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第八章〜統一戦争〜
第93話 紀伊脱出
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ロレック王国首都バーンイルの中心部にある国王宮殿にて、ロレック王国国王ジョン・ロレックは、部屋の中をウロウロとしていた。
「…何故だ何故だ何故だ!!何故、さっさと攻撃を開始しない…!!準備は出来ているのであろう!?」
落ち着きがないジョンは、家臣に浅瀬で停泊している紀伊を指さしながら、攻撃を行わない理由を聞いた。
「しかしながら、陛下…!未だ周辺地域の民間人の避難が終わっていないのです。もし今、敵を攻撃し挑発すれば、被害は甚大なものになると…!」
攻撃を行なわい理由を家臣は答える。
「黙れ!愚民どもの命なぞどうでも良い!!さっさと始めんか!!これは王の命令だ!さっさと攻撃を始めよ!!」
「…………はっ………それでは、失礼します……」
これなら大帝国に直接支配されていた方がマシだと思いながら、家臣は後で命令を上手い具合に誤魔化しておこうと決意し、部屋から出ようとしたその時、
「陛下!緊急事態でございます!!」
「なんだね騒々しい…」
別の家臣が、慌てた様子で部屋に入ってきた。
「先程、シャールス師団長から通信があり、アーガス共和国が侵攻を開始、現在軍を分担し、第六混成師団を中心とした王国軍は、西へと進路を変えて進軍中とのことです」
「何!?」
慌てて入ってきた家臣からの報告に、ジョンは驚き直ぐに怒りが湧いてきた。
「ヨークめ…!勝手な真似を…!!」
(陛下に報告すれば、余計なことをしかねないと判断し、既成事実を作った後に報告をしたな…)
ヨークの行動にジョンがキレる中、家臣の1人はヨークが既成事実化した後に、報告したということを察した。
「もうよい、奴が好き勝手に行動するのであれば、こちらもそうしよう!」
「…へ、陛下!お待ちを!!」
ジョンが部屋を出て行き、何をするかを気づいた家臣は止めるために後を追う。
怒るジョンが向かったのは、国王宮殿内にある放送室だった。
「邪魔だ退けぃ!」
「へ、陛下!?」
放送室に居た兵士を殴り飛ばし、ジョンはマイクを手に取った。
「全軍に次ぐ!大和へ攻撃を開始せよ!!繰り返す!大和を攻撃せよ!!これは国王命令だ!!!」
マイクを取ったジョンは、一方的に命令を飛ばし、そのまま乱雑にマイクを投げ飛ばした。
「……っ!」
止めきれなかったことに追ってきた家臣が悔やむ中、ジョンはそれを無視して部屋を出る。
「私はこのまま地下に避難する…あとは任せる」
悔やんでいる家臣に、避難先などを伝えた後、ジョンはそのまま安全な地下へと避難して行った。
「皆、済まない…!」
無能な国王を停めきれなかったことに、家臣は自身の無能さを嘆き、これから犠牲になってしまうだろう者達に謝罪した。
〇
「不味いな…」
紀伊の第一艦橋にて、千夏は嫌な予感を感じていた。
それもそのはず、先程まで居なかった戦車が姿を表し、主砲を紀伊に向けているのだ。
「…全艦戦闘態勢!UD-BV発進用意!」
このまま後手に回ってはやられると判断した千夏は、いざと言う時のため、戦闘態勢へと移行させる。
「サイバー班、進捗はどうか?」
『よーーしッ!取ったァーーーッ!!!』
サイバー班の状況を確認するため、通信を繋げた時、班長胡桃木 瑠偉の叫び声が響き、千夏は少し驚いた。
『えー…こちらサイバー班、ユキのシステム中枢に侵入することに成功、これより再起動を行います』
「わ、分かった…引き続き頼む」
瑠偉の変わり、報告してくれた班員に状況を聞き、千夏は引き続き頼む。
「よし、再起動に時間がかかるとはいえ、十数分有れば…!」
千夏が安堵したその時だった。
バゴンッ!
爆発音と共に船体が大きく揺れる。
「まさかっ!?」
千夏は双眼鏡を使い、街の方を見てみる。
双眼鏡を覗いてみると、海岸にいた軍が紀伊に攻撃を始めていた。
ドォン!!
「うぐっ…!」
戦車の砲撃が命中し、船体が再び大きく揺れる。
「サイバー班、復旧はまだ!?」
『後、2分程だ!何とか時間を稼いでくれ!』
船体が揺れる中、千夏はサイバー班に通信を送り、瑠偉が質問に答えた。
「分かった!」
瑠偉に返事をしながら、千夏は通信を切り替える。
「システム復旧まで2分だ!副砲、高射砲、機関銃、攻撃開始!サイバー班が、システムを復旧させるまで敵を紀伊に近づかせるな!!」
通信を切り替えた千夏は、乗組員を鼓舞する。
艦長から命令が降り、斜線が通る銃火器が、攻撃してきた王国軍に火を噴く。
圧倒的な銃火器の前に、王国軍は為す術なく倒され、砲撃を受けつつもサイバー班に言われた通り、2分稼ぐことが出来た。
『全システム復旧完了!』
「後進一杯!急げ!!」
全てのシステムが復旧したことで、千夏は紀伊を後進させる。
『ダメです!抜け出せません…!』
操舵室から抜け出せないという報告を受けた千夏が、苦虫を噛み潰したよな表情を浮かべたその時、
『……早梅、山櫻に干渉部分の座標を送信………約40秒後に魚雷が来ます』
復旧したユキが、行動に出ていた。
「ユキちゃん…!」
『今はここを出ましょ!』
ユキが復活したことに、千夏は嬉しそうな笑みを浮かべ、ユキはウィンクをしながら返事を返した。
「まもなく魚雷が届く!総員何かに掴まれ!!」
千夏が魚雷のことを報告してから数秒後、早梅と山櫻から放たれた魚雷が、紀伊が座礁している箇所に命中し、水柱と共に船体が大きく揺れる。
『抜け出せました!!』
「反転、180度!現海域を離れる!!」
抜け出せた紀伊は、そのまま艦首を180度回頭し、駆逐艦と共にバーンイルを背に、離れて行った。
「…何故だ何故だ何故だ!!何故、さっさと攻撃を開始しない…!!準備は出来ているのであろう!?」
落ち着きがないジョンは、家臣に浅瀬で停泊している紀伊を指さしながら、攻撃を行わない理由を聞いた。
「しかしながら、陛下…!未だ周辺地域の民間人の避難が終わっていないのです。もし今、敵を攻撃し挑発すれば、被害は甚大なものになると…!」
攻撃を行なわい理由を家臣は答える。
「黙れ!愚民どもの命なぞどうでも良い!!さっさと始めんか!!これは王の命令だ!さっさと攻撃を始めよ!!」
「…………はっ………それでは、失礼します……」
これなら大帝国に直接支配されていた方がマシだと思いながら、家臣は後で命令を上手い具合に誤魔化しておこうと決意し、部屋から出ようとしたその時、
「陛下!緊急事態でございます!!」
「なんだね騒々しい…」
別の家臣が、慌てた様子で部屋に入ってきた。
「先程、シャールス師団長から通信があり、アーガス共和国が侵攻を開始、現在軍を分担し、第六混成師団を中心とした王国軍は、西へと進路を変えて進軍中とのことです」
「何!?」
慌てて入ってきた家臣からの報告に、ジョンは驚き直ぐに怒りが湧いてきた。
「ヨークめ…!勝手な真似を…!!」
(陛下に報告すれば、余計なことをしかねないと判断し、既成事実を作った後に報告をしたな…)
ヨークの行動にジョンがキレる中、家臣の1人はヨークが既成事実化した後に、報告したということを察した。
「もうよい、奴が好き勝手に行動するのであれば、こちらもそうしよう!」
「…へ、陛下!お待ちを!!」
ジョンが部屋を出て行き、何をするかを気づいた家臣は止めるために後を追う。
怒るジョンが向かったのは、国王宮殿内にある放送室だった。
「邪魔だ退けぃ!」
「へ、陛下!?」
放送室に居た兵士を殴り飛ばし、ジョンはマイクを手に取った。
「全軍に次ぐ!大和へ攻撃を開始せよ!!繰り返す!大和を攻撃せよ!!これは国王命令だ!!!」
マイクを取ったジョンは、一方的に命令を飛ばし、そのまま乱雑にマイクを投げ飛ばした。
「……っ!」
止めきれなかったことに追ってきた家臣が悔やむ中、ジョンはそれを無視して部屋を出る。
「私はこのまま地下に避難する…あとは任せる」
悔やんでいる家臣に、避難先などを伝えた後、ジョンはそのまま安全な地下へと避難して行った。
「皆、済まない…!」
無能な国王を停めきれなかったことに、家臣は自身の無能さを嘆き、これから犠牲になってしまうだろう者達に謝罪した。
〇
「不味いな…」
紀伊の第一艦橋にて、千夏は嫌な予感を感じていた。
それもそのはず、先程まで居なかった戦車が姿を表し、主砲を紀伊に向けているのだ。
「…全艦戦闘態勢!UD-BV発進用意!」
このまま後手に回ってはやられると判断した千夏は、いざと言う時のため、戦闘態勢へと移行させる。
「サイバー班、進捗はどうか?」
『よーーしッ!取ったァーーーッ!!!』
サイバー班の状況を確認するため、通信を繋げた時、班長胡桃木 瑠偉の叫び声が響き、千夏は少し驚いた。
『えー…こちらサイバー班、ユキのシステム中枢に侵入することに成功、これより再起動を行います』
「わ、分かった…引き続き頼む」
瑠偉の変わり、報告してくれた班員に状況を聞き、千夏は引き続き頼む。
「よし、再起動に時間がかかるとはいえ、十数分有れば…!」
千夏が安堵したその時だった。
バゴンッ!
爆発音と共に船体が大きく揺れる。
「まさかっ!?」
千夏は双眼鏡を使い、街の方を見てみる。
双眼鏡を覗いてみると、海岸にいた軍が紀伊に攻撃を始めていた。
ドォン!!
「うぐっ…!」
戦車の砲撃が命中し、船体が再び大きく揺れる。
「サイバー班、復旧はまだ!?」
『後、2分程だ!何とか時間を稼いでくれ!』
船体が揺れる中、千夏はサイバー班に通信を送り、瑠偉が質問に答えた。
「分かった!」
瑠偉に返事をしながら、千夏は通信を切り替える。
「システム復旧まで2分だ!副砲、高射砲、機関銃、攻撃開始!サイバー班が、システムを復旧させるまで敵を紀伊に近づかせるな!!」
通信を切り替えた千夏は、乗組員を鼓舞する。
艦長から命令が降り、斜線が通る銃火器が、攻撃してきた王国軍に火を噴く。
圧倒的な銃火器の前に、王国軍は為す術なく倒され、砲撃を受けつつもサイバー班に言われた通り、2分稼ぐことが出来た。
『全システム復旧完了!』
「後進一杯!急げ!!」
全てのシステムが復旧したことで、千夏は紀伊を後進させる。
『ダメです!抜け出せません…!』
操舵室から抜け出せないという報告を受けた千夏が、苦虫を噛み潰したよな表情を浮かべたその時、
『……早梅、山櫻に干渉部分の座標を送信………約40秒後に魚雷が来ます』
復旧したユキが、行動に出ていた。
「ユキちゃん…!」
『今はここを出ましょ!』
ユキが復活したことに、千夏は嬉しそうな笑みを浮かべ、ユキはウィンクをしながら返事を返した。
「まもなく魚雷が届く!総員何かに掴まれ!!」
千夏が魚雷のことを報告してから数秒後、早梅と山櫻から放たれた魚雷が、紀伊が座礁している箇所に命中し、水柱と共に船体が大きく揺れる。
『抜け出せました!!』
「反転、180度!現海域を離れる!!」
抜け出せた紀伊は、そのまま艦首を180度回頭し、駆逐艦と共にバーンイルを背に、離れて行った。
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