7 / 30
7
しおりを挟む
グラニエはなにが起こったのかわからないといった様子で、困惑気味に金庫を開けた。アレクサンドラはすかさず中を覗き込む。
「ない、入ってませんわ。やっぱりあれはエメラルドの首飾りのケースだったんですわ! グラニエ、早く!! 門番に声をかけて下さい!」
「えっ?! あ、はい」
グラニエは慌てて外へ出ていく。それを見届けるとアレクサンドラは金庫からエメラルドの首飾りの入ったケースを抜き出し、他の金庫の下の隙間に外から見えないように突っ込んだ。
そこへグラニエがファニーと一緒に戻って来ると、アレクサンドラは金庫を指差しながら言った。
「グラニエ、とりあえず金庫の鍵は閉めたほうがいいと思いますの!」
「そうですね、当日もこのタイミングで鍵を閉めたと記憶しています」
そう答えてグラニエは金庫の鍵を閉じた。
その後ろでアレクサンドラはファニーに目配せし、どこにネックレスを隠したか示して知らせた。
鍵を閉めると、グラニエは当日カジムに指示したようにファニーに指示する。
「テランスが応援を呼んでいる間、我々も金庫室内を探してみよう」
「は~い! わっかりました~。じゃあ僕は~こっちを探すね! グラニエたんは、向こうを探してみてね」
「グラニエたん……」
グラニエは何とも言えない表情をしたあと、ファニーとは反対側を探し始めた。
「こっちにはないよ~。グラニエたんの方はどうですか~」
「いや、こちらにもないようだ」
「じゃあさ~、誰かが持ち出したんじゃないの~? 持ち物検査とか、しないとじゃない?」
「そうだったな、あの日もそのように指示を出している」
グラニエはそう言って、金庫室を出た。
その直後、アレクサンドラは隙間からネックレスケースを取り出すとファニーと一緒に中身を確認し、急いで先ほどグラニエが探した場所へネックレスケースを移した。
そこで金庫室の外にいるグラニエに中へ戻るよう声をかけると、アレクサンドラは言った。
「こういうことだと思いますわ」
するとグラニエは面食らったような顔でアレクサンドラとテオドールの顔を交互に見たあと、困惑気味に言った。
「こういう事、とは? すみませんが私にはさっぱりわかりません。あの日の再現をしただけにしか見えませんでした」
アレクサンドラはグラニエに微笑むと言った。
「ネックレスは盗まれていなかったということですわ」
「それは一体どういうことでしょう?」
「トゥーサンとカジムが共謀して、ネックレスが盗まれたように振る舞ったんですわ」
「そんな、トゥーサンとカジムが……?」
そこで、ファニーが隠してあったネックレスケースを持ってきて中身をグラニエに見せた。
「待ってください、先ほど私が探したときネックレスケースはそこにありませんでした。それにどうやって金庫からこれを……」
「グラニエがファニーを呼びに行っているあいだですわ」
「ではあの時点で、まだネックレスは盗まれていなかったと?」
「そのとおりですわ」
そこでシルヴァンがグラニエに質問する。
「グラニエ、お前はここの金庫のどの箱になにが入っているかわかるか?」
するとグラニエは申し訳なさそうに答える。
「いいえ、そういったことはトゥーサンに任せていましたので。申し訳ありません」
「では、トゥーサンがパール・オ・ブプリンセスがなくなっていると言ったとき、完全に信じたのだな?」
「はい。事実、あのあともう一度確認したときには確かにパール・オブ・プリンセスはなくなっていたので」
そう答えてがっかりとうなだれるグラニエに向かってテオドールが声をかける。
「いや、まさか彼らが裏切っているとは思わないだろう。彼らはシャトリエ男爵家の推薦状を持っていた。もちろん、シャトリエ男爵にもそれが本物であるか確認済みだ」
そしてアレクサンドラに向き直ると言った。
「だが、あれだけ探してもネックレスは見つかっていないんだぞ? お前の言う通りなら誰かが見つけていてもおかしくないと思うが……」
「ですがお父様、徹底的に探した場所にまさか隠してあるなんて誰も思わないと思いますの。それに、裏切り者は他にもいると思いますし」
「他にも?!」
「はい、でなければこんなに大胆なことは計画できませんもの」
グラニエは渋い顔で唸ったあと、不思議そうに呟く。
「しかし、なぜこんなことを……」
そのとき、シルヴァンがハッとした様子でテオドールを見た。
「そうか、本当の目的はネックレスそのものではなく、お前の失墜ではないのか?」
「私のですか?」
「そうだ。これを仕掛けたものはここからネックレスを盗み出せるのはお前しかいないと、罪を着せるためにネックレスを隠しただけなんだろう」
それを受けてアレクサンドラも大きく頷く。
「私もそう考えていますわ。それにわざわざグラニエを巻き込んだのは、カジムやトゥーサンから疑いを逸らすためでもあったと思いますわ」
それに対してグラニエが残念そうに答える。
「確かに、あのときに盗まれたなんてこうして指摘されるまで、思いもしませんでした」
「それはそうだと思いますわ。私は部外者だからこそ、二人を疑うことができたんですもの。彼らが仲間だったら疑うことはなかったと思いますわ」
そう言うと、しばらく躊躇してから付け加えて言った。
「それと、この計画を立てた犯人はシャトリエ男爵とその娘のアリスだと思いますの」
そこでテオドールが不思議そうに言った。
「なぜそう断言できる」
「実はシャトリエ男爵について少し変な噂を聞いたことがあって調べていましたの。でも、トゥーサンやカジムの推薦状を書いたのがシャトリエ男爵なら、より疑わしいと思いますわ」
「わかった。とにかく、まだパール・オブ・プリンセスがみつかった訳では無い。まずはそれを見つけないとな。今から徹底的に金庫室を捜索してみよう」
そう言うとシルヴァンに向き直って言った。
「よろしいですか? 殿下」
「僕はかまわない。それでパール・オブ・プリンセスがみつかるなら容易いことだ」
そうして、早速全員で金庫室の捜索に取り掛かった。テオドールは当然金庫室をよく知っている。心当たりがあったのか、まっすぐに金庫室の奥へ進んで行った。
気になったアレクサンドラはテオドールの後を追った。すると、何の変哲もない場所で立ち止まり、しゃがみ込むと床の板を器用にずらして外した。
アレクサンドラは背後からそれを覗き込み、ハッと息を飲む。床板の下の空間にネックレスケースがあったからだ。
「見つけた!」
テオドールはそう叫ぶと、そのネックレスケースを取り出して中身を確認する。
それは間違いなくパール・オブ・プリンセスだった。
「どうやらお前の言う通りだったようだ」
テオドールは顔をほころばせて、駆け寄って来たグラニエとシルヴァンにネックレスケースの中身を見せた。
「母が、王妃殿下がさぞ喜ぶだろう」
シルヴァンはそう言ってそのネックレスケースを受け取ると、アレクサンドラに向き直った。
「アレクサンドラ、お手柄だったな」
「はい。お褒めいただき至極光栄に存じます。ところで殿下、一つだけお願いがありますの」
「なんだ? 君は今回素晴らしい働きをした。なんでも言ってみろ」
「パール・オブ・プリンセスが見つかったことはまだ公にしないでほしいのです」
すると、シルヴァンは真剣な眼差しでアレクサンドラを見つめた。
「なにか策があるのか?」
「はい、この件を秘密にすることがアリスを捕らえるには必要不可欠なのです」
「わかった。そういうことなら」
シルヴァンがあまりにもあっさりそれを受け入れたことを意外に思いながら、アレクサンドラは微笑んだ。
「よろしくお願いしますわ」
「それにしても」
と、シルヴァンは続ける。
「私はカジムをとても信頼していた。だからこそ本当に大切な物を預けられると思っていたのに、裏切っていたとは……」
大切なものを預ける? 厄介者を押し付けるの間違いでは? それに信頼していたですって? あんな人物を信頼するなんて、とんでもないことだわ。
アレクサンドラは内心そう思っていた。それにカジムはアレクサンドラが監禁されているとき、一番態度が悪かったのを覚えている。
これで彼も終わりだろう。
だが、まだアリスが残っている。言い逃れできないようさらに証拠を集めなければ、とアレクサンドラは次の一手を目まぐるしく考えていた。
その顔をファニーが興味津々と言った顔で覗き込みじっと見つめた。それに気づくと、アレクサンドラはため息をついた。
「ファニー、私のことを好奇心の対象としてまじまじ観察するのはやめてちょうだい」
「だって! キャンディに一体なにがあったのさ! こんなに素敵なノビーレドンナになるなんてさ~。僕とっても興味あるなぁ」
アレクサンドラはこうなったら、誰が止めようとどうしようもなくなることがわかっていたので、諦めて放って置くことにした。
だが、予想もしていなかった人物がファニーをアレクサンドラから引き離した。
「ファニー、言っておこう。彼女は僕の婚約者だ。あまり馴れ馴れしくすることは許されない」
「へぇ~、拗らせ王子もたまにはそんなこと言うんだ~」
そこでテオドールが吹き出した。シルヴァンがムッとして黙り込むと、グラニエが慌てて言った。
「殿下、グラニエたんよりは全然マシだと私は思います」
グラニエはフォローのつもりでそう言ったようだが、テオドールはそれを聞いて余計に笑いが止まらなくなったようだった。
アレクサンドラはその横で拗らせ王子だなんてそんなに可愛いものではなく、シルヴァンはどちらかというと、無関心王子という呼び名の方が合っていると内心思っていた。
「ない、入ってませんわ。やっぱりあれはエメラルドの首飾りのケースだったんですわ! グラニエ、早く!! 門番に声をかけて下さい!」
「えっ?! あ、はい」
グラニエは慌てて外へ出ていく。それを見届けるとアレクサンドラは金庫からエメラルドの首飾りの入ったケースを抜き出し、他の金庫の下の隙間に外から見えないように突っ込んだ。
そこへグラニエがファニーと一緒に戻って来ると、アレクサンドラは金庫を指差しながら言った。
「グラニエ、とりあえず金庫の鍵は閉めたほうがいいと思いますの!」
「そうですね、当日もこのタイミングで鍵を閉めたと記憶しています」
そう答えてグラニエは金庫の鍵を閉じた。
その後ろでアレクサンドラはファニーに目配せし、どこにネックレスを隠したか示して知らせた。
鍵を閉めると、グラニエは当日カジムに指示したようにファニーに指示する。
「テランスが応援を呼んでいる間、我々も金庫室内を探してみよう」
「は~い! わっかりました~。じゃあ僕は~こっちを探すね! グラニエたんは、向こうを探してみてね」
「グラニエたん……」
グラニエは何とも言えない表情をしたあと、ファニーとは反対側を探し始めた。
「こっちにはないよ~。グラニエたんの方はどうですか~」
「いや、こちらにもないようだ」
「じゃあさ~、誰かが持ち出したんじゃないの~? 持ち物検査とか、しないとじゃない?」
「そうだったな、あの日もそのように指示を出している」
グラニエはそう言って、金庫室を出た。
その直後、アレクサンドラは隙間からネックレスケースを取り出すとファニーと一緒に中身を確認し、急いで先ほどグラニエが探した場所へネックレスケースを移した。
そこで金庫室の外にいるグラニエに中へ戻るよう声をかけると、アレクサンドラは言った。
「こういうことだと思いますわ」
するとグラニエは面食らったような顔でアレクサンドラとテオドールの顔を交互に見たあと、困惑気味に言った。
「こういう事、とは? すみませんが私にはさっぱりわかりません。あの日の再現をしただけにしか見えませんでした」
アレクサンドラはグラニエに微笑むと言った。
「ネックレスは盗まれていなかったということですわ」
「それは一体どういうことでしょう?」
「トゥーサンとカジムが共謀して、ネックレスが盗まれたように振る舞ったんですわ」
「そんな、トゥーサンとカジムが……?」
そこで、ファニーが隠してあったネックレスケースを持ってきて中身をグラニエに見せた。
「待ってください、先ほど私が探したときネックレスケースはそこにありませんでした。それにどうやって金庫からこれを……」
「グラニエがファニーを呼びに行っているあいだですわ」
「ではあの時点で、まだネックレスは盗まれていなかったと?」
「そのとおりですわ」
そこでシルヴァンがグラニエに質問する。
「グラニエ、お前はここの金庫のどの箱になにが入っているかわかるか?」
するとグラニエは申し訳なさそうに答える。
「いいえ、そういったことはトゥーサンに任せていましたので。申し訳ありません」
「では、トゥーサンがパール・オ・ブプリンセスがなくなっていると言ったとき、完全に信じたのだな?」
「はい。事実、あのあともう一度確認したときには確かにパール・オブ・プリンセスはなくなっていたので」
そう答えてがっかりとうなだれるグラニエに向かってテオドールが声をかける。
「いや、まさか彼らが裏切っているとは思わないだろう。彼らはシャトリエ男爵家の推薦状を持っていた。もちろん、シャトリエ男爵にもそれが本物であるか確認済みだ」
そしてアレクサンドラに向き直ると言った。
「だが、あれだけ探してもネックレスは見つかっていないんだぞ? お前の言う通りなら誰かが見つけていてもおかしくないと思うが……」
「ですがお父様、徹底的に探した場所にまさか隠してあるなんて誰も思わないと思いますの。それに、裏切り者は他にもいると思いますし」
「他にも?!」
「はい、でなければこんなに大胆なことは計画できませんもの」
グラニエは渋い顔で唸ったあと、不思議そうに呟く。
「しかし、なぜこんなことを……」
そのとき、シルヴァンがハッとした様子でテオドールを見た。
「そうか、本当の目的はネックレスそのものではなく、お前の失墜ではないのか?」
「私のですか?」
「そうだ。これを仕掛けたものはここからネックレスを盗み出せるのはお前しかいないと、罪を着せるためにネックレスを隠しただけなんだろう」
それを受けてアレクサンドラも大きく頷く。
「私もそう考えていますわ。それにわざわざグラニエを巻き込んだのは、カジムやトゥーサンから疑いを逸らすためでもあったと思いますわ」
それに対してグラニエが残念そうに答える。
「確かに、あのときに盗まれたなんてこうして指摘されるまで、思いもしませんでした」
「それはそうだと思いますわ。私は部外者だからこそ、二人を疑うことができたんですもの。彼らが仲間だったら疑うことはなかったと思いますわ」
そう言うと、しばらく躊躇してから付け加えて言った。
「それと、この計画を立てた犯人はシャトリエ男爵とその娘のアリスだと思いますの」
そこでテオドールが不思議そうに言った。
「なぜそう断言できる」
「実はシャトリエ男爵について少し変な噂を聞いたことがあって調べていましたの。でも、トゥーサンやカジムの推薦状を書いたのがシャトリエ男爵なら、より疑わしいと思いますわ」
「わかった。とにかく、まだパール・オブ・プリンセスがみつかった訳では無い。まずはそれを見つけないとな。今から徹底的に金庫室を捜索してみよう」
そう言うとシルヴァンに向き直って言った。
「よろしいですか? 殿下」
「僕はかまわない。それでパール・オブ・プリンセスがみつかるなら容易いことだ」
そうして、早速全員で金庫室の捜索に取り掛かった。テオドールは当然金庫室をよく知っている。心当たりがあったのか、まっすぐに金庫室の奥へ進んで行った。
気になったアレクサンドラはテオドールの後を追った。すると、何の変哲もない場所で立ち止まり、しゃがみ込むと床の板を器用にずらして外した。
アレクサンドラは背後からそれを覗き込み、ハッと息を飲む。床板の下の空間にネックレスケースがあったからだ。
「見つけた!」
テオドールはそう叫ぶと、そのネックレスケースを取り出して中身を確認する。
それは間違いなくパール・オブ・プリンセスだった。
「どうやらお前の言う通りだったようだ」
テオドールは顔をほころばせて、駆け寄って来たグラニエとシルヴァンにネックレスケースの中身を見せた。
「母が、王妃殿下がさぞ喜ぶだろう」
シルヴァンはそう言ってそのネックレスケースを受け取ると、アレクサンドラに向き直った。
「アレクサンドラ、お手柄だったな」
「はい。お褒めいただき至極光栄に存じます。ところで殿下、一つだけお願いがありますの」
「なんだ? 君は今回素晴らしい働きをした。なんでも言ってみろ」
「パール・オブ・プリンセスが見つかったことはまだ公にしないでほしいのです」
すると、シルヴァンは真剣な眼差しでアレクサンドラを見つめた。
「なにか策があるのか?」
「はい、この件を秘密にすることがアリスを捕らえるには必要不可欠なのです」
「わかった。そういうことなら」
シルヴァンがあまりにもあっさりそれを受け入れたことを意外に思いながら、アレクサンドラは微笑んだ。
「よろしくお願いしますわ」
「それにしても」
と、シルヴァンは続ける。
「私はカジムをとても信頼していた。だからこそ本当に大切な物を預けられると思っていたのに、裏切っていたとは……」
大切なものを預ける? 厄介者を押し付けるの間違いでは? それに信頼していたですって? あんな人物を信頼するなんて、とんでもないことだわ。
アレクサンドラは内心そう思っていた。それにカジムはアレクサンドラが監禁されているとき、一番態度が悪かったのを覚えている。
これで彼も終わりだろう。
だが、まだアリスが残っている。言い逃れできないようさらに証拠を集めなければ、とアレクサンドラは次の一手を目まぐるしく考えていた。
その顔をファニーが興味津々と言った顔で覗き込みじっと見つめた。それに気づくと、アレクサンドラはため息をついた。
「ファニー、私のことを好奇心の対象としてまじまじ観察するのはやめてちょうだい」
「だって! キャンディに一体なにがあったのさ! こんなに素敵なノビーレドンナになるなんてさ~。僕とっても興味あるなぁ」
アレクサンドラはこうなったら、誰が止めようとどうしようもなくなることがわかっていたので、諦めて放って置くことにした。
だが、予想もしていなかった人物がファニーをアレクサンドラから引き離した。
「ファニー、言っておこう。彼女は僕の婚約者だ。あまり馴れ馴れしくすることは許されない」
「へぇ~、拗らせ王子もたまにはそんなこと言うんだ~」
そこでテオドールが吹き出した。シルヴァンがムッとして黙り込むと、グラニエが慌てて言った。
「殿下、グラニエたんよりは全然マシだと私は思います」
グラニエはフォローのつもりでそう言ったようだが、テオドールはそれを聞いて余計に笑いが止まらなくなったようだった。
アレクサンドラはその横で拗らせ王子だなんてそんなに可愛いものではなく、シルヴァンはどちらかというと、無関心王子という呼び名の方が合っていると内心思っていた。
678
あなたにおすすめの小説
勝手にしなさいよ
棗
恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……
殿下が好きなのは私だった
棗
恋愛
魔王の補佐官を父に持つリシェルは、長年の婚約者であり片思いの相手ノアールから婚約破棄を告げられた。
理由は、彼の恋人の方が次期魔王たる自分の妻に相応しい魔力の持ち主だからだそう。
最初は仲が良かったのに、次第に彼に嫌われていったせいでリシェルは疲れていた。無様な姿を晒すくらいなら、晴れ晴れとした姿で婚約破棄を受け入れた。
のだが……婚約破棄をしたノアールは何故かリシェルに執着をし出して……。
更に、人間界には父の友人らしい天使?もいた……。
※カクヨムさん・なろうさんにも公開しております。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
お前との婚約は、ここで破棄する!
ねむたん
恋愛
「公爵令嬢レティシア・フォン・エーデルシュタイン! お前との婚約は、ここで破棄する!」
華やかな舞踏会の中心で、第三王子アレクシス・ローゼンベルクがそう高らかに宣言した。
一瞬の静寂の後、会場がどよめく。
私は心の中でため息をついた。
婚約者様への逆襲です。
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。
理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。
だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。
――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」
すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。
そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。
これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。
断罪は終わりではなく、始まりだった。
“信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。
「婚約破棄します」その一言で悪役令嬢の人生はバラ色に
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約破棄。それは悪役令嬢にとって、終わりではなく始まりだった。名を奪われ、社会から断罪された彼女が辿り着いたのは、辺境の小さな学び舎だった。そこには“名前を持たなかった子どもたち”が集い、自らの声と名を選び直していた。
かつて断罪された少女は、やがて王都の改革論争に巻き込まれ、制度の壁と信仰の矛盾に静かに切り込んでいく。語ることを許されなかった者たちの声が、国を揺らし始める時、悪役令嬢の“再生”と“逆襲”が静かに幕を開ける――。
訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?
naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。
私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。
しかし、イレギュラーが起きた。
何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。
【完結】婚約破棄された令嬢の毒はいかがでしょうか
まさかの
恋愛
皇太子の未来の王妃だったカナリアは突如として、父親の罪によって婚約破棄をされてしまった。
己の命が助かる方法は、友好国の悪評のある第二王子と婚約すること。
カナリアはその提案をのんだが、最初の夜会で毒を盛られてしまった。
誰も味方がいない状況で心がすり減っていくが、婚約者のシリウスだけは他の者たちとは違った。
ある時、シリウスの悪評の原因に気付いたカナリアの手でシリウスは穏やかな性格を取り戻したのだった。
シリウスはカナリアへ愛を囁き、カナリアもまた少しずつ彼の愛を受け入れていく。
そんな時に、義姉のヒルダがカナリアへ多くの嫌がらせを行い、女の戦いが始まる。
嫁いできただけの女と甘く見ている者たちに分からせよう。
カナリア・ノートメアシュトラーセがどんな女かを──。
小説家になろう、エブリスタ、アルファポリス、カクヨムで投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる