大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第九章〜世界大戦〜

第107話 バッフル逃亡劇

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「はぁ……分かりました。それでは失礼致します」

大帝国の判断を聞いたシンシアは、ため息を吐いたあと退出しようしたが、

『敵国をみすみす見逃す奴が何処にいる!憲兵隊、今すぐ奴らを捉えよ!!』

モーロルの指示を受け、数十名の憲兵が部屋に入ってきた。

「これなら、魔法通信でやった方が良かったですね…」

「ですね…」

直接会ってやるべきではなかったと後悔しながら、光太郎達はそれぞれ武器を構える。

「天野、シンシア抱えて走る準備してくれ」

「はっ!」

護衛に選ばれていた美菜は、光太郎から指示を受け、シンシアを抱えた。

「田村、閃光弾投擲後、サブマシンガンを乱射しろ!それだけで通路を開けることが出来る」

「了解致しました!」

同じく護衛に着いていた仁司は、持っていた閃光弾を1つ手に持ち、ピンを抜き憲兵隊に向かって投げた。

「全員目を塞げ!!」

閃光弾を投げた仁司は、セレーネ連邦国、シュヴァルツ共和国、アーガス共和国の者達に向かって、そう叫ぶ。
三国の外交官と護衛の者達は、言われた通り目を瞑り、それと同時に閃光弾が眩い光を放つ。

「ぐあっ!」

「ぎゃっ!!」

仁司が言っていることを理解できなかった大帝国の憲兵達は、注意するために閃光弾の方を見ていたため、直視してしまい目をやられる。

ダダダダダダ!!!!!!!

「今だ、逃げるぞ!」

光太郎に言われた通り、仁司が誰もいない所にサブマシンガンを乱射した後、光太郎はそのまま全員を連れて逃げ始める。
閃光弾に目を潰された憲兵達にとって、道の音は恐怖の対象でしかなく、全員が目を抑えながら地面に蹲っていた。
その間に、光太郎を戦闘に外交官と護衛の者達は港に向かって逃亡を始める。

『に、逃がすなぁ!追えーー!!』

憲兵と同じく閃光弾にやられたモーロルは、目を押えながら追うように命じた。





「山稜!交渉決裂だ!今すぐに出航用意しろ!他国にもそう伝えろ!」

『はっ!!』

魔法を代用して作り出した特性のインカムで、光太郎は待機している春菜達にそう伝える。

「待て!止まれ!!」

いきなり前方に憲兵達が現れ、道を塞ぐように広がった後、帝国製の銃を構えるが、光太郎達は止まらなかった。

「邪魔!」

「どきな!」

光太郎の前に、アーミヤの弟子2人が出て、それぞれの杖から魔法を同時に発動させる。

「ま、まっ!」

2人が発動させたのは、水魔法で、憲兵達は魔法陣から出た大量の水に押し流されてしまう。

「ブツブツブツ」

一方のアーミヤは何やらブツブツと、1人で詠唱を行っていた。

「っ!今です!転移ワープ!」

詠唱を行っていたアーミヤは、魔法を発動させ、全員をそれぞれの船に転送した。





「きゃっ!」

景色が一変し、シンシア達は白鯨の甲板に居た。

「アーミヤ、大丈夫?アーミヤ!」

甲板の上に出てきたシンシアは、何処か確認する前に、甲板の上でうつ伏せになっているアーミヤの心配をする。

「だ、大丈夫です…シンシア、様…ですが、しばしらく寝かして…くだ、さ…い……」

アーミヤはシンシアに心配は要らないと声をかけた後、そのまま寝てしまった。
大勢の人間をそれぞれの船に転移するという難しいことをしたことにより、アーミヤは魔力切れを起こして寝てしまったようだ。

「王女様!今すぐに出るので!安全な場所に避難してくだせぇ!!野郎共!船を出せ!!」

白鯨の船長を任せられていたモートルトは、シンシアに避難を促した後、操舵手に船を出させた。

「天野さん、アーミヤを!」

「分かりました。お運び致します」

シンシアに言われた美菜は、寝ているアーミヤを背負った。

「手伝いましょうか…?」

「お前は船の防衛をしとけ!」

「はい…」

手伝おうかと仁司は聞くが、美菜にキツめの言葉で、船の防衛をするよう言われ、大人しくアーミヤの弟子と他の護衛と共に船を守ることに専念することにした。





「いっ!」

シンシア達とは違い、アーミヤにこんごうの艦橋に飛ばされた光太郎は、尻もちを着きながら無事転移に成功した。

「山本司令長官!?」

いきなり艦橋に現れた光太郎に、春菜達艦橋に居た全員が驚く。

「今は説明より、脱出が先だ!晴天、晴風、大海は先に出航!安全を確保せよ!こんごうは、各国の船が出るまでの時間を稼ぐ!!」

光太郎は立ち上がって、軽く服を払ったのち、各艦に命令を飛ばす。

「了解。全艦第1種戦闘配置!」

最後尾を務めるとこになったこんごうは、すぐさま戦闘態勢に入ることになった。

「港に停泊中だった敵駆逐艦動き出しました」

「発砲を許可する!撃ち方始め!」

後進して離岸したこんごうは、時間を稼ぐために、主砲を今出ようとしている駆逐艦の方に向け、連続で発砲した。
ほぼ静止している駆逐艦に、砲弾を命中させるのは容易く、反撃を食らう前に、次々とこんごうは無力化していく。
こうして、バッフルに駐屯していた駆逐艦4隻は、あっという間にこんごうによって、大破もしくは撃沈することになった。

「…魚雷、発射用意!」

大帝国の駆逐艦が全滅したのを見た光太郎は、魚雷発射を用意される。

「何をするおつもりですか?」

いきなり魚雷発射用意の命令を出した光太郎に、春菜は疑問を抱きつつ、しようとしていることを尋ねた。

「先に宣戦布告し、攻撃を仕掛けてきたのは向こうだ。多少軍港を破壊しても問題は無いと思わないか?無論、民間人に被害を出さないために、狙うのはあそこにある船渠だけだがな」

「了解しました。魚雷発射用意!目標、敵船渠!全弾発射!」

こんごうから放たれた魚雷は、バッフルに唯一ある船渠へと向かっていき、そのまま陸へと打ち上げれて爆発した。
悲運なことにも、そこには大帝国の巡洋艦が入渠中だったため、その巡洋艦後部は爆発によりダメージを受け、そのまま火薬庫に引火したのか、巡洋艦は連鎖的に爆発を引き起こして、船渠を破壊し尽くした。

「シュヴァルツの護衛艦が出港致しました」

「よし、我々も離脱する。こんごう最大戦速、バッフルを離れる!」

最後の船の出航を確認したあと、こんごうは艦首を回答し、バッフルから離れて行った。
大帝国アーガス領軍港都市バッフルで起きた事件がきっかけに、この世界は、初となる世界大戦へと向かうことになる。
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