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May
距離 Side 蒼樹 02-01話
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今日の予定は、午前中は秋斗先輩のところで仕事。午後は桃華とデート。
俺は十一時を回るとひとり先に職場をあとにした。
午後からのデートということもあり、デートプランは緩め。
ランチを食べてから映画を見て、ショッピングをしながらぶらぶら。六時半までには桃華を家に送っていく。その予定だった。が、ランチを食べ終わるころには予定が大きく変更された。
話のきっかけは自分にある。
昨日、翠葉が相談してきたことが引っかかっていて、学校でのふたりがどんな様子なのかを尋ねてみたのだ。
「翠葉から何か聞きました?」
「昨日、ちょっとね……」
「……それ、話してもらえたんですか? それとも、話してもらえなかったんですか?」
桃華は、「さぁ、どっち?」と言うかのようににこりと笑みを向けてくる。
桃華は学校であったたいていのことは教えてくれる。しかし、翠葉が望まないことは口にしない。実に友達思いな彼女なのだ。
「司に距離置かれてるかもって、落ち込んでた」
その言葉が解除キーになったらしく、桃華は閉じていた口を開いた。
「それ、俗に言う避けてる、っていうのとはちょっと違うんです」
「どんな状態なのか知りたいんだけど」
桃華は「了解」と言わんばかりに予定変更を持ちかけてきた。
「この二週間の出来事と映画、どっちを取ります?」
「桃華がいいなら前者で」
「もちろん、だめなんて言いません」
そんなわけで、映画館が入っている駅ビルから出てきたのがついさっき。
今は藤倉駅の南口から歩いて十分ほどのところにある公園に来ている。
公園はさほど広くないものの、敷地内には池があり、ボートに乗ることもできるらしい。遊具がないからなのか、日曜日だというのに子供連れの家族は少なく、池のほとりや森林の中で絵を描く人の姿が目立つ。
この時期、木陰を歩くのが気持ちいい季節だからか、中にはベンチで弁当を広げている男女もいた。
俺と桃華は手をつなぎ、現在地を確認してから「桜ストリート」という名称がついた散策ルートを歩き始めた。
「ぱっと見はなんの変化もないんです。でも、よくよく見ているとよそよそしいというか……」
どうやら、生徒会の集まりでは普通に接しているらしいが、ふたりになると急によそよそしくなるのだという。
「でも、司がよそよそしいのなんて想像できないんだけど……」
司は人に自分の感情を悟られることを苦手とするタイプだ。その司が、あからさまな態度を取るとは思えない。
「蒼樹さん、そこがポイントなんです」
「え、どこ……?」
「あの男がよそよそしいところを人に見せないっていうところ。絶対に自分の弱みを人に見せたくない人間でしょう?」
桃華が何を言おうとしているのか、ちょっとわかりかねた。
「あの男、今までなら周りを気にせず翠葉のことをかまっていたのに、この二週間は素っ気無いくらい」
それはつまり……。
「翠葉をかまっていないこと自体がおかしいってこと?」
「当たりです。翠葉もあの男も、もともと言葉数が多いほうではないんですけど、最近は異常です。まったく会話がないか、翠葉が一方的に話しかけるばかりで、藤宮司は必要最低限の返事をする程度。そんな対応をしているのは自分なのに、自分以外の男子が翠葉に話しかけようものならどす黒いオーラ発して、ばっかじゃないかと……」
桃華はかなりご立腹のようだ。
「唯一変な行動を取ったといえば……翠葉が髪を結ってきた日に、それを解いたことくらいでしょうか?」
結ってきた髪を解いた……?
頭の中で想像して、なんとなく理由がわかった気がした。
藤の会の日も、翠葉は髪をきれいに結い上げていたのだ。
その姿を見て、俺が何かを思うことはない。けれど、相手が桃華なら、と置き換えてみれば、司が何を考えたかは安易に想像できる。
俺なら首筋に目がいく。
これは、唯の予想がビンゴってことかな……。
「蒼樹さん……?」
急に黙り込んだ俺を不思議そうな目で桃華が見上げてきた。
たとえば、そんな仕草を見てかわいいな、と思えばキスをしたくなる。
不意に口付けると、桃華はびっくりした顔で唇を手で覆った。
「き、急になんですかっ!?」
「ごめん、キスしたくなった」
司は、こうは言えないのかもしれないし、こんなふうにキスができないのかもしれない。
なんだ……俺、ちょっと心配しすぎたかも。
「どうして急に――しかも、なんで笑顔なんですか……?」
桃華が少しむくれた顔で訊いてくる。
「んー……司の気持ちがちょっとわかったから、かな?」
「え?」
「藤の会のときも、翠葉は髪を結い上げてたんだ」
「……翠葉ほど髪が長ければ結い上げるのが普通だと思いますけど?」
「男ってさ、たぶん襟足とか首筋に目がいく生き物なんだ。洋服を着ていても、髪をアップにしてたら目がいくかな? それが着物だったら余計にね」
にこりと笑って桃華を見ると、意味を解したのか、桃華は真っ赤になった。
「それって……つまり……あの男がそういう目で翠葉を見ていたってことですかっ!?」
声を潜め、抗議されるように尋ねられた。
これは、男に対して「いやらしい」と不快な感情を持った感じだろうか。でも――
「そういうところに目がいく男は嫌?」
「っ……嫌っていうかっ――」
桃華は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
桃華が俯くと、切り揃えられた髪が前へ動き、華奢な首筋が露になる。
俺は周りに人がいないことを確認してから桃華を腕の中に閉じ込めた。
「蒼樹さんっ!?」
「ごめん……。でも、急にキスしたくなることもあるし、抱きしめたくなることもある。翠葉の首筋には何を思うこともないけど、桃華の首筋なら釘付けになるよ」
桃華は腕の中でおとなしくなる。
こんなことを言って、俺はいったいどうするつもりなのか……。
いや、どうするつもりもない、かな。ただ、司の現状をちょっと知ってほしかっただけだ。
そっと腕を緩め桃華を解放する。と、桃華は俺の背後へ回った。
何かと思えば、きゅっ、と背後からしがみつかれる。
「桃華……?」
「ごめんなさい……。藤宮司に対してはいやらしいと思いました。でも――蒼樹さんに対してはそう思わなくて……自分がどれほど利己主義なのかと――」
どんどん声が小さくなっていく様がかわいすぎた。
困ったな……。
「桃華さん、あまりかわいいことを言ったりしたりしないでくださいね? お兄さん、ちょっと困ってしまうので」
「え……?」
背後から顔を覗かせた桃華をもう一度腕に閉じ込め、桃華が俺を見上げた瞬間にキスをした。
「学校ではこんなふうにキスしたり抱きしめたりできないでしょ?」
桃華は俺が何を言いたいのかがわからないらしい。「どういう意味ですか?」という視線を向けられ、
「つまり、司は衝動を抑えるのに必死なんじゃないかな? だから、翠葉と少し距離を置いてる。でも、距離を置くこと自体は本意じゃないから不機嫌。……わかってもらえた?」
「……なんとなく」
「……なので、ふたりでなんとか切り抜けてもらうしかないよね?」
手をつなぎなおして散歩を再開する。
「でも、翠葉……大丈夫なんでしょうか?」
「うーん……どうだろうね。秋斗先輩とのときは怖いって逃げちゃったけど……」
そんな過去があるからこそ司は慎重になるのだろうし……。
「桃華がさっき言ったことと同じように思えたらいいよね」
「え……?」
「ほら、司に対してはいやらしいって思っちゃったけど、俺に対しては思わなかった、って言ったでしょ?」
「あ……」
「つまり、そういうこと。司なら大丈夫、って思えたらいいよね」
夕方までみっちり翠葉と司の話をすることになるかと思っていたけれど、そんなことにはならなかった。
桜ストリートをすべて歩き終えたらイチョウストリート。その途中から、まだ硬い蕾の紫陽花ストリートへシフト。あちこちにあるベンチで飲み物を飲んで休憩したり。
まだ陽射しがそこまできつくないこの季節にしかできない過ごし方を楽しんだ。
「来週は蒼樹さんのお誕生日ですね」
「そういえば……もうそんな時期か」
「お誕生日当日は全国模試前で会えないのですが、六月第一週の日曜日は会えますか?」
まるで誕生日に祝えないことを申し訳なく思っているような申し出だった。
「そんなに気にしなくていいのに」
「そんなって――誕生日ですよっ?」
少しムキになって抗議してくる桃華の手を取り、
「模試明けの日曜はお祝いしてくれるの?」
「もちろんです。大したことはできませんけど……。蒼樹さんは翠葉の誕生日プレゼント、用意しましたか?」
「……実は今日、映画が見終わったら付き合ってもらおうと思ってた」
桃華はすぐに腕時計を確認する。
「まだ四時で良かった……そういうことは早く言ってください。ほら、行きますよっ?」
先に席を立った桃華に腕を引かれて立ち上がり、もう一度くらいキスしてもいいかな、などと思う。
散歩していたときよりも数段速い足取りの桃華を引き寄せ、
「もう一度キスしてもいい?」
「……もぅ……訊かないでください」
桃華は恥ずかしそうに口にした。
ゆっくりと顔を近づければ目を瞑ってくれる。
俺は丁寧に唇を重ねると、いつもとは少し違うキスをした。重ねるだけではない。でも、舌を差し込むでもない。ただ、少し吸い付くようなキスをした。
一気にあれこれ求めるつもりはない。でも、少しずつは前に進みたい。
願わくば、そんな気持ちを受信してくれると嬉しいかも――
俺は十一時を回るとひとり先に職場をあとにした。
午後からのデートということもあり、デートプランは緩め。
ランチを食べてから映画を見て、ショッピングをしながらぶらぶら。六時半までには桃華を家に送っていく。その予定だった。が、ランチを食べ終わるころには予定が大きく変更された。
話のきっかけは自分にある。
昨日、翠葉が相談してきたことが引っかかっていて、学校でのふたりがどんな様子なのかを尋ねてみたのだ。
「翠葉から何か聞きました?」
「昨日、ちょっとね……」
「……それ、話してもらえたんですか? それとも、話してもらえなかったんですか?」
桃華は、「さぁ、どっち?」と言うかのようににこりと笑みを向けてくる。
桃華は学校であったたいていのことは教えてくれる。しかし、翠葉が望まないことは口にしない。実に友達思いな彼女なのだ。
「司に距離置かれてるかもって、落ち込んでた」
その言葉が解除キーになったらしく、桃華は閉じていた口を開いた。
「それ、俗に言う避けてる、っていうのとはちょっと違うんです」
「どんな状態なのか知りたいんだけど」
桃華は「了解」と言わんばかりに予定変更を持ちかけてきた。
「この二週間の出来事と映画、どっちを取ります?」
「桃華がいいなら前者で」
「もちろん、だめなんて言いません」
そんなわけで、映画館が入っている駅ビルから出てきたのがついさっき。
今は藤倉駅の南口から歩いて十分ほどのところにある公園に来ている。
公園はさほど広くないものの、敷地内には池があり、ボートに乗ることもできるらしい。遊具がないからなのか、日曜日だというのに子供連れの家族は少なく、池のほとりや森林の中で絵を描く人の姿が目立つ。
この時期、木陰を歩くのが気持ちいい季節だからか、中にはベンチで弁当を広げている男女もいた。
俺と桃華は手をつなぎ、現在地を確認してから「桜ストリート」という名称がついた散策ルートを歩き始めた。
「ぱっと見はなんの変化もないんです。でも、よくよく見ているとよそよそしいというか……」
どうやら、生徒会の集まりでは普通に接しているらしいが、ふたりになると急によそよそしくなるのだという。
「でも、司がよそよそしいのなんて想像できないんだけど……」
司は人に自分の感情を悟られることを苦手とするタイプだ。その司が、あからさまな態度を取るとは思えない。
「蒼樹さん、そこがポイントなんです」
「え、どこ……?」
「あの男がよそよそしいところを人に見せないっていうところ。絶対に自分の弱みを人に見せたくない人間でしょう?」
桃華が何を言おうとしているのか、ちょっとわかりかねた。
「あの男、今までなら周りを気にせず翠葉のことをかまっていたのに、この二週間は素っ気無いくらい」
それはつまり……。
「翠葉をかまっていないこと自体がおかしいってこと?」
「当たりです。翠葉もあの男も、もともと言葉数が多いほうではないんですけど、最近は異常です。まったく会話がないか、翠葉が一方的に話しかけるばかりで、藤宮司は必要最低限の返事をする程度。そんな対応をしているのは自分なのに、自分以外の男子が翠葉に話しかけようものならどす黒いオーラ発して、ばっかじゃないかと……」
桃華はかなりご立腹のようだ。
「唯一変な行動を取ったといえば……翠葉が髪を結ってきた日に、それを解いたことくらいでしょうか?」
結ってきた髪を解いた……?
頭の中で想像して、なんとなく理由がわかった気がした。
藤の会の日も、翠葉は髪をきれいに結い上げていたのだ。
その姿を見て、俺が何かを思うことはない。けれど、相手が桃華なら、と置き換えてみれば、司が何を考えたかは安易に想像できる。
俺なら首筋に目がいく。
これは、唯の予想がビンゴってことかな……。
「蒼樹さん……?」
急に黙り込んだ俺を不思議そうな目で桃華が見上げてきた。
たとえば、そんな仕草を見てかわいいな、と思えばキスをしたくなる。
不意に口付けると、桃華はびっくりした顔で唇を手で覆った。
「き、急になんですかっ!?」
「ごめん、キスしたくなった」
司は、こうは言えないのかもしれないし、こんなふうにキスができないのかもしれない。
なんだ……俺、ちょっと心配しすぎたかも。
「どうして急に――しかも、なんで笑顔なんですか……?」
桃華が少しむくれた顔で訊いてくる。
「んー……司の気持ちがちょっとわかったから、かな?」
「え?」
「藤の会のときも、翠葉は髪を結い上げてたんだ」
「……翠葉ほど髪が長ければ結い上げるのが普通だと思いますけど?」
「男ってさ、たぶん襟足とか首筋に目がいく生き物なんだ。洋服を着ていても、髪をアップにしてたら目がいくかな? それが着物だったら余計にね」
にこりと笑って桃華を見ると、意味を解したのか、桃華は真っ赤になった。
「それって……つまり……あの男がそういう目で翠葉を見ていたってことですかっ!?」
声を潜め、抗議されるように尋ねられた。
これは、男に対して「いやらしい」と不快な感情を持った感じだろうか。でも――
「そういうところに目がいく男は嫌?」
「っ……嫌っていうかっ――」
桃華は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
桃華が俯くと、切り揃えられた髪が前へ動き、華奢な首筋が露になる。
俺は周りに人がいないことを確認してから桃華を腕の中に閉じ込めた。
「蒼樹さんっ!?」
「ごめん……。でも、急にキスしたくなることもあるし、抱きしめたくなることもある。翠葉の首筋には何を思うこともないけど、桃華の首筋なら釘付けになるよ」
桃華は腕の中でおとなしくなる。
こんなことを言って、俺はいったいどうするつもりなのか……。
いや、どうするつもりもない、かな。ただ、司の現状をちょっと知ってほしかっただけだ。
そっと腕を緩め桃華を解放する。と、桃華は俺の背後へ回った。
何かと思えば、きゅっ、と背後からしがみつかれる。
「桃華……?」
「ごめんなさい……。藤宮司に対してはいやらしいと思いました。でも――蒼樹さんに対してはそう思わなくて……自分がどれほど利己主義なのかと――」
どんどん声が小さくなっていく様がかわいすぎた。
困ったな……。
「桃華さん、あまりかわいいことを言ったりしたりしないでくださいね? お兄さん、ちょっと困ってしまうので」
「え……?」
背後から顔を覗かせた桃華をもう一度腕に閉じ込め、桃華が俺を見上げた瞬間にキスをした。
「学校ではこんなふうにキスしたり抱きしめたりできないでしょ?」
桃華は俺が何を言いたいのかがわからないらしい。「どういう意味ですか?」という視線を向けられ、
「つまり、司は衝動を抑えるのに必死なんじゃないかな? だから、翠葉と少し距離を置いてる。でも、距離を置くこと自体は本意じゃないから不機嫌。……わかってもらえた?」
「……なんとなく」
「……なので、ふたりでなんとか切り抜けてもらうしかないよね?」
手をつなぎなおして散歩を再開する。
「でも、翠葉……大丈夫なんでしょうか?」
「うーん……どうだろうね。秋斗先輩とのときは怖いって逃げちゃったけど……」
そんな過去があるからこそ司は慎重になるのだろうし……。
「桃華がさっき言ったことと同じように思えたらいいよね」
「え……?」
「ほら、司に対してはいやらしいって思っちゃったけど、俺に対しては思わなかった、って言ったでしょ?」
「あ……」
「つまり、そういうこと。司なら大丈夫、って思えたらいいよね」
夕方までみっちり翠葉と司の話をすることになるかと思っていたけれど、そんなことにはならなかった。
桜ストリートをすべて歩き終えたらイチョウストリート。その途中から、まだ硬い蕾の紫陽花ストリートへシフト。あちこちにあるベンチで飲み物を飲んで休憩したり。
まだ陽射しがそこまできつくないこの季節にしかできない過ごし方を楽しんだ。
「来週は蒼樹さんのお誕生日ですね」
「そういえば……もうそんな時期か」
「お誕生日当日は全国模試前で会えないのですが、六月第一週の日曜日は会えますか?」
まるで誕生日に祝えないことを申し訳なく思っているような申し出だった。
「そんなに気にしなくていいのに」
「そんなって――誕生日ですよっ?」
少しムキになって抗議してくる桃華の手を取り、
「模試明けの日曜はお祝いしてくれるの?」
「もちろんです。大したことはできませんけど……。蒼樹さんは翠葉の誕生日プレゼント、用意しましたか?」
「……実は今日、映画が見終わったら付き合ってもらおうと思ってた」
桃華はすぐに腕時計を確認する。
「まだ四時で良かった……そういうことは早く言ってください。ほら、行きますよっ?」
先に席を立った桃華に腕を引かれて立ち上がり、もう一度くらいキスしてもいいかな、などと思う。
散歩していたときよりも数段速い足取りの桃華を引き寄せ、
「もう一度キスしてもいい?」
「……もぅ……訊かないでください」
桃華は恥ずかしそうに口にした。
ゆっくりと顔を近づければ目を瞑ってくれる。
俺は丁寧に唇を重ねると、いつもとは少し違うキスをした。重ねるだけではない。でも、舌を差し込むでもない。ただ、少し吸い付くようなキスをした。
一気にあれこれ求めるつもりはない。でも、少しずつは前に進みたい。
願わくば、そんな気持ちを受信してくれると嬉しいかも――
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