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第七章~日丸国建国祭~
第75話 異世界の不沈戦艦
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大和型戦艦111号艦。戦局の変化により、建造中止解体されてしまった艦艇。そんな艦艇も大和、武蔵、信濃同様、世界が変われば運命も大きく変わってくる。
その世界では第二次世界大戦が史実通りに動いていた。だが、終戦時に対空兵装を多く積んだ111号艦こと、大和型戦艦四番艦紀伊が完成、しかしながら紀伊は、進水前に終戦を迎えたため、出撃することはなかった。
GHQは最初、紀伊を空母へ改修しようとしていたが、ソ連との冷戦が始まったことにより、日本の護衛艦隊の指揮艦にすることにした。その後の紀伊は、何度も現代化改修を受け、100年以上の間日本を守り続けた。
2088年11月16日、台湾での衝突により発生した第三次世界大戦が終結、核兵器が使用されたこの大戦に、人類は世界統一を唱え、2088年12月25日、人類はようやく一つになった。
これを機に世界中で大規模軍縮が始まり、紀伊もその対象となった。
〇
「…本当に酷い物ね……」
紀伊の第一艦橋にて、元海上自衛隊護衛戦艦紀伊艦長速水 千夏は一人そう呟く。
『酷いとは…?』
夏樹の言葉に反応したのは、立体映像で姿を現している日本製高性能自立型管理AI『ユキ』だった。
この世界ではAI技術が発達しており、大戦終戦時頃には突撃自爆自立無人機までが出てくるほどだった。
「100年以上、日本のために戦い抜いた紀伊の最後が、自沈処分というのが酷いっと思ってね…」
ユキからの質問に千夏は、溜息を付きながら答える。
紀伊は現在、大規模な軍縮により下された自沈処分を行うため、紀伊乗組員の退艦先の艦艇、駆逐艦早梅、山櫻の二隻と艦隊を組んで、移動中である。
日本国民はこれに反対したのだが、紀伊の強さに恐怖を感じていた隣国の者達の強い要望に負け、せめて同型艦の大和が眠る場所に眠らせてあげようということになったのだ。
『本当にね~…第三次世界大戦を戦い抜いた武勲艦に、この扱いはないわよ』
自沈ということにユキも批判する。
「…ユキちゃんは怖くないの?」
『…』
夏美の質問に、ユキは黙り込む。
ユキは第三次世界大戦中に、ハッキング対策に完全自立型となっている。だが、それ故に紀伊から降ろしたり、削除ができないようになっているのだ。更にユキ本体のコンピューターは防水加工が施されて、コンピューターがある一室は分厚い鉄の壁で囲われているため、自沈後も損傷することはないと言わている。
『怖いという感情はないわ!大和と紀伊を見ながら朽ち果てるまで待つ、それだけよ。ただ、寂しいと思うけどね』
「…」
ユキは明るく振る舞うが、夏美は悔しさと何もできない自分への怒りが湧いて来る。
第一艦橋に重い空気が流れる中、紀伊は坊ノ岬に向けて進む。
坊ノ岬が近づいてきたころ、三隻は濃霧に包まれる。
「この時期に濃霧は妙だね…」
『そうね…早梅と山櫻に気を付けるよう報告しまっ──す───か────』
「ユキちゃん?どうしたの?」
ユキの様子が突如おかしくなり、夏美は驚きながらも何が起きているのか聞く。
『う、ううううう宇宙規模のののnえねえねエネルをkんそ、eeeee…Error! Error! Erro……』
「ユキちゃん!?」
ホログラムが乱れながらユキはバグり、そのまま消えてしまった。
「こちら第一艦橋!自立型管理AIに問題発生!自立型管理AIに問題発生!!本艦はこれより手動運航に切り替える!!全員直ちに持ち場に着け!!繰り返す!!自立型管理AIに問題発生!!これより手動運航に切り替える!!!全員持ち場に着け!!!」
謎のエラーによりユキが動けないと判断した夏美は、警報を鳴らしながら艦内に居る乗組員達にアナウンスする。
思いもよらない緊急事態に、乗組員達は動き始める。
それと同時に、
『こちら船務長藤本!レーダー等が反応しない!!』
『こちら通信長南!艦内通信以外の通信機が反応しない!!』
第一艦橋に次々と問題が入ってくる。
「……一体、どうなっているの…!ねぇ、ユキちゃん、紀伊!!」
今まで経験したことがない事態に夏美は、ユキと紀伊に呼びかける。
しかし、夏美の質問に答える者は居らず、紀伊は警報を鳴らしながら、濃霧を進んでいった。
その世界では第二次世界大戦が史実通りに動いていた。だが、終戦時に対空兵装を多く積んだ111号艦こと、大和型戦艦四番艦紀伊が完成、しかしながら紀伊は、進水前に終戦を迎えたため、出撃することはなかった。
GHQは最初、紀伊を空母へ改修しようとしていたが、ソ連との冷戦が始まったことにより、日本の護衛艦隊の指揮艦にすることにした。その後の紀伊は、何度も現代化改修を受け、100年以上の間日本を守り続けた。
2088年11月16日、台湾での衝突により発生した第三次世界大戦が終結、核兵器が使用されたこの大戦に、人類は世界統一を唱え、2088年12月25日、人類はようやく一つになった。
これを機に世界中で大規模軍縮が始まり、紀伊もその対象となった。
〇
「…本当に酷い物ね……」
紀伊の第一艦橋にて、元海上自衛隊護衛戦艦紀伊艦長速水 千夏は一人そう呟く。
『酷いとは…?』
夏樹の言葉に反応したのは、立体映像で姿を現している日本製高性能自立型管理AI『ユキ』だった。
この世界ではAI技術が発達しており、大戦終戦時頃には突撃自爆自立無人機までが出てくるほどだった。
「100年以上、日本のために戦い抜いた紀伊の最後が、自沈処分というのが酷いっと思ってね…」
ユキからの質問に千夏は、溜息を付きながら答える。
紀伊は現在、大規模な軍縮により下された自沈処分を行うため、紀伊乗組員の退艦先の艦艇、駆逐艦早梅、山櫻の二隻と艦隊を組んで、移動中である。
日本国民はこれに反対したのだが、紀伊の強さに恐怖を感じていた隣国の者達の強い要望に負け、せめて同型艦の大和が眠る場所に眠らせてあげようということになったのだ。
『本当にね~…第三次世界大戦を戦い抜いた武勲艦に、この扱いはないわよ』
自沈ということにユキも批判する。
「…ユキちゃんは怖くないの?」
『…』
夏美の質問に、ユキは黙り込む。
ユキは第三次世界大戦中に、ハッキング対策に完全自立型となっている。だが、それ故に紀伊から降ろしたり、削除ができないようになっているのだ。更にユキ本体のコンピューターは防水加工が施されて、コンピューターがある一室は分厚い鉄の壁で囲われているため、自沈後も損傷することはないと言わている。
『怖いという感情はないわ!大和と紀伊を見ながら朽ち果てるまで待つ、それだけよ。ただ、寂しいと思うけどね』
「…」
ユキは明るく振る舞うが、夏美は悔しさと何もできない自分への怒りが湧いて来る。
第一艦橋に重い空気が流れる中、紀伊は坊ノ岬に向けて進む。
坊ノ岬が近づいてきたころ、三隻は濃霧に包まれる。
「この時期に濃霧は妙だね…」
『そうね…早梅と山櫻に気を付けるよう報告しまっ──す───か────』
「ユキちゃん?どうしたの?」
ユキの様子が突如おかしくなり、夏美は驚きながらも何が起きているのか聞く。
『う、ううううう宇宙規模のののnえねえねエネルをkんそ、eeeee…Error! Error! Erro……』
「ユキちゃん!?」
ホログラムが乱れながらユキはバグり、そのまま消えてしまった。
「こちら第一艦橋!自立型管理AIに問題発生!自立型管理AIに問題発生!!本艦はこれより手動運航に切り替える!!全員直ちに持ち場に着け!!繰り返す!!自立型管理AIに問題発生!!これより手動運航に切り替える!!!全員持ち場に着け!!!」
謎のエラーによりユキが動けないと判断した夏美は、警報を鳴らしながら艦内に居る乗組員達にアナウンスする。
思いもよらない緊急事態に、乗組員達は動き始める。
それと同時に、
『こちら船務長藤本!レーダー等が反応しない!!』
『こちら通信長南!艦内通信以外の通信機が反応しない!!』
第一艦橋に次々と問題が入ってくる。
「……一体、どうなっているの…!ねぇ、ユキちゃん、紀伊!!」
今まで経験したことがない事態に夏美は、ユキと紀伊に呼びかける。
しかし、夏美の質問に答える者は居らず、紀伊は警報を鳴らしながら、濃霧を進んでいった。
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