大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第八章〜統一戦争〜

第86話 ミヤーデル要撃戦

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時は少し遡り、王国軍が桜花艦隊による艦砲射撃を受け始めたの時、東側のミヤーデル上空10000mには、旧アルハバト領内にある大型飛行場から飛びだった、帝国空軍ロイヤルエセリアルの大型爆撃機「ヴィーヴル」5機が、護衛の要撃機「カイム」10機と共に、ミルバルに向けて飛行していた。
爆撃隊の隊長機のヴィーヴル機内、爆撃隊隊長を任せたられたカルヤ・F・シュタインは、機嫌良さそうに鼻歌を歌っていた。

「ご機嫌ですね隊長…何があったんですかい?」

操縦を行っている部下のドナルド・ザパークは、カルヤに機嫌が良い理由を尋ねた。

「我々が最初に新型機のヴィーヴルを支給されたのだ、機嫌がよくならないわけがないだろう?」

「確かに…他の連中に自慢できますね!」

「ああ…!」

カルヤから機嫌が良い理由を聞いたドナルドは、納得し同僚に自慢できると思いニヤリと笑った。

「しかし、爆撃だけで十分なのでは?空挺団投下までは連中如きに必要ないと思うのですが…」

操縦に集中しながら、ドナルドは空挺団の必要性をカルヤに尋ねた。
現在、爆撃隊の後に続くよう、要撃機カイムに護衛された輸送機が、空挺団を乗せミルバルに向けて飛んでいる。
しかしながらドナルドは、対空兵器がないと言われている相手には、爆撃で十分だと思っているのだ。

「今敵の勢力の殆どは前線に出ている。故に、爆撃で司令部を破壊した後、空挺団で挟み撃ちにすれば、降伏に追い込めるとは思わんか?」

ドナルドの質問にカルヤは、愛用のサングラスを服で拭きながら答える。

「それに、いくら空から攻撃しても、占領するためには兵や戦車が必要となる。俺たちは陸や海が動きやすくなるようの助っ人だと、よーく覚えとけ」

拭き終えたサングラスを掛けながら、カルヤはドナルドに己が考えている空軍の在り方を説いた。

「…なるほど、よーく分かりましたよ隊長」

カルヤの自論を聞いたドナルドは、納得しつつヴィーヴルの操作に集中することにした。





爆撃隊はその後、何事もなくミヤーデルの山頂を越え、ミルバルへと向かう。そんな中、

『ザーーッ あー、あー……こちら、第六、混せ─師団。こちら第六混成師団、爆撃隊聞こえるか?前線部隊の消耗が激しい、至急火力支援を求む。繰り返す、前線部隊の消耗が激しい、至急火力支援をもとブツッ

雑音混じりの通信で。第六混成師団から火力支援要請が送られてきた。

「……全機に告ぐ、味方はどうやら我々を頼りにしているらしい……彼らからの期待に応えるべく、急ぐぞ!!」

第六混成師団からの通信を受け取ったカルヤは、爆撃隊の移動速度を上げさせる。
通信を受け取ってから十数分後、爆撃隊はミルバルまであと一歩の所まで迫っていた。

「よし、投下用意!」

時計を確認したカルヤから命令が降り、爆撃隊全機がミルバルを火の海にするべく、2000mまで高度を下げたその時、

ボンッ!ドカーン!!

3番機の右翼の発動機がいきなり爆発を起こし、そのまま他の発動機に引火、大きな爆発を引き起こして、3番機の右翼が根元から折れ、3番機は墜落していく。

「何が起きて!?」

墜落していく3番機を見つめながら、カルヤは状況を把握しようとした。

「隊長!下に何います!」

「何!?」

爆弾の投下準備を進めていた隊員が下に何かを見つけたので、カルヤは爆撃用の望遠鏡を覗いてみることにした。

「巨人だと!?」

望遠鏡の先に居たのは、日丸国陸軍人魔混成大隊に所属する5体の巨人族ジャイアントだった。
カルヤが、そのまま巨人の動きを見ていると、巨人達は1m程ある岩を手持ちの大きなパチンコで、爆撃隊向けて放った。
巨人達が撃ち出した5個の岩は、5個中2個が2番機のコックピット付近と、尾翼付近にそれぞれ命中、2番機は爆発を引き起こしながら、墜落して行った。

「カイム全機に告ぐ、今すぐ巨人を蜂の巣にせよ!繰り返す!今すぐ巨人共を蜂の巣にしろ!!」

このままでは岩で新型機が全機落とされるという不名誉なことが起きると判断したカルヤは、護衛の要撃機を巨人の元へと向かわせ、倒そうとするが、

ダダダダダ!!!

これを待っていたと言わんばかりに、迷彩ネットで隠されていた12.7cm対空連装速射砲が、カイムの迎撃を開始した。

「何故こんなところに対空砲がッドォーン!

「バランスが取れない!もうダメだァーーー!!」

巨人を倒すだけだと思っていたカイムのパイロットは、様々な位置に設置された対空砲に翻弄され、次々と撃墜されていく。
対空砲にカイムの相手を任せ、巨人達は次々と岩をパチンコで打ち出し、爆撃機を撃墜する。

「……残存勢力に告ぐ、全機撤退!全機撤退せよ!!輸送機にもそう伝え!!」

両翼を吹き飛んだ5番機を見たカルヤは、全機撤退という苦渋の決断を下す。

「通信長!後続の輸送機にもそう伝えろ!」

「は、はドォーン!

輸送機も守るためにも、カルヤは通信長に同じ通信を行うように伝えたその瞬間、カルヤ達のヴィーヴルにも巨人の岩が当たった。

「どうした!?」

機体が大きく揺れる中、カルヤはドナルドに何が起きているのか尋ねた。

「岩の破片が右翼の1番発動機に命中!出力低下、このままでは墜落します!」

「仕方あるまい……4番機に指揮権を移行、俺達はこのまま海に不時着する!」

ドナルドから発動機に異常が起きたと聞いたカルヤは、帰還は無理だと判断し、指揮権を移行させて海に不時着することにした。

「頼むぞドナルド!」

「任せてください…!」

海に不時着するため、ドナルドは何とかヴィーヴルのバランスを保たせ、海へと高度を落としながら進む。

「届けーー!!!」

ドナルドの賢明な操作により、ヴィーヴルはギリギリの所で海に不時着することが出来た。

「よくやったドナルド……」

気が抜けたカルヤは、何とか海に不時着させたドナルドを誉める。

「まぁ、これからが大変だと思うんですけどね~」

褒められたドナルドは、恥ずかしそうに頬を搔きながら、これからのことを心配した。
その後、彼らは海原に保護され、原型を留めていたヴィーヴルは陸へと上げ、鹵獲されることになった。
ミヤーデル方面で起きた要撃戦は、大型爆撃機「ヴィーヴル」3機、要撃機「カイム」8機撃墜、大型爆撃機「ヴィーヴル」1機鹵獲、敵空挺団降下作戦の中止という連盟軍側の勝利で幕を閉じた。
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