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15話
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「……え、っと。コレは……ですね。さっき、もらって……。あの、……けっして怪しいものでは、」
実際は怪しさ満点。問題しかない例の媚薬入りチョコを、必死に背中の後ろに隠したまましどろもどろになって言い訳を並べ立てる。
「竹田」
「はいはい。なんかお呼び?」
「っ、…あっ!」
ほんの一瞬。ハルカ先輩の注意が僕から竹田先輩へと移り、それにホッとした隙をつくように一気に間合いを詰められて。ほんと、文字通りあっと声を上げる暇もないほどに素早い動きで、隠し持っていた紙袋を奪い取られてしまった。
……ハルカ先輩。伊達に強豪剣道部の主将張ってない!!ほんと最高オブ最高すぎるほどにカッコいいッ!!肝心のカスミンだけじゃなくて誰もがみんな惚れちゃうヤツ!!僕の推し攻め最高ッ!!
「これもだ」
……とか。呑気にはしゃいでる場合じゃなかったなって、僕を我に返らせたのは。ハルカ先輩の冷たい声と眼差し。そして、まるでゴミを放るかのように雑に放り投げられたチョコの、
「は~い、了解。焼却炉行きね~」
行きさ……き、……って、……
「えっ!?焼却炉ッ!?」
最終的な行き先、そこ!?風紀委員の竹田先輩に一時的に預けただけとかじゃなくて!?
驚きのあまり思わず叫んじゃった僕に、なんだかやけに同情のこもった眼差しを向けてきた人が、たった今ハルカ先輩から受け取った紙袋の紐を手首にかけながら。ゆったりと口を開いた。
「たま~に、さ。危ないものを混ぜてくる子とかもいるからね。生徒の安全のためなんだよ」
それとは逆の手の先にまだ、どこかの見知らぬ女子をぶら下げてるのは……もうこの際見ないフリをした。
「見も知らない奴から渡された物を素直に受け取るバカがいるか」
「……すみません」
「もし俺がお前を見つけなかったらどうする気だったんだ?」
反対に。ハルカ先輩には真っ向から怒られてしまい、その不機嫌さを纏った顔を直視し続けるのもまた怖くてしおしおと萎んで下を向く。
「危ない物が入っているかもしれないんだぞ!?さすがに隙を見せすぎだ!」
……なんで僕、ここまで怒られてるんだろ。って気持ちと、まさに危険な効果を持つ危険なシロモノそのものなので、先輩がおっしゃる通りですごめんなさい……って後ろめたい気持ちが綯い交ぜになって、なおさら顔があげられない。
ってか、どうしよう。媚薬イベントのアイテム。多分、今回のイベントの相手役になるであろう可能性が一番高い人の手で没収されちゃったんだけど。
いるよね??流れ的に。もちろん。必要か必要じゃないか、っていったら絶対必要だと思うんだよ。何度も何度も繰り返しイベント周回してた僕的には。
「おい。ちゃんと聞いているのか?!」
「あっ、はい!聞いてます聞いてますっ!あの、……本当に、ごめんなさい」
しおらしい態度を装ったつもりが、途中から気もそぞろになってたことを見抜かれてしまったらしく、追加で厳しい声が飛んできたため体を縮こめ再び頭を下げた。
……まあ、でも。いっか。イベントに必要とはいえ、それこそ見ず知らずの人からもらった怪しいものをカスミンに食べさせるのも怖いし。
あ。でもな……そうすると、『僕』の役割がまた果たせなくなるわけだから。なにかしらの影響が出そうで嫌だな……。困る、っていうか。やっぱりこのままじゃダメかも。焼却炉にくべられる前に、なんとか取り返すチャンスとか……ないかな。没収したチョコを全部まとめて焼却炉に捨てに行くとかなら、集めている場所さえわかればその中から探し出して取り戻せるんじゃ……
「……ちなみにお前は、」
なんでか知らないうちにハルカ先輩からお小言を喰らうハメになってた僕は、叱られたあとも懲りずにアレコレ考え事をしていたわけだけど。
不意に上から降ってた、先輩らしくもない小さな声に誘われるように顔を上げた。
「え?」
「……渡す予定が、あったりするのか」
僕に話しかけているであろうはずなのに。
こっちから微妙に顔を背け、不機嫌そうに続けた相手が……急にわけのわからないことを言い出したもんだから、ちょっと軽いパニックに陥ってしまった。
「へ??」
なに。どういう意味で聞いてるんだろ。コレ。っていうか、ハルカ先輩!?そこまで僕なんかに興味なかったはずですよね?!バレンタインでチョコ没収からの世間話でしかないヤツなの?!でも、ほんの世間話だとしても。そんなこと気にするような人じゃなかったはずなのに!!やっぱ、ストーリー自体がおかしくなってる影響かなんか!?
「誰かに、…………たとえばっ。貴文とかに、だ」
頭の中で混乱の文字がグルグル渦巻いてる真っ最中に、さらに思いもかけない人の名前が相手の口から出てきたため。
驚きに目を剥きながら、自分の頬に両手を押し当て首を傾げる。
「会長に??渡す??え、僕が??…………なにを、ですか??」
ハルカ先輩がいう渡す物とやらが、僕の思い描いてる物とは別モノである可能性に一縷の望みを託し、内心めちゃくちゃ警戒しつつ慎重に言葉を選び、問いかけた。そしたら……
「だからっ!!……チョコに決まってるだろっ!!」
怒っているかのような険しい表情で、いきなり怒鳴りつけられ肩を竦める。
……チョコ。やっぱ、……チョコでしたか……。うん、一体どうしちゃったのハルカ先輩……。
脳内のみで呟いたついでにフラフラ2、3歩後退り、なんとか踏みとどまった先で大袈裟なまでに両手を振った。
「いやいやいやいや!!そんな予定は元から、ないです!!ほんっとに!!」
こっちをひたと睨みつけ、尖りに尖った視線を注がれ続けるこの状況そのものが怖くて必死に否定の言葉を重ねる。
手と一緒にブンブン左右に振っていた頭を止めて、念押しをするように「本当です!!」って訴え続けると。やがて、その両目や表情からほんの少し剣呑さが薄れ出したのが見て取れて、ホッと息を吐き出した。
そもそも会長の性格上、それは本当にあり得ないっていうか。
言い訳がましいかとも思ったけど。なんか勘違いしているらしい、未だ逸らされることのない相手の眼差しから逃れることがなにより先決だよね……ってことで、迷いながらも口を開く。
「……えっと。ないっていうか。僕からもらおうとか考えてもいないと思いますよ?欲しければ普通に銘柄指定した上で要求してきただろうし。でもなによりっ!会長の彼氏さんにこれ以上目をつけられたくはないんで。頼まれたって絶対あげないしその場で即お断りします。絶対、嫌ですっ」
だってさぁ、遠くで近くで毎度毎度顔を合わせるたび。物言いたげな目で見てくるその目つきと表情が……すでに色々怖いんだもん、あの人。会長の前だと常にキュルンキュルンしてるのに。
そんなふうに、なにもしてない今でも十分怖いのに、もし会長にチョコなんかあげちゃった日には……冗談抜きで血塗られたキャットファイトとか起こしそう。元々争う気すらない僕なんかを対戦相手に指定して。
ハルカ先輩に向かってワタワタ手を振りながらも、うっかりその情景を想像しちゃって。脳裏に思い浮かんだその惨状に、ブルリと身を震わせた。
その途端。
「ブフッ!……ハハハッ!なんなんだよ、普段あれだけ懐きまくっているクセに随分な言い草だな」
体を折り曲げるようにして思いっきり噴き出した先輩が声を上げて笑い出した。
そのあまりに、なんて言ったらいいんだろ。……えっと。ハルカ先輩の爆笑とかいう滅多に見れないような光景に、すっかり呆気に取られて無意識に見入っていた僕と。
あと。そんなていたらくの僕でもなんとなく感じ取れるくらいの、微妙に棘が含まれているようにも思えるセリフ回しを耳にして。首が勝手に傾いでく。
「はぁ……、まあ。懐いて、は……いるの、かな」
首を傾げつつも惚けたままそう答えた瞬間。形のいい眉と眉の間にグッとシワが刻まれた。
掻き消えてしまった笑顔を残念に思いながらも、キツく寄せられたその形のいい眉を見上げ、『僕』が言いそうな一言を恐る恐る付け足した。
「でも、僕が一番好きなのは陽加先輩ですよ?ずっとずっと。他の誰より。大好き、です」
そう、言ってはみたものの。
目の前にいる人の機嫌が謎に急降下している今。
下手したら、火に油を注ぎかねない迂闊な発言だったかも。と、今更ハッと気付いて冷や汗が浮かぶ。
後悔する傍ら即行で俯けた顔を、今度はおっかなびっくり持ち上げた。そうして、すでに数秒。無言を貫き続けている相手の様子を、コッソリと窺い見る。
「……そうか」
「え」
……ちょっと、待って。
……先輩?なにその反応。僕なんかが。こんな間近で。しかもタダで見ちゃっていいヤツですかソレ??なんて、咄嗟によくわからないことを口走りそうになっちゃうくらい、意外。意外、な……??いやいやいや。意外なんてもんじゃない!むしろ!邪魔者としか思われてないはずの僕を前にしたハルカ先輩の反応としては、あり得なさすぎるものが返ってきたため目を丸くした。
顔を上げて固まってた僕と、進んで視線を絡ませるように目を合わせてきたその端から。
徐々に緩んでいった表情とともに眉間に入っていた力がほどけ、柔らかく……、え。柔らかく??うん、……そりゃもうあり得ないほどに柔らかい笑みを浮かべたハルカ先輩がね、僕を……。僕、を。僕なんかを見下ろしてるんだけ、……ど??
ゲーム内でも、これまでも。
先輩のそんな顔見たことない!!レア!!もうコレは、超UR確定!!待って待って、そんなもんじやないかも!?珍しすぎてLRクラスなんじゃない?!……とかって。
お目にかかった瞬間からもう。一人で夜通し狂喜乱舞で踊り狂いたくなるほどにスペシャルすぎる、照れくさそうにはにかんだ先輩の笑顔。とかいうモノを直視してしまった僕は、もう……色々、ちょっと限界です。
なにその360度死角なしの、計り知れない魅力しか詰まってない超素敵な笑顔!!…………これは、拝んどいた方がいいのかな……、とか。
本気で意識を飛ばしかけてた僕の正面で。
「せっかくのバレンタインなのに、つまらん横槍を入れて悪かったな」
その笑顔を少しだけ曇らせて、申し訳なさそうに目元を歪めたハルカ先輩が、ポツリとそんなことを口にした。
「あ、いえ。それは……」
せっかくも何も、普通ならむしろ助かったしかないヤツだと思います。
僕がカスミンをイジメるライバルポジにいなければ、の話だけど。
肝心のイベントアイテムを没収されて、どうしようかな困ったな……って思いは正直、ある。あるけど、それさえなければハルカ先輩がやったことは人助け以外のなにものでもないわけで。
……でも、本当に困ったな。
すすんでカスミンに食べさせたいわけじゃないんだけど、これ以上話の流れが変わるのも……それはそれでちょっと。あとあと困る事態に繋がりかねない気配が若干……。
それでも、例えば今。直球そのまま。没収されたチョコの一時集積場所についてハルカ先輩に尋ねたとして、マトモに取り合ってくれる気がしない。
どうしよ。あとで風紀委員のクラスメイトにでも、さりげなく探りを入れて聞いてみる??
向かいに立つハルカ先輩には、そんなことないです助かりました。とばかりに両手を振りながら、うちのクラスの風紀委員って誰だったっけ。なんてことを頭の片隅で真剣に考え込んでいる最中。
「ん」
「へ?」
いきなりズイッと、眼前に突き付けられたものに驚き、ちょっとだけ体を引く。と、今度はそれをやんわり手のひらに置くように押し付けられ、反射的に受け取ってしまった。
え。なに、これ。
たったいま自分の身に起こったことにもまだ頭が追いつかず、理解もできないまま自分の手のひらを見下ろしてみれば。そこに、見慣れたチョコバーの包みが収まっていて。思わず頭を跳ね上げた。
「お詫び」
さっきまでの。誰もが見惚れてしまうような笑みの名残も全て消し去って、今はむしろ機嫌を損ねた時のような硬い表情を浮かべた先輩が、短くぶっきらぼうな言葉をその口からこぼす。
こっちの表情の方が見慣れてるとはいえ。咄嗟に姿勢を正し、手の内にあるチョコバーとハルカ先輩の顔を交互に落ち着きなく見比べた。
「あ……ありがとうござい、ます??え、……え。僕が、もらっちゃってもいいんですか??」
バレンタイン。今日、バレンタインなのに。……僕なんかが、推しのうちの一人でもある人からチョコバーをもらっちゃってもいいの??バレンタインだよ?!
「……間違って買ったヤツだから。別に、お前が気にする必要はない」
言うとなぜか心の底から出てきたっぽい苦々しそうな声で、逆に僕のことを気遣うような言葉を並べ立てたハルカ先輩の手が……こっちに伸びてくるのが見えて。咄嗟に体が硬直する。
けど予想と違い、戸惑うような速度でゆっくり近づいてきたそれが。唐突に、僕の頭をクシャリと撫でた。
「……ふっ、え??」
突然訪れた推しカプ攻めからの思いもよらない接触に、背筋にビビッと強烈な電流が走った気がして体が震え上がった。あと、心臓が。あり得ない程の速度で暴れ回ってる。
踊り狂うどころの騒ぎじゃない過剰すぎるほどの供給に、すでにノックダウン寸前の僕の体がフラリと横に傾いた。冗談とかじゃなくて、今にも倒れそうだし気を失いそう……。
はからずも、ハルカ先輩の手から逃げるみたいな動きになってしまったらしい僕の動きを見てなのか。わずかに眉を顰めた相手が、今まで頭の上にあったはずの手を滑らせるようにして、ほんの少しだけ下へと動かし、
「他の奴から、もらうんじゃないぞ」
「ひゃっ!……い」
今度は、冷たい指先で僕の耳朶を抓んでそんなことを言うもんだから、めちゃくちゃ上擦った声が出た。
きょ、距離感が!完全にバグってます先輩ッ!!
「あー。陽加~、付き合ってくれてサンキューな~。門も閉めたし不審者も追い出したし、撤収撤収。みんなお疲れさん」
バックバクと、今にも壊れそうな速さで音を刻む心臓が、とにかく痛くて。自分の顔が熱すぎて。
直立不動で息すらままならなくなってた僕の元に不意に届いた間延びした声と、直後に手を打つ音が聞こえたと同時に。耳朶に触れてた冷たい熱も離れて行った。
「……ああ。お疲れ」
どことなく面白くなさそうな空気を纏った声色で竹田先輩に一言返したハルカ先輩が、僕の肩を軽く叩いたあとで「またな」って。小さな声で耳打ちしてきた。
……一日で、どれだけの供給があるんですか……。もう、これ以上はほんと……死にそう。っていうか、普通に死ねる。うっかり推し変しそうになるからほんとやめてください!!
さっきっから、ずっと。痛いほどに脈を打つ心臓を制服の上から押さえ、最早手のひらに集まる体温だけで溶けてしまいそうなチョコバーを見下ろして、顔と同じくらい熱い息を吐き出す。
なんか、ゲームの中の『僕』が。身を滅ぼしそうな勢いでハルカ先輩沼にハマってた理由が、ちょっと分かった気がする。し、下手したら僕も同じ道を辿りかねないくらいの沼だ、あの人!!そりゃ、あの、モテがカンストしてるみたいなカスミンだって、コロッと簡単に落っこちちゃうに決まってる!!ギャップ萌えイケメン沼めっちゃ怖い!!
「あ。そういやさ、あった?」
「ん?」
荒れ狂う心の中で大絶叫してた僕の視線の先。徐々に遠ざかりつつあるものの、没収チョコを詰め込んだ黒いゴミ袋を引っ提げた竹田先輩とハルカ先輩二人の会話が、風に流され聞こえてきた。
「いや、購買寄るって言ってたじゃん。頼んだだろーが、チョコバー」
「あ」
「あ、ってなんだよ。おい」
「……あ~、まあ。売り切れ?」
「なわけあるか。毎年この日の発注量、通常の3倍だってお前も知ってるだろ」
「俺が行った時には売り切れだったんだって」
「はぁ~??……意味わからん」
呆れたようにボヤいた竹田先輩が首を傾げるのが視界の端に映り込んだその瞬間。
思わず、自分の手の中にあるものに目を落とした。
そして、咄嗟に呼び止めようと顔を上げる。と、ちょうどこっちに顔を向けたハルカ先輩と、目が合った。
「……ッ、」
まるで、……イタズラが成功した子供みたいな無邪気な笑みを浮かべ、唇に人差し指を当てて。顔をくしゃくしゃにしたハルカ先輩が笑み崩れる。
そのあとすぐ、竹田先輩から何か話を振られたられたらしく、こっちに注がれていた視線が外され、その表情もすぐに消え失せてしまったけど。
どんな神スチルで見たものよりも。さらにもっと、ずっと。
艶やかで楽しそうなソレが残した余韻からなかなか抜け出せず、ただただ放心していた僕の方へともう一度。再び視線を振ってよこしたハルカ先輩が、確認を取るように小さく首を傾げた。
それを見てハッと我に返り、遅ればせながらブンブン縦に大きく首を振る。
自分でも大袈裟に感じるくらいの動作で頷き続けていると、フハッとまた。息を吐くようにして噴き出した相手が小さく肩を揺らして僕から視線を外し、真っ直ぐ前を向いて歩き出したそのあとでさえ。
僕は、なんだか目を逸らすことができなくて。
どこかフワフワして、現実離れした不思議な心地のまま。その場に一人、佇んでいた。
……そうだ。イベントに必要なチョコ。捨てられる前に、ちゃんと取り戻しに行かなきゃ……。なんて、他人事のように考えながら。
________________
本当に、ごくたまにしか更新できていないのですが、そんな中でも読んでくださってありがとうございます!
えー…。文中にてハルカ先輩が剣道部主将になっておりますが、違ったかも…。さら~、と読み返してはみたんですが見付けられなかったため、のちほどまた見直して調整したいと思います。違ってても見逃して下さい。
そして急にデレましたが、またちょっと後戻りします。で、次話R15程度のイチャつきがあります。
実際は怪しさ満点。問題しかない例の媚薬入りチョコを、必死に背中の後ろに隠したまましどろもどろになって言い訳を並べ立てる。
「竹田」
「はいはい。なんかお呼び?」
「っ、…あっ!」
ほんの一瞬。ハルカ先輩の注意が僕から竹田先輩へと移り、それにホッとした隙をつくように一気に間合いを詰められて。ほんと、文字通りあっと声を上げる暇もないほどに素早い動きで、隠し持っていた紙袋を奪い取られてしまった。
……ハルカ先輩。伊達に強豪剣道部の主将張ってない!!ほんと最高オブ最高すぎるほどにカッコいいッ!!肝心のカスミンだけじゃなくて誰もがみんな惚れちゃうヤツ!!僕の推し攻め最高ッ!!
「これもだ」
……とか。呑気にはしゃいでる場合じゃなかったなって、僕を我に返らせたのは。ハルカ先輩の冷たい声と眼差し。そして、まるでゴミを放るかのように雑に放り投げられたチョコの、
「は~い、了解。焼却炉行きね~」
行きさ……き、……って、……
「えっ!?焼却炉ッ!?」
最終的な行き先、そこ!?風紀委員の竹田先輩に一時的に預けただけとかじゃなくて!?
驚きのあまり思わず叫んじゃった僕に、なんだかやけに同情のこもった眼差しを向けてきた人が、たった今ハルカ先輩から受け取った紙袋の紐を手首にかけながら。ゆったりと口を開いた。
「たま~に、さ。危ないものを混ぜてくる子とかもいるからね。生徒の安全のためなんだよ」
それとは逆の手の先にまだ、どこかの見知らぬ女子をぶら下げてるのは……もうこの際見ないフリをした。
「見も知らない奴から渡された物を素直に受け取るバカがいるか」
「……すみません」
「もし俺がお前を見つけなかったらどうする気だったんだ?」
反対に。ハルカ先輩には真っ向から怒られてしまい、その不機嫌さを纏った顔を直視し続けるのもまた怖くてしおしおと萎んで下を向く。
「危ない物が入っているかもしれないんだぞ!?さすがに隙を見せすぎだ!」
……なんで僕、ここまで怒られてるんだろ。って気持ちと、まさに危険な効果を持つ危険なシロモノそのものなので、先輩がおっしゃる通りですごめんなさい……って後ろめたい気持ちが綯い交ぜになって、なおさら顔があげられない。
ってか、どうしよう。媚薬イベントのアイテム。多分、今回のイベントの相手役になるであろう可能性が一番高い人の手で没収されちゃったんだけど。
いるよね??流れ的に。もちろん。必要か必要じゃないか、っていったら絶対必要だと思うんだよ。何度も何度も繰り返しイベント周回してた僕的には。
「おい。ちゃんと聞いているのか?!」
「あっ、はい!聞いてます聞いてますっ!あの、……本当に、ごめんなさい」
しおらしい態度を装ったつもりが、途中から気もそぞろになってたことを見抜かれてしまったらしく、追加で厳しい声が飛んできたため体を縮こめ再び頭を下げた。
……まあ、でも。いっか。イベントに必要とはいえ、それこそ見ず知らずの人からもらった怪しいものをカスミンに食べさせるのも怖いし。
あ。でもな……そうすると、『僕』の役割がまた果たせなくなるわけだから。なにかしらの影響が出そうで嫌だな……。困る、っていうか。やっぱりこのままじゃダメかも。焼却炉にくべられる前に、なんとか取り返すチャンスとか……ないかな。没収したチョコを全部まとめて焼却炉に捨てに行くとかなら、集めている場所さえわかればその中から探し出して取り戻せるんじゃ……
「……ちなみにお前は、」
なんでか知らないうちにハルカ先輩からお小言を喰らうハメになってた僕は、叱られたあとも懲りずにアレコレ考え事をしていたわけだけど。
不意に上から降ってた、先輩らしくもない小さな声に誘われるように顔を上げた。
「え?」
「……渡す予定が、あったりするのか」
僕に話しかけているであろうはずなのに。
こっちから微妙に顔を背け、不機嫌そうに続けた相手が……急にわけのわからないことを言い出したもんだから、ちょっと軽いパニックに陥ってしまった。
「へ??」
なに。どういう意味で聞いてるんだろ。コレ。っていうか、ハルカ先輩!?そこまで僕なんかに興味なかったはずですよね?!バレンタインでチョコ没収からの世間話でしかないヤツなの?!でも、ほんの世間話だとしても。そんなこと気にするような人じゃなかったはずなのに!!やっぱ、ストーリー自体がおかしくなってる影響かなんか!?
「誰かに、…………たとえばっ。貴文とかに、だ」
頭の中で混乱の文字がグルグル渦巻いてる真っ最中に、さらに思いもかけない人の名前が相手の口から出てきたため。
驚きに目を剥きながら、自分の頬に両手を押し当て首を傾げる。
「会長に??渡す??え、僕が??…………なにを、ですか??」
ハルカ先輩がいう渡す物とやらが、僕の思い描いてる物とは別モノである可能性に一縷の望みを託し、内心めちゃくちゃ警戒しつつ慎重に言葉を選び、問いかけた。そしたら……
「だからっ!!……チョコに決まってるだろっ!!」
怒っているかのような険しい表情で、いきなり怒鳴りつけられ肩を竦める。
……チョコ。やっぱ、……チョコでしたか……。うん、一体どうしちゃったのハルカ先輩……。
脳内のみで呟いたついでにフラフラ2、3歩後退り、なんとか踏みとどまった先で大袈裟なまでに両手を振った。
「いやいやいやいや!!そんな予定は元から、ないです!!ほんっとに!!」
こっちをひたと睨みつけ、尖りに尖った視線を注がれ続けるこの状況そのものが怖くて必死に否定の言葉を重ねる。
手と一緒にブンブン左右に振っていた頭を止めて、念押しをするように「本当です!!」って訴え続けると。やがて、その両目や表情からほんの少し剣呑さが薄れ出したのが見て取れて、ホッと息を吐き出した。
そもそも会長の性格上、それは本当にあり得ないっていうか。
言い訳がましいかとも思ったけど。なんか勘違いしているらしい、未だ逸らされることのない相手の眼差しから逃れることがなにより先決だよね……ってことで、迷いながらも口を開く。
「……えっと。ないっていうか。僕からもらおうとか考えてもいないと思いますよ?欲しければ普通に銘柄指定した上で要求してきただろうし。でもなによりっ!会長の彼氏さんにこれ以上目をつけられたくはないんで。頼まれたって絶対あげないしその場で即お断りします。絶対、嫌ですっ」
だってさぁ、遠くで近くで毎度毎度顔を合わせるたび。物言いたげな目で見てくるその目つきと表情が……すでに色々怖いんだもん、あの人。会長の前だと常にキュルンキュルンしてるのに。
そんなふうに、なにもしてない今でも十分怖いのに、もし会長にチョコなんかあげちゃった日には……冗談抜きで血塗られたキャットファイトとか起こしそう。元々争う気すらない僕なんかを対戦相手に指定して。
ハルカ先輩に向かってワタワタ手を振りながらも、うっかりその情景を想像しちゃって。脳裏に思い浮かんだその惨状に、ブルリと身を震わせた。
その途端。
「ブフッ!……ハハハッ!なんなんだよ、普段あれだけ懐きまくっているクセに随分な言い草だな」
体を折り曲げるようにして思いっきり噴き出した先輩が声を上げて笑い出した。
そのあまりに、なんて言ったらいいんだろ。……えっと。ハルカ先輩の爆笑とかいう滅多に見れないような光景に、すっかり呆気に取られて無意識に見入っていた僕と。
あと。そんなていたらくの僕でもなんとなく感じ取れるくらいの、微妙に棘が含まれているようにも思えるセリフ回しを耳にして。首が勝手に傾いでく。
「はぁ……、まあ。懐いて、は……いるの、かな」
首を傾げつつも惚けたままそう答えた瞬間。形のいい眉と眉の間にグッとシワが刻まれた。
掻き消えてしまった笑顔を残念に思いながらも、キツく寄せられたその形のいい眉を見上げ、『僕』が言いそうな一言を恐る恐る付け足した。
「でも、僕が一番好きなのは陽加先輩ですよ?ずっとずっと。他の誰より。大好き、です」
そう、言ってはみたものの。
目の前にいる人の機嫌が謎に急降下している今。
下手したら、火に油を注ぎかねない迂闊な発言だったかも。と、今更ハッと気付いて冷や汗が浮かぶ。
後悔する傍ら即行で俯けた顔を、今度はおっかなびっくり持ち上げた。そうして、すでに数秒。無言を貫き続けている相手の様子を、コッソリと窺い見る。
「……そうか」
「え」
……ちょっと、待って。
……先輩?なにその反応。僕なんかが。こんな間近で。しかもタダで見ちゃっていいヤツですかソレ??なんて、咄嗟によくわからないことを口走りそうになっちゃうくらい、意外。意外、な……??いやいやいや。意外なんてもんじゃない!むしろ!邪魔者としか思われてないはずの僕を前にしたハルカ先輩の反応としては、あり得なさすぎるものが返ってきたため目を丸くした。
顔を上げて固まってた僕と、進んで視線を絡ませるように目を合わせてきたその端から。
徐々に緩んでいった表情とともに眉間に入っていた力がほどけ、柔らかく……、え。柔らかく??うん、……そりゃもうあり得ないほどに柔らかい笑みを浮かべたハルカ先輩がね、僕を……。僕、を。僕なんかを見下ろしてるんだけ、……ど??
ゲーム内でも、これまでも。
先輩のそんな顔見たことない!!レア!!もうコレは、超UR確定!!待って待って、そんなもんじやないかも!?珍しすぎてLRクラスなんじゃない?!……とかって。
お目にかかった瞬間からもう。一人で夜通し狂喜乱舞で踊り狂いたくなるほどにスペシャルすぎる、照れくさそうにはにかんだ先輩の笑顔。とかいうモノを直視してしまった僕は、もう……色々、ちょっと限界です。
なにその360度死角なしの、計り知れない魅力しか詰まってない超素敵な笑顔!!…………これは、拝んどいた方がいいのかな……、とか。
本気で意識を飛ばしかけてた僕の正面で。
「せっかくのバレンタインなのに、つまらん横槍を入れて悪かったな」
その笑顔を少しだけ曇らせて、申し訳なさそうに目元を歪めたハルカ先輩が、ポツリとそんなことを口にした。
「あ、いえ。それは……」
せっかくも何も、普通ならむしろ助かったしかないヤツだと思います。
僕がカスミンをイジメるライバルポジにいなければ、の話だけど。
肝心のイベントアイテムを没収されて、どうしようかな困ったな……って思いは正直、ある。あるけど、それさえなければハルカ先輩がやったことは人助け以外のなにものでもないわけで。
……でも、本当に困ったな。
すすんでカスミンに食べさせたいわけじゃないんだけど、これ以上話の流れが変わるのも……それはそれでちょっと。あとあと困る事態に繋がりかねない気配が若干……。
それでも、例えば今。直球そのまま。没収されたチョコの一時集積場所についてハルカ先輩に尋ねたとして、マトモに取り合ってくれる気がしない。
どうしよ。あとで風紀委員のクラスメイトにでも、さりげなく探りを入れて聞いてみる??
向かいに立つハルカ先輩には、そんなことないです助かりました。とばかりに両手を振りながら、うちのクラスの風紀委員って誰だったっけ。なんてことを頭の片隅で真剣に考え込んでいる最中。
「ん」
「へ?」
いきなりズイッと、眼前に突き付けられたものに驚き、ちょっとだけ体を引く。と、今度はそれをやんわり手のひらに置くように押し付けられ、反射的に受け取ってしまった。
え。なに、これ。
たったいま自分の身に起こったことにもまだ頭が追いつかず、理解もできないまま自分の手のひらを見下ろしてみれば。そこに、見慣れたチョコバーの包みが収まっていて。思わず頭を跳ね上げた。
「お詫び」
さっきまでの。誰もが見惚れてしまうような笑みの名残も全て消し去って、今はむしろ機嫌を損ねた時のような硬い表情を浮かべた先輩が、短くぶっきらぼうな言葉をその口からこぼす。
こっちの表情の方が見慣れてるとはいえ。咄嗟に姿勢を正し、手の内にあるチョコバーとハルカ先輩の顔を交互に落ち着きなく見比べた。
「あ……ありがとうござい、ます??え、……え。僕が、もらっちゃってもいいんですか??」
バレンタイン。今日、バレンタインなのに。……僕なんかが、推しのうちの一人でもある人からチョコバーをもらっちゃってもいいの??バレンタインだよ?!
「……間違って買ったヤツだから。別に、お前が気にする必要はない」
言うとなぜか心の底から出てきたっぽい苦々しそうな声で、逆に僕のことを気遣うような言葉を並べ立てたハルカ先輩の手が……こっちに伸びてくるのが見えて。咄嗟に体が硬直する。
けど予想と違い、戸惑うような速度でゆっくり近づいてきたそれが。唐突に、僕の頭をクシャリと撫でた。
「……ふっ、え??」
突然訪れた推しカプ攻めからの思いもよらない接触に、背筋にビビッと強烈な電流が走った気がして体が震え上がった。あと、心臓が。あり得ない程の速度で暴れ回ってる。
踊り狂うどころの騒ぎじゃない過剰すぎるほどの供給に、すでにノックダウン寸前の僕の体がフラリと横に傾いた。冗談とかじゃなくて、今にも倒れそうだし気を失いそう……。
はからずも、ハルカ先輩の手から逃げるみたいな動きになってしまったらしい僕の動きを見てなのか。わずかに眉を顰めた相手が、今まで頭の上にあったはずの手を滑らせるようにして、ほんの少しだけ下へと動かし、
「他の奴から、もらうんじゃないぞ」
「ひゃっ!……い」
今度は、冷たい指先で僕の耳朶を抓んでそんなことを言うもんだから、めちゃくちゃ上擦った声が出た。
きょ、距離感が!完全にバグってます先輩ッ!!
「あー。陽加~、付き合ってくれてサンキューな~。門も閉めたし不審者も追い出したし、撤収撤収。みんなお疲れさん」
バックバクと、今にも壊れそうな速さで音を刻む心臓が、とにかく痛くて。自分の顔が熱すぎて。
直立不動で息すらままならなくなってた僕の元に不意に届いた間延びした声と、直後に手を打つ音が聞こえたと同時に。耳朶に触れてた冷たい熱も離れて行った。
「……ああ。お疲れ」
どことなく面白くなさそうな空気を纏った声色で竹田先輩に一言返したハルカ先輩が、僕の肩を軽く叩いたあとで「またな」って。小さな声で耳打ちしてきた。
……一日で、どれだけの供給があるんですか……。もう、これ以上はほんと……死にそう。っていうか、普通に死ねる。うっかり推し変しそうになるからほんとやめてください!!
さっきっから、ずっと。痛いほどに脈を打つ心臓を制服の上から押さえ、最早手のひらに集まる体温だけで溶けてしまいそうなチョコバーを見下ろして、顔と同じくらい熱い息を吐き出す。
なんか、ゲームの中の『僕』が。身を滅ぼしそうな勢いでハルカ先輩沼にハマってた理由が、ちょっと分かった気がする。し、下手したら僕も同じ道を辿りかねないくらいの沼だ、あの人!!そりゃ、あの、モテがカンストしてるみたいなカスミンだって、コロッと簡単に落っこちちゃうに決まってる!!ギャップ萌えイケメン沼めっちゃ怖い!!
「あ。そういやさ、あった?」
「ん?」
荒れ狂う心の中で大絶叫してた僕の視線の先。徐々に遠ざかりつつあるものの、没収チョコを詰め込んだ黒いゴミ袋を引っ提げた竹田先輩とハルカ先輩二人の会話が、風に流され聞こえてきた。
「いや、購買寄るって言ってたじゃん。頼んだだろーが、チョコバー」
「あ」
「あ、ってなんだよ。おい」
「……あ~、まあ。売り切れ?」
「なわけあるか。毎年この日の発注量、通常の3倍だってお前も知ってるだろ」
「俺が行った時には売り切れだったんだって」
「はぁ~??……意味わからん」
呆れたようにボヤいた竹田先輩が首を傾げるのが視界の端に映り込んだその瞬間。
思わず、自分の手の中にあるものに目を落とした。
そして、咄嗟に呼び止めようと顔を上げる。と、ちょうどこっちに顔を向けたハルカ先輩と、目が合った。
「……ッ、」
まるで、……イタズラが成功した子供みたいな無邪気な笑みを浮かべ、唇に人差し指を当てて。顔をくしゃくしゃにしたハルカ先輩が笑み崩れる。
そのあとすぐ、竹田先輩から何か話を振られたられたらしく、こっちに注がれていた視線が外され、その表情もすぐに消え失せてしまったけど。
どんな神スチルで見たものよりも。さらにもっと、ずっと。
艶やかで楽しそうなソレが残した余韻からなかなか抜け出せず、ただただ放心していた僕の方へともう一度。再び視線を振ってよこしたハルカ先輩が、確認を取るように小さく首を傾げた。
それを見てハッと我に返り、遅ればせながらブンブン縦に大きく首を振る。
自分でも大袈裟に感じるくらいの動作で頷き続けていると、フハッとまた。息を吐くようにして噴き出した相手が小さく肩を揺らして僕から視線を外し、真っ直ぐ前を向いて歩き出したそのあとでさえ。
僕は、なんだか目を逸らすことができなくて。
どこかフワフワして、現実離れした不思議な心地のまま。その場に一人、佇んでいた。
……そうだ。イベントに必要なチョコ。捨てられる前に、ちゃんと取り戻しに行かなきゃ……。なんて、他人事のように考えながら。
________________
本当に、ごくたまにしか更新できていないのですが、そんな中でも読んでくださってありがとうございます!
えー…。文中にてハルカ先輩が剣道部主将になっておりますが、違ったかも…。さら~、と読み返してはみたんですが見付けられなかったため、のちほどまた見直して調整したいと思います。違ってても見逃して下さい。
そして急にデレましたが、またちょっと後戻りします。で、次話R15程度のイチャつきがあります。
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もうほんと大好きです‼️一気読みしちゃいました😭更新心から待ってます(>ω<)
お返事が、遅くなりましたレベルで収まらないほどに遅くなってしまって大変申し訳ありません!!
読んでくださって本当にありがとうございます😭✨そして、とっても嬉しいお言葉をいただき心より感謝申し上げます!!
更新速度がカタツムリの歩み以下でほんとに申し訳ない限りなのですが、遅くとも来月半ばまでには上げられると思いますので、無事更新できましたらその際にまた読んでいただけますととても嬉しく思います!!
お返事が遅くなってしまったこと、重ねてお詫びいたします!申し訳ありませんでした🙇♀️💦
ありがたすぎる感想をいただけて、とってもとっても嬉しかったです!!
めちゃくちゃ可愛くて一気に読んじゃった、、!ぶりっ子な感じのない純粋な可愛さがすごい刺さりますッ!健気で可愛いし会長にはツンデレ発動する愁くん最高すぎる、、会長とのやりとり好きです!
お返事が遅くなりまして申し訳ありません🙇💦
読んで下さって、本当にありがとうございます!!一気読み、とっても嬉しいです~!!
実をいうと会長との絡みが書いてて一番楽しいので、二人のやり取りを楽しんで見ていただけてありがたいばかりです🥰
愁くん、可愛いのお言葉嬉しすぎます!!
ただいま、かたつむり以下の歩みでしか更新できない状態のため、また投稿することができたら読んでいただけるとありがたく存じます!!
嬉しい感想、本当にありがとうございました✨
面白くてイッキ読みしちゃいました!
お気に入りに即追加✨️✨️ネ申✨️✨️
更新も待ってます☺️💖
お返事が物凄く遅くなってしまって申し訳ありません🙏💦
楽しんで読んで下さって本当に本当にありがとうございます!!もう、嬉しすぎてなんと感謝を申し上げれば…ッ✨
現在、諸事情でポツポツとしか更新できない状態なのですが、今月中に新たに1話投稿するつもりでおりますので、よろしければまた読んでいただけますと嬉しいです☺💕
本当にありがとうございます!!