まだまだ名残惜しいですが、本日はここまでとさせてもらいます。それでは皆さん、また会いましょう…!」
光成の別れの挨拶が終わると、その場にいる者が拍手を始め、それと同時に待機していた大和と武蔵が、開幕式と同じように祝砲を放った。
しかしながら、終幕式ということで、祝砲は一発で終わらず、連続で行われた。
かくして、日丸国建国祭は無事に終了した。
祭りが終わり、残っていた者たちも、満足そうに話しながら帰り支度を始め、港には昨日の夜同様、帰国するための列ができ始める。
145
あなたにおすすめの小説
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる