大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第七章~日丸国建国祭~

第73話 日丸国建国祭終幕

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日丸国建国祭三日目。
その日の日丸国に訪れる観光客は、今まで訪れた人の数と比べて、一段と多かった。
更に最終日ということもあり、露店の店員達も少しでも売り上げを伸ばそうと、声を大にして客を呼び込もうとするため、日丸国中が活気に溢れていた。
そんな中、日丸国沖合では、大和と武蔵が停泊していた。

「本当にいいんですかい?」

大和の甲板の上に居るワルフが、同じく甲板に居る光太郎に尋ねた。

「構わんよ。小舟や駆逐艦だと安定させることが難しいからな」

ワルフの質問に答えながら、光太郎は甲板の上に並べられている発射装置を見つめる。
大和と武蔵の甲板の上には現在、花火玉を打ち出す発射装置が並べられている。最初は小舟から打ち上げる予定だったのだが、当日になって波が少し荒くなり、小舟では危険ということで大和と武蔵に発射装置を乗せることにしたのだ。

「しかし、大和と武蔵から上がる花火か…大和花火…」

大和型戦艦から花火を上げることに、光太郎は冗談のつもりで、花火を大和花火と称した。

「大和花火か…まだ名前を決めていなかったし、そう呼ぶようにするか!」

「えっ?」

冗談で称した花火の名前が、正式に採用されそうになり、光太郎はワルフの方を見る。

「本当にその名前でやるのか…?」

恐る恐る光太郎は、ワルフに大和花火という名前を本当に採用するのか尋ねる。

「色々考えていたが…大和花火が一番しっくりくる!」

「そ、そうか…」

適当に考えた大和花火が、日丸国の花火の名前になったことに、光太郎は恥ずかしさもあって手で顔を覆った。
光太郎の冗談から名付けられた大和花火を打ち上げる準備は着々と進んで行き、夕方ごろには完成していた。




日が沈み月や星々の明かりが地上を照らし始めたころに、とある放送が始まった。

ピーン、ポーン、パーン…ポーンッ

『本日は、日丸国建国祭にお越し頂き、誠にありがとうございます。ご来場の皆様にお知らせいたします。まもなく、花火大会が開始されます。我が国の職人が、丹精込めて製作した大和花火を、どうぞお楽しみください』

ピーンポーン…パーンポーン…

島中に花火大会が始まるというアナウンスが入った。

「え~何、何?」

「花火ってなに?」

「さぁ~」

花火という物を知らない観光客達は、ざわつき始める。
だが、それは一瞬にして無くなる。

ヒュ~~…ボッボッボンッ!!

夜空に大和から打ち上げられた三つの花火が咲き誇る。

ウォ~~~!!!!

花火を見た観光客達は、声を出しながらその綺麗さに見とれる。
無論、花火はこれだけで終わらず、菊花火、牡丹花火、冠など、可能な限り再現した花火が夜空へと打ちあがり、暗闇を彩る。

「たーまやー!!」

花火を見ていた日丸国海兵の一人がそう叫ぶ。

「かーぎやー!!」

それを聞いた別の者が、対抗するように叫んだ。
2人の海兵がきっかけに、花火を見る時はそれが正しいと思い込んだ観光客が、次々と同じことを言い始める。
その後の花火大会は、何事もなくプログラム通りに行われた。

『本日の花火大会は、終了いたしました。お帰りの際は忘れ物などがないよう注意し、お気をつけてお帰りください……本日の花火大会は───』

花火大会が終わり、アナウンスが繰り返し響き渡る中、港は帰るのを惜しみながら帰国する人が大半を占めていた。
だが、日丸国建国祭の閉会式はまだ行われていないため、まだ残る人も多い。
しかしながら、祭りが終わる時は刻一刻と迫ってきている。





日丸国建国祭最終日。
主要人物達と抽選で当たった者達が、千尋島の観覧会場に集まって居た。
様々な人の会話が聞こえる中、光成が前にあるステージの上に立った。

「んんっ…改めまして、皆さんこんにちは…日丸国首相竹田光成であります。皆さんに我が国、日丸国の良さを知っていただくために開催した日丸国建国祭、いかがだったでしょうか?楽しみ、そして日丸国の文化などを知っていただければ幸いです。今回の建国祭はここで終わりですが、私達はいつでも皆さんを歓迎致します。まだまだ名残惜しいですが、本日はここまでとさせてもらいます。それでは皆さん、また会いましょう…!」

光成の別れの挨拶が終わると、その場にいる者が拍手を始め、それと同時に待機していた大和と武蔵が、開幕式と同じように祝砲を放った。
しかしながら、終幕式ということで、祝砲は一発で終わらず、連続で行われた。
かくして、日丸国建国祭は無事に終了した。
祭りが終わり、残っていた者たちも、満足そうに話しながら帰り支度を始め、港には昨日の夜同様、帰国するための列ができ始める。
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