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アレクサンドラはため息をつく。
「私があなたを陥れる理由がありませんわ。だって、相手にもなりませんでしょう?」
そう言われアリスは悔しそうに歯ぎしりをして叫んだ。
「そ、そういう傲慢なところが理由よ! アレクサンドラ、あなた私が殿下に愛されて悔しかったんでしょう? それにまだあなたには秘密がありますわよね。自分の領地に見せしめで毒を流したそうじゃない!」
するとテオドールが言った。
「そんな事実はない。証人もいる。彼は喜んで証言してくれるそうだ。シャトリエ男爵令嬢、もう見苦しいことを言うのはやめておとなしく罪を認めたらどうだ?」
それを聞いてアリスは目を剥いた。
「おかしいですわ。作戦は成功したって、それを見届けたって私聞いてますもの!」
アレクサンドラは不思議に思い質問する。
「一体、誰にですの?」
その質問にアリスはニヤリと笑って答える。
「あとで教えてあげるわ。きっと驚くわよ? デュカス公爵家がどれほどの悪事を働いていたか、その人物は証言できるんだから!」
「そう、別にいいわ」
興味なさげにそう答えると、アリスは悔しそうにアレクサンドラを睨んだ。
そんなアリスを哀れむようにテオドールは続ける。
「アリス、アレクサンドラとファニーよって君がシェーレグリーンの布を生産、密輸していたことも我々は知っている。今ごろ兵士たちが工場及び、それをさばいていたルートをすべて摘発している頃だろう」
それに続いてアルナウトが言った。
「それと、君がそのシェーレグリーンを使用して私を暗殺しようとしていたことも調べがついている。乳母に話を聞いたら君の犯行を裏付ける決定的なことを目撃していたんだ。君が毒を入れるところをね。大胆過ぎて乳母は最初それが毒だと気づいていなかったそうだが」
ここまで証拠を突きつけられれば、アリスも観念するかと思われたがアリスは突然勝ち誇ったように言った。
「そんなのすべてでたらめですわ! 私嵌められてますの。それを証明できる強い証人がいますわ!」
そう言うと辺りをキョロキョロと見回した。だが、お目当ての人物が見つけられないのか、予定通り現れないのかアリスは焦りだした。
「なんで、どうしてよ! どうしてここにいないの?! まさか、裏切るつもり! ちょっと出てきなさいよ! あなたが本当の主人公は私だって言うから今回のことを計画しましたのに!!」
アレクサンドラはそれを聞いてアリスに尋ねる。
「本当の主人公?」
「そうよ! この世界はすべて決まっているの! あんたは所詮悪役令嬢なのよ!」
それを聞いてアレクサンドラは大きくため息をついて言った。
「そう。それが本当かどうかわからないけれど、一つ言っておくわ」
「な、なによ!」
「たとえ本当に私が悪役令嬢だったとしても、悪役令嬢にも心はあるのよ。その運命を知ったとき、悪役令嬢がどう思うか。あなたには想像できなかったかしら?」
「そんなこと、知らないわ。それより私は騙されたのよ! あいつに騙されたの!!」
「あいつ? 誰のことを言ってますの?」
その質問はまったくアリスの耳に届いていない様子で、アリスは壊れたようにひたすら小さな声で繰り返し呟く。
「おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ……」
テオドールがそんなアリスの異常な状態を見て質問する。
「なにがおかしいと言うんだ、そんな小さな声でなくはっきり言えばいいだろう?」
すると、突然大きな声でアリスは叫ぶ。
「おかしいのよ! なにもかも! 聞いてた話と全然違う!!」
その声にあたりは静まり返ると、アリスはシルヴァンを指差して続けて言った。
「だいたいなんで、シルヴァンが私のことを愛さないのよ! そのうえアレクサンドラのことばかり!! だから、わざわざアレクサンドラを嵌めてこの舞台から消してやろうとしているのに!!」
そう言うと、アレクサンドラを見つめた。
「あんたの持っているものは、すべて私のものになるはずだったの! そういう運命のはずなの! どうしてよ! 絶対にあんたを許さない!!」
そこでアレクサンドラは冷たく言い放つ。
「許してくださらなくて結構。ただ私は私の人生からあなたの存在が消えてくれればそれで満足よ」
それはかつて夢の中でアリスに言われた台詞だった。だがアレクサンドラはアリスト違い、自身の手でアリスを直接苦しめようなどとは当然思えなかった。
アレクサンドラのその一言を合図に、アリスは取り押さえられ連れて行かれた。
それを見送ると、シルヴァンは後ろからアレクサンドラを優しく抱きしめ頭をなでた。
「よく頑張った。偉かった」
「はい、頑張りましたわ」
そう言って二人が見つめ合うと、周囲から拍手が巻き起こり、貴族たちは口々に素晴らしい、見事に事件を解決したとアレクサンドラを称えた。
シルヴァンはそこから誕生会を仕切り直し、無事に誕生会を成功させた。
アレクサンドラも務めをやり切ると、緊張の糸が切れこの夜久しぶりにぐっすりと眠ることができた。
翌朝目を覚ますとアレクサンドラは支度をし、覚悟を決めてシルヴァンの部屋へ向かった。
こちらも決着をつけなければならないと思ったからだ。
「殿下、お話ししたいことがありますの」
アレクサンドラがドアの向こうにそう声をかけると、慌てたような駆け足の音がしたあとドアが勢いよく開かれシルヴァンが顔を出した。
「アレクサンドラ、来てくれたのか。君が僕の部屋を訪ねて来るなんて……」
「えっ? 殿下、あのそういう意味で来たわけでは。あの、本当に話したいことがありますの」
「は? あぁ、うん。も、もちろんそれはわかっている。ただ、君の方から来てくれたのが嬉しかっただけで……。とにかく、その、入ってくれ」
シルヴァンはそう言って部屋の中へ案内した。
シルヴァンの私室へ入るのは初めてのことだった。シルヴァンの、というより父親の私室以外の男性の私室に入るのはこれが初めてのことだった。
とても端ないことをしているような気になりながら、促されるままソファに腰掛ける。
お茶の準備が整うと、アレクサンドラはそれを一口含んだあと話し始めた。
「殿下、今日は私と殿下のことを話に参りました」
シルヴァンは目を見開き驚いた顔で一瞬アレクサンドラを見つめたあと、深呼吸をした。
「そうか、なにを言われるか怖いな」
そう言って悲しそうにほほ笑んだ。
「殿下、私は今まで殿下に冷たくされてきたこと、許せそうにありませんでした」
「そ、そうか。そうだろうな」
「はい。でも同時に殿下を許したい、愛したいと思う自分もいるのです」
「アレクサンドラ……」
「私の親友はこう言いました、悩んだときは自分の気持ちに素直になれと。それで思ったんです。こんな気持ちを抱えて殿下のそばにいるのは、お互いのためにならないと」
すると、シルヴァンは明らかにがっかりしたように答える。
「わかった。答えはでたということか。それは覆らないのだな?」
「はい、そうです」
「君の判断だ、僕はそれを認めないといけない。かなり難しいことだが……。いや、だがどうしても僕は君のことを諦めるなんて……」
「殿下? まだ話は終わっていませんわ」
すると、シルヴァンは不思議そうにアレクサンドラを見つめた。
「どういうことだ?」
「私決めました。今日限りで殿下のことは許そうと思います」
「な、なんだって? もう一度言ってくれアレクサンドラ」
「はい、ですから殿下のことは許そうと……」
その先は、シルヴァンに口を塞がれ言うことはできなかった。
そうして結局この日一日、アレクサンドラはシルヴァンに離してもらえず、部屋から一歩も外へ出ることができなかった。
次の日はベッドから起き上がることができず、結局数日王宮で過ごすことになった。
シルヴァンはそのあと屋敷へ戻ろうとするアレクサンドラを引き止めたが、アレクサンドラは最後に片付けないといけないことがあるとシルヴァンに話すと、一緒に屋敷へ戻ることにした。
「私があなたを陥れる理由がありませんわ。だって、相手にもなりませんでしょう?」
そう言われアリスは悔しそうに歯ぎしりをして叫んだ。
「そ、そういう傲慢なところが理由よ! アレクサンドラ、あなた私が殿下に愛されて悔しかったんでしょう? それにまだあなたには秘密がありますわよね。自分の領地に見せしめで毒を流したそうじゃない!」
するとテオドールが言った。
「そんな事実はない。証人もいる。彼は喜んで証言してくれるそうだ。シャトリエ男爵令嬢、もう見苦しいことを言うのはやめておとなしく罪を認めたらどうだ?」
それを聞いてアリスは目を剥いた。
「おかしいですわ。作戦は成功したって、それを見届けたって私聞いてますもの!」
アレクサンドラは不思議に思い質問する。
「一体、誰にですの?」
その質問にアリスはニヤリと笑って答える。
「あとで教えてあげるわ。きっと驚くわよ? デュカス公爵家がどれほどの悪事を働いていたか、その人物は証言できるんだから!」
「そう、別にいいわ」
興味なさげにそう答えると、アリスは悔しそうにアレクサンドラを睨んだ。
そんなアリスを哀れむようにテオドールは続ける。
「アリス、アレクサンドラとファニーよって君がシェーレグリーンの布を生産、密輸していたことも我々は知っている。今ごろ兵士たちが工場及び、それをさばいていたルートをすべて摘発している頃だろう」
それに続いてアルナウトが言った。
「それと、君がそのシェーレグリーンを使用して私を暗殺しようとしていたことも調べがついている。乳母に話を聞いたら君の犯行を裏付ける決定的なことを目撃していたんだ。君が毒を入れるところをね。大胆過ぎて乳母は最初それが毒だと気づいていなかったそうだが」
ここまで証拠を突きつけられれば、アリスも観念するかと思われたがアリスは突然勝ち誇ったように言った。
「そんなのすべてでたらめですわ! 私嵌められてますの。それを証明できる強い証人がいますわ!」
そう言うと辺りをキョロキョロと見回した。だが、お目当ての人物が見つけられないのか、予定通り現れないのかアリスは焦りだした。
「なんで、どうしてよ! どうしてここにいないの?! まさか、裏切るつもり! ちょっと出てきなさいよ! あなたが本当の主人公は私だって言うから今回のことを計画しましたのに!!」
アレクサンドラはそれを聞いてアリスに尋ねる。
「本当の主人公?」
「そうよ! この世界はすべて決まっているの! あんたは所詮悪役令嬢なのよ!」
それを聞いてアレクサンドラは大きくため息をついて言った。
「そう。それが本当かどうかわからないけれど、一つ言っておくわ」
「な、なによ!」
「たとえ本当に私が悪役令嬢だったとしても、悪役令嬢にも心はあるのよ。その運命を知ったとき、悪役令嬢がどう思うか。あなたには想像できなかったかしら?」
「そんなこと、知らないわ。それより私は騙されたのよ! あいつに騙されたの!!」
「あいつ? 誰のことを言ってますの?」
その質問はまったくアリスの耳に届いていない様子で、アリスは壊れたようにひたすら小さな声で繰り返し呟く。
「おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ、おかしいのよ……」
テオドールがそんなアリスの異常な状態を見て質問する。
「なにがおかしいと言うんだ、そんな小さな声でなくはっきり言えばいいだろう?」
すると、突然大きな声でアリスは叫ぶ。
「おかしいのよ! なにもかも! 聞いてた話と全然違う!!」
その声にあたりは静まり返ると、アリスはシルヴァンを指差して続けて言った。
「だいたいなんで、シルヴァンが私のことを愛さないのよ! そのうえアレクサンドラのことばかり!! だから、わざわざアレクサンドラを嵌めてこの舞台から消してやろうとしているのに!!」
そう言うと、アレクサンドラを見つめた。
「あんたの持っているものは、すべて私のものになるはずだったの! そういう運命のはずなの! どうしてよ! 絶対にあんたを許さない!!」
そこでアレクサンドラは冷たく言い放つ。
「許してくださらなくて結構。ただ私は私の人生からあなたの存在が消えてくれればそれで満足よ」
それはかつて夢の中でアリスに言われた台詞だった。だがアレクサンドラはアリスト違い、自身の手でアリスを直接苦しめようなどとは当然思えなかった。
アレクサンドラのその一言を合図に、アリスは取り押さえられ連れて行かれた。
それを見送ると、シルヴァンは後ろからアレクサンドラを優しく抱きしめ頭をなでた。
「よく頑張った。偉かった」
「はい、頑張りましたわ」
そう言って二人が見つめ合うと、周囲から拍手が巻き起こり、貴族たちは口々に素晴らしい、見事に事件を解決したとアレクサンドラを称えた。
シルヴァンはそこから誕生会を仕切り直し、無事に誕生会を成功させた。
アレクサンドラも務めをやり切ると、緊張の糸が切れこの夜久しぶりにぐっすりと眠ることができた。
翌朝目を覚ますとアレクサンドラは支度をし、覚悟を決めてシルヴァンの部屋へ向かった。
こちらも決着をつけなければならないと思ったからだ。
「殿下、お話ししたいことがありますの」
アレクサンドラがドアの向こうにそう声をかけると、慌てたような駆け足の音がしたあとドアが勢いよく開かれシルヴァンが顔を出した。
「アレクサンドラ、来てくれたのか。君が僕の部屋を訪ねて来るなんて……」
「えっ? 殿下、あのそういう意味で来たわけでは。あの、本当に話したいことがありますの」
「は? あぁ、うん。も、もちろんそれはわかっている。ただ、君の方から来てくれたのが嬉しかっただけで……。とにかく、その、入ってくれ」
シルヴァンはそう言って部屋の中へ案内した。
シルヴァンの私室へ入るのは初めてのことだった。シルヴァンの、というより父親の私室以外の男性の私室に入るのはこれが初めてのことだった。
とても端ないことをしているような気になりながら、促されるままソファに腰掛ける。
お茶の準備が整うと、アレクサンドラはそれを一口含んだあと話し始めた。
「殿下、今日は私と殿下のことを話に参りました」
シルヴァンは目を見開き驚いた顔で一瞬アレクサンドラを見つめたあと、深呼吸をした。
「そうか、なにを言われるか怖いな」
そう言って悲しそうにほほ笑んだ。
「殿下、私は今まで殿下に冷たくされてきたこと、許せそうにありませんでした」
「そ、そうか。そうだろうな」
「はい。でも同時に殿下を許したい、愛したいと思う自分もいるのです」
「アレクサンドラ……」
「私の親友はこう言いました、悩んだときは自分の気持ちに素直になれと。それで思ったんです。こんな気持ちを抱えて殿下のそばにいるのは、お互いのためにならないと」
すると、シルヴァンは明らかにがっかりしたように答える。
「わかった。答えはでたということか。それは覆らないのだな?」
「はい、そうです」
「君の判断だ、僕はそれを認めないといけない。かなり難しいことだが……。いや、だがどうしても僕は君のことを諦めるなんて……」
「殿下? まだ話は終わっていませんわ」
すると、シルヴァンは不思議そうにアレクサンドラを見つめた。
「どういうことだ?」
「私決めました。今日限りで殿下のことは許そうと思います」
「な、なんだって? もう一度言ってくれアレクサンドラ」
「はい、ですから殿下のことは許そうと……」
その先は、シルヴァンに口を塞がれ言うことはできなかった。
そうして結局この日一日、アレクサンドラはシルヴァンに離してもらえず、部屋から一歩も外へ出ることができなかった。
次の日はベッドから起き上がることができず、結局数日王宮で過ごすことになった。
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