大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

文字の大きさ
124 / 150
第九章〜世界大戦〜

第118話 チェックメイト

しおりを挟む
紀伊第一艦橋

『敵航空機接近!』

「数で押し切られたわね…」

抜けてきた敵航空機をファランクスで迎撃している中千夏は、迎撃するためにある物を使うことにした。

「自立迎撃機全機発艦!」

『了解。これより対空戦闘モード移行します』

千夏の命令を受け、ユキは後部にある射出口を開かせ、そこからガトリング砲を搭載した迎撃用のドローンをミサイルのように射出させ飛ばす。

「なんだあれは!?」

「う、撃ち落と…!」

ドローンの存在を知らない大帝国のパイロット達は、ユキに制御された素早く小さなドローンのガトリング砲の餌食になり、次々と落とされていく。

「取舵いっぱい!右舷側面魚雷発射用意!」

撃ち合う中、紀伊は左へと舵を取り、右の側面を見せる。

「ぐっ…!魚雷全弾発射!!」

砲弾がぶつかり船体が揺れる中、千夏の命令により艦体側面にある魚雷発射管を全て放ち、8本の魚雷がβの艦艇達を喰らおうと、向かっていく。

ドカァーン!ボーンッ!

紀伊から放たれた魚雷は、戦艦と駆逐艦にぶつかり、戦艦は魔導障壁で防がれるものの、駆逐艦は1発が魔導障壁を破り、もう1本の魚雷が艦尾にぶつかったことで、後方が吹き飛ぶ。

「面舵!!」

側面に敵の砲弾がぶつかる中、千夏は右へと回頭を始め、艦首を敵に向けることで、狙われる面積を減らそうとする。

「…遠距離操作型迎撃機を発艦!敵機と交戦中の航空隊の援護に行って!」

『はっ!』

艦首回頭が終わり、千夏は紀伊に搭載されている遠距離操作型迎撃機を上げるように命じる。

「対艦ミサイル撃ちまくれ!!」

砲撃を続ける中、千夏は更に対艦ミサイルを次々と撃たせ、それに続くようにひえいとむつも対艦ミサイルを放つ。
ミサイルを雨により、魔導障壁を突破して戦艦、軽巡2隻、駆逐艦4隻を破壊した。

「よし、このまま押し切る!!」

対艦ミサイルで艦隊を次々と屠ったことで、数の差を覆した千夏は、更に接近させ近距離での砲撃戦を開始した。





「航空機、厄介だな…!」

航空機の攻撃を見ながら、光太郎はそう呟く。
幸い、大和は魔導防壁で、航空機からの攻撃を防ぎきれているが、魔導防壁を搭載していないながとや、魔導防壁を搭載しているとはいえ大和より耐圧限界が低い艦艇があるため、航空機を何とかする必要があるのだ。

「…あれを使う時か…主砲、四式弾装填!目標、敵航空機!」

「了解!」

敵航空隊を対処するため、光太郎は四式弾の使用を命じ、すぐさま主砲に四式弾が装填され、砲口が敵航空隊へと向けられる。

「撃てぇ!」

ドンッ!

光太郎の合図と共に、主砲から四式弾が放たれる。
放たれた四式弾は、途中で先端が別れ、無数の小型爆弾をぶつけようとかかった。
四式弾。正式名称四式集束爆弾、三式弾では単葉機迎撃は難しいということで、クラスター爆弾を元に製作された対航空機用砲撃弾。普通のクラスター爆弾と比べたら、内蔵爆弾の数は少ないが、複数の単葉機相手に通じるようになっている。
四式弾から放たれた小型爆弾は、敵航空機にぶつかり次々と火の玉として墜落させて行く。

「よし!このまま押し切れば!」

墜落していく航空機を見て、艦橋にいる乗組員達は興奮するが、一方の光太郎は不気味な気配を感じ取っていた。

(我々があれを防ぎきったとはいえ、ここまで用意周到だった相手だ…まだ何かあるはず……!)

光太郎はまだ何かあると予想する。
そして、その光太郎の予想は、不幸にも当たることになる。





「α、βのパラシュ級駆逐艦2隻撃沈!」

「βのアイムール級重巡洋艦大破!航行不能!」

旗艦であるロイヤルカイザーの元に、次々と被害報告が入ってくる。

「…何としてでも時間を稼げ、今はそれしか言えん…」

被害報告が上がる中、ローレンスは時間を稼げとだけ伝える。

「αの戦艦ジュワユーズ!ヤグルシ級軽巡洋艦2隻!パラシュ級4隻!魔導障壁を打ち破り、敵攻撃が命中!全艦撃沈されました!!」

「βのアイムール級重巡洋艦、パラシュ級駆逐艦2隻撃破されました!!」

更なる被害報告が入ってくる。

「陛下!このままでは、艦隊が全滅します!航空隊全機を今すぐ向かわせましょう!」

辛抱できなくなりマレックスは、ローレンスに桜花艦隊の航空隊を引き寄せている航空隊や、待機中の航空隊を桜花艦隊に向かわせるように進言した。
しかし、

「…引き続き時間を稼げ」

ローレンスは、その案を採用することなく、時間を稼げと答えた。

「しかし陛下!このままでは、彼らが!!」

マレックスが、ローレンスを説得しようたしたその時、

「陛下!所属不明機から通信です!」

所属不明機からの通信が届いた。

「繋げろ」

「はい!」

通信長はローレンスに言われた通り、所属不明機との回線を繋げた。

『こちら、皇帝近衛師団ロイヤルガーディアンズ所属、特務爆撃機ヨルムンガンド機長、レタール・ディルビル…皇帝陛下の命令を受け、馳せ参じました』

通信相手のレタールは、自己紹介を行った。

「待っていたぞ、レタール…」

『皇帝陛下!遅れてしまい申し訳ございません!今すぐ、例の物を投下致します!』

「頼む」

『皇帝陛下万歳!』

レタールだと分ったローレンスは声をかけ、レタールは遅れたことを謝罪し、例の物を投下すると伝えた後、通信を切った。

「マレックス、全艦に撤退命令を出せ…」

「…何故です?」

撤退命令を出すように言われたマレックスは、首を傾げながら理由を尋ねるものの、

「巻き込まれるぞ…」

ローレンスは巻き込まれるとだけ伝えた。

「…わかりました。直ぐに撤退させます!」

マレックスは、ローレンスが反撃の一手を行おうとしていることを察し、直ぐに撤退命令を出した。





ロイヤルカイザー上空。
そこにヨルムンガンドの姿があった。

「機長!味方艦が、爆破範囲外への撤退を開始致しました!」

「よぉし、投下用意!」

部下からの報告を受け、レタールは機体のハッチを開けさせ、爆弾投下の用意を始めた。

「タイミングはお前に任せるが…できるだけ、敵艦隊が範囲内に入るようにしろよ?」

「はっ!」

レタールは、投下を行う部下に爆破範囲内に収めるように伝える。

「……進路そのまま~…投下!」

カチッ

下を望遠鏡で覗いていた部下は、ここだと思いスイッチを下に下げ、1発の爆弾を投下した。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...