91 / 100
091.変身
しおりを挟む
「アレクサンドロ王太子殿下、聖女様」
銀髪のロウエル公爵が赤色の服を身につけた3名を案内しながらやってきた。
ロウエル公爵の服は黒。
イケオジの黒タキシード!
犯罪でしょ。
ヒナはミドヴェ国の3人よりもロウエル公爵に釘付けだ。
やっぱり銀髪が好きなのか?
アレクサンドロの眼が揺れる。
「こちらはミドヴェ国王陛下、第3王子ナット殿下、そしてアービン公爵です」
アレクサンドロと挨拶を交わした後、第3王子ナットがヒナの手を握る。
熊族の手は少し硬いようだ。
手の甲に口づけされたヒナは、礼はせずにエリスの教え通りに微笑んだ。
「お時間を頂いても?」
アービン公爵が微笑むと、ヒナはもちろんですと答えた。
アレクサンドロを見上げるヒナ。
「別室にしようか?」
グレーの眼を細めて微笑むアレクサンドロにヒナは頷いた。
アレクサンドロが合図するとユリウスがお辞儀する。
ヴォルク国王と宰相も同席し、長年敵対していた国同士の異例の会談となった。
「先日は贈り物をありがとう」
すごい効果だったとミドヴェ国王はヒナに治癒クッキーのお礼を言った。
「一応聞いておきたいのだが、ミドヴェも良い国だ。こちらに来る予定は?」
第3王子ナットは独身だがどうだろうか? と言うミドヴェ国王に、ヒナは首を横に振った。
「チェロヴェから追い出され、死にそうだった私を助けてくれたのはヴォルク国です。私はこの国にいたいです」
ヒナがアレクサンドロを見ながら言うと、ミドヴェ国王はそうかと頷き、ヴォルク国王を見た。
「ヴォルク国王、我が国とも友好国になって頂けないだろうか?」
聖女の恩恵を受けられるのならば、聖女がどの国にいようが構わないとミドヴェ国王は言う。
「喜んで」
友好国の調印を交わし、プチィツァ国と同様に出店や文化交流を行う事がその場で決まった。
「プチィツァ国にもこの後、友好国を申し出るつもりだ」
「ではプチィツァ国王をお呼びしましょう」
ミドヴェ国とプチィツァ国も友好国となり、三国の国王同士は握手を交わした。
「ヒナのおかげだ」
アレクサンドロはヒナを立たせると会場へ戻る。
会場の入り口で待っていたコヴァック公爵は、アレクサンドロに黄色の服を身につけた年配のレパード国王、孫の第1王子レイナード殿下、レパード国宰相を引き合わせた。
レパード国も先ほどの部屋へ。
この日は四国が調印を交わすという歴史的な会談となった。
「チェロヴェは?」
「聖女が酷い目に遭わされたのだ。我が国としては聖女の意向を重視したい。貴国達は自由に友好国になってもらって構わない」
ミドヴェ国王の質問に、ヴォルク国王はチェロヴェ国と友好国にはならないと答えた。
「ウワサは『聖女はチェロヴェから逃げた』だった。事実は全然違うのだな」
年配のレパード国王が「大変だったな」とヒナに声をかけると、ヒナは「ヴォルク国のお陰で無事でした」と微笑んだ。
「ずっと争っていた他国と急に和平と言っても正直国民は困惑すると思うが、これから良い関係を築いて行けたらと思う」
ミドヴェ国王の言葉に各国の国王達は頷く。
よかった。
周辺国とは仲良くなれた。
あとはチェロヴェ。
ヒナは手を膝の上でギュッと握った。
「……大丈夫か?」
アレクサンドロがヒナの顔を覗き込む。
やっぱり前髪と眼鏡で表情が見えない。
アレクサンドロはヒナの眼鏡をヒョイと取った。
ヒナの背中のリボンを外し、ウエストの横の紐も外していく。
後ろで縛った髪のゴムも勝手に解き、ヒナの前髪を横に流した。
「ほう。その素顔を見ていれば男だとは思わなかっただろうに」
レパード国王がチェロヴェは馬鹿なことをしたと嘆く。
いつのまにかやってきたユリウスの妻エリスに髪をハーフアップにされ、紫の蝶のバレッタで止められた。
首にはダイヤモンドのネックレス、耳にはお揃いのダイヤモンドのイヤリングがはめられる。
「アレク様からよ」
選んだのはもちろん私とヒナの耳元で囁くと、眼鏡を持ってエリスは去っていく。
あっという間の変身に各国の王子は釘付けだった。
「さぁ、行こう」
手を差し出し、ヒナを立たせるアレクサンドロ。
ヒナはネックレスに触れながらありがとうとお礼を言った。
立ち上がったヒナのドレスは白と黒。
先ほどまでは真っ黒のドレスだったのに。
アレクサンドロが解いたリボンと紐でドレスが広がり、見せていなかった白い部分が現れたのだ。
「チェロヴェは気づかないかも」
ドレスの色も違う、眼鏡もない、前髪もないヒナを聖女だと気づくだろうか?
ヒナがくすくす笑うと、各国は何やら面白そうだと笑った。
「アレクだけズルいぞ。俺もヒナをエスコートしたい」
会場に戻る扉の前でフィリップがアレクサンドロに抗議する。
「今日は俺だけだ」
良いだろうと笑いながらアレクサンドロはユリウスが開けた扉をくぐった。
会場に戻り、入り口近くで立ち止まる。
「聖女はヒナという名か?」
レパード国第1王子レイナードの問いに、ヒナは「はい」と答えた。
「ヒナ姫と呼んでも?」
「ヒナでいいです。姫じゃないので」
「では私の事はレイと。16歳だ。同じくらいだろう?」
「私はナットと。21だが歳は離れているだろうか?」
豹族レパード国第1王子レイナードと熊族ミドヴェ国第3王子ナットがヒナに話しかける。
「よろしく、レイ、ナット。フィルみたいにお友達になってくれるの?」
ニッコリ微笑むヒナ。
「オトモダチ?」
レイナードとナットは一瞬何を言われたかわからずキョトンとなった。
これでも自分の国ではモテる方だと思っている。
それを軽く「友達」と言われるとは。
顔を見合わせ、笑い出すレイナードとナット。
楽しそうな王子達の様子に、国王同士もワインを飲みながら歓談を始めた。
銀髪のロウエル公爵が赤色の服を身につけた3名を案内しながらやってきた。
ロウエル公爵の服は黒。
イケオジの黒タキシード!
犯罪でしょ。
ヒナはミドヴェ国の3人よりもロウエル公爵に釘付けだ。
やっぱり銀髪が好きなのか?
アレクサンドロの眼が揺れる。
「こちらはミドヴェ国王陛下、第3王子ナット殿下、そしてアービン公爵です」
アレクサンドロと挨拶を交わした後、第3王子ナットがヒナの手を握る。
熊族の手は少し硬いようだ。
手の甲に口づけされたヒナは、礼はせずにエリスの教え通りに微笑んだ。
「お時間を頂いても?」
アービン公爵が微笑むと、ヒナはもちろんですと答えた。
アレクサンドロを見上げるヒナ。
「別室にしようか?」
グレーの眼を細めて微笑むアレクサンドロにヒナは頷いた。
アレクサンドロが合図するとユリウスがお辞儀する。
ヴォルク国王と宰相も同席し、長年敵対していた国同士の異例の会談となった。
「先日は贈り物をありがとう」
すごい効果だったとミドヴェ国王はヒナに治癒クッキーのお礼を言った。
「一応聞いておきたいのだが、ミドヴェも良い国だ。こちらに来る予定は?」
第3王子ナットは独身だがどうだろうか? と言うミドヴェ国王に、ヒナは首を横に振った。
「チェロヴェから追い出され、死にそうだった私を助けてくれたのはヴォルク国です。私はこの国にいたいです」
ヒナがアレクサンドロを見ながら言うと、ミドヴェ国王はそうかと頷き、ヴォルク国王を見た。
「ヴォルク国王、我が国とも友好国になって頂けないだろうか?」
聖女の恩恵を受けられるのならば、聖女がどの国にいようが構わないとミドヴェ国王は言う。
「喜んで」
友好国の調印を交わし、プチィツァ国と同様に出店や文化交流を行う事がその場で決まった。
「プチィツァ国にもこの後、友好国を申し出るつもりだ」
「ではプチィツァ国王をお呼びしましょう」
ミドヴェ国とプチィツァ国も友好国となり、三国の国王同士は握手を交わした。
「ヒナのおかげだ」
アレクサンドロはヒナを立たせると会場へ戻る。
会場の入り口で待っていたコヴァック公爵は、アレクサンドロに黄色の服を身につけた年配のレパード国王、孫の第1王子レイナード殿下、レパード国宰相を引き合わせた。
レパード国も先ほどの部屋へ。
この日は四国が調印を交わすという歴史的な会談となった。
「チェロヴェは?」
「聖女が酷い目に遭わされたのだ。我が国としては聖女の意向を重視したい。貴国達は自由に友好国になってもらって構わない」
ミドヴェ国王の質問に、ヴォルク国王はチェロヴェ国と友好国にはならないと答えた。
「ウワサは『聖女はチェロヴェから逃げた』だった。事実は全然違うのだな」
年配のレパード国王が「大変だったな」とヒナに声をかけると、ヒナは「ヴォルク国のお陰で無事でした」と微笑んだ。
「ずっと争っていた他国と急に和平と言っても正直国民は困惑すると思うが、これから良い関係を築いて行けたらと思う」
ミドヴェ国王の言葉に各国の国王達は頷く。
よかった。
周辺国とは仲良くなれた。
あとはチェロヴェ。
ヒナは手を膝の上でギュッと握った。
「……大丈夫か?」
アレクサンドロがヒナの顔を覗き込む。
やっぱり前髪と眼鏡で表情が見えない。
アレクサンドロはヒナの眼鏡をヒョイと取った。
ヒナの背中のリボンを外し、ウエストの横の紐も外していく。
後ろで縛った髪のゴムも勝手に解き、ヒナの前髪を横に流した。
「ほう。その素顔を見ていれば男だとは思わなかっただろうに」
レパード国王がチェロヴェは馬鹿なことをしたと嘆く。
いつのまにかやってきたユリウスの妻エリスに髪をハーフアップにされ、紫の蝶のバレッタで止められた。
首にはダイヤモンドのネックレス、耳にはお揃いのダイヤモンドのイヤリングがはめられる。
「アレク様からよ」
選んだのはもちろん私とヒナの耳元で囁くと、眼鏡を持ってエリスは去っていく。
あっという間の変身に各国の王子は釘付けだった。
「さぁ、行こう」
手を差し出し、ヒナを立たせるアレクサンドロ。
ヒナはネックレスに触れながらありがとうとお礼を言った。
立ち上がったヒナのドレスは白と黒。
先ほどまでは真っ黒のドレスだったのに。
アレクサンドロが解いたリボンと紐でドレスが広がり、見せていなかった白い部分が現れたのだ。
「チェロヴェは気づかないかも」
ドレスの色も違う、眼鏡もない、前髪もないヒナを聖女だと気づくだろうか?
ヒナがくすくす笑うと、各国は何やら面白そうだと笑った。
「アレクだけズルいぞ。俺もヒナをエスコートしたい」
会場に戻る扉の前でフィリップがアレクサンドロに抗議する。
「今日は俺だけだ」
良いだろうと笑いながらアレクサンドロはユリウスが開けた扉をくぐった。
会場に戻り、入り口近くで立ち止まる。
「聖女はヒナという名か?」
レパード国第1王子レイナードの問いに、ヒナは「はい」と答えた。
「ヒナ姫と呼んでも?」
「ヒナでいいです。姫じゃないので」
「では私の事はレイと。16歳だ。同じくらいだろう?」
「私はナットと。21だが歳は離れているだろうか?」
豹族レパード国第1王子レイナードと熊族ミドヴェ国第3王子ナットがヒナに話しかける。
「よろしく、レイ、ナット。フィルみたいにお友達になってくれるの?」
ニッコリ微笑むヒナ。
「オトモダチ?」
レイナードとナットは一瞬何を言われたかわからずキョトンとなった。
これでも自分の国ではモテる方だと思っている。
それを軽く「友達」と言われるとは。
顔を見合わせ、笑い出すレイナードとナット。
楽しそうな王子達の様子に、国王同士もワインを飲みながら歓談を始めた。
225
あなたにおすすめの小説
聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~
夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力!
絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。
最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り!
追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?
ドラゴンに攫われた聖女ですが、このドラゴン、めちゃくちゃ過保護でイケメンです
夏見ナイ
恋愛
聖女アリアは、魔王討伐後は用済みとされ、国から冷遇される日々を送っていた。心も体も疲れ果て、聖女という役割に絶望していたある日、伝説の「終焉の黒竜」が彼女を攫っていく。
誰もが生贄になったと嘆く中、アリアが連れてこられたのは雲上の美しい城。そこで竜は絶世の美青年カイザーへと姿を変え、「お前を守る」と宣言する。
待っていたのは死ではなく、豪華な食事に癒やしの魔法風呂、そして何より不器用で真っ直ぐなカイザーからの過保護すぎるほどの溺愛だった。
これは、全てを諦めた聖女が、世界最強のイケメンドラゴンに愛され、本当の自分と幸せを取り戻していく、極甘ラブストーリー。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
無能と蔑まれ敵国に送られた私、故郷の料理を振る舞ったら『食の聖女』と呼ばれ皇帝陛下に溺愛されています~今さら返せと言われても、もう遅いです!
夏見ナイ
恋愛
リンドブルム王国の第二王女アリアは、魔力を持たない『無能』として家族に虐げられ、厄介払いとして敵国ガルディナ帝国へ人質に送られる。死を覚悟した彼女だが、あまりに不味い帝国の食事に耐えかね、前世の記憶を頼りに自ら厨房に立つことを決意する。
彼女が作った温かい家庭料理は、偶然離宮を訪れた『氷の皇帝』レオンハルトの孤独な心を癒していく。やがてその味は堅物騎士団長や宰相をも虜にし、食べた者を癒す奇跡から『食の聖女』と讃えられるように。
価値を知った故郷が「返せ」と言ってきたが、もう遅い!
これは、料理で運命を切り開き、最強皇帝から世界一甘く溺愛される、美味しい逆転シンデレラストーリー。
外れスキル【修復】で追放された私、氷の公爵様に「君こそが運命だ」と溺愛されてます~その力、壊れた聖剣も呪われた心も癒せるチートでした~
夏見ナイ
恋愛
「出来損ない」――それが伯爵令嬢リナリアに与えられた名前だった。壊れたものしか直せない【修復】スキルを蔑まれ、家族に虐げられる日々。ある日、姉の策略で濡れ衣を着せられた彼女は、ついに家を追放されてしまう。
雨の中、絶望に暮れるリナリアの前に現れたのは、戦場の英雄にして『氷の公爵』と恐れられるアシュレイ。冷たいと噂の彼は、なぜかリナリアを「ようやく見つけた、私の運命だ」と抱きしめ、過保護なまでに甘やかし始める。
実は彼女の力は、彼の心を蝕む呪いさえ癒やせる唯一の希望で……?
これは、自己肯定感ゼロの少女が、一途な愛に包まれて幸せを掴む、甘くてときめくシンデレラストーリー。
罰として醜い辺境伯との婚約を命じられましたが、むしろ望むところです! ~私が聖女と同じ力があるからと復縁を迫っても、もう遅い~
上下左右
恋愛
「貴様のような疫病神との婚約は破棄させてもらう!」
触れた魔道具を壊す体質のせいで、三度の婚約破棄を経験した公爵令嬢エリス。家族からも見限られ、罰として鬼将軍クラウス辺境伯への嫁入りを命じられてしまう。
しかしエリスは周囲の評価など意にも介さない。
「顔なんて目と鼻と口がついていれば十分」だと縁談を受け入れる。
だが実際に嫁いでみると、鬼将軍の顔は認識阻害の魔術によって醜くなっていただけで、魔術無力化の特性を持つエリスは、彼が本当は美しい青年だと見抜いていた。
一方、エリスの特異な体質に、元婚約者の伯爵が気づく。それは伝説の聖女と同じ力で、領地の繁栄を約束するものだった。
伯爵は自分から婚約を破棄したにも関わらず、その決定を覆すために復縁するための画策を始めるのだが・・・後悔してももう遅いと、ざまぁな展開に発展していくのだった
本作は不遇だった令嬢が、最恐将軍に溺愛されて、幸せになるまでのハッピーエンドの物語である
※※小説家になろうでも連載中※※
追放された元聖女は、イケメン騎士団の寮母になる
腐ったバナナ
恋愛
聖女として完璧な人生を送っていたリーリアは、無実の罪で「はぐれ者騎士団」の寮へ追放される。
荒れ果てた場所で、彼女は無愛想な寮長ゼノンをはじめとするイケメン騎士たちと出会う。最初は反発する彼らだが、リーリアは聖女の力と料理で、次第に彼らの心を解きほぐしていく。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる