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第21章 狂える土
ヴィラン襲来2
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暴徒の集団が市の保健所に偽装された禍我愚痴支部を襲撃し、多くの犠牲と共に勇敢だったひとりの青年が逝った日の夜。
埼玉の一角を、クイーン・ネメシス率いるヴィランの一団が占拠した。
星すら消えた暗い空に投影されたクイーン・ネメシスは、中東から来訪した人型怪異に実効支配されていたcaneならぬ県の支配を宣言する。
同時に地上でも配下のヴィラン達が動き出した。
例えば、つい先程まで狂える土どもが踊り狂っていた大通りで――
「――我が名はデスリーパー。『死』に抗う準備はできたかね?」
ボロボロのローブをまとった死神が、しわがれた男の声で語る。
手にした大鎌を構えた拍子にフードがはがれ、白い骸骨の顔があらわれる。
眼窩の奥の黒い虚無が、何かを待ちわびるように剣呑な深紅に光る。
「ファントムの最初の餌食になりたいのは誰だい?」
死神の側に控えた、小麦色の肌もあらわな妙齢の美女が妖艶に笑う。
金装飾が施されたビキニの衣装の腰にはヒエログリフが描かれた黒い腰布。
腕から垂れる丈の長い薄絹のケープに、同じ色のフード。
身体の各所を飾る、宝石が散りばめられた数々のアクセサリ。
そんな2人のヴィランに対して、
「何ダ!? テメェラ!」
「殺ッチマエ!」
中東風の彫りの深い顔立ちをした、くわえ煙草の人型怪異どもが逆ギレする。
手に手に鉄パイプを構えて暴徒と化し、数では劣る2人を威嚇する。
自分たちのテリトリーに、自分たち以外の暴力が存在するのが不本意なのだ。
だが一般市民にとってはどちらも恐ろしい災厄だ。
故に巻き添えを恐れて遠巻きに見守る中――
「――それは結構」
不意に暴徒のひとりが胴体を上下に両断された。
上半身がボトリと落ちて、ヤニ色の飛沫でアスファルトの路地を汚す。
その上に倒れてきた下半身が覆いかぶさる。
背後には長柄の大鎌を振り抜き、ボロボロのローブをなびかせた死神の姿。
鋭い鎌の刃が、倒れた男の体液の色にヌラリと光る。
デスリーパーは【影走り】で素早く接敵し、【隕鉄の巨刃】で創造された杖の先端に設置された鋭い刃を一閃したのだ。
一瞬の事だった。
くわえ煙草が反応する暇もなかった。
まるで映画に出てくる恐ろしい場面が現実になったように。
同時に他の狂える土どもも、全身の裂傷から体液を噴き出しながら崩れ落ちる。
こちらは【風の斬撃】による見えざる風の刃による斬撃である。
それが妖しくも艶やかなファントムの前で成されると、まるで魔女の呪いによって不可視の悪霊に食いちぎられたような恐ろしげな絵面と化す。
こちらも映画の中のヴィランの攻撃そのままだ。
一瞬の沈黙の後、一般市民たちの間に動揺が広がる。
何故なら裏の世界の事情を知らない一般人は、人と怪異を見分けられない。
故に今、死神とその使いによって成された行為は彼らにとって殺人だ。
だから次の獲物が自分になりはしないかと顔をこわばらせて後退り……
「……次の贄は誰かね?」
続く言葉に恐れをなして、悲鳴をあげながら散り散りに逃げ去る。
パニックだ。
逃げる人の群れの中で、親子連れの子供が転んだ。
母親は身を挺して子供をかばう。
そうしながら恐怖にひきつった顔で目前の死神に向き直り……
「……実に結構」
デスリーパーは母子を無視し、滑るような動きで立ち去った。
ファントムも後に続く。
どちらの表情もフードに隠されて見えない。
立ち上がった子供が、美女のほぼ剥き出しの形の良い尻を茫然と見送る。
もちろんヴィランの大立ち回りは路地ひとつに収まらない。
別の大通りの一角では、
「haha! ひとりも逃さないよ!」
深紅のヴィランがその名の如く火球と化し、罪なき市民を叩きのめす。
悪党の面目躍如……と思いきや、もちろん相手はくわえ煙草の狂える土だ。
罪しかない。
路地に転がる他の男たちも同じだ。
それでもファイヤーボールは歩道も車道もお構いなしに跳び回って人型怪異を地面に叩きつけるので、周囲がちょっとした渋滞になっている。
だが気にしない。
キャロルは、あの居心地のいい場所が気に入っていた。
異国で見つけた用心棒と言う立場と、三食に昼寝まで確約された毎日が魅力的だったという理由はもちろんある。
だが、本当に愉快だと思っていたのは自警団の面々との生活だ。
外敵に抗する自警団を自負しながらも暴力沙汰には不慣れな気の良い男たち。
彼らは外国人の女子供であるキャロルやメリルにも親切で、事務所には年頃の近い姉妹も出入りしていて、たまにサィモン・マイナーと友人たちが遊びに来た。
そんな気楽な生活が何時までも続くはずはないと理解してはいた。
だが、それは楽しい毎日に幕引きした直接の原因を恨まない理由にはならない。
ヴィランは身勝手だからヴィランなのだ。
故にサィモン・マイナーからの頼まれ毎を二つ返事で引き受けた。
あの最強の子供が、一連の事件の元凶の喉元に喰らいつくまでの時間稼ぎ。
そのついでに不愉快な怪異どもを叩きのめすのも悪くない。
地元では一緒くたにされがちなヴィランと怪異。
だがキャロルは、あんな奴らと一緒にされるのは御免だ。
「キャー! ヴィランが人を襲ってるわ!」
「ママー!」
「hahaha! あんたたちも、早く逃げないと黒焦げだよ!」
市民たちは逃げ惑う。
そんな本当に罪のない市民たちに害が及ばないように、その上で手加減をしているなんて微塵も感じさせないダイナミックな挙動で、
「死ネ! 女!」
「日本人ノ仲間メ! 殺シテヤル!」
「この状況で、まだ立ち向かってくる勇気だけは認めてやるよ!」
余裕のポーズを決めた体勢から予備動作もなく火の玉と化して突撃する。
鉄パイプを振り上げた暴徒の集団を、手前から順番に吹き飛ばす。
くわえ煙草の乱暴者が、更なる悪に弄ばれて叩きのめされる。
ファイヤーボールが得手とする【加速能力】による空気摩擦で燃えるほどの超スピードを最大限に活用した、その名があらわす魔術の火球の如く突撃。
それは数刻前に奴らの暗躍によって逝った【狼牙気功】と同種の超能力。
そんな炎の暴虐より少しばかり先の路地でも――
「――脆弱ナ人間ドモメ! 俺様ノ恐怖ヲ思イ知レ!」
人の形をした巨大な氷が、口から凍てつく息を噴く。
即ちイエティ。ファイヤーボールと対を成す氷のヴィラン。
噴いた吹雪は中の人ことメリルの【氷結撃】の応用だ。
故に精緻な超能力の操作によって、人を巻きこんでも冷たい以上の悪影響はないのに、身体にヤニを蓄えた人型怪異は触れただけで骨の髄まで凍らせる。
たまらず凍りついた狂える土どもを、巨体のパワーにまかせた巨拳で叩き割る。
メリルは【冷却能力】を得手とする強力な超能力者だ。
圧倒的な凍結のパワーによって、幼女は氷の巨人に変身している。
幼いメリルにとっても自警団の事務所は居心地のいい仮の住処だった。
おっちゃんたちは地元の大人とは別物のようにやさしく、紳士的だった。
メリルがどれだけ超能力を使って悪戯をしても笑って許してくれた。
霧島姉妹は特にメリルを可愛がってくれた。
サィモン・マイナーが連れてくる友人たちも、メリルの相手をしてくれた。
そんなメリルは数刻前にもイエティに変身し、警官たちと大太刀回りを繰り広げて自警団の面々が脱出する時間を稼いだ。
それが最後の恩返しになると、子供ながらも理解していた。
世話になった大人たちが皆して逃げのび、首尾よく仕事を終えた幼女は先ほどまで気持ちよく惰眠を貪っていた。
そして今度はサィモン・マイナーの仕事を手伝うために、もうひと暴れ。
今度の相手は利用された人間の警官じゃなく正真正銘の怪異だ。
先ほどのように手加減する必要もない。
暴れたい放題だ。
逃げる狂える土を、巨人の足元から放たれた小さな氷のつぶてが縫い留める。
巨人を構成しているのと同じ【冷却能力】によって放たれたつぶてだ。
遠距離戦に弱い超能力者の短所を補おうとしたメリルの新技だ。
何度か自警団の事務所を訪れたザンや他の面子で練習した。
そんな飛び道具で、彼を死に至らしめたのと同じ薄汚い喫煙者を捕えて、潰す。
だが狂える土どもも、ただ狩られるだけではない。
「オノレ!」
「コウナッタラ!」
自棄を起こして凶器を手にして怪異の本性をあらわした。
だが奴らの暴力の向かう先は、もちろん自分たちより格上のヴィランではない。
人型怪異どもが襲い始めたのは自分たちより弱い相手。
つまり逃げ惑う一般市民だ。
ヤニで濁った眼を血走らせた人型怪異は逃げ惑う市民に襲いかかる。
最初のターゲットは、か弱そうな幼い少女だ。
怪異は煙草が癒着した唇を歪めて意味のわからない奇声をあげる。
そうしながら手にした鉄パイプを、転倒したまま恐怖に歪んだ表情で自身を見やる少女めがけて振り上げ、振り下ろし――
「――おおっと! これは危ない」
凶器は虚空に阻まれた。
「無事かね? 君」
「あっありがとう! ……まさか!? おじさんは!」
不意に目前にあらわれた極彩色のマントを見やって、少女は驚愕する。
何故なら少女をかばうように立ちふさがり、振り下ろされた鉄パイプを軽々と受け止めたのは、マントと同じ極彩色のマスクをかぶったマッチョなヒーロー。
ミスター・イアソンだ。
彼の【念動盾】をもってすれば、怪異が渾身の力で振り下ろした鉄パイプを手も触れずに受け止める程度は造作ない。
「おまえはレディを扱う国際的なルールを学んだ方が良い」
言いつつイアソンは鉄拳で男を殴り飛ばす。
鍛え抜かれた筋肉を【強化能力】で強化したマッチョなパンチに、中東の大柄な男はアメコミ映画のやられ役そのままに空の彼方まで飛んでいく。
もちろん他のディフェンダーズのヒーローたちも一緒だ。
街を占拠したヴィランの軍団に立ち向かうべく、本来は米国を守るヒーロー達が再び海を越えて東洋の小国に馳せ参じたのだ。
だがヒーロー達に、ヴィランとの対決の前にしなければならない仕事ができた。
「むむっ! 彼らはゾンビにされているようですね。クラフターの仕業でしょう」
「じゃあ、そっちを先にdestroyしないとデスね!」
白黒タイツのサメ女ヒーローことシャドウ・ザ・シャークと、ギターを携えた金髪少女のドクター・プリヤが一方的に結論づけて、
「ならば、わたしにまかせておけ!」
「hehe! あたしが全部スマッシュしてやるよ!」
他のヒーローたちも四方へ散り、市民を守りながら狂える土どもを叩きのめす。
そんな一方。
県庁舎へ続く大通りを、並走する車両を避けつつ爆走するトラックの荷台で――
「――おおっと!」
避けた舞奈の鼻先を小口径ライフル弾がかすめる。
見やると通りの両端から何者かがトラックを撃ってきていた。
建物の陰に身を隠してはいるが、舞奈の鋭い視覚は誤魔化せない。
撃っているのはくわえ煙草の狂える土だ。
どいつも手にしているのは密造ライフル。
いつか警察に押収されたはずの密輸品だろう。
官憲の中に紛れこんでいた怪異の間者か?
あるいは県警そのものが殴野元酷の私兵団と化したか?
「どうやら気づかれたらしいな」
「それはそうよ。むしろ対応が遅いくらいだと思うわ」
「ハハッ! おまえの所と一緒にしてやるなよ」
トラックの荷台の隅に潜んだ舞奈と明日香は軽口を交わす。
民間警備会社を実家に持つ明日香にとっても、この事態は想定内らしい。
不幸中の幸いにも歩道に他の市民はいない。
いつの間にやら県庁の近辺にだけ戒厳令が敷かれたのかもしれない。
県知事の不祥事に端を発した騒動を隠匿する狙いだろうか?
だが無用な巻き添えを避けたい舞奈たちにとっても好都合。
「ちょっと舞奈さん、笑ってる場合じゃないんじゃ……」
「なぁに、対処はできる」
「どういう事……?」
故にフランや冴子を相手に舞奈が軽口を叩く間、明日香は素早く真言を唱え、
「――情報」
魔術語で締める。
途端、舞奈達の隣に山のように積み上げられていた鉄骨が、雑に結ばれていたロープを引き千切って宙を舞う。
席力場を鞭にして操る【力鎖】の魔術で鉄骨を持ち上げているのだ。
次の瞬間、数多の鉄骨が虚空を斬り裂きながら飛翔する。
さながら砲撃のように。
鉄骨の砲弾は狂える土どもが避ける間もなく、狙い違わず胴を貫く。
あるいは頭を潰す。
魔術で投げつけられた鉄骨が命中すると、人間や人型怪異の部位は消失する。
抵抗する余地はない。
まあ後で凄く頑張って擁護すれば、痛ましい事故だとギリギリ言い張れない事もない気はする際どい対処。
「え、えぇ……」
「凄い事をするわね……」
「ご安心を。人じゃないのは確認しています」
あまりの無茶にフランは青い顔をし、冴子も目を丸くするが気にしない。
だが次の瞬間――
「――!」
いきなり冴子が放った氷の盾が、何かに当たって爆発する。
詠唱も無く咄嗟に行使された【氷嚢防盾】。
氷盾で、続けざまに左右から飛んできたロケットランチャーを受け止めたのだ。
さらにトラックがガクンと揺れる。
今度はパンクしたようだ。
魔術による機動防御にも限界があったらしい。
別の物陰にも射手がいたのだろう。
「舞奈殿! 車を捨てるでゴザル!」
「えっ? えっ? いきなり何でやんすか?」
「タイヤを撃たれてパンクしたでゴザルよ!」
「ひゃー!」
運転席で焦るドルチェ、困惑するやんすを他所に、
「それしかないみたいだな! フランちゃんは冴子さんを頼む!」
「はい!」
舞奈も明日香と共に跳ぶ。
身体を覆う【身固・改】による防護を頼りにしつつも、アスファルトの路地を転がって衝撃を少しでも減らす。
一連の仕事で二度目だ。まったく。
側の明日香も重力を器用に操って同じように着地しつつ――
「――守護」
背後に氷の壁を建てる。
即ち【氷壁・弐式】。
後続車が壁に激突し、爆発、炎上する。
動きからしてトラックを追っていたらしい。
しかも脱出した舞奈たちを轢こうと試みたようだ。
油断も隙もない。
「グレイシャルさん! 大丈夫ですか!?」
「ええ。ありがとうフランちゃん」
「いきなり酷いでやんすよ」
「あのまま中にいたらロケット弾の餌食でゴザったよ」
他の面々も無事なようだ。
ドルチェの言葉通り、ロケットランチャーの集中砲火を喰らったトラックは映画みたいにド派手に炎上していた。
しかも射手はまだ通路の両端にいる。
「ひゃー!」
「こりゃまた」
飛んできた何発かを明日香と冴子が創造した【氷盾】【氷嚢防盾】で叩き落しながら、一行は氷壁とトラックの残骸を背にして走る。
射手を殲滅するより、そっちのが早い。
幸いにも【身固・改】の効果は全員に残っている。
小口径ライフル弾程度なら問題なく防げる。
それに事前に頭に叩きこんだ地図によると、県庁舎はもうすぐだ。
だが走るうちに左右の気配が不意に減る。
同時に並走する影が2つ。
ひとりは短機関銃を構えた金髪ツインテールのエミル。
もうひとりは小型拳銃を携え、ウェービーな長い金髪をなびかせたクラリス。
リンカー姉妹だ。
今回の件でクイーン・ネメシスが出張って来たのだから、彼女らも当然いる。
なので来たついでに舞奈たちを見つけて直接支援してくれたのだろう。
有り難い限りだ。
そう意識して少し笑った舞奈の脳内に――
(――悲しい出来事があったのね)
クラリスの声。彼女らが得手とする【精神感応】による通信だ。
気遣わしげな思念の感触は、誰かから舞奈たちの事情を聞いたからか?
あるいは【精神読解】でザンに関する舞奈の記憶を読んだのだろうか?
だが詮索するより……
(悲しい事なんかないさ。……いつもの事があっただけさ)
先方の【精神読解】を利用して、慣れた調子で誤魔化すように返事する。
仲間を失った舞奈の慰めは言葉にはない。
舞奈の強さに心酔していた、少し粗忽だが純粋で勇敢だった青年に捧げて良いのは泣き言じゃない。敵の本丸である殴野元酷の首だけだ。
そう思ったから。だから――
(――何故それが僕たちに通用すると思うんだ?)
(良いだろう? 別に)
続くエミルの、苦笑のような【精神感応】に口元を歪める。
表層思考を読む超能力に対し、ポーカーフェイスが通用するかもしれないと少しだけ思ったのは本当だ。
それでも舞奈は無理やりに脳内ポーカーフェイスを続行し、
(それより折角のパーティーなんだ、楽しんでってくれ!)
(言われるまでもないさ! お前の敵を全部、片づけてやる!)
(ハハッ! ちょっとくらい残しといてくれよ!)
脳内で軽薄に笑いつつ、改造ライフルを構えながら足を速める。
他のヴィラン達と同じように、彼女ら姉妹との最初の関係も敵としてだった。
だから共闘の末に他人や敵ではない関係になった今でも、弱みは見せたくない。
特に勝気なエミルには。
舞奈からも。
おそらく彼女の方からも。だから、
「ひゃっ!? 舞奈さん?」
「早くしないと置いてくぜ!」
いきなり駆けだした舞奈に、やんすがサブマシンガンを構えながらビックリ。
「ペースを考えなさいよ!」
文句を言う明日香を筆頭に他の面々も続く。
気づくとリンカー姉妹の姿は消えていた。
おそらく【転移能力】で本来の持ち場に戻ったのだろう。。
周囲を敵に囲まれた通りでそうしても、事が終わった後に超能力の行使を証言できる目撃者は残っていないと判断したか。
次いで通りの両端に群がっていた狂える土どもが、何の前触れもなく倒れ伏す。
こちらは【念力剣】あたりで昏倒させているのだろうか。
ペースもかなり早い。
別に銃で撃ってくれても良かったのだが。
それでも頼もしいサイキック暗殺者は舞奈たちを阻む敵を片付けてくれている。
その事実そのものが嬉しかった。
皆が協力してくれている事実そのものが、今の舞奈にとっては慰めだった。
いわば勇敢なひとりの仲間のための、舞奈が主催の追悼パーティーだ。
だから彼女らに後をまかせ、一行は県庁舎へ向かって走る。
一連の事件の元凶である殴野元酷を討つために。
埼玉の一角を、クイーン・ネメシス率いるヴィランの一団が占拠した。
星すら消えた暗い空に投影されたクイーン・ネメシスは、中東から来訪した人型怪異に実効支配されていたcaneならぬ県の支配を宣言する。
同時に地上でも配下のヴィラン達が動き出した。
例えば、つい先程まで狂える土どもが踊り狂っていた大通りで――
「――我が名はデスリーパー。『死』に抗う準備はできたかね?」
ボロボロのローブをまとった死神が、しわがれた男の声で語る。
手にした大鎌を構えた拍子にフードがはがれ、白い骸骨の顔があらわれる。
眼窩の奥の黒い虚無が、何かを待ちわびるように剣呑な深紅に光る。
「ファントムの最初の餌食になりたいのは誰だい?」
死神の側に控えた、小麦色の肌もあらわな妙齢の美女が妖艶に笑う。
金装飾が施されたビキニの衣装の腰にはヒエログリフが描かれた黒い腰布。
腕から垂れる丈の長い薄絹のケープに、同じ色のフード。
身体の各所を飾る、宝石が散りばめられた数々のアクセサリ。
そんな2人のヴィランに対して、
「何ダ!? テメェラ!」
「殺ッチマエ!」
中東風の彫りの深い顔立ちをした、くわえ煙草の人型怪異どもが逆ギレする。
手に手に鉄パイプを構えて暴徒と化し、数では劣る2人を威嚇する。
自分たちのテリトリーに、自分たち以外の暴力が存在するのが不本意なのだ。
だが一般市民にとってはどちらも恐ろしい災厄だ。
故に巻き添えを恐れて遠巻きに見守る中――
「――それは結構」
不意に暴徒のひとりが胴体を上下に両断された。
上半身がボトリと落ちて、ヤニ色の飛沫でアスファルトの路地を汚す。
その上に倒れてきた下半身が覆いかぶさる。
背後には長柄の大鎌を振り抜き、ボロボロのローブをなびかせた死神の姿。
鋭い鎌の刃が、倒れた男の体液の色にヌラリと光る。
デスリーパーは【影走り】で素早く接敵し、【隕鉄の巨刃】で創造された杖の先端に設置された鋭い刃を一閃したのだ。
一瞬の事だった。
くわえ煙草が反応する暇もなかった。
まるで映画に出てくる恐ろしい場面が現実になったように。
同時に他の狂える土どもも、全身の裂傷から体液を噴き出しながら崩れ落ちる。
こちらは【風の斬撃】による見えざる風の刃による斬撃である。
それが妖しくも艶やかなファントムの前で成されると、まるで魔女の呪いによって不可視の悪霊に食いちぎられたような恐ろしげな絵面と化す。
こちらも映画の中のヴィランの攻撃そのままだ。
一瞬の沈黙の後、一般市民たちの間に動揺が広がる。
何故なら裏の世界の事情を知らない一般人は、人と怪異を見分けられない。
故に今、死神とその使いによって成された行為は彼らにとって殺人だ。
だから次の獲物が自分になりはしないかと顔をこわばらせて後退り……
「……次の贄は誰かね?」
続く言葉に恐れをなして、悲鳴をあげながら散り散りに逃げ去る。
パニックだ。
逃げる人の群れの中で、親子連れの子供が転んだ。
母親は身を挺して子供をかばう。
そうしながら恐怖にひきつった顔で目前の死神に向き直り……
「……実に結構」
デスリーパーは母子を無視し、滑るような動きで立ち去った。
ファントムも後に続く。
どちらの表情もフードに隠されて見えない。
立ち上がった子供が、美女のほぼ剥き出しの形の良い尻を茫然と見送る。
もちろんヴィランの大立ち回りは路地ひとつに収まらない。
別の大通りの一角では、
「haha! ひとりも逃さないよ!」
深紅のヴィランがその名の如く火球と化し、罪なき市民を叩きのめす。
悪党の面目躍如……と思いきや、もちろん相手はくわえ煙草の狂える土だ。
罪しかない。
路地に転がる他の男たちも同じだ。
それでもファイヤーボールは歩道も車道もお構いなしに跳び回って人型怪異を地面に叩きつけるので、周囲がちょっとした渋滞になっている。
だが気にしない。
キャロルは、あの居心地のいい場所が気に入っていた。
異国で見つけた用心棒と言う立場と、三食に昼寝まで確約された毎日が魅力的だったという理由はもちろんある。
だが、本当に愉快だと思っていたのは自警団の面々との生活だ。
外敵に抗する自警団を自負しながらも暴力沙汰には不慣れな気の良い男たち。
彼らは外国人の女子供であるキャロルやメリルにも親切で、事務所には年頃の近い姉妹も出入りしていて、たまにサィモン・マイナーと友人たちが遊びに来た。
そんな気楽な生活が何時までも続くはずはないと理解してはいた。
だが、それは楽しい毎日に幕引きした直接の原因を恨まない理由にはならない。
ヴィランは身勝手だからヴィランなのだ。
故にサィモン・マイナーからの頼まれ毎を二つ返事で引き受けた。
あの最強の子供が、一連の事件の元凶の喉元に喰らいつくまでの時間稼ぎ。
そのついでに不愉快な怪異どもを叩きのめすのも悪くない。
地元では一緒くたにされがちなヴィランと怪異。
だがキャロルは、あんな奴らと一緒にされるのは御免だ。
「キャー! ヴィランが人を襲ってるわ!」
「ママー!」
「hahaha! あんたたちも、早く逃げないと黒焦げだよ!」
市民たちは逃げ惑う。
そんな本当に罪のない市民たちに害が及ばないように、その上で手加減をしているなんて微塵も感じさせないダイナミックな挙動で、
「死ネ! 女!」
「日本人ノ仲間メ! 殺シテヤル!」
「この状況で、まだ立ち向かってくる勇気だけは認めてやるよ!」
余裕のポーズを決めた体勢から予備動作もなく火の玉と化して突撃する。
鉄パイプを振り上げた暴徒の集団を、手前から順番に吹き飛ばす。
くわえ煙草の乱暴者が、更なる悪に弄ばれて叩きのめされる。
ファイヤーボールが得手とする【加速能力】による空気摩擦で燃えるほどの超スピードを最大限に活用した、その名があらわす魔術の火球の如く突撃。
それは数刻前に奴らの暗躍によって逝った【狼牙気功】と同種の超能力。
そんな炎の暴虐より少しばかり先の路地でも――
「――脆弱ナ人間ドモメ! 俺様ノ恐怖ヲ思イ知レ!」
人の形をした巨大な氷が、口から凍てつく息を噴く。
即ちイエティ。ファイヤーボールと対を成す氷のヴィラン。
噴いた吹雪は中の人ことメリルの【氷結撃】の応用だ。
故に精緻な超能力の操作によって、人を巻きこんでも冷たい以上の悪影響はないのに、身体にヤニを蓄えた人型怪異は触れただけで骨の髄まで凍らせる。
たまらず凍りついた狂える土どもを、巨体のパワーにまかせた巨拳で叩き割る。
メリルは【冷却能力】を得手とする強力な超能力者だ。
圧倒的な凍結のパワーによって、幼女は氷の巨人に変身している。
幼いメリルにとっても自警団の事務所は居心地のいい仮の住処だった。
おっちゃんたちは地元の大人とは別物のようにやさしく、紳士的だった。
メリルがどれだけ超能力を使って悪戯をしても笑って許してくれた。
霧島姉妹は特にメリルを可愛がってくれた。
サィモン・マイナーが連れてくる友人たちも、メリルの相手をしてくれた。
そんなメリルは数刻前にもイエティに変身し、警官たちと大太刀回りを繰り広げて自警団の面々が脱出する時間を稼いだ。
それが最後の恩返しになると、子供ながらも理解していた。
世話になった大人たちが皆して逃げのび、首尾よく仕事を終えた幼女は先ほどまで気持ちよく惰眠を貪っていた。
そして今度はサィモン・マイナーの仕事を手伝うために、もうひと暴れ。
今度の相手は利用された人間の警官じゃなく正真正銘の怪異だ。
先ほどのように手加減する必要もない。
暴れたい放題だ。
逃げる狂える土を、巨人の足元から放たれた小さな氷のつぶてが縫い留める。
巨人を構成しているのと同じ【冷却能力】によって放たれたつぶてだ。
遠距離戦に弱い超能力者の短所を補おうとしたメリルの新技だ。
何度か自警団の事務所を訪れたザンや他の面子で練習した。
そんな飛び道具で、彼を死に至らしめたのと同じ薄汚い喫煙者を捕えて、潰す。
だが狂える土どもも、ただ狩られるだけではない。
「オノレ!」
「コウナッタラ!」
自棄を起こして凶器を手にして怪異の本性をあらわした。
だが奴らの暴力の向かう先は、もちろん自分たちより格上のヴィランではない。
人型怪異どもが襲い始めたのは自分たちより弱い相手。
つまり逃げ惑う一般市民だ。
ヤニで濁った眼を血走らせた人型怪異は逃げ惑う市民に襲いかかる。
最初のターゲットは、か弱そうな幼い少女だ。
怪異は煙草が癒着した唇を歪めて意味のわからない奇声をあげる。
そうしながら手にした鉄パイプを、転倒したまま恐怖に歪んだ表情で自身を見やる少女めがけて振り上げ、振り下ろし――
「――おおっと! これは危ない」
凶器は虚空に阻まれた。
「無事かね? 君」
「あっありがとう! ……まさか!? おじさんは!」
不意に目前にあらわれた極彩色のマントを見やって、少女は驚愕する。
何故なら少女をかばうように立ちふさがり、振り下ろされた鉄パイプを軽々と受け止めたのは、マントと同じ極彩色のマスクをかぶったマッチョなヒーロー。
ミスター・イアソンだ。
彼の【念動盾】をもってすれば、怪異が渾身の力で振り下ろした鉄パイプを手も触れずに受け止める程度は造作ない。
「おまえはレディを扱う国際的なルールを学んだ方が良い」
言いつつイアソンは鉄拳で男を殴り飛ばす。
鍛え抜かれた筋肉を【強化能力】で強化したマッチョなパンチに、中東の大柄な男はアメコミ映画のやられ役そのままに空の彼方まで飛んでいく。
もちろん他のディフェンダーズのヒーローたちも一緒だ。
街を占拠したヴィランの軍団に立ち向かうべく、本来は米国を守るヒーロー達が再び海を越えて東洋の小国に馳せ参じたのだ。
だがヒーロー達に、ヴィランとの対決の前にしなければならない仕事ができた。
「むむっ! 彼らはゾンビにされているようですね。クラフターの仕業でしょう」
「じゃあ、そっちを先にdestroyしないとデスね!」
白黒タイツのサメ女ヒーローことシャドウ・ザ・シャークと、ギターを携えた金髪少女のドクター・プリヤが一方的に結論づけて、
「ならば、わたしにまかせておけ!」
「hehe! あたしが全部スマッシュしてやるよ!」
他のヒーローたちも四方へ散り、市民を守りながら狂える土どもを叩きのめす。
そんな一方。
県庁舎へ続く大通りを、並走する車両を避けつつ爆走するトラックの荷台で――
「――おおっと!」
避けた舞奈の鼻先を小口径ライフル弾がかすめる。
見やると通りの両端から何者かがトラックを撃ってきていた。
建物の陰に身を隠してはいるが、舞奈の鋭い視覚は誤魔化せない。
撃っているのはくわえ煙草の狂える土だ。
どいつも手にしているのは密造ライフル。
いつか警察に押収されたはずの密輸品だろう。
官憲の中に紛れこんでいた怪異の間者か?
あるいは県警そのものが殴野元酷の私兵団と化したか?
「どうやら気づかれたらしいな」
「それはそうよ。むしろ対応が遅いくらいだと思うわ」
「ハハッ! おまえの所と一緒にしてやるなよ」
トラックの荷台の隅に潜んだ舞奈と明日香は軽口を交わす。
民間警備会社を実家に持つ明日香にとっても、この事態は想定内らしい。
不幸中の幸いにも歩道に他の市民はいない。
いつの間にやら県庁の近辺にだけ戒厳令が敷かれたのかもしれない。
県知事の不祥事に端を発した騒動を隠匿する狙いだろうか?
だが無用な巻き添えを避けたい舞奈たちにとっても好都合。
「ちょっと舞奈さん、笑ってる場合じゃないんじゃ……」
「なぁに、対処はできる」
「どういう事……?」
故にフランや冴子を相手に舞奈が軽口を叩く間、明日香は素早く真言を唱え、
「――情報」
魔術語で締める。
途端、舞奈達の隣に山のように積み上げられていた鉄骨が、雑に結ばれていたロープを引き千切って宙を舞う。
席力場を鞭にして操る【力鎖】の魔術で鉄骨を持ち上げているのだ。
次の瞬間、数多の鉄骨が虚空を斬り裂きながら飛翔する。
さながら砲撃のように。
鉄骨の砲弾は狂える土どもが避ける間もなく、狙い違わず胴を貫く。
あるいは頭を潰す。
魔術で投げつけられた鉄骨が命中すると、人間や人型怪異の部位は消失する。
抵抗する余地はない。
まあ後で凄く頑張って擁護すれば、痛ましい事故だとギリギリ言い張れない事もない気はする際どい対処。
「え、えぇ……」
「凄い事をするわね……」
「ご安心を。人じゃないのは確認しています」
あまりの無茶にフランは青い顔をし、冴子も目を丸くするが気にしない。
だが次の瞬間――
「――!」
いきなり冴子が放った氷の盾が、何かに当たって爆発する。
詠唱も無く咄嗟に行使された【氷嚢防盾】。
氷盾で、続けざまに左右から飛んできたロケットランチャーを受け止めたのだ。
さらにトラックがガクンと揺れる。
今度はパンクしたようだ。
魔術による機動防御にも限界があったらしい。
別の物陰にも射手がいたのだろう。
「舞奈殿! 車を捨てるでゴザル!」
「えっ? えっ? いきなり何でやんすか?」
「タイヤを撃たれてパンクしたでゴザルよ!」
「ひゃー!」
運転席で焦るドルチェ、困惑するやんすを他所に、
「それしかないみたいだな! フランちゃんは冴子さんを頼む!」
「はい!」
舞奈も明日香と共に跳ぶ。
身体を覆う【身固・改】による防護を頼りにしつつも、アスファルトの路地を転がって衝撃を少しでも減らす。
一連の仕事で二度目だ。まったく。
側の明日香も重力を器用に操って同じように着地しつつ――
「――守護」
背後に氷の壁を建てる。
即ち【氷壁・弐式】。
後続車が壁に激突し、爆発、炎上する。
動きからしてトラックを追っていたらしい。
しかも脱出した舞奈たちを轢こうと試みたようだ。
油断も隙もない。
「グレイシャルさん! 大丈夫ですか!?」
「ええ。ありがとうフランちゃん」
「いきなり酷いでやんすよ」
「あのまま中にいたらロケット弾の餌食でゴザったよ」
他の面々も無事なようだ。
ドルチェの言葉通り、ロケットランチャーの集中砲火を喰らったトラックは映画みたいにド派手に炎上していた。
しかも射手はまだ通路の両端にいる。
「ひゃー!」
「こりゃまた」
飛んできた何発かを明日香と冴子が創造した【氷盾】【氷嚢防盾】で叩き落しながら、一行は氷壁とトラックの残骸を背にして走る。
射手を殲滅するより、そっちのが早い。
幸いにも【身固・改】の効果は全員に残っている。
小口径ライフル弾程度なら問題なく防げる。
それに事前に頭に叩きこんだ地図によると、県庁舎はもうすぐだ。
だが走るうちに左右の気配が不意に減る。
同時に並走する影が2つ。
ひとりは短機関銃を構えた金髪ツインテールのエミル。
もうひとりは小型拳銃を携え、ウェービーな長い金髪をなびかせたクラリス。
リンカー姉妹だ。
今回の件でクイーン・ネメシスが出張って来たのだから、彼女らも当然いる。
なので来たついでに舞奈たちを見つけて直接支援してくれたのだろう。
有り難い限りだ。
そう意識して少し笑った舞奈の脳内に――
(――悲しい出来事があったのね)
クラリスの声。彼女らが得手とする【精神感応】による通信だ。
気遣わしげな思念の感触は、誰かから舞奈たちの事情を聞いたからか?
あるいは【精神読解】でザンに関する舞奈の記憶を読んだのだろうか?
だが詮索するより……
(悲しい事なんかないさ。……いつもの事があっただけさ)
先方の【精神読解】を利用して、慣れた調子で誤魔化すように返事する。
仲間を失った舞奈の慰めは言葉にはない。
舞奈の強さに心酔していた、少し粗忽だが純粋で勇敢だった青年に捧げて良いのは泣き言じゃない。敵の本丸である殴野元酷の首だけだ。
そう思ったから。だから――
(――何故それが僕たちに通用すると思うんだ?)
(良いだろう? 別に)
続くエミルの、苦笑のような【精神感応】に口元を歪める。
表層思考を読む超能力に対し、ポーカーフェイスが通用するかもしれないと少しだけ思ったのは本当だ。
それでも舞奈は無理やりに脳内ポーカーフェイスを続行し、
(それより折角のパーティーなんだ、楽しんでってくれ!)
(言われるまでもないさ! お前の敵を全部、片づけてやる!)
(ハハッ! ちょっとくらい残しといてくれよ!)
脳内で軽薄に笑いつつ、改造ライフルを構えながら足を速める。
他のヴィラン達と同じように、彼女ら姉妹との最初の関係も敵としてだった。
だから共闘の末に他人や敵ではない関係になった今でも、弱みは見せたくない。
特に勝気なエミルには。
舞奈からも。
おそらく彼女の方からも。だから、
「ひゃっ!? 舞奈さん?」
「早くしないと置いてくぜ!」
いきなり駆けだした舞奈に、やんすがサブマシンガンを構えながらビックリ。
「ペースを考えなさいよ!」
文句を言う明日香を筆頭に他の面々も続く。
気づくとリンカー姉妹の姿は消えていた。
おそらく【転移能力】で本来の持ち場に戻ったのだろう。。
周囲を敵に囲まれた通りでそうしても、事が終わった後に超能力の行使を証言できる目撃者は残っていないと判断したか。
次いで通りの両端に群がっていた狂える土どもが、何の前触れもなく倒れ伏す。
こちらは【念力剣】あたりで昏倒させているのだろうか。
ペースもかなり早い。
別に銃で撃ってくれても良かったのだが。
それでも頼もしいサイキック暗殺者は舞奈たちを阻む敵を片付けてくれている。
その事実そのものが嬉しかった。
皆が協力してくれている事実そのものが、今の舞奈にとっては慰めだった。
いわば勇敢なひとりの仲間のための、舞奈が主催の追悼パーティーだ。
だから彼女らに後をまかせ、一行は県庁舎へ向かって走る。
一連の事件の元凶である殴野元酷を討つために。
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