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第九章〜世界大戦〜
第134話 西洋側軍港破壊作戦
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ソラズム大陸中央西海岸沖合。
そこには、ローラン級戦艦一番艦デュランダルを旗艦とした第二艦隊が、海上封鎖のため重巡洋艦と駆逐艦と共に陣形を組んで、監視を続けていた。
「…静かな物だな…」
パイプを口に加えながら艦橋に用意された司令長官用の椅子に座っている第二艦隊司令長官カールッツ・ビルメーラスは、波の音を聴きながら心を落ち着かせていた。
だが、その頭の中は言い知れぬ恐怖を抱いていた。理由としては、自身の弟デヴィッドから聞いたunknownのことだ。ソナーに反応せず、大量の強力な魚雷が襲ってくるという。まさしく海の魔物だ。
「襲ってこんといいな…」
口に加えていたパイプを外し、カールッツは誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。
その時だった。
「大変です司令長官!! シルフが!!」
「シルフがどうした!?」
慌てた様子の乗組員がカールッツに駆け寄ってきた。
「中央西洋中部地域を航行中だった、シルフ率いる第3航空戦隊が、無数の雷撃を受け、シルフが真っ二つに折れて轟沈したとのことです!」
「な、なんだと!?」
報告を聞いたカールッツは、手に持っていたパイプを落とす程動揺を見せる。
だが、悪い報告はこれだけではなかった。
「ほ、報告致します! フラシスコ港が高速の敵航空機の爆撃を受け、使用不可とのことです」
「ど、どういうことだ!?」
更に入った報告に、カールッツは理解が追いつかなかった。
西洋側にあるフラシスコ港は中央西洋側の最大軍港で、第二艦隊の母港でもある。そのため軍港は、対空砲を多く設置して防備を固めており、帝国空軍でも攻撃は難しい程だ。それなのに、敵は厳重な海上封鎖を潜り抜け、フラシスコ港を使用不可能のレベルで破壊したというのだ、頭の理解が追いつかないのも無理がないだろう。
「一体全体どういうことなのかね!?」
「は、はっ…敵機は恐ろしく早かったそうで…敵機は対空砲を回避後、入り江にかけてあるフラシスコ大橋を破壊。橋が破壊されたことにより、入り江は橋の残骸で封鎖されたとのことです」
「それで、敵の航空母艦は発見したのだろうな!?」
「…いえ、それが……カムイが追いかけたのですが、追い付けず逃がしてしまったとのこと。それと、目撃者によるとプロペラらしきものがなかったと…」
「そんな馬鹿な…!」
詳細を聞いたカールッツは脳をフル回転させ、これから何をするべきかを考え始める。
「…司令長官、ここはロンゼル港に向かいませんか? 恐らく、次の敵の目標はロンゼル港だと思われます。そこで待ち伏せを行い、敵を迎え撃つのです!」
悩むカールッツに、幕僚の1人がもう1つの大きな軍港防衛作戦を提案を出す。
「……分かった。それで行こう! 全艦、反転180度! ロンゼル港へ進路を取れ!」
「航海長! 進路決定せよ!」
ハッ!!!!
第二艦隊第3打撃戦隊は、南のロンゼル港に向けて南下を始めた。穏やかな波の下で、彼らのことを監視している者が居るとは知らずに…
〇
中央西洋沖合。
そこでは、夜桜艦隊がフラシスコ港を攻撃した嵐龍の収納作業を行っていた。
「……やはり、ジェット機が海上に着水しているのは、少々違和感を覚えるな…」
剛士は潜望鏡を通して、海上にフロートを展開した嵐龍が、止まっているのを見てそう呟く。
嵐龍はジェット機であるものの、夜桜艦隊に配備する以上水上機では無いと行けなかった。そこで、アメリカ合衆国でコンヴェア社が試験開発していたF2Yシーダートを参考にすることになったのだ。何回かの試作を行い、完成したのが嵐龍である。嵐龍の着水のために採用されたのは、フロートではなく水上スキーを2枚引き込み式で、これにより飛行時は収納してマッハを出すことが出来、着水時は水に水没することなく着水することができるようになった。
「司令長官、敵戦艦の動向を監視していた日305から連絡、敵部隊が転進し、南下を開始したとのこと」
津軽艦橋に、夜桜艦隊所属艦日三百型攻撃潜水艦の一隻から報告が届く。
日三百型攻撃潜水艦。たいげい型潜水艦を元、量産性と攻撃性を重視した日丸国の潜水艦であり、第二艦隊の第3航空戦隊を沈めたのも日三百型の潜水艦である。
「もしかしたら、彼らは母港のフラシスコ港を失ったため、ロンゼル港に戻ることにしたのでは?」
「いや、補給地点であるロンゼル港を守りに行ったという可能性もある。他にも軍港があるとはいえ、この2つはアーガス戦線を支える重要な地点だ。敵にとってロンゼル港まで叩かれば、アーガス戦線に援軍や追加物資を大量に送ることが出来なくなるからな…第二艦隊で防備を固めることにしたのだろう…」
「なるほど…その可能性は大いにありますね。となりますと、攻撃は難しくなります…作戦を一時中断致しますか?」
「………いや、空と海中からの同時攻撃によって、敵軍港と艦艇を同時に叩く、プランCに変更だ。通信士、R作C変と全艦に打電!」
「はっ、了解致しました!」
乗組員達と話し合い、剛士はロンゼル港への攻撃方法を変更することにした。
この作戦の可否は、アーガス戦線に多大なる影響が出るということを自覚しながら、通商破壊を主任務としていた夜桜艦隊は、プランCを開始するために動き出した。
そこには、ローラン級戦艦一番艦デュランダルを旗艦とした第二艦隊が、海上封鎖のため重巡洋艦と駆逐艦と共に陣形を組んで、監視を続けていた。
「…静かな物だな…」
パイプを口に加えながら艦橋に用意された司令長官用の椅子に座っている第二艦隊司令長官カールッツ・ビルメーラスは、波の音を聴きながら心を落ち着かせていた。
だが、その頭の中は言い知れぬ恐怖を抱いていた。理由としては、自身の弟デヴィッドから聞いたunknownのことだ。ソナーに反応せず、大量の強力な魚雷が襲ってくるという。まさしく海の魔物だ。
「襲ってこんといいな…」
口に加えていたパイプを外し、カールッツは誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。
その時だった。
「大変です司令長官!! シルフが!!」
「シルフがどうした!?」
慌てた様子の乗組員がカールッツに駆け寄ってきた。
「中央西洋中部地域を航行中だった、シルフ率いる第3航空戦隊が、無数の雷撃を受け、シルフが真っ二つに折れて轟沈したとのことです!」
「な、なんだと!?」
報告を聞いたカールッツは、手に持っていたパイプを落とす程動揺を見せる。
だが、悪い報告はこれだけではなかった。
「ほ、報告致します! フラシスコ港が高速の敵航空機の爆撃を受け、使用不可とのことです」
「ど、どういうことだ!?」
更に入った報告に、カールッツは理解が追いつかなかった。
西洋側にあるフラシスコ港は中央西洋側の最大軍港で、第二艦隊の母港でもある。そのため軍港は、対空砲を多く設置して防備を固めており、帝国空軍でも攻撃は難しい程だ。それなのに、敵は厳重な海上封鎖を潜り抜け、フラシスコ港を使用不可能のレベルで破壊したというのだ、頭の理解が追いつかないのも無理がないだろう。
「一体全体どういうことなのかね!?」
「は、はっ…敵機は恐ろしく早かったそうで…敵機は対空砲を回避後、入り江にかけてあるフラシスコ大橋を破壊。橋が破壊されたことにより、入り江は橋の残骸で封鎖されたとのことです」
「それで、敵の航空母艦は発見したのだろうな!?」
「…いえ、それが……カムイが追いかけたのですが、追い付けず逃がしてしまったとのこと。それと、目撃者によるとプロペラらしきものがなかったと…」
「そんな馬鹿な…!」
詳細を聞いたカールッツは脳をフル回転させ、これから何をするべきかを考え始める。
「…司令長官、ここはロンゼル港に向かいませんか? 恐らく、次の敵の目標はロンゼル港だと思われます。そこで待ち伏せを行い、敵を迎え撃つのです!」
悩むカールッツに、幕僚の1人がもう1つの大きな軍港防衛作戦を提案を出す。
「……分かった。それで行こう! 全艦、反転180度! ロンゼル港へ進路を取れ!」
「航海長! 進路決定せよ!」
ハッ!!!!
第二艦隊第3打撃戦隊は、南のロンゼル港に向けて南下を始めた。穏やかな波の下で、彼らのことを監視している者が居るとは知らずに…
〇
中央西洋沖合。
そこでは、夜桜艦隊がフラシスコ港を攻撃した嵐龍の収納作業を行っていた。
「……やはり、ジェット機が海上に着水しているのは、少々違和感を覚えるな…」
剛士は潜望鏡を通して、海上にフロートを展開した嵐龍が、止まっているのを見てそう呟く。
嵐龍はジェット機であるものの、夜桜艦隊に配備する以上水上機では無いと行けなかった。そこで、アメリカ合衆国でコンヴェア社が試験開発していたF2Yシーダートを参考にすることになったのだ。何回かの試作を行い、完成したのが嵐龍である。嵐龍の着水のために採用されたのは、フロートではなく水上スキーを2枚引き込み式で、これにより飛行時は収納してマッハを出すことが出来、着水時は水に水没することなく着水することができるようになった。
「司令長官、敵戦艦の動向を監視していた日305から連絡、敵部隊が転進し、南下を開始したとのこと」
津軽艦橋に、夜桜艦隊所属艦日三百型攻撃潜水艦の一隻から報告が届く。
日三百型攻撃潜水艦。たいげい型潜水艦を元、量産性と攻撃性を重視した日丸国の潜水艦であり、第二艦隊の第3航空戦隊を沈めたのも日三百型の潜水艦である。
「もしかしたら、彼らは母港のフラシスコ港を失ったため、ロンゼル港に戻ることにしたのでは?」
「いや、補給地点であるロンゼル港を守りに行ったという可能性もある。他にも軍港があるとはいえ、この2つはアーガス戦線を支える重要な地点だ。敵にとってロンゼル港まで叩かれば、アーガス戦線に援軍や追加物資を大量に送ることが出来なくなるからな…第二艦隊で防備を固めることにしたのだろう…」
「なるほど…その可能性は大いにありますね。となりますと、攻撃は難しくなります…作戦を一時中断致しますか?」
「………いや、空と海中からの同時攻撃によって、敵軍港と艦艇を同時に叩く、プランCに変更だ。通信士、R作C変と全艦に打電!」
「はっ、了解致しました!」
乗組員達と話し合い、剛士はロンゼル港への攻撃方法を変更することにした。
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