光のもとで2

葉野りるは

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December

それぞれのクリスマス Side 翠葉 01話

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 毎年飛鳥ちゃんのおうちで開かれるというクリスマスパーティーは場所を変え、例年より大人数で行われることになった。
 場所はマンションの多目的ホール。
 すべての仕切りが取り払われたホールは、立食形式なら二〇〇人を収容できるという。
 そこへ、今日は一〇〇人強の人が集まることになっていた。
 ゲストルームまで迎えに来てくれたツカサと一緒に会場へ向かうと、ホールを前にしたツカサが、
「翠……参考までに何人が参加するのか知りたいんだけど」
「確か、昨日の時点では一〇二人だったと思う」
「何がどうしてその人数?」
「えぇと、クリスマス会はいつも飛鳥ちゃんのおうちで行われていたみたいなの。そこへ呼ばれていたのは三十人だったのだけど、私がみんなに会いたくて、元一年B組のクラスメイトを追加したり、生徒会メンバーや久先輩、茜先輩を招待したら、あれよあれよと噂が広まってしまって、結果的には風間先輩や静音先輩たちも来ることになって……」
 話していくうちにツカサは呆れたような表情になり、仕舞いにはこめかみを押さえてしまった。
「それに、パーティーにダンスを盛り込んだ都合上、パートナーがいないと困るでしょう? だからね、パートナーも呼んでいいことにしたら、こんな大人数になっちゃったの。でも、会場は広いしゆとりはあるから問題ないでしょう?」
「これ、姉さんたちも来るの?」
「そのつもりで声をかけたのだけど、今回は学校関係者が多いことから遠慮されちゃった。栞さんは昇さんとブライトネスパレスへ食事をしに行くみたい。湊先生は、元おじい様の誕生パーティーに来るお客様を全員覚えるよう静さんに言われておうちで缶詰。蒼兄と唯兄、秋斗さんはコンシェルジュを手伝ってウェイターをしてくれるのよ。ちょっと申し訳ない気もするけれど、思っていたよりも人数が多くなっちゃったから助かっちゃう」
 薄ら笑いのツカサに手を引かれてホールへ入ると、入り口でプレゼントの受付をしていた高崎さんに声をかけられた。
 今日はドレスコードがあるからか、コンシェルジュの高崎さんもフロックコートを着ている。
「翠葉ちゃん、今日はまたかわいくドレスアップしたね? 司様も文句なしに格好いいし、美男美女ってこういうことをいうんだろうな」
「高崎さん、今日はよろしくお願いします!」
「こちらこそ、楽しそうなイベントのお手伝いができて嬉しいよ。さ、おふたりさん、プレゼントを預かりましょう?」
 私とツカサはあらかじめ用意していたプレゼントを高崎さんに預け、ホール内を見渡す。
 ホール中央はダンスが踊れるように広くスペースが取られており、それらを囲むようにオードブルが並ぶテーブルが配置されている。そして、壁際には休めるように椅子が並んでいた。
 窓際には高さ二メートルほどのツリー。すでに飾りつけも済んでおり、電飾がピカピカと光って自分が主役であるよう主張している。
 その隣にはオーディオセットやマイクが用意されていた。
「ツリー、きれいね……」
「そう? ツリーなんてどれも同じに見えるけど」
「そんなことないよ。大きなツリーを見ると、うわーってならない? 私、プラネットパレスの中庭にあったツリーを見たとき、うわーってなったよ?」
「それ、大きさに感嘆したんじゃなくて?」
「え……? そんなことはないと思うのだけど……」
 ちょっと自信がない……。
 確かに、大きなツリーになればなるほど「うわーっ」となるわけで……。
「翠葉ちゃん」
 声のしたほうを見ると、フロックコートに身を包んだ秋斗さんが立っていた。
「今日はまたきれいにドレスアップしたね? 翠葉ちゃんは肌が白いから、淡い色のドレスならなんでも似合うだろうな。とくに、今日着ているピンクのドレスは、まるで幸せな花嫁さんみたいで、隣に並ぶ司が羨ましいよ」
 秋斗さんが服装を褒めてくれるのはいつものこと。でも、「花嫁さんみたい」と言われたのは初めてで、話がツカサにまで及ぶととてつもなく恥ずかしくなる。
 恥ずかしくて恥ずかしくて、気を紛らわすように話の方向変換を試みる、
「このドレスも、静さんからいただいたものなんです。毎年たくさんドレスをいただくんですけど、フルレングスのドレスはあまり着る機会がなくて……。あっ、でも、髪飾りは秋斗さんからいただいたバレッタなんですよ」
 落ち着きなくバレッタを見せると、
「あ、本当だ。使ってくれてありがとう」
 身体の向きを直すとき、ふとツカサの表情が目に入って我に返る。
 機嫌、損ねたかも……。
 理由は、秋斗さんにいただいたバレッタが原因。
 でも、いただいたものをまったく使わないのはどうかと思うし……。
 だとしたら、今ここで話題にしてしまったのが間違いだった、ということかな……。
「司、睨むなよ」
 秋斗さんの言葉にツカサは面白くなさそうにそっぽを向く。
 そこへ唯兄と蒼兄がやってきた。
「何なにー? リィのドレス姿を褒めることもできない司っちが何嫉妬してるってー?」
 唯兄~~~、火に油を注ぐようなことはしないでっ!
「めっ」と視線だけで訴えると、唯兄は小さく舌を出して「てへっ」と笑って見せた。
「さ、そろそろ参加者が到着し始めるころだ。翠葉ちゃんと司はエントランスに出て、更衣室までの誘導をお願いね」
「はい!」
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