愛し愛され。また愛す。

佐々木 おかもと

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番外編

暖かい朝に。

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※こちらTwitterに上げていたものです。
        特になんの修正も加筆もしておりません。






心地よい風が頬を撫でる。
ふと目を覚ますと隣には幸せそうに寝息を立てる涼太が居る。

せっかくの休日なのに昼にさしかかろうとする時間帯まで寝ていた事に、少し勿体なさを感じた。しかし、涼太の寝顔はいつまででも見ていたいとも小林は思った。

いつもは生意気に動くその唇も静かに閉じられ、強気な瞳も長いまつ毛が陽の光に当たりキラキラと憂いを帯びている。

小林は涼太に一つキスを落とした。

「…涼太さん。起きて下さい。もう昼になりますよ。」

涼太の大好きな声で起こす小林はやはり、自分の魅せ方をわかっているのだろう。
そんな甘い声に涼太はゆっくりと目を開いた。

「…うーん。隆弘…?」
「どうしました?」

寝ぼけているのか、珍しく小林の名前を呼ぶ涼太。ふふっと嬉しそうに笑い小林の胸に転がり込む。

「あったかい。んー。好きだよ隆弘…。」

そう言うと涼太はまた寝てしまった。小林はそんな事を言われて起こせるはずが無いと、仕方なく涼太が起きるまでゆっくりする事にした。

読みかけの小説を開いて、続きを読み進める。そんな緩やかな日々に、ささやかな幸せを。

涼太が起きるまであと少し。


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