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急いで友人の方を見るが、お気をつけてと手を振っている。
いや、リーファも元気にニマニマしながら手を振ってるじゃない!さっきまで気を失いかけてたのに!!
「ちょ、私の同意は…」
そう言って一旦下ろして貰おうとするものの、一向に聞こうとしない。あぁ、本当に魔法の事となると気が使えなくなるのは、地位が上がっても変わらないじゃない。
でも、彼のそんな一直線な目に惹かれた私もいる。
「王子様、ちょっとこの子見てくるね~。これ、後はリオラいなくても何とか出来るでしょ?王様にも試されているらしいし?」
「…あ、あぁ。大丈夫だ」
勝手に許可を出されてしまった。
アーノルドが王子に対して敬っていないのは、彼がこの国で一番優れた魔法使いの称号"メイガス"を持っているからである。その称号さえあれば、平民であっても莫大な権力を得る事になる。
そういう彼も元々は平民であった。
「婚約者の公爵令嬢にも謝っときなよ~じゃ、俺は行くね」
そう言い残してアーノルドは転移魔法を使った。
研究室に着くとそこは…酷いあり様だった。
「何なの…ここは」
「俺の研究室だよ?」
研究室と言われたそこは、ゴミが散乱しており食べた後の皿が台所に積み上がっている到底ここに人が住んでいるとは思えない所であった。
「こんなの…研究室じゃなくて、ゴミ屋敷じゃない!!」
「え~、魔法使いの部屋はこんなものだよ」
不服そうに言い返す彼をキッと見上げる。
「今から掃除をします!!」
「え~」
そうして、パーティーが盛り上がるはずの夜の真っ只中に私達は掃除をする事になった。
しかし、気分は清々しくパーティーよりもドキドキするのだった。
お読みいただきありがとうございました!
いや、リーファも元気にニマニマしながら手を振ってるじゃない!さっきまで気を失いかけてたのに!!
「ちょ、私の同意は…」
そう言って一旦下ろして貰おうとするものの、一向に聞こうとしない。あぁ、本当に魔法の事となると気が使えなくなるのは、地位が上がっても変わらないじゃない。
でも、彼のそんな一直線な目に惹かれた私もいる。
「王子様、ちょっとこの子見てくるね~。これ、後はリオラいなくても何とか出来るでしょ?王様にも試されているらしいし?」
「…あ、あぁ。大丈夫だ」
勝手に許可を出されてしまった。
アーノルドが王子に対して敬っていないのは、彼がこの国で一番優れた魔法使いの称号"メイガス"を持っているからである。その称号さえあれば、平民であっても莫大な権力を得る事になる。
そういう彼も元々は平民であった。
「婚約者の公爵令嬢にも謝っときなよ~じゃ、俺は行くね」
そう言い残してアーノルドは転移魔法を使った。
研究室に着くとそこは…酷いあり様だった。
「何なの…ここは」
「俺の研究室だよ?」
研究室と言われたそこは、ゴミが散乱しており食べた後の皿が台所に積み上がっている到底ここに人が住んでいるとは思えない所であった。
「こんなの…研究室じゃなくて、ゴミ屋敷じゃない!!」
「え~、魔法使いの部屋はこんなものだよ」
不服そうに言い返す彼をキッと見上げる。
「今から掃除をします!!」
「え~」
そうして、パーティーが盛り上がるはずの夜の真っ只中に私達は掃除をする事になった。
しかし、気分は清々しくパーティーよりもドキドキするのだった。
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