6 / 30
6
しおりを挟む
そんなアレクサンドラの様子に気づくこともなくシルヴァンは言った。
「ところで、君は一応僕の婚約者だ」
そう言われ、先ほどお茶にも誘わなかったことに対して怒っているのかと思ったアレクサンドラは、文句を言われるのだと、思わずグラニエをつかむ手にさらに力を入れた。
「殿下はいつもお忙しくされていますので、今日はご挨拶だけにしておこうと思ったのですが、なにか失礼がありましたでしょうか?」
「そのことではない。いや、それも少し気にはなるが。そうではなく、君もグラニエも未婚だ」
それを聞いてアレクサンドラはハッとして顔を上げた。
「殿下、グラニエと私はそのような関係ではなく、今日はこれから父に会うことになっています。変な噂にならないよう配慮いたしますから、ご安心ください」
そう答えると、もう一度頭を下げた。
「そういうことではない。その、ほら、手だ」
こんなに動揺した様子のシルヴァンをアレクサンドラは初めて見た。
「手、でございますか?」
「そうだ。お互いにずいぶん力強く手を握っているようだが?」
アレクサンドラとグラニエは顔を見合わせ、さっと手を離すと、グラニエがシルヴァンに説明した。
「そういうつもりはありませんでした。城内でも、ここは特に迷いやすい場所ですから離れないようにしていたのですが、軽率な行動でした。申し訳ございません」
「そうか、わかった。ではここからは僕が変わろう」
シルヴァンはそう言ってアレクサンドラに手を差し伸べた。
アレクサンドラはなにが起こっているのかわからず、しばらく差し伸べられた手を見つめるとやっとその意味を理解し口を開いた。
「殿下、それはとても恐れ多いことでございます。殿下の貴重なお時間をいただくわけにはまいりません。この先は、気をつけますのでどうぞお気遣いなく」
「別に気を遣っている訳では無い。ちょうど君の話を父から聞いて立ち会いたいと思っていたところだ。それとも、僕が一緒に行っては不都合か?」
「いえ、滅相もございません」
なんて強引なのだろう。アレクサンドラはそう思いながら、仕方なくシルヴァンの手を取った。
「よし、では行こうか」
そう言ってグラニエからランプを受け取ると、扉の中へアレクサンドラをエスコートした。
暗く長い廊下をまっすぐ無言で歩いていると、その先に小さな灯りが見えた。近づいて行くに連れその灯りの横にテオドールが立っているのが見えた。
テオドールもこちらに気づくと、驚いた様子で言った。
「殿下、殿下もこちらに?」
「あぁ、少し興味があった」
「そうですか、娘のわがままのために申し訳ありません」
「いや、アレクサンドラはいずれ王妃になる。金庫室を見ておくのはそんなに悪いことではない」
その台詞を聞いて思わずアレクサンドラはシルヴァンの顔を見た。シルヴァンは目が合うと少し不満そうに訊いた。
「なんだ、君が王妃になるのは間違いないだろう?」
「は、はい……」
実は理由をつけて婚約を解消してもらおうと思っていたため、これで解消しづらくなったと少し後悔した。
だが、今はそんなことを考えている場合では無い。そう気持を切り替えると、テオドールに言った。
「お父様、では金庫室に入りましょう」
「ん? そうだったな。お前も書類を読んだなら知っているかもしれないが、ここは持ち物を近づいする場所で金庫室はまだこの扉の向こう側の、廊下を行った先にある」
そう答え、扉の鍵を開けるとその先へ歩き始めた。アレクサンドラもシルヴァンとそれに続いて歩く。
そのとき背後からバタバタと忙しない足音が近づいて来た。
「愛妻家に許可をもらったよ! 僕も入れて!!」
すると、シルヴァンが面白く無さそうに言った。
「邪魔なやつめ」
「なんてこと言うのさ! ま、気持はわかるよ? でもこんなに楽しそうなこと、見逃せないし! 我慢してね~。それに国王陛下は邪険にしなかったよ~!」
「国王陛下は君に甘すぎるな。とにかく、大人しくしていろ」
「は~い」
ファニーはそう答えると、静かにアレクサンドラの後ろに続いた。
廊下をまっすぐ進んで行くと、突然扉が現れた。
「ここが金庫室だ」
テオドールは首に下げていた鍵を取り出すと、それで鍵を開けると少し空間があり、その先にもう一つ扉が現れる。
もう一つの鍵でその扉を開けると、やっと金庫室にたどり着いた。
グラニエが金庫室にあるランプすべてに火を灯すと、中はかなり明るくなった。
シルヴァンは部屋の中を見渡すとアレクサンドラに向き直った。
「さて、準備はできたようだ。アレクサンドラ、ここでなにか調べたいのだろう?」
「はい。あの、グラニエ様。できれば、ネックレスが保管されている金庫の鍵を開けて中を見せてもらってもよろしいですか?」
グラニエは驚いてシルヴァンの顔色をうかがった。
「かまわない金庫を開けろ」
「はい。承知いたしました」
そう答えてグラニエは金庫を開けた。
金庫の中には同じようなネックレスケースが綺麗に並んで保管されている。
「やっぱり」
アレクサンドラがそう呟くと、シルヴァンが反応する。
「『やっぱり』とは? 一体どういうことだ? なにかわかったのか?」
「確証はありませんけれど。当日の状況を再現できますわ」
「なんだって?」
シルヴァンとテオドールは同時にそう言った。アレクサンドラはそれを見て微笑むと、金庫の中から一つネックレスケースを取り出しそれを開けて中を確認する。
「このエメラルドの首飾りを盗むことにしますわ。よろしいかしら?」
そうグラニエに言うと、グラニエは少し困惑したような顔をしたが頷く。
そうしてアレクサンドラは当日のトゥーサンの役を、ファニーにカジム役をやるように指示し、耳打ちをするとグラニエには当日を再現するよう言った。
シルヴァンとテオドールには、金庫室の入り口で立ってすべて見ていてもらうことにした。
当日と同じ条件になるように、先ほど開けた金庫にエメラルドの首飾りを戻すと鍵をかけ、金庫室の二重扉の前から再現を開始した。
カジム役のファニーに挨拶をし、グラニエと二人で金庫室に入る。グラニエが金庫室の明かりをすべてつけている間に、アレクサンドラは金庫室に置いてある空いているネックレスケースを素早く手にとって床に投げた。
部屋が明るくなったところで、アレクサンドラは叫ぶ。
「あれは、エメラルドの首飾りのケースですわ。大変、なぜあんなところにありますの?」
そう言うと慌てて駆け寄り、中身を確認する。
「入っていませんわ。グラニエ、すぐにネックレスの金庫を開けてください」
「は、はい。わかりました」
「ところで、君は一応僕の婚約者だ」
そう言われ、先ほどお茶にも誘わなかったことに対して怒っているのかと思ったアレクサンドラは、文句を言われるのだと、思わずグラニエをつかむ手にさらに力を入れた。
「殿下はいつもお忙しくされていますので、今日はご挨拶だけにしておこうと思ったのですが、なにか失礼がありましたでしょうか?」
「そのことではない。いや、それも少し気にはなるが。そうではなく、君もグラニエも未婚だ」
それを聞いてアレクサンドラはハッとして顔を上げた。
「殿下、グラニエと私はそのような関係ではなく、今日はこれから父に会うことになっています。変な噂にならないよう配慮いたしますから、ご安心ください」
そう答えると、もう一度頭を下げた。
「そういうことではない。その、ほら、手だ」
こんなに動揺した様子のシルヴァンをアレクサンドラは初めて見た。
「手、でございますか?」
「そうだ。お互いにずいぶん力強く手を握っているようだが?」
アレクサンドラとグラニエは顔を見合わせ、さっと手を離すと、グラニエがシルヴァンに説明した。
「そういうつもりはありませんでした。城内でも、ここは特に迷いやすい場所ですから離れないようにしていたのですが、軽率な行動でした。申し訳ございません」
「そうか、わかった。ではここからは僕が変わろう」
シルヴァンはそう言ってアレクサンドラに手を差し伸べた。
アレクサンドラはなにが起こっているのかわからず、しばらく差し伸べられた手を見つめるとやっとその意味を理解し口を開いた。
「殿下、それはとても恐れ多いことでございます。殿下の貴重なお時間をいただくわけにはまいりません。この先は、気をつけますのでどうぞお気遣いなく」
「別に気を遣っている訳では無い。ちょうど君の話を父から聞いて立ち会いたいと思っていたところだ。それとも、僕が一緒に行っては不都合か?」
「いえ、滅相もございません」
なんて強引なのだろう。アレクサンドラはそう思いながら、仕方なくシルヴァンの手を取った。
「よし、では行こうか」
そう言ってグラニエからランプを受け取ると、扉の中へアレクサンドラをエスコートした。
暗く長い廊下をまっすぐ無言で歩いていると、その先に小さな灯りが見えた。近づいて行くに連れその灯りの横にテオドールが立っているのが見えた。
テオドールもこちらに気づくと、驚いた様子で言った。
「殿下、殿下もこちらに?」
「あぁ、少し興味があった」
「そうですか、娘のわがままのために申し訳ありません」
「いや、アレクサンドラはいずれ王妃になる。金庫室を見ておくのはそんなに悪いことではない」
その台詞を聞いて思わずアレクサンドラはシルヴァンの顔を見た。シルヴァンは目が合うと少し不満そうに訊いた。
「なんだ、君が王妃になるのは間違いないだろう?」
「は、はい……」
実は理由をつけて婚約を解消してもらおうと思っていたため、これで解消しづらくなったと少し後悔した。
だが、今はそんなことを考えている場合では無い。そう気持を切り替えると、テオドールに言った。
「お父様、では金庫室に入りましょう」
「ん? そうだったな。お前も書類を読んだなら知っているかもしれないが、ここは持ち物を近づいする場所で金庫室はまだこの扉の向こう側の、廊下を行った先にある」
そう答え、扉の鍵を開けるとその先へ歩き始めた。アレクサンドラもシルヴァンとそれに続いて歩く。
そのとき背後からバタバタと忙しない足音が近づいて来た。
「愛妻家に許可をもらったよ! 僕も入れて!!」
すると、シルヴァンが面白く無さそうに言った。
「邪魔なやつめ」
「なんてこと言うのさ! ま、気持はわかるよ? でもこんなに楽しそうなこと、見逃せないし! 我慢してね~。それに国王陛下は邪険にしなかったよ~!」
「国王陛下は君に甘すぎるな。とにかく、大人しくしていろ」
「は~い」
ファニーはそう答えると、静かにアレクサンドラの後ろに続いた。
廊下をまっすぐ進んで行くと、突然扉が現れた。
「ここが金庫室だ」
テオドールは首に下げていた鍵を取り出すと、それで鍵を開けると少し空間があり、その先にもう一つ扉が現れる。
もう一つの鍵でその扉を開けると、やっと金庫室にたどり着いた。
グラニエが金庫室にあるランプすべてに火を灯すと、中はかなり明るくなった。
シルヴァンは部屋の中を見渡すとアレクサンドラに向き直った。
「さて、準備はできたようだ。アレクサンドラ、ここでなにか調べたいのだろう?」
「はい。あの、グラニエ様。できれば、ネックレスが保管されている金庫の鍵を開けて中を見せてもらってもよろしいですか?」
グラニエは驚いてシルヴァンの顔色をうかがった。
「かまわない金庫を開けろ」
「はい。承知いたしました」
そう答えてグラニエは金庫を開けた。
金庫の中には同じようなネックレスケースが綺麗に並んで保管されている。
「やっぱり」
アレクサンドラがそう呟くと、シルヴァンが反応する。
「『やっぱり』とは? 一体どういうことだ? なにかわかったのか?」
「確証はありませんけれど。当日の状況を再現できますわ」
「なんだって?」
シルヴァンとテオドールは同時にそう言った。アレクサンドラはそれを見て微笑むと、金庫の中から一つネックレスケースを取り出しそれを開けて中を確認する。
「このエメラルドの首飾りを盗むことにしますわ。よろしいかしら?」
そうグラニエに言うと、グラニエは少し困惑したような顔をしたが頷く。
そうしてアレクサンドラは当日のトゥーサンの役を、ファニーにカジム役をやるように指示し、耳打ちをするとグラニエには当日を再現するよう言った。
シルヴァンとテオドールには、金庫室の入り口で立ってすべて見ていてもらうことにした。
当日と同じ条件になるように、先ほど開けた金庫にエメラルドの首飾りを戻すと鍵をかけ、金庫室の二重扉の前から再現を開始した。
カジム役のファニーに挨拶をし、グラニエと二人で金庫室に入る。グラニエが金庫室の明かりをすべてつけている間に、アレクサンドラは金庫室に置いてある空いているネックレスケースを素早く手にとって床に投げた。
部屋が明るくなったところで、アレクサンドラは叫ぶ。
「あれは、エメラルドの首飾りのケースですわ。大変、なぜあんなところにありますの?」
そう言うと慌てて駆け寄り、中身を確認する。
「入っていませんわ。グラニエ、すぐにネックレスの金庫を開けてください」
「は、はい。わかりました」
634
あなたにおすすめの小説
勝手にしなさいよ
棗
恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……
殿下が好きなのは私だった
棗
恋愛
魔王の補佐官を父に持つリシェルは、長年の婚約者であり片思いの相手ノアールから婚約破棄を告げられた。
理由は、彼の恋人の方が次期魔王たる自分の妻に相応しい魔力の持ち主だからだそう。
最初は仲が良かったのに、次第に彼に嫌われていったせいでリシェルは疲れていた。無様な姿を晒すくらいなら、晴れ晴れとした姿で婚約破棄を受け入れた。
のだが……婚約破棄をしたノアールは何故かリシェルに執着をし出して……。
更に、人間界には父の友人らしい天使?もいた……。
※カクヨムさん・なろうさんにも公開しております。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
お前との婚約は、ここで破棄する!
ねむたん
恋愛
「公爵令嬢レティシア・フォン・エーデルシュタイン! お前との婚約は、ここで破棄する!」
華やかな舞踏会の中心で、第三王子アレクシス・ローゼンベルクがそう高らかに宣言した。
一瞬の静寂の後、会場がどよめく。
私は心の中でため息をついた。
婚約者様への逆襲です。
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。
理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。
だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。
――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」
すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。
そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。
これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。
断罪は終わりではなく、始まりだった。
“信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。
「婚約破棄します」その一言で悪役令嬢の人生はバラ色に
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約破棄。それは悪役令嬢にとって、終わりではなく始まりだった。名を奪われ、社会から断罪された彼女が辿り着いたのは、辺境の小さな学び舎だった。そこには“名前を持たなかった子どもたち”が集い、自らの声と名を選び直していた。
かつて断罪された少女は、やがて王都の改革論争に巻き込まれ、制度の壁と信仰の矛盾に静かに切り込んでいく。語ることを許されなかった者たちの声が、国を揺らし始める時、悪役令嬢の“再生”と“逆襲”が静かに幕を開ける――。
訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?
naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。
私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。
しかし、イレギュラーが起きた。
何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。
【完結】婚約破棄された令嬢の毒はいかがでしょうか
まさかの
恋愛
皇太子の未来の王妃だったカナリアは突如として、父親の罪によって婚約破棄をされてしまった。
己の命が助かる方法は、友好国の悪評のある第二王子と婚約すること。
カナリアはその提案をのんだが、最初の夜会で毒を盛られてしまった。
誰も味方がいない状況で心がすり減っていくが、婚約者のシリウスだけは他の者たちとは違った。
ある時、シリウスの悪評の原因に気付いたカナリアの手でシリウスは穏やかな性格を取り戻したのだった。
シリウスはカナリアへ愛を囁き、カナリアもまた少しずつ彼の愛を受け入れていく。
そんな時に、義姉のヒルダがカナリアへ多くの嫌がらせを行い、女の戦いが始まる。
嫁いできただけの女と甘く見ている者たちに分からせよう。
カナリア・ノートメアシュトラーセがどんな女かを──。
小説家になろう、エブリスタ、アルファポリス、カクヨムで投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる