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第21章 狂える土
違法薬物とチップ
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楓と紅葉は道楽半分でブラボーちゃんを調査。
舞奈たち禍我愚痴支部の協力チームは自警団と連携して違法薬物取引を偵察。
そのように各々が放課後に地味な活動に勤しんだ日の、翌日。
初等部の皆が給食のハヤシライスを気分よく食べ終わった後の昼休憩に……
「……そう言われれば、まあ、そうだよな」
舞奈は校舎の壁にもたれかかりつつ、ひとりごちる。
側には見た目だけは優雅に腰かけた楓。
生真面目な表情で話を聞きながら校庭を見やっている明日香。
同じく表情の薄い視線を向けるテック。
4人が見やる校庭では、クラスの皆が腹ごなしにドッジボールなどしている。
小中高一貫校の生徒が共同で使っているグラウンドは少し手狭ではあるが、何処かの暗くて狭い路地とは違って小奇麗で、昼間は明るく見通しもいい。
以前にダース単位の暴徒が殴りこんできた以外はトラブルもない安全な場所だ。
そんな平和なコートの中では、
「安倍明日香! わたくしの華麗な投球に恐れをなしなさい!」
「西園寺ー。安倍なら向こうだぞ? さっき桂木楓先輩に呼ばれてただろう?」
「わかってますわ! くらえっ!」
「……あっ」
麗華様が、投げたボールに自分で当たっていた。
手を放すタイミングを誤ったボールが前ではなく上に飛び、頭上に落ちたのだ。
しかも当たった事に気づかず周囲をキョロキョロ見渡す念の入れよう。
恐ろしいほど研ぎ澄まされた天性のギャグセンスである。
というか平和である。
「わっ。麗華ちゃん、大丈夫?」
「麗華様。ド、ドンマイです……」
「ドッジボールは他の人に当てる遊びなンすよ?」
「器用だなーやろうと思ってできる事じゃないだろう」
「逆にすげーな西園寺」
ビックリする園香。
困惑するデニスとジャネット。
呆れるを通り越して感心する男子たち。
「今のどうする?」
「ノーカンにしようぜ。西園寺だし……」
「よかったね麗華ちゃん!」
その様に気ばかり大きく何をやっても粗忽な麗華様の存在を織りこみ済みで、男子も女子も和気あいあいとドッジボールを楽しむ。
そんな男子も麗華様の御守りの側、こちらの様子をチラチラうかがっている。
何故なら舞奈の隣には楓が座っているからだ。
楓の人柄はこんなだが、ブルジョワで見た目が良いから高等部の高嶺の花だ。
のみならず中等部、初等部にも男子を中心にファンが多い。
そんなのがクラスメイトと話しているのが気になって仕方ないのだ。
いいなー志門、みたいな感じである。
そう。平和な昼休憩のドッジボール中に、今日は桂木楓がやってきていた。
なので舞奈と明日香はゲームを抜けて、隅で楓の話を聞いていた。
インドア派のテックは元より不参加を決めこんでいたので、ドッジ中の個人が来客のため席を外す場所の目印代わりだ。
そんな楓は昨日、生物室に入りこんでブラボーちゃんを調べたらしい。
その件で話があるのだそうだ。
まあ急ではあるが、ありがたい話でもある。
謎の多い今回の件で、能力的に信頼できる筋からの情報は多いほうが良い。
楓はこんなだが腕のいい魔術師なのも事実だ。
もちろんテックは事情を知っているので一緒に聞いても問題はない。
「西園寺さんー。帽子をかぶった方が痛くないわよー」
「余計なお世話ですわ安部明日香!」
舞奈の隣から明日香がどうでもいいアドバイスをして、
「麗華ちゃん、怪我はなかったかい?」
「いや紅葉さん、あれで怪我とか逆にウルトラCすぎるっすよ」
「オホホ問題ありませんわ! この前は階段から落ちても平気でしたのよ!」
「えっ気をつけてね……」
気遣う紅葉に麗華様はガッツポーズをとってみせる。
それがアピールになると思ってるらしい。
「何時の間にそんな事が……」
「ひとりで出歩くと危ないンすよ」
「麗華ちゃんスゴイ!」
「う、うん。丈夫だ」
初耳だったらしいデニスとジャネットがビックリする。
チャビーは割と無責任に、園香が戸惑い気味にフォローする。
階段からは落ちないよう気をつけてほしいと誰もが少し思った。
その様に、抜けた舞奈と明日香の代わりに紅葉が参戦してくれていた。
つき合いの良い妹である。
しかも爽やかなスポーツマンの彼女は、敵も味方も関係なくゲームを楽しめるよう接待プレイしてくれていた。
これには小学生たちも大満足。
もちろん最初から紅葉のファンだった何人かの女子は別勘定でだ。
これも彼女が優秀な戦士であるだけでなく優れたウアブ呪術でもある証拠だ。
細やかな気配りができて、子供にも星にも好かれる性質なのだ。
ウアブ呪術は星々に宿る魔神から力を借りる。
と、まあ、そんな面白おかしいコートの様子を他所に……
「……という訳で、そのチップとやら、少なくとも外科的手段によって埋めこまれたものではないとは思われます」
「まあ、もっともな話だとは思うが」
「なるほど、確かに……」
「それはそうね」
3人そろって楓の話に納得する。
楓が魔術まで使って調べた蜘蛛のブラボーちゃんに、チップを埋めこむような外科的措置の痕跡はなかった。
他の理由からも、機械的なチップが埋めこまれていたと考えるのは不自然だ。
そう主張する楓の論には筋が通っていると舞奈には思える。
明日香は明日香で、警備会社でもある実家で発信器の扱いがあるのだろう。
その性能と比較して、楓の話に信ぴょう性があると判断したらしい。
テックも蜘蛛に埋めこむような発信器にしては仕様がおかしいと前々から訝しんでいたのかもしれない。
つまり4匹の蜘蛛や騎士たちに埋めこまれていたのはチップじゃない?
舞奈は新たな情報を元に考える。
だが、奴らの体内に何らかの異物が存在していたのは事実だ。
そいつはブラボーちゃんを魔獣に変えた。
Koboldの騎士たちに追加の異能力をあたえていた。
その実態が何なのかは不明なまま。
だが少なくとも、それはチップの形で体内に送りこまれるものじゃない。
じゃあ、どうやって脳に入るんだ?
そう思考を進めていた舞奈は……
「……そうそう。生物室ではさらなる素晴らしい発見を致しましたよ」
「まだ何かあったのか?」
続く話に訝しむ。
何せ興味深い情報を聞いた直後だ。
蜘蛛に他の変化でもあったのだろうか?
思わず食い入るように見やる舞奈に……
「ええ、別のケージの中に毒を持つ種類の爬虫類がおりまして、その牙の構造の素晴らしい事と言ったら……」
「知らん。そういうのは勝手にやってくれ」
「毒がある種類なのは確かですか? 黒崎先生と安全管理上のお話をする必要がありそうですので、詳しく聞かせていただいても……?」
「暗い所で模様が光る奴?」
「いえ、その子も興味深かったですが」
「そんなもんまで飼ってやがったのか……」
楓は嬉々とした様子で関係ない危険生物の話を始めた。
舞奈はやれやれと肩をすくめる。
明日香は話の関係ないところに食いつく。
テックだけが素直に話に反応していた。
「――なのっ!?」
「あっ桜さん!」
「えぇ……」
コートの中では桜がボールを顔面キャッチして皆に困惑されていた。
麗華様の真似をして注目を浴びようとボールを宙に放り、それを確認しようとして上を見たらしい。ドッジボールはそういう遊びじゃない。
少し離れた場所ではみゃー子が得体の知れない踊りを踊っている。
舞奈たちの学校は、そのように今日も平和だった。
……なので、その後は何事もなく放課後。
舞奈と明日香は普段通りに県の支部へ赴き、
「ちーっす」
「今日もよろしくお願いします」
「あ。舞奈さん、明日香さん、こんにちは」
「レインちゃん、今日はジャージでおめかしかい?」
「いえ、学校で掃除する時に転んでバケツを頭からかぶってしまって……」
「おおい、頭を打たんように気をつけてくれよ」
今日もエントランスで受付嬢をしていたレインと話しこんだ後、
「あっ! 舞奈ちゃんに明日香ちゃん! 転移の準備できてるよー」
「梢さんもちーっす」
「今日もよろしくお願いします」
普段通りに埼玉支部に転移する。
「ちーっす」
「こんにちは」
「あっ舞奈さんと明日香さんでやんすよ」
「こんにちはでゴザル」
「あっどうも! ……どうも。こんちわっす」
仲間と合流して支部を発ち、
「ったく。怪異どもは今日も元気に跳び回ってやがるなあ」
「まったくでゴザルよ」
「やんすやんす……ってザンさん、赤でやんす!」
「えっ? うわあぁっ!?」
「公道では前を向いて歩いた方が安全ですよ」
「……ザンの奴、何かあったのか?」
「いえ、多分そういう訳じゃ……」
普段通りに賑やかに大通りを通って、
「あっ舞奈さん、皆さん、こんにちは!」
「フランちゃんもちーっす! お出迎えありがとうさん」
「今日もよろしくお願いします」
「こんにちはでゴザル」
「やんすー」
禍我愚痴支部にやってきた。
それは良いのだが……
「今日は昨日の件もふまえて今後の行動指針を決めなきゃね」
「やんすねー」
「……うわっぁ!」
「ひゃっ!? ビックリしたでやんす」
「またかザン。何もないとこで転ばないでくれ……」
舞奈は階段めがけてつんのめったザンを支えた体勢のまま肩をすくめる。
やれやれだ。
側で他の皆も困っている。
今日はこれで三度目だ。
一度目は埼玉支部のエントランスを出るところで盛大に。
二度目は赤信号を普通に渡って轢かれそうになってたし。
今も普段通りに会議室へ向かおうと普通に階段を登ろうとした途端にこれだ。
まったく。
どういう気の散らしかたをしたら、そんな器用な事ができるんだ?
麗華様やレインちゃんじゃあるまいし。
苦笑しながら見やる先で、
「手すりを持って上がった方が危なくないですよ」
「すんません明日香ちゃん」
明日香がどうでもいいアドバイスをし、
「大丈夫でやんすか?」
「ちょっと、しっかりしてよ。頼むわ」
「すんませ……うわっ!」
「やんすっ!?」
「えっ!?」
ザンが思いっきり飛び退って手すりにぶつかりそうになった。
支えようと差し出されたやんすと冴子の手に怯んだ様子だ。
そんな同僚の反応にやんすがビックリ。
冴子も思わず困惑する。
何というか、今日のザンは本当に麗華様に似た挙動だ。
どうも冴子を過分に意識しているらしい。
先日の斥候の際に、狂える土どもに見つかりそうになった状況を誤魔化すために冴子が彼を抱き寄せて恋人の振りを決めこんだからだろう。
「……まったく。中学生かよ」
舞奈はやれやれと肩をすくめる。
それを小学生に言われると立つ瀬はないとは思うが、事実なのだから仕方ない。
「ザン殿……」
「やんす……」
ドルチェややんすも苦笑している。
明日香も言葉にはしないが(えぇ……)みたいな表情をしている。
「まあ尻でも触って落ち着け」
「尻!? ……うわっ!」
「あーあ……」
「大丈夫ですか? 足元を確認しながら歩いたほうが歩行が安定しますよ」
気をまぎらわせようと声をかけた途端、ザンは階段を3段くらい踏み外した。
明日香が律義にどうでもいいアドバイスをする。
冴子も迂闊に手を貸せないので困った様子で見ている。
そんなに驚くような事じゃないだろうと舞奈は思う。
だいたい、女の尻も触れんような奴だから少し顔が近いくらいで動揺するのだ。
指南したおかげて最近は様になってきた戦闘の心得だけでなく、こちらの方面でも何か言ってやった方がいいかもしれないと少し思った。
女子小学生に言われると立つ瀬はないだろうが、やむを得ない。
舞奈だって普段から園香の尻を触っていたから仲良くなれた。
今だって関係は良好だ。
忙しくない時は親父さんの目を盗んで部屋にも遊びに行っているくらいだ。
そのようにスキンシップは良好な女性関係の第一歩なのだ。
したり顔でそんな事を考える舞奈を、
「舞奈さん……」
フランはジト目で見やってきた。
そんなに軽蔑するような目で見る事ないだろ? ……と少し思った。
明日香も同じ表情をしていた。
冴子は困惑している。
まったく。
「……にしても、よく咄嗟に思いついたなあ」
気を取り直しつつ、歩きながら冴子に尋ねてみる。
先日の件だ。
狂える土どもの違法取引を偵察した際、ザンがヘマして奴らに見つかりそうになった状況を誤魔化すために、冴子は彼を抱き寄せて私事の振りを決めこんだ。
おかげで奴らは自分たちの作業に戻り、舞奈たちは何事もなく撤収した。
そのせいで今日のザンはこの有様だ。
それでも、あの時に瞬時の判断でああしなければ、事態は別の意味で厄介な事になっていただろう。
そんな冴子は、舞奈のそれだけの台詞で質問の意図を察した様子だ。
彼女がザンや舞奈と違って実年齢も精神年齢も成熟した大人の女性だからか。
あるいはザンの様子を見て、舞奈と同じ事を考えていたのかもしれない。
「いえ、実はね……」
少し躊躇いながら語り始める。
やはり彼女は術者として諜報活動の経験もあるらしい。
彼女の地元の支部でも術者は貴重で、異能力者の手に負えない案件には戦闘にも調査にも駆り出されていたのだ。
そんな中、以前にも同じような事があったらしい。
その際に同行していたスプラの機転で切り抜けた事があったのだそうな。
冴子の先達でもあったスプラは、公私にわたって彼女の支えになっていた。
「ま、あいつらしいぜ」
舞奈は軽口めかしてひとりごちつつ、廊下の窓の外の遠くを見やる。
側の明日香も同じ表情だ。
派手な身なりで女好きで調子のいい【雷霊武器】の弓使いスプラ。
彼女から送られた防御用の注連縄を、大事そうに身に着けていた軽薄な彼。
だが舞奈が参加した例の作戦が、彼の最後の戦場だった。
先日には他の参加者と合同で盛大な葬儀が行われた。
普段の言動は薄っぺらいのに妙なところで生真面目で純情だった彼なら、そうしただろうと容易に想像できる。
どんな表情をしていたかも。
ほんの数日の作戦で一緒になっただけの舞奈ですらそうなのだ。
舞奈には想像もつかないような長い期間を共に過ごしたはずの冴子にとって、彼の喪失がどれほど重いのかを推し量ることすら躊躇われる。
公式に別れを告げたからと言って、その気持ちが消えてなくなる訳じゃない。
だが、そんな舞奈の思惑などお構いなく……
「……やあ皆。おまたせ」
「あっトーマスさん」
トーマス氏がやってきた。
雑談していた皆はだらだらと着席し、会議が始まる。
舞奈も何食わぬ表情で席に着く。
今すべき事は追憶ではない。
そんな事は名目だけとはいえ先日の合同葬儀で済ませたので、今は新たな犠牲を防ぐべく自身の責務を果たさなきゃならない。なので、
「先日の偵察の件、お疲れ様」
「どうも。会議の前に、ちょっと話しておきたいことがある」
トーマス氏の言葉を遮って発言する。
「どうかしたかい?」
「いやな。噂の違法薬物とやらの件で、須黒からそれらしい情報を持ってきた」
そう言いおいて、少し驚く皆にチップの事情を話す。
魔獣に変じた蜘蛛の事。
後づけで追加の異能力を得ていた騎士たちの事。
昼間に聞いたばかりの謎めいたチップの特性の事。
チームの面子が違法薬物とやらに深く関わろうとしている今、異能力を付与するという似た特性を持つチップについて話す頃合いだと思った。
もちろん両者に関係性があるかどうかはわからない。
だが怪異が手札として持っている、似た種類の厄介な品物について知識だけでもあったほうが有事の対応が違ってくるだろう。
例の作戦でスプラを屠ったのは【三尸爆炸】による超大型怪異の爆発だ。
彼が、あるいは有能な異能力者だった他の仲間たちが術に対する詳しい知識を持っていたなら、ひょっとしたら回避できた犠牲なのかもしれない。なので、
「そんな事があったでゴザルか」
「やんすー」
「まあな」
驚きながらも納得するドルチェややんすにうなずき返し、
「そんなもんに頼ろうだなんて、未熟者のする事っすね!」
「ああ! その通りだぜ!」
調子よく言ったザンに満面の笑みを返す。
外連味のある仕事の話になって、普段の調子が戻ってきたか?
他ならぬ彼がそう言ってくれたのが嬉しかったのも本当だ。
彼の友人だった切丸が選べなかった道を、彼が選んでくれたように思えたから。
彼もまた一介の異能力者なので、術の事はあまり知らないだろう。
だが今から知識を蓄え、敵の魔法に対処する方策を自分の中に準備する時間はたっぷりとあるはずだ。
そんな事を思ってニヤリと笑いながら、
「奴らを何匹か捕まえてきたら、こっちの支部で詳しく調べられないか?」
「もちろん須黒支部での調査結果の情報提供がある前提でです」
尋ねてみる。
明日香も珍しく乗り気な様子で後押ししてくれる。
こちらは単に、自身が知らない敵の手札について知りたいのだ。
何故なら魔術師は知識に貪欲だ。
そうでなければ魔術を使う事なんてできない。なので、
「そういう事情なら興味があるわね」
「やんすねー」
「あ、ああ。それは可能だが……」
「おっ! 今度は奴らをふん捕まえる仕事か? 燃えるぜ!」
冴子も同意し、トーマス氏も少しばかり戸惑った様子ながらもうなずく。
すっかり元のペースに戻ったザンが早くもいきり立つ。
「じゃ、決まりだな」
舞奈は口元に不敵な笑みを浮かべる。
ザンも釣られたように笑う。
そして舞奈は、
「そのドラッグの中毒者とやらを、皆で捕まえてやろうぜ!」
不敵な笑みのまま、そう提案した。
舞奈たち禍我愚痴支部の協力チームは自警団と連携して違法薬物取引を偵察。
そのように各々が放課後に地味な活動に勤しんだ日の、翌日。
初等部の皆が給食のハヤシライスを気分よく食べ終わった後の昼休憩に……
「……そう言われれば、まあ、そうだよな」
舞奈は校舎の壁にもたれかかりつつ、ひとりごちる。
側には見た目だけは優雅に腰かけた楓。
生真面目な表情で話を聞きながら校庭を見やっている明日香。
同じく表情の薄い視線を向けるテック。
4人が見やる校庭では、クラスの皆が腹ごなしにドッジボールなどしている。
小中高一貫校の生徒が共同で使っているグラウンドは少し手狭ではあるが、何処かの暗くて狭い路地とは違って小奇麗で、昼間は明るく見通しもいい。
以前にダース単位の暴徒が殴りこんできた以外はトラブルもない安全な場所だ。
そんな平和なコートの中では、
「安倍明日香! わたくしの華麗な投球に恐れをなしなさい!」
「西園寺ー。安倍なら向こうだぞ? さっき桂木楓先輩に呼ばれてただろう?」
「わかってますわ! くらえっ!」
「……あっ」
麗華様が、投げたボールに自分で当たっていた。
手を放すタイミングを誤ったボールが前ではなく上に飛び、頭上に落ちたのだ。
しかも当たった事に気づかず周囲をキョロキョロ見渡す念の入れよう。
恐ろしいほど研ぎ澄まされた天性のギャグセンスである。
というか平和である。
「わっ。麗華ちゃん、大丈夫?」
「麗華様。ド、ドンマイです……」
「ドッジボールは他の人に当てる遊びなンすよ?」
「器用だなーやろうと思ってできる事じゃないだろう」
「逆にすげーな西園寺」
ビックリする園香。
困惑するデニスとジャネット。
呆れるを通り越して感心する男子たち。
「今のどうする?」
「ノーカンにしようぜ。西園寺だし……」
「よかったね麗華ちゃん!」
その様に気ばかり大きく何をやっても粗忽な麗華様の存在を織りこみ済みで、男子も女子も和気あいあいとドッジボールを楽しむ。
そんな男子も麗華様の御守りの側、こちらの様子をチラチラうかがっている。
何故なら舞奈の隣には楓が座っているからだ。
楓の人柄はこんなだが、ブルジョワで見た目が良いから高等部の高嶺の花だ。
のみならず中等部、初等部にも男子を中心にファンが多い。
そんなのがクラスメイトと話しているのが気になって仕方ないのだ。
いいなー志門、みたいな感じである。
そう。平和な昼休憩のドッジボール中に、今日は桂木楓がやってきていた。
なので舞奈と明日香はゲームを抜けて、隅で楓の話を聞いていた。
インドア派のテックは元より不参加を決めこんでいたので、ドッジ中の個人が来客のため席を外す場所の目印代わりだ。
そんな楓は昨日、生物室に入りこんでブラボーちゃんを調べたらしい。
その件で話があるのだそうだ。
まあ急ではあるが、ありがたい話でもある。
謎の多い今回の件で、能力的に信頼できる筋からの情報は多いほうが良い。
楓はこんなだが腕のいい魔術師なのも事実だ。
もちろんテックは事情を知っているので一緒に聞いても問題はない。
「西園寺さんー。帽子をかぶった方が痛くないわよー」
「余計なお世話ですわ安部明日香!」
舞奈の隣から明日香がどうでもいいアドバイスをして、
「麗華ちゃん、怪我はなかったかい?」
「いや紅葉さん、あれで怪我とか逆にウルトラCすぎるっすよ」
「オホホ問題ありませんわ! この前は階段から落ちても平気でしたのよ!」
「えっ気をつけてね……」
気遣う紅葉に麗華様はガッツポーズをとってみせる。
それがアピールになると思ってるらしい。
「何時の間にそんな事が……」
「ひとりで出歩くと危ないンすよ」
「麗華ちゃんスゴイ!」
「う、うん。丈夫だ」
初耳だったらしいデニスとジャネットがビックリする。
チャビーは割と無責任に、園香が戸惑い気味にフォローする。
階段からは落ちないよう気をつけてほしいと誰もが少し思った。
その様に、抜けた舞奈と明日香の代わりに紅葉が参戦してくれていた。
つき合いの良い妹である。
しかも爽やかなスポーツマンの彼女は、敵も味方も関係なくゲームを楽しめるよう接待プレイしてくれていた。
これには小学生たちも大満足。
もちろん最初から紅葉のファンだった何人かの女子は別勘定でだ。
これも彼女が優秀な戦士であるだけでなく優れたウアブ呪術でもある証拠だ。
細やかな気配りができて、子供にも星にも好かれる性質なのだ。
ウアブ呪術は星々に宿る魔神から力を借りる。
と、まあ、そんな面白おかしいコートの様子を他所に……
「……という訳で、そのチップとやら、少なくとも外科的手段によって埋めこまれたものではないとは思われます」
「まあ、もっともな話だとは思うが」
「なるほど、確かに……」
「それはそうね」
3人そろって楓の話に納得する。
楓が魔術まで使って調べた蜘蛛のブラボーちゃんに、チップを埋めこむような外科的措置の痕跡はなかった。
他の理由からも、機械的なチップが埋めこまれていたと考えるのは不自然だ。
そう主張する楓の論には筋が通っていると舞奈には思える。
明日香は明日香で、警備会社でもある実家で発信器の扱いがあるのだろう。
その性能と比較して、楓の話に信ぴょう性があると判断したらしい。
テックも蜘蛛に埋めこむような発信器にしては仕様がおかしいと前々から訝しんでいたのかもしれない。
つまり4匹の蜘蛛や騎士たちに埋めこまれていたのはチップじゃない?
舞奈は新たな情報を元に考える。
だが、奴らの体内に何らかの異物が存在していたのは事実だ。
そいつはブラボーちゃんを魔獣に変えた。
Koboldの騎士たちに追加の異能力をあたえていた。
その実態が何なのかは不明なまま。
だが少なくとも、それはチップの形で体内に送りこまれるものじゃない。
じゃあ、どうやって脳に入るんだ?
そう思考を進めていた舞奈は……
「……そうそう。生物室ではさらなる素晴らしい発見を致しましたよ」
「まだ何かあったのか?」
続く話に訝しむ。
何せ興味深い情報を聞いた直後だ。
蜘蛛に他の変化でもあったのだろうか?
思わず食い入るように見やる舞奈に……
「ええ、別のケージの中に毒を持つ種類の爬虫類がおりまして、その牙の構造の素晴らしい事と言ったら……」
「知らん。そういうのは勝手にやってくれ」
「毒がある種類なのは確かですか? 黒崎先生と安全管理上のお話をする必要がありそうですので、詳しく聞かせていただいても……?」
「暗い所で模様が光る奴?」
「いえ、その子も興味深かったですが」
「そんなもんまで飼ってやがったのか……」
楓は嬉々とした様子で関係ない危険生物の話を始めた。
舞奈はやれやれと肩をすくめる。
明日香は話の関係ないところに食いつく。
テックだけが素直に話に反応していた。
「――なのっ!?」
「あっ桜さん!」
「えぇ……」
コートの中では桜がボールを顔面キャッチして皆に困惑されていた。
麗華様の真似をして注目を浴びようとボールを宙に放り、それを確認しようとして上を見たらしい。ドッジボールはそういう遊びじゃない。
少し離れた場所ではみゃー子が得体の知れない踊りを踊っている。
舞奈たちの学校は、そのように今日も平和だった。
……なので、その後は何事もなく放課後。
舞奈と明日香は普段通りに県の支部へ赴き、
「ちーっす」
「今日もよろしくお願いします」
「あ。舞奈さん、明日香さん、こんにちは」
「レインちゃん、今日はジャージでおめかしかい?」
「いえ、学校で掃除する時に転んでバケツを頭からかぶってしまって……」
「おおい、頭を打たんように気をつけてくれよ」
今日もエントランスで受付嬢をしていたレインと話しこんだ後、
「あっ! 舞奈ちゃんに明日香ちゃん! 転移の準備できてるよー」
「梢さんもちーっす」
「今日もよろしくお願いします」
普段通りに埼玉支部に転移する。
「ちーっす」
「こんにちは」
「あっ舞奈さんと明日香さんでやんすよ」
「こんにちはでゴザル」
「あっどうも! ……どうも。こんちわっす」
仲間と合流して支部を発ち、
「ったく。怪異どもは今日も元気に跳び回ってやがるなあ」
「まったくでゴザルよ」
「やんすやんす……ってザンさん、赤でやんす!」
「えっ? うわあぁっ!?」
「公道では前を向いて歩いた方が安全ですよ」
「……ザンの奴、何かあったのか?」
「いえ、多分そういう訳じゃ……」
普段通りに賑やかに大通りを通って、
「あっ舞奈さん、皆さん、こんにちは!」
「フランちゃんもちーっす! お出迎えありがとうさん」
「今日もよろしくお願いします」
「こんにちはでゴザル」
「やんすー」
禍我愚痴支部にやってきた。
それは良いのだが……
「今日は昨日の件もふまえて今後の行動指針を決めなきゃね」
「やんすねー」
「……うわっぁ!」
「ひゃっ!? ビックリしたでやんす」
「またかザン。何もないとこで転ばないでくれ……」
舞奈は階段めがけてつんのめったザンを支えた体勢のまま肩をすくめる。
やれやれだ。
側で他の皆も困っている。
今日はこれで三度目だ。
一度目は埼玉支部のエントランスを出るところで盛大に。
二度目は赤信号を普通に渡って轢かれそうになってたし。
今も普段通りに会議室へ向かおうと普通に階段を登ろうとした途端にこれだ。
まったく。
どういう気の散らしかたをしたら、そんな器用な事ができるんだ?
麗華様やレインちゃんじゃあるまいし。
苦笑しながら見やる先で、
「手すりを持って上がった方が危なくないですよ」
「すんません明日香ちゃん」
明日香がどうでもいいアドバイスをし、
「大丈夫でやんすか?」
「ちょっと、しっかりしてよ。頼むわ」
「すんませ……うわっ!」
「やんすっ!?」
「えっ!?」
ザンが思いっきり飛び退って手すりにぶつかりそうになった。
支えようと差し出されたやんすと冴子の手に怯んだ様子だ。
そんな同僚の反応にやんすがビックリ。
冴子も思わず困惑する。
何というか、今日のザンは本当に麗華様に似た挙動だ。
どうも冴子を過分に意識しているらしい。
先日の斥候の際に、狂える土どもに見つかりそうになった状況を誤魔化すために冴子が彼を抱き寄せて恋人の振りを決めこんだからだろう。
「……まったく。中学生かよ」
舞奈はやれやれと肩をすくめる。
それを小学生に言われると立つ瀬はないとは思うが、事実なのだから仕方ない。
「ザン殿……」
「やんす……」
ドルチェややんすも苦笑している。
明日香も言葉にはしないが(えぇ……)みたいな表情をしている。
「まあ尻でも触って落ち着け」
「尻!? ……うわっ!」
「あーあ……」
「大丈夫ですか? 足元を確認しながら歩いたほうが歩行が安定しますよ」
気をまぎらわせようと声をかけた途端、ザンは階段を3段くらい踏み外した。
明日香が律義にどうでもいいアドバイスをする。
冴子も迂闊に手を貸せないので困った様子で見ている。
そんなに驚くような事じゃないだろうと舞奈は思う。
だいたい、女の尻も触れんような奴だから少し顔が近いくらいで動揺するのだ。
指南したおかげて最近は様になってきた戦闘の心得だけでなく、こちらの方面でも何か言ってやった方がいいかもしれないと少し思った。
女子小学生に言われると立つ瀬はないだろうが、やむを得ない。
舞奈だって普段から園香の尻を触っていたから仲良くなれた。
今だって関係は良好だ。
忙しくない時は親父さんの目を盗んで部屋にも遊びに行っているくらいだ。
そのようにスキンシップは良好な女性関係の第一歩なのだ。
したり顔でそんな事を考える舞奈を、
「舞奈さん……」
フランはジト目で見やってきた。
そんなに軽蔑するような目で見る事ないだろ? ……と少し思った。
明日香も同じ表情をしていた。
冴子は困惑している。
まったく。
「……にしても、よく咄嗟に思いついたなあ」
気を取り直しつつ、歩きながら冴子に尋ねてみる。
先日の件だ。
狂える土どもの違法取引を偵察した際、ザンがヘマして奴らに見つかりそうになった状況を誤魔化すために、冴子は彼を抱き寄せて私事の振りを決めこんだ。
おかげで奴らは自分たちの作業に戻り、舞奈たちは何事もなく撤収した。
そのせいで今日のザンはこの有様だ。
それでも、あの時に瞬時の判断でああしなければ、事態は別の意味で厄介な事になっていただろう。
そんな冴子は、舞奈のそれだけの台詞で質問の意図を察した様子だ。
彼女がザンや舞奈と違って実年齢も精神年齢も成熟した大人の女性だからか。
あるいはザンの様子を見て、舞奈と同じ事を考えていたのかもしれない。
「いえ、実はね……」
少し躊躇いながら語り始める。
やはり彼女は術者として諜報活動の経験もあるらしい。
彼女の地元の支部でも術者は貴重で、異能力者の手に負えない案件には戦闘にも調査にも駆り出されていたのだ。
そんな中、以前にも同じような事があったらしい。
その際に同行していたスプラの機転で切り抜けた事があったのだそうな。
冴子の先達でもあったスプラは、公私にわたって彼女の支えになっていた。
「ま、あいつらしいぜ」
舞奈は軽口めかしてひとりごちつつ、廊下の窓の外の遠くを見やる。
側の明日香も同じ表情だ。
派手な身なりで女好きで調子のいい【雷霊武器】の弓使いスプラ。
彼女から送られた防御用の注連縄を、大事そうに身に着けていた軽薄な彼。
だが舞奈が参加した例の作戦が、彼の最後の戦場だった。
先日には他の参加者と合同で盛大な葬儀が行われた。
普段の言動は薄っぺらいのに妙なところで生真面目で純情だった彼なら、そうしただろうと容易に想像できる。
どんな表情をしていたかも。
ほんの数日の作戦で一緒になっただけの舞奈ですらそうなのだ。
舞奈には想像もつかないような長い期間を共に過ごしたはずの冴子にとって、彼の喪失がどれほど重いのかを推し量ることすら躊躇われる。
公式に別れを告げたからと言って、その気持ちが消えてなくなる訳じゃない。
だが、そんな舞奈の思惑などお構いなく……
「……やあ皆。おまたせ」
「あっトーマスさん」
トーマス氏がやってきた。
雑談していた皆はだらだらと着席し、会議が始まる。
舞奈も何食わぬ表情で席に着く。
今すべき事は追憶ではない。
そんな事は名目だけとはいえ先日の合同葬儀で済ませたので、今は新たな犠牲を防ぐべく自身の責務を果たさなきゃならない。なので、
「先日の偵察の件、お疲れ様」
「どうも。会議の前に、ちょっと話しておきたいことがある」
トーマス氏の言葉を遮って発言する。
「どうかしたかい?」
「いやな。噂の違法薬物とやらの件で、須黒からそれらしい情報を持ってきた」
そう言いおいて、少し驚く皆にチップの事情を話す。
魔獣に変じた蜘蛛の事。
後づけで追加の異能力を得ていた騎士たちの事。
昼間に聞いたばかりの謎めいたチップの特性の事。
チームの面子が違法薬物とやらに深く関わろうとしている今、異能力を付与するという似た特性を持つチップについて話す頃合いだと思った。
もちろん両者に関係性があるかどうかはわからない。
だが怪異が手札として持っている、似た種類の厄介な品物について知識だけでもあったほうが有事の対応が違ってくるだろう。
例の作戦でスプラを屠ったのは【三尸爆炸】による超大型怪異の爆発だ。
彼が、あるいは有能な異能力者だった他の仲間たちが術に対する詳しい知識を持っていたなら、ひょっとしたら回避できた犠牲なのかもしれない。なので、
「そんな事があったでゴザルか」
「やんすー」
「まあな」
驚きながらも納得するドルチェややんすにうなずき返し、
「そんなもんに頼ろうだなんて、未熟者のする事っすね!」
「ああ! その通りだぜ!」
調子よく言ったザンに満面の笑みを返す。
外連味のある仕事の話になって、普段の調子が戻ってきたか?
他ならぬ彼がそう言ってくれたのが嬉しかったのも本当だ。
彼の友人だった切丸が選べなかった道を、彼が選んでくれたように思えたから。
彼もまた一介の異能力者なので、術の事はあまり知らないだろう。
だが今から知識を蓄え、敵の魔法に対処する方策を自分の中に準備する時間はたっぷりとあるはずだ。
そんな事を思ってニヤリと笑いながら、
「奴らを何匹か捕まえてきたら、こっちの支部で詳しく調べられないか?」
「もちろん須黒支部での調査結果の情報提供がある前提でです」
尋ねてみる。
明日香も珍しく乗り気な様子で後押ししてくれる。
こちらは単に、自身が知らない敵の手札について知りたいのだ。
何故なら魔術師は知識に貪欲だ。
そうでなければ魔術を使う事なんてできない。なので、
「そういう事情なら興味があるわね」
「やんすねー」
「あ、ああ。それは可能だが……」
「おっ! 今度は奴らをふん捕まえる仕事か? 燃えるぜ!」
冴子も同意し、トーマス氏も少しばかり戸惑った様子ながらもうなずく。
すっかり元のペースに戻ったザンが早くもいきり立つ。
「じゃ、決まりだな」
舞奈は口元に不敵な笑みを浮かべる。
ザンも釣られたように笑う。
そして舞奈は、
「そのドラッグの中毒者とやらを、皆で捕まえてやろうぜ!」
不敵な笑みのまま、そう提案した。
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