大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

文字の大きさ
105 / 150
第八章〜統一戦争〜

第99話 休戦の提案

しおりを挟む
第四軍団アポストルス副団長ゴードル・ウィードルムは、数名の護衛を引き連れて、トラックで連盟軍との前線へと向かっていた。

「あれか…」

トラックに乗っていたゴードルは、アーガス国防軍と日丸国軍と戦っているロレック王国軍の拠点を見ながらそう呟く。
そしてトラックは、そのままその拠点内へと入っていき、テントの隣で停まった。

「誰だ!?」

停まったトラックに銃口を向けながら、王国軍が集まってくる。

「私だ、第四軍団アポストルスの副団長、ゴードル・ウィードルムだ!」

「し、失礼致しました!!」

トラックから降りながら、ゴードルは自分の身分を明かし、それを聞いた兵士達は、慌てて敬礼し銃口を向けたことを謝罪する。
謝罪されながら、ゴードルは王国軍の軍団長が居るだろうテントへと入って行った。

「軍団長は居るか!?」

ゴードルはテント内へと入るや否や、軍団長を呼び出した。

「ウィードルム副団長!?敬礼!!」

ゴードルの姿を見た王国軍第三軍軍団長マリス・ルーブルドは、他の者と共に慌てて敬礼する。

「ルーブルド軍団長、今すぐ全軍に停戦命令を出したまえ…!」

「は?言っている意味がよく分からないのですが…」

ゴードルから突然停戦命令を出すように言われ、マリスは首を傾げながら意味を尋ねた。

「現在、我々はアーガス共和国と休戦協定を結ぼうと考えていてな…そのことをアーガス共和国の者達に伝えるため、君たちの所にやってきたのだ。だが、戦闘している状態では話し合いは出来ん、そのため今停戦命令を出すように命じたのだよ」

マリスからの質問に、ゴードルは胸を張りながら詳しく停戦命令を出すように命じた理由を述べる。

「それは出来かねます!我々は祖国を守るために戦闘しているのですぞ!!休戦協定なんて結べば、奴らに降伏するのも同然です!!」

理由を聞いたマリスは、ゴードルの休戦協定に猛反対する。
マリスの態度を見たゴードルは、溜息を吐いた後、

「マリス・ルーブルド…!」

威圧感を出しながら、マリスのフルネームを呼び、睨みつける。
睨みつけられたマリスはビクッと身体を震わせ、その威圧感に追いやられる。

「現在、王国軍は第四軍団の統制下にある…貴様を命令違反として軍法会議にかけることもできるのだぞ?」

「…」

ゴードルの威圧にやられ、マリスはただ身体を震わせ冷や汗を流しながら、話を聞くしか出来なかった。

「もう一度言う…ルーブルド軍団長、第三軍に停戦命令を出したまえ…」

「………はっ…!」

自分の立場をハッキリと理解したマリスは、ゴードルの命令通りに、第三軍に停戦命令を出すことにした。

「では、私は彼らとの交渉へ向かう…」

マリスに停戦命令を出させたあと、ゴードルは日丸国とアーガス共和国と休戦協定を結ぶため、テントから出ようとする。

「……ああそれと、まもなくしたら第四軍団に所属する歩兵師団がここに来る…変な真似はしない方が身のためだぞ?」

ゴードルは思い出したかのようにマリスに釘を刺し、そのままテントを出てトラックに乗車、そして前線へと向かって行った。





「…妙だな……」

マリス達とは真反対の位置に停車している装甲車の中にて、ルビットは今の状況を不思議に思う。
ルビット達が不思議に思っている理由は、先程、攻撃を仕掛けていた王国軍が、いきなり攻撃を中止したという報告が入ったからだ。

「敵に何かあったのでしょうか…?」

アーガス国防軍第一軍団軍団長、リュース・エルフラントは、敵に何かあったと予想する。

「アルフレッド大将!宮下大将!エルフラント大将!大帝国の第四軍団の副団長を名乗る者が、話がしたいと前線部隊に接触してきたみたいなのですが…どう致しましょう?」

敵に何かあったのか、それとも罠かと考えていた3人の元に、通信兵から敵軍が話をしたがっているという報告が届く。

「どうします?」

報告を受けた3人は顔を見合わせる。

「……会ってみるしかないでしょう…」

「ですね…おい、その者にはすぐに其方に向かうと連絡をしてくれ!」

「はっ!」

少し間を開けたのち、3人はその者と会ってみることにした。
装甲車から出た3人は、軍用車に乗り換え前線に向かうことにした。





先程まで三国がぶつかり合っていた戦場は、両軍に停戦命令が出たため、異様なまでに静かになっていた。
それ故にルビット達が乗っている車のエンジンが響く。
そして3人を乗せた車は、戦場にポツンと止まっている車の横に停まる。

「初めまして…私は帝国陸軍ロイヤルグランド第四軍団アポストルスの副団長、ゴードル・ウィードルムだ。この度は、貴殿らと休戦協定を結びたいと思い、こうして出向きました」

3人が車を降りたのを見たゴードルは、自己紹介と話し合いに来た理由を述べた。

「休戦協定?それは一方的過ぎませんか…?」

唐突な休戦協定の締結に、リュースは首を傾げながら難色を示す。

「アーガス大陸の西側の土地をそちらに差し上げ、アーガス大陸を半分に分けるように、互いに統治するというのがこちからの提案だ……」

リュースの質問に、ゴードルは答えることなく、休戦協定の内容を説明する。

「期限は1週間、それまでに返事がない場合は、我々第四軍団は、この戦争に加担する…以上だ」

「おい、待て!」

ゴードルは一方的に休戦協定の返事までの期限を提示し、更にそれを過ぎた際に起こることを話し、リュースの静止を無視して、そのまま去って行った。

「……これが大帝国のやり方か………」

虎哲は去っていくゴードルを乗せた車を目で追いながら呟いた。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...