大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第九章〜世界大戦〜

第127話 包囲された大和

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陸で連盟軍による攻勢を始めている中、海では津軽が中央東洋に進出していた。
目的は大和の生存確認だ。

「…」

津軽の艦橋では、少し重い空気が流れていた。

「大和は本当に生きているのですかね…?」

乗組員の1人がそう呟いた。

「撃沈は確認されていないのだ、我々は生きていると信じるしかない」

乗組員の呟きに、剛士は前に向きに考えるようにと伝える。
そんな時、

「…!前方十時方向にスクリュー音を確認っ!」

紅宮がスクリュー音を聞き取った。

「…よし、潜望鏡深度まで無音浮上!」

紅宮からの報告を聞き、剛士は津軽を浮上させ、潜望鏡からスクリュー音の発生元を確認することにした。
潜望鏡深度まで浮上した津軽から潜望鏡を出し、剛士はそれを通して海上を見ることにした。

「……小型船…輸送船か?なんでここに…?」

潜望鏡を通して、海上を確認した剛士は、スクリュー音の発生源が、東に向けて移動している小型船だと分かり少し訝しむ。

「中央西洋ならまだしも…ここに輸送船が来るのは不自然だ……よし、輸送船の真下に移動、そのまま尾行する」

「了解」

輸送船が怪しいと睨んだ剛士は、その輸送船を尾行することにした。





津軽が輸送船の尾行を始めてから数十分後、輸送船が停止したことで、津軽は離れた場所に移動し、潜望鏡を出していた。

「さて、何を企んでいるのやら…」

潜望鏡を通して、剛士は大帝国の企みを暴くため、周辺を見渡し始める。

「…っ!」

何かを見つけた剛士は、一瞬驚いた顔をした後、笑みを浮かべた。

「…我々の目的は終わった。潜航用意!」

潜望鏡を見終わった剛士は、乗組員にそう伝える。

「……松山司令長官…もしや?」

剛士の命令を聞き、乗組員の1人が恐る恐る尋ねる。

「ああ…大和は生きている。敵艦に包囲されてはいるが、魔導防壁で安全区域を作り、その場に停泊している」

乗組員からの質問に、剛士は潜望鏡を通して自分の目で見た物を話した。

「我々は現海域から離脱後、本土にこのことを打電する…敵にはバレないように移動しながら、離れろよ?」

「勿論であります」

こうして、大和の姿を確認した津軽は、その情報を本土に伝えるべく、大帝国の艦艇がいる海域から離れて行った。





一方その頃、大和艦内の艦長室では、光太郎が1人椅子に座っていた。
そこに、誰かが扉をノックした。

「入れ…」

「失礼します」

光太郎の元にやってきたのは、戦艦大和内務長秋山吾郎だった。

「現在の大和艦内の状況を報告に参りました」

「聞こう」

来た理由を知った光太郎は、吾郎から報告の内容を聞くことにした。

「現在、大和に貯蔵されている食料は残り3割程度…明日から1日1食に切り替えたとしても、もって4日です…」

「……補給が出来ないのが、唯一の欠点だな…」

吾郎から食糧備蓄が少ないという報告を受け、光太郎は溜息を吐き今取っている行動の唯一の欠点を述べる。
現在大和は、第一艦隊に囲われており、更にロイヤルカイザーに魔導超爆裂砲ノヴァフレイムカノンの砲口を突きつけられている状態だ。まだ、第一艦隊だけなら、無理やり強行突破に出ることは出来るが、主機などに回す全エネルギーを魔導防壁に回してようやく防げる魔導超爆裂砲ノヴァフレイムカノンを向けられているため、身動きが取れない状況である。

「今は待つしかない…必ず助けは来るはずだからな…」

「その通りですね…何とかやりくりしてみます」

「頼む」

「はっ、それでは失礼します!」

光太郎と吾郎は、互いに今は耐え忍ぶ時だと認識し合い、吾郎はそのまま部屋から退出して行った。

「…さてと、そろそろ夜桜艦隊が、我々を発見している頃あいだろう……どう出る?信介…」

丸窓の外を見つめながら、光太郎はこの現状を唯一打開できるだろう信介と武蔵に期待することにした。
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